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308議席という圧倒的多数を得て、民主党政権はスタートする。今回の選挙で、民主党が一番に訴えていた「政権交代」は成し遂げられるが、現実の政治における道のりは、そうそう楽なものではない。そこで、当面、民主党がクリアすべき課題を考えてみた。
まずは連立協議、特に社民党とのそれは問題なく進むかどうかという不安がある。具体的には外交における合意。社民党は今回の選挙におけるマニフェストにおいて、「日米同盟の強化に反対」と明言し、日米地位協定の全面改正を求めるとしている。国連中心の外交を志向するにしても、日米同盟は日本外交におけるバックボーンである。それを「強化に反対」などとは、著者は論外であると思う。また、安全保障において、何の担保もなく日米同盟を弱体化させることなど不可能であるし、地位協定についてはアメリカ側は他の同盟国との関係もあるので、かなりナーバスになっている。
また、同マニフェストでは、「自衛隊を縮小・改編」するとも謳い、「インド洋に派遣している自衛艦は撤退します。自衛隊の海外派遣のための恒久法の制定は行いません」としている。民主党内でも安全保障に関しては様々な意見があるが、上記のような考え方の社民党とどう妥協し、連立を組んでいくのか。参議院では民主党は過半数を持っていないことを考えれば、ある程度の妥協は止むを得ないだろうが、日本一国だけの問題にとどまらない外交政策だけに、難航が予想される。
そして組閣。すでにメディアでは具体的名を上げた予測が行われているが、党内バランスを考えると、これもなかなか難しいものがある。どのような哲学で組閣を進めていくかについて、漫画家のやくみつる氏は、「実務型」、「インパクト型」という内閣の考え方があるが、彼個人としては、インパクトのある顔ぶれをそろえた内閣を期待しているという主旨のことをテレビ番組で語っていた。
確かに人気のある人、知名度のある人を閣僚に起用した方が華やかさはあるだろう。ただ、着実に政治システムを変え、マニフェストに掲げた政策を実行していくためには、「実務型」が望ましいように思われる。ここでいう「実務型」とは、自民党時代のような、当該省庁出身であるとか、族議員であるという意味ではもちろんなく、スピード感を持って政策を実行していけるだけの知識・実行力を持ち、中長期的には、政治家主導の政治システムを構築していくための土台作りができる見識を持った政治家、という意味である。
民主党にそれだけの人材がいるのか、との議論はあろうが、とにかく現状の手駒の中で、「ベスト・アンド・ブライテスト」の布陣でいくしかないだろう。著者が個人的に注目しているのは、岡田幹事長をどのポストに就けるか、ということだ。彼は知識、実行力、安定感を兼ね備えているのでどの重要閣僚でもいけると思うが、外交の継続性を重視して外務大臣、あるいはその発信力に期待し官房長官あたりが妥当ではないか。いずれにせよ、民主党の将来を考えた場合、彼がキーパーソンとして閣内で活躍することを期待する。
組閣を終え、政権が発足すると、来年度予算編成という最初の山場が訪れる。子ども手当て、公立高校無料化、高速道路無料化など、民主党はマニフェストで、自民党からは「バラマキ」と批判される多くの政策実現を約束した。それらの政策の財源として、来年度は7.1兆円が必要とされている。その財源を生み出すおおよその目算はあるだろう。ただ、このような大きな金額となると、財務官僚の協力なしには手当てできないと考えられる。その姿が、国民の目には「官僚に取り込まれた」と映らないとも限らない。そういう意味では、様々な面で情報公開を行い、政治の透明化を図りつつ政策を実現していくことが求められる。
アメリカの政界には、「ハネムーン」と呼ばれ、大統領の就任後100日間程度は、メディアは新大統領の批判は控えるという慣例がある。視聴率さえ取れればいいという日本のテレビや、批判することが使命と勘違いしているような新聞・雑誌などにそのような紳士協定は期待できない。となると、民主党はできるだけ早い段階で、何らかの「結果」を出さなければならない。霞が関改革でも、暮らしでも、雇用でもどの分野でもいい。何か、「政治は変わるんだ」と国民に実感させるシンボリックな兆しを見せてほしい。
308議席を取ってしまったことで、民主党が超えていくべきハードルは高くなった。積極的支持ではないにしても、民主党へ投票した有権者の絶対数は予想以上に増えたからだ。また、野党自民党も手ぐすね引いて民主党の「失策」を待っている。かと言って萎縮する必要は全くない。難問山積とは言え、自分たちが描いた理想に向かって、淡々と政治を行っていけばいい。われわれ国民も、瑣事で大騒ぎするメディアに乗せられず、少なくとも100日程度は、辛抱強く民主党政治を見守ってもいいのではないか。
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>少なくとも100日程度は、辛抱強く民主党政治を見守ってもいいので>はないか。
昨夜のNHK番組でもそういう一般の声が結構あったようだ。しかしそれに甘えず思い切ってやるべきことをどんどん断行したらいい。
後で悔いの残らないよう。
2009/9/1(火) 午前 5:23
現在の日本の状況では100日間黙って見ていてくれ・・・は難しいでしょうね。
少なくとも日米同盟の問題は、まず確実に社民党との連立には障害となっていきますが、考えて見れば社民党の前身である社会党・・・、何と自民党との連立内閣を組んだことがありますから、社民党も何かの取引でこうしたことをクリアしていく可能性はありますね。ピンクのスーツを着た福島さんの笑顔を見ていると、何となくそんなことを感じますが、それにしても田中真紀子さんと福島さんが並んだショットは少し衝撃があるかも知れません。
また組閣についても有能な人材があれば落選した自民党元議員でも入閣させるような意気込みが欲しいですが、こちらは多分無理な相談でしょうね・・・。
2009/9/1(火) 午前 8:05
すずめにとっては新内閣の応援の仕方を考えます(^^)
「社民党」のこと
対米は51番目の州ではないことと
唯一の被爆国でありことの責任と
長崎の被爆天主堂撤去の真実確認を共有する。
「自衛隊」
殺人器銃等で自助し、兵器で世界を威嚇する米をお手本にしない
「実務型」「インパクト型」
どちらでもよろしゅう御座います。進捗の透明化と公表
政府を育てるのも国民なのでしょうね
自民党の仰る「バラマキ」批判は
御自分の足跡が見えないのでしょうね
マスコミ
積極的にメディアに出て
軽薄なコメンテーターとディベートして
国民に、安心と安全と幸せのマップを
伝えて頂ければOK!!(*^-^*)
2009/9/1(火) 午前 11:32 [ 赤い すずめ ]
連立については、それほど心配していません。
民主党には連立する必要はそれほどありませんから(参院も協力程度で十分)、後は社民党が飲むかどうか、というところだろうと思います。
組閣は一つの山場でしょう、しかし今はまだ風が吹いていますから、ことさらインパクトを出す必要もないかと思います。
今後の長い道程を考えれば、実務型にしてその後に来る民意のゆれ戻しを成果で抑えるしかないでしょう。
なによりも「政治主導」をやるのなら、自民党時代とは違い実務能力は絶対の条件になるはずです。
予算編成、財務省から昨日90億円弱の予算概案が示されたとか。
一点一点いまからその必要性を確認していくのは困難ですが、かといって「減らせ」といってすぐ減るようなら苦労はありません。
もしも実務能力のない大臣を選んだ場合、この段階で挫折するかもしれません。
まずは能力のある人を閣僚に起用して、痛みを抑えつつ無駄を省いた予算案を作る、そこが第一のポイントになるかと思います。
年が明ければイラク給油の面で今度はイデオロギーの大喧嘩になるはず、その前に予算案を通じて能力をアピールしないと厳しい気がします。
2009/9/1(火) 午後 2:23
tadさん、こんばんは。
そうですね。確かにやれることはどんどんやっていくのが、民主党への信頼を高めていく一番の近道ですね。93年の政権交代では、「あの時こうであったなら」という後悔がたくさんありましたから。
2009/9/3(木) 午前 1:42
社民党が何処まで譲歩するか見物ですね。ソマリア沖から自衛隊を撤退させたら民主党は終わり、撤退させなかったら社民党が終わりでしょうから。
組閣は実務型、全て党所属の国会議員で占めるべきです。サプライズを伴うインパクト型等など所詮はその場しのぎ、成果が出せなければ意味は有りません。どうしても欲しい民間人は補佐官、秘書官で登用すれば済む事でしょう。民主党の実力を見せる所からスタートするのが筋と思われます。
2009/9/3(木) 午前 1:48 [ 憂国烈士 ]
オールドパッションさん、こんばんは。
確かに「100日間…」というのは現実的には無理でしょうね。社民党も全国レベルでは、「閣外協力にとどめておくべきでは」との意見もあるようですが、今日の報道を見る限りでは、ある程度の妥協点は見出せるように思います。
確かに、自民党とは一味違った新鮮な組閣が見たいですね。まずは国民に実績を見せていく必要がありますので、自民党みたいに党内バランスに配慮したような組閣だけは避け、能力重視で行ってほしいものです。
2009/9/3(木) 午前 1:50
赤い すずめさん、こんばんは。
悲観的に見ていけば切りがないので、仰るとおり、最低限の原則は重視するとして、ポジティブに見ていけばいいですよね。僕も肯定的思考に切り替えて、新政権を応援していきたいと思います。
2009/9/3(木) 午前 1:54
Yadaさん、こんばんは。
当然のことですが、やはり能力重視の組閣を行い、国民の政治主導への期待感を維持しつつ、予算案でマニフェストの中でも優先順位の高いものを目玉にしていくことでしょうね。
2009/9/3(木) 午前 2:04
憂国烈士さん、こんばんは。
そうですね、ソマリア沖の問題に関しては難航するでしょうね。社会党崩壊の前例もあるので社民党は簡単には譲れないでしょうから。
組閣に関しては、やはり奇をてらわず、実務的に現状でベストと思われる布陣でいくべきでしょうね。そして、なるべく早く国民に期待感を与えてほしいものです。
2009/9/3(木) 午前 2:21
同感です、政権政党の経験のない政党が初めから順調なスタ−トなど切れるはずがありません。
私も社民党との連立には反対です。
2009/9/4(金) 午後 5:54