元米国駐在員の生活密着レポ

日本に戻ってきて早2年。アメリカで生活していたなんて遠い昔のこと

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論文捏造

5年前に研究から足を洗った。

大学時代からずっと着ていた白衣を
「もう二度と袖を通すことはないんだなぁ」
と思うと、自分で決めたことながら
少し寂しかった。

それと同時に自分を押さえつけていた、目に
見えない圧力から開放されたことも確かだ。


研究なんて運だよ、なんて言われることもあるが、
まぐれはあってもちゃんとした成果を出せるのは
実力者だけだ。スポーツと同じである。

研究成果は論文(ペーパー)という形で、その
価値が世に問われる。もっと正確に言うと、
掲載雑誌(ジャーナル)の種類を問われる。

その成果の新規性、着想のおもしろさに加え、
英文としての格調がないと著明なジャーナルには
掲載してもらえないとか。
高質の結果を記したペーパーは高質のジャーナルに、
そうでないものはそうでないものに・・・

それは研究者としての名声だけでなく、組織における
ポスト、研究費などの獲得など、研究生活すべてに
影響を与えるのだ。


韓国でそして日本で相次いで起こった
「論文捏造」

すべての研究者が拠りどころにしているペーパー、
研究者としての質を判断する材料となるペーパー、
ポストや研究予算の獲得の元となるペーパー、

データを捏造して、そのペーパーを捏造した。
すばらしい結果、成果であればあるほど多くの研究者の
目をひきつけ、追試(同じ条件で繰り返してみる)される
可能性が高くなる。

芸術ではなく自然科学である以上、同じ条件で繰り返さ
れれば、同じ結果が出てこないといけないのだ。
だからすぐバレルのだ。そんなのみんな知ってることで
ある。

それでも行われる「捏造」

きっと責任感があって、背負うべき何かがあって、
追い求めるべき何かがあって、そこに到達できない
自分とのギャップに、思わず手を染めてしまったのだろう。

許されるべき行為ではないが、気持ちはわかる・・・気がする。
私のように自分の研究の能力に見切りをつけて、
新天地で新たな可能性を探せる人ばかりではないのだ。

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