チャコティの副長日誌

まだまだヤフーブログ使い倒しますよ(笑)

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制作年:2015年 制作国:日本 上映時間:136分


恒例の“邦画を1100円で楽しむ会”は戦後70年を振り返り、考える作品を観賞.
くしくもこの日は長崎原爆投下の日.
繰り返さぬ想いを込めながら、本年95本目の鑑賞.

敗戦を受け入れ、ポツダム宣言の受諾が決定した1945年8月14日の御前会議から、
翌15日の玉音放送までの戦争終結に至る激動の24時間をドキュメントした
半藤一利の同名ノンフィクションを、役所広司、本木雅弘、山崎努ら豪華キャストで映画化.

監督は「クライマーズ・ハイ」「駆込み女と駆出し男」の原田眞人.
 
1945年4月.戦況が悪化の一途を辿る中、次期首相に任命された77歳の鈴木貫太郎は、
組閣の肝となる陸軍大臣に阿南惟幾を指名する.2人はかつて、侍従長、侍従武官として
共に昭和天皇に仕えた関係でもあった.

その後、連合国によるポツダム宣言の発表に続いて、広島、長崎へ原爆が投下される.
それでもなお、陸軍の若手将校たちは本土決戦を訴え、阿南に戦争継続を強く迫る.
阿南はそんな将校たちの暴発を押さえようと対応に苦慮する.

一 方、戦争の終結か継続か、議論がまとまらない御前会議では、
鈴木首相が天皇に聖断を仰ぐのだったが….

以上は<allcinema>から転載.
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1967年版もなぜか劇場で観ている.映画好きな小学生の時だ.が、何の感想もない.
戦後70周年を迎え、この内容のこの上映.きな臭いモノを感じながらの観賞.
が、極めてプレーンな立ち位置でのノンフィクション作品だったことに安心.

原作は半藤一利、1967年版は大宅壮一.だが中味は同一だ.
半藤は1965年当時文藝春秋社員、大宅のネーム・バリューを使ったわけだね.
ゴーストライターは当時から存在していたわけだ.

今調べると、1967年版は岡本喜八監督、笠智衆が鈴木総理、阿南陸軍大臣に
三船敏郎、天皇陛下に8代目松本幸四郎と東宝を代表する名優ぞろい.
今回は松竹作品なんだけどね….

原作は同じでも脚本、演出でいくらでも中味は変わる.原田2015年版は、
鈴木総理大臣:山崎努、阿南陸軍大臣:役所広司にポイントをおいた演出.
1967年版はもっと、広範な人物に絞りをいれない演出だった気がする.

役者の演技的に印象深いのは山崎努.耳の遠いことを巧みに利用する狡猾な
鈴木貫太郎総理大臣.が戦争終結の行動の中心人物として閣議内調整、そして
天皇陛下に“聖断”を求める役目を負う.山崎努ならではの“かわした演技”を魅せる.

転じて、暴走する陸軍の統制に精魂傾ける阿南陸軍大臣役の役所広司は
山崎のようにかわさず、正面切った熱血演技.作品の冒頭は鈴木と阿南の
任命のシーンから始まるのだが、この時から既に阿南とその家族は“死”を
意識する.戦争を終わらせるための犠牲としての“死”だ.

次に印象的なのは、本木雅弘演ずる天皇陛下.じつに軽快なフットワークの
昭和天皇なのだ.歩く造作や動きが軽快なのに加え、臣下への配慮も細やかで、
意外性を感じさせる演出.が、当然御前会議や玉音放送の録音シーンなどでは
十二分な威厳を演ずる.本木の年代では難しかろうと思いながらも感心の演技.

若手の演技についても書いておこう.ウリは松坂桃李、クーデーターを目論む
畑中陸軍少佐役だ.絶対的な本土決戦を主張し、上官を含め説得する様は
額に血管を浮き上がらせるほどの熱狂的演技.イメージからは外れる意外さ.

もう一人、ワンポイントでしか出演しないのだけど、印象的な位置付けの女優がいた.
松坂桃李演ずる畑中少佐がNHKを乗っ取り、玉音放送の前にその決起を
訴えようとする時に、銃を突きつけられながらも放送設備の電源を落とし、
ヒモで結わいて使用出来ないようにする役に、なんと戸田恵梨香.

今年の名作「駆け込み女…」の時と同じ顔付き、くっきりと理不尽に対立する意志を
示す演技.古風な昭和戦争時の服装だけど、キラリ光る存在感だった.
ちなみにエンディング・クレジットでは彼女の名は「特別出演」とあった.

その放送出来ないマイクに向かって、松坂桃李演ずる畑中少佐は演説をする.
ポツダム宣言受託拒否、徹底本土抗戦…その狂気にも似た想いの発言を聞いて、
なぜか昨今の自民党若手のアホ議員のトゥィッター発言を連想してしまった.
いまも存在するこの種の人間批判と受け止めるならこの作品は正しい.

決してきな臭くはなく、まともなフィクション作品.
こういうフラットな演出が出来る様になった原田眞人のランクアップ、
但し商業監督としてだが(笑)、は評価したいと思う.


8月9日にふさわしい作品を観たことを感謝.










閉じる コメント(22)

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最近テレビでも色々戦争関係やってますね
昨日見たテレビで トルーマンが日本人は畜生だと言ってたそうで
ルーズベルトの時は 投下前に 知らせるだったのが
トルーマンは知らないとし 爆撃を受けていない都市を選び
そして 何より許せないのは 原爆投下は実験だったこと

2015/8/10(月) 午前 11:01 きみちゃん 返信する

> きみちゃんさん
本作中で、戦中のルーズベルトの死を悼む文を鈴木貫太郎が作るシーンがありました。敵ながらも敬われる位置付けであったと再認識しました。反してトルーマンは米国内でも評判悪いですよねえ…。
ナイスありがとうございます。

2015/8/10(月) 午前 11:50 チャコティ副長 返信する

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前作の作品はドキメンタリータッチの雰囲気が好きで、日本映画の傑作だと思っていました。
将校達が怒鳴り合いを続ける映画ですが、笠智衆演じる鈴木首相のひょうひょうとした演技が好きで、リメイクするなら片岡鶴太郎に鈴木首相を演じてほしかったです。阿南陸軍大臣は渡辺謙、海軍大臣は加山雄三あたりでしたね・・・・。
前作は昭和天皇は声だけで人は出できませんでしたが、新作は本木雅弘ですか。前作では戦争続行を叫んで首相宅を襲撃する狂信的将校は天本英世でしたが、これは内田裕也が適任でした。
黒沢年男の演じる青年将校の危機せまる目の演技が凄かった、新作ではどこかに出でいませんでしたが?、

2015/8/10(月) 午前 11:50 [ flingscottomomi ] 返信する

> flingscottomomiさん
本作は前作に比すれば多少ドラマチックに描いてあるかもしれません。特に阿南大臣の部分が同情的、感情的であります。本作では鈴木貫太郎邸襲撃シーンはカットされていました。
青年将校の役柄が松坂桃李だと思います。最後は宮城前で自決する役柄でした。

2015/8/10(月) 午後 0:03 チャコティ副長 返信する

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ここの所、戦争の映画とドラマをずっと見ている・・
これはノーチェックでした。
良さそうですね。見てみたいデス。

今日は雨が降りましたね。
何だか蒸し暑くなってしまって・・(@_@。
バテないように☆彡

2015/8/10(月) 午後 0:55 [ 小梅ママ ] 返信する

> 小梅と小麦と小豆さん
今日も元気に神楽坂で反戦映画を観てました。
この時期は…戦争を考える時期なんですね。
おぉ横浜は雨が降りましたか。洗濯モノ外に出さなくて良かった…と主夫に立ち戻った副長であります。ナイスありがとうございます。

2015/8/10(月) 午後 2:43 チャコティ副長 返信する

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旧作は以前は終戦記念日にTVで良くやっており、毎年楽しみにしていたのですが、ここ10年ぐらいは放送がありません。リメイク版が出来た今年あたりまた8月15日にTVでやらないかなとと考えています。
それから、上野の芸大美術館で「幽霊画展」をやっています、丸山応挙を始め日本の有名な幽霊画が沢山出でいますので、是非ご覧いただける事を薦めいたします。

2015/8/10(月) 午後 7:07 [ flingscottomomi ] 返信する

> flingscottomomiさん
モノクロ映画はなかなかTV局演ってくれませんよね.この終戦記念日には期待しちゃおうかな?
芸大美術館この頃企画展頑張ってますねぇ、ちょっと涼しくなりに生きましょうかね! 情報ありがとうございます.

2015/8/10(月) 午後 7:08 チャコティ副長 返信する

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BSで終戦記念日に1967年版を放送するみたいですね。
しっかり見比べようと思います。
今作品は、細かい部分はドラマですが、大きな事象は史実に沿っていました。
ただ、各閣僚、特に海軍と陸軍の両大臣の思惑は、見どころでしたね。もっくんの昭和天皇は上手かった。プレッシャーのかかる役を見事に演じていました。
恐れ多いかもしれませんが、彼なら昭和天皇の映画でも演じれると思いましたが。
TBお願いします。

2015/8/11(火) 午前 8:32 atts1964 返信する

> atts1964さん
それは良いですね。1967版も48年ぶりに観てみようかな?
元木の天皇陛下は上手い演技でしたね、彼ならではです。でも個人的には、イッセー尾形の昭和天皇が好きだったりします(笑)。
トラバありがとうございます。

2015/8/11(火) 午前 8:39 チャコティ副長 返信する

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妹は今日がレディースデーなので、ひとりで見に行くと…言ってます。私が褒めたので。

2015/8/12(水) 午前 8:56 めーちゃん。 返信する

> めーちゃん。
人に褒める映画ですよね♪。

2015/8/12(水) 午前 9:51 チャコティ副長 返信する

今日夕方からの回で観てきました。
地元の映画館、昼夜二回のみの上映、高齢者の観客動員が期待できるのに箱も小さい、何故に?
なので昨日満席で見れず、今日の昼も見れず、三度目にようやく。

良くも悪くも原田監督らしい映画だと思いました。
喜八版と比べてはいけない、リメイクじゃあないんだ、と思いながら観ましたが、無難に、フラットにというのは確かにそうでした。
そして原田監督ならではの映像が美しかったです。
ただ、情緒的なのが好みではない私はどうしても喜八版のドキュメンタリータッチとは比べられないと思ってしまいました。
特に家族愛を出し過ぎがよくなかった、山崎務さん出色の出来、堤さんも良かった。
問題は海軍大臣、かつての山村総さんと比べると・・・汗
出さなくても良い過剰演出の阿南の妻、あの時代の軍人の妻として何であの女優さん(誰?)、舌足らずの話し方が酷い。
で、熱演の役所さんには申し訳ありませんが、三船さんには太刀打ちできませんでした、いろいろ気になるところのある映画でした。
つづく↓

2015/8/13(木) 午後 10:41 じゃむとまるこ 返信する

冒頭の「本土決戦になったら、この桜はもう見ることもできないね」というシーンが台詞も深く、映像も素晴らしかったです、この映画で一番好きなシーンです。

2015/8/13(木) 午後 10:41 じゃむとまるこ 返信する

> じゃむとまるこさん
そんなに混んでいましたか….喜八版の記憶が薄くて、なかなか比較できませんでした.そう海軍大佐の扱いが配役も含め低かったですね.阿南の妻の演技とあの内容には触れなかったのはあまりにも当時の軍人家族の型にはまった演出だったからで、嘘っぱちらしかったからです.どうやら終戦の日に喜八版の放送があるそう、期待してます.ナイスありがとうございました.

2015/8/13(木) 午後 11:08 チャコティ副長 返信する

> じゃむとまるこさん
そうそう、山崎版鈴木貫太郎の名演技の一端ですよね、印象深いシーンでした♪.

2015/8/13(木) 午後 11:09 チャコティ副長 返信する

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終戦記念日の今日、観て参りました!フラットなのがありがたかったです。
背中を押していただき、ありがとうございます。
TBさせてくださいませ。

2015/8/15(土) 午後 7:58 アンダンテ 返信する

> アンダンテさん
今の時代ほど、偏っていないことが尊ばれる…不思議なことですね(苦笑).原田監督なりの商業魂と芸術魂のせめぎ合いの結果でしょうか.微妙なバランスが成立してました.トラバありがとうございます.

2015/8/15(土) 午後 10:00 チャコティ副長 返信する

こんにちは♪
やっと感想を書けましたのでお邪魔致しました。
70年前の宮城事件が起こった8月14日に観ました。
ジャスト70年前にタイムスリップした気分を味わおうと。
少し現代人的感傷を感じましたが、概ね良かったと思います。
モッくんは玉音盤放送を自身でダメ出しする程の入れ込みようだったとか。
出演者其々の役者魂!を感じた良い映画でした。
TBさせてください♪

2015/8/25(火) 午後 3:56 風森湛 返信する

> 風森湛さん
重いテーマのわりには、フラットで軽く観られましたね.良い作品でした.今どきの役者の中ではベスト・キャスティングだったかも?.
ナイスありがとうございます.

2015/8/25(火) 午後 8:34 チャコティ副長 返信する

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