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1970&80年代には歌謡曲やアイドルポップスという分野が存在し、それこそたくさんのヒット曲が世に生まれ出ていた。しかしながらそれら量産されたポップス達のすべてが陽の目を見れたかと言えば♪いいえ〜ソレは嘘〜という状態になったりもする。業界にはチャート誌(オリコンやミュージックリサーチなど)というものが存在し、その誌面上にて楽曲に対する順位付けが成されていた(←ソレは今でもだけど)からである。

そうした順位にて100位以内に食い込むことが出来た楽曲だけが、現在も「トップ100」入りを果たしたチューンとして公式記録に残され、そうでなかったチューンは100位以下、いわゆる…

圏外曲

として一括りにされてしまい公式記録も一切合財残らない…という、なんだか切ない扱いになっていたりもする。

ただ100位以内に食い込むことが出来なかったとは言え、その中にはもっと売れてしかるべきメロ、いわゆる‘売れ線メロ’を充分に湛えた素晴らしい楽曲だって存在したものである。例えば…

「ミスター不思議」 川島恵
「紫外線」 沢田玉恵
「6年たったら」 五十嵐夕紀
「恋のローラーブーツ」 比企理恵
「シンデレラ」 高見知佳
「マーマレード気分」 甲斐智枝美
「ちょっと春風」 
「風のシルエット」 以上、沢田富美子
「水色のカチューシャ」 小林千絵
「君はナチュラル」 スコッチ 

などなど…なんだかこうして挙げているとキリがないし、贔屓目にもなってくるのでこの辺でやめておくことにする。上に挙げたどの楽曲も100位入りを果たしていないというのがにわかに信じがたいほど…売れ線メロを湛えたチューン達なのである。

今回ご紹介しようと思っているこの曲も…実は↑のお仲間さんとして名を連ねるチューンということになる。この曲はオリコンの100位に入るか入らないかの一線はおろか、ソレを遥かに下回る位置にしか到達出来なかった1曲…キャッチーなメロにはじけるようなポップセンスを湛えた見事な出来栄えだったにもかかわらず…である。

表題の「ハニーハニーSunshine Girl」は新田純一さんのシングル第3弾として、1982年9月21日に発売された楽曲である。新田さんと言えば…

マッチ似

で男性アイドルのニューホープとして、同年の4月21日にキングレコードより「Hop・ Step・愛(Love)」という楽曲で満を持してのアイドル歌手デビューを飾った方である。純一さんはデビュー前から評判もすこぶる高く人気も上々。そんな勢いに乗ってNHK「レッツゴーヤング」のサンデーズの一員としても選出されるなど、芸能生活早々から順風満帆なスタートを切っていたものである。そんな彼がデビュー曲、そして第2弾の「サマー・セクシー」と立て続けにリリースした後のサードシングルとしてカマしてきたのが、この表題曲だったということになる。

作詞を担当したのは三浦徳子さん、作曲を手がけたのは大沢誉志幸氏というコンビである。三浦徳子さんは言うまでもなく、太陽の女王の初期作品などで知られる大御所の作詞家さん。大沢氏至っては後に自らがシンガーとしてもご活躍された方だが、この楽曲を書かれた時点ではまだご本人がソロ歌手としてデビューする前…のことである。彼はアイドルや歌謡曲分野の歌手に楽曲を提供することに関しては意外にも積極的(←そういう風には見えないけど^^;)であり…

「1/2の神話」 中森明菜
「ラ・ヴィアンローズ」 吉川晃司
「おまえにチェックイン」
「晴れのちBLUE BOY」 以上、沢田研二
「永遠の友達」 小泉今日子
「抱いた腰がチャッチャッチャ」 ビートたけし
「センチメンタル・ハイウェイ」 田原俊彦

このように楽曲を提供していたのである。こうしたチューンの中でも新田純一さんの表題曲は大沢氏ワークにおける草創期作品、いわばパイオニアとして位置する楽曲と言ってもいいだろうか。なんといっても中森明菜さんが唄って大ヒットした「1/2の神話」ですら1983年の発売であるからして。新田さんの表題曲はその時期を遡ること5ケ月も前に産声を上げていた…ということになる。大沢氏が他歌手に提供した作品におけるお初がどの曲だったのか…コレに関してはハッキリしないのだけれどもネ。いずれにしても新田さん陣営…かなり先見の目があったかと思われるセンスの良さなのである。そんなこの楽曲はイントロの時点から…

チャッチャッチャチャチャッ チャチャチャチッ

というハンドクラッピングを思わせるような威勢の良い音色から始まる。なんだかスタジアムでニッポンチャチャチャ!と応援でもカマしてるような…実に小気味良いサウンドである。楽曲全体のアレンジを見ても小編成のバンド(ドラム、ギター、ベース、キーボード)あたりでもこなせそうなシンプルでタイト、フットワークの良さを感じさせるようなスパイスがふりかけられている。男性アイドルにはピッタリコンコンの爽やかさ加減である。でもってココから間髪入れずに新田さんは…

♪Look! Look at me
 照れずに見つめて Shall we go
 Look! Look at me
 抱きしめあおうよ Shall we dance
 今すぐ 僕に笑顔見せて
 ハニーハニー Sunshine Girl!  

という、いわゆる頭サビを元気いっぱいにアイドルらしく唄い始めるのである。

そもそもこの楽曲は不二家のチョコレート「LOOK」のコマソン(+ご本人様も出演)としてタイアップが付いたもの。ここまで書けばなぜに歌詞の冒頭からLOOKがしこたま状態なのか…頷けるというものである。

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二人でパイナップル「LOOK」をしこたま宣伝チョコをほおばる新田さんラインナップは3種類

このテのコマソンタイアップ曲は作り手側の苦労がニギニギと垣間見れたりもする。なんといってもクライアントから指定された商品名やそのイメージを楽曲の中に上手く盛り込まなければならず、また決められたとある一定の小フィールドの中だけでその創作活動を余儀なくされるという、ハードワークとおぼしき作業だからである。このテのチューンといってふと思いつくのは…

「気分を着替えて」 中島はるみ(カネボウ「マイデイト」のコマソン)
「パンプキン・ラブ」 沢村美奈子(グリコ「パンプキンパイ」のコマソン)
「ときめきTouch Me」 渡辺めぐみ(資生堂「バーミーウインド」のコマソン)
「バスクリンビーチ」 河合夕子(ツムラ順天堂「バスクリン」のコマソン)

などなど…↑のどれにも商品名若しくはソレに準ずるワードや動作が歌詞に練りこまれておりましたものね。しかも最後のなんて商品名そのまんまタイトルってのが…夕子さんスゴっ!(笑)

♪車の波に ふり向いた君
 何か言いかけ 途中でやめた
 聞こえぬふりして僕はいたけど
 言いかけた言葉 知ってるさ

「聞こえないフリをしたけどさ。言いかけた言葉は知ってるんだ。君は僕がスキ…なんだろ?」要は新しい恋のはじまりのお歌…である。アイドルのシングル第3弾+ポップで明るいメロと来れば賞レースの勝負曲としてはお誂え向きのモチーフと言えただろう。新田さんはデビュー曲やセカンドでも似たようなモチーフを唄っていたのだが、セカンドの「サマーセクシー」ではちょいと荒げたロック調にしたことが裏目に出てしまい大失速!ということでデビュー曲での好調っぷりよもう一度!と失速からの生還を強くキトーした上で、このような選曲になったのかもしれない、おそらくは。

それにしてもなんてキャッチーでポップ…それでいてパンチの効いた曲なんだろうか。ソロとしてデビューをカマす前の大沢氏の提供曲ということだけれども…この時点ですでに作家としてのセンスの良さをメチャメチャ見せつけてくれちゃったりで。たしかに筆者も当時…この曲がダイスキだった。何かといえばこの曲の頭サビばかりをハナウタしていたものである。

この曲を唄った新田さん…たしかアイドルとしてはめずらしいスーツっぽいデザインのお衣装だったと記憶する。上着はいつも脱いだ状態(←ってか最初っから無かったのかも)で、白いシャツにベストそしてネクタイにトラウザーズといった出で立ち。なんだかとっても爽やかなフレッシャーズみたいな格好だった。同時代に活躍したアイドルのソレラを考えたらやや地味なデザインだったのかもしれないが、ソレがかえって新鮮だったりもして…チャラチャラした衣装を着た某男性トップアイドルよりよっぽどカッコ良く見えたものである。

なのになのに…この曲はレビュー冒頭でも触れたとおり、オリコンの100位以内にチャートインしてくることは無かったのである。最高位がどの位置だったのか…詳しい順位は記録してないのだが、筆者の記憶によれば140位台…うっ、ウソでしょ!!順位にはあまりこだわりたくはないけれど...ちょっと信じられまへんで、コレ。思いっきり圏外じゃん!

この高品質な楽曲、不二家チョコとのタイアップ、新田さんのカッコ良さで挑んでも…この切ない結果である。コレは一体どういうことだったのか…1980年デビューのTさんや翌年デビューのMさん、新田さんと同年デビューの信号機(赤青黄色)ユニット…どいつもこいつも‘アソコ’の所属である。新田さんは新栄プロ+キングレコードという組み合わせで…

イメージ 6「Hop・Step・愛(LOVE)」オリコン最高28位、4.6万枚

デビュー曲はトップ30にチャートインする絶好調ぶり。でもってセカンドの「サマー・セクシー」はというと…コレがなんでかなぁ〜どうにかこうにか滑り込みセーフ!といった位置でのチャートインだったと記憶する。デビュー時にあんなに好調だった人のセカンドがここまでの大失速!う〜ん...コレはどうもキナ臭いことこの上なかったりもするのである。腹黒いことで悪名高き芸能界のことだからねぇ…まぁ、当時その業界に身を置いていたワケではないからその詳細に関してはよく分からないのだけれども。いずれにしてもこの不可解な結果には…

♪Look! Look at me
 ハードに愛して Shall we go

新田クンをハードに愛して一生懸命応援したのにぃ〜キィ〜ッ!!ハンカチをギュっとしぼるほど思い切り泣いたわん!

こんな風に悔し泣きしまくった新田クン大好き少女達も多かったのではないかと思われるのである。こんなんじゃアンタ…

ハニーハニーSunshine Girl

サンシャインどころか、どしゃ降りのズブ濡れ状態じゃないのさ!新田さん的にも…

♪Look! Look at me

もっとオレを見ろよ!と言わんばかりのご心境だったに違いないか。全くもう…

♪いい加減にしてぇ〜〜〜

プンプン。(笑)

☆作品データ
作詞:三浦徳子 作曲:大沢誉志幸(1982年度作品・キングレコード)

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