|
♪ふわり ふわふわ春ですね 早いもので3月もあとわずか。ひえ〜なんと時の流れとは早いものなのか!おそらくは東京あたりじゃ桜もそろそろ開花し始めて、それこそ春爛漫なふわっふわの春がやってきているのではないかと思われ。全くもって羨ましい限りでゴザイマス。こちらメルボルンは四季はあれど、日本のそれほどに‘季節’を象徴するものがなく、春が来たのかなんなのか…なんだか分らないうちに暖かくなってしまうのがオチだったりもするのである。 さて、今回のレビューはこのブログの常連様でもあるこうそくひれん1号様からのリクに敏感に反応させて頂いて、今の時期にはピッタリのふわりふわふわの曲、あの方が放ったこのハルウタをレビュってみたいと思うのでありまする。 表題の「花吹雪」は杉田愛子さんのデビュー曲として、1981年2月21日に発売された楽曲である。杉田さんと言えば「スタ誕」出身、しかも第31回大会においてグランドチャンピオンを獲得した方としても知られる。所属はなんとあのサン・ミュージック…そう、あの‘女王’が籍を置いていたトコロであり、愛子さんは女王の後輩にあたる。愛子さんの芸名だってその事務所の伝統に則ったもの。 桜田淳子 松田聖子 ほらね。すべての名字が植物のお名前になっていたの。この後にも桑田靖子…って続いたのだけどね。本レビューの主役でもある杉田さんは言うまでもなく‘杉’。ここから考えてもサンミュがかなり気合を入れて売って行こう!とする姿勢が見て取れる芸名だったのである。 そんな愛子さんのデビュー曲は作詞を吉岡治氏が、作曲を市川昭介氏が手がけたもの。愛子さんは「スタ誕」がデビューのきっかけだったけれども、市川センセイの門下生でもあったらしい。そのご縁からなのか、デビュー曲はスタ誕で審査員を務めていたセンセイ方の作品ではなく市川センセイ直々による書き下ろしという、新人歌手としては、実に豪華なプレゼントを授かってのスタートと相成ったのである。 作詞をされた吉岡治氏と言えば、それこそ… 「天城越え」 石川さゆり 「さざんかの宿」 大川栄作 といった演歌界のヒット曲とも言えるべき作品群で知られる方である。しかしながらこの吉岡センセイは… 山下達郎 石川セリ といったポップス歌手にも歌詞を提供し、また… 「燃えてヒーロー」 (アニメ「キャプテン翼」のOP) 「おもちゃのチャチャチャ」 (補作詞として・野坂昭如氏と連名) などなど…お子様向けのアニソンやら童謡などもこなされるという、あらまぁ!これまたスゴイ関連性のなさ。でもこの幅広ワークは特筆に値しますわね。そんなセンセイ方が作られた愛子さんのデビュー曲。う〜ん、アイドルなのか演歌なのか…その境界線が実にあやふやな1曲だったったりもする。おそらくはアイドル演歌ってなカテゴライズでいいのかと思われ。愛子さんがデビューされた当初はまだその年齢がお若かったため、いきなりド演歌でデビューさせるよりはこうした青春歌謡のような風情の曲の方がデビュー曲としてはベターであろう…そんなコンセプトがあったのだろうか。そういったことからジャンルを越えた歌詞作りがお得意だった吉岡センセイを作詞家として起用…となったのかしらん、おそらくは。 愛子さんのお声やその類まれな歌唱力を思うに…ポスト森昌子あたりを狙ってのデビューといった風情がしこたまでもある。スタ誕の決戦大会で歌唱されたのが昌子さんの「なみだの桟橋」だったから、当然の成り行きとも言えるか。でも↑のレコジャケにおける愛子さんの笑顔や小首をかしげたポ−ズは…アイドルの要素も加えました〜!といった風情もありきで。ただし、この曲を引っさげて「スタ誕」の歌コーナーに出てきたときは…なぜか前髪が著しく‘ON THE まゆ毛’状態となっていたもの…ポスト森昌子ならばと…レコジャケ撮影後にチョキン…っとされちゃったのね、可哀相。(笑) ♪あなたの肩を 春がすべる 恋はいつでも 遠回り 遠回り この唄い出し冒頭だけだと演歌という風情はうすうす。アイドルポップスと言っても遜色ない歌詞である。さすがの吉岡センセイ作品である。 ♪ふわり ふわふわ春ですね(春ですね) あぁ 追いかけて 追いかけて 唄い出しに続くこの部分も↑に同じく…アイドルの雰囲気がしこたまである。ただ、さすがは市川センセイの門下生…曲が盛り上がるにつれてその歌唱もそれなりにあらわになってゆくのでゴザイマス。特に♪あぁ〜追いかけて〜の部分からはそれまでのふんわり軽め歌唱がガラっと変わったりもする。それこそ軽いコブシも回しちゃって頑張っちゃうトコロ…でもある。なんだかそれまで意識して抑え目に唄っていたものが一気に噴き出し、愛子さんの演歌魂が炸裂!といった風情が無きにしも非ず。まぁ、なんといってもここは歌のヤマ場&聴かせドコロだもの…盛り上げないワケにはいかず。ご本人様にとっても「よ〜し、ここで魅せるわよん!」といった‘お歌の上手さ披露場所’だったのかと思われ。 ♪わたしは春風 心も命も赤く染まるほど あなたにあげたい 花吹雪 ‘命’ってお言葉が入ってるのが、この曲において唯一‘演歌’としての風情を匂わす箇所だろうか。曲メロを市川センセイでなく他センセイ(←ポップスの)が書き換えたとしたら…純粋なアイドルポップスとしても充分に使えそうな歌詞だったりもする。それこそ♪ハートがピンクに染まっちゃう〜とかってちょこっと歌詞も書き換えてね。(笑) この曲に関してはここら辺のサジ加減が実に上手いトコロであり、お若かった愛子さんをアイドルと演歌の中間として売り出すには、ちょうど良い塩梅の仕上がりっぷりとなっていたのである。 このデビュー曲は「スタ誕」でご本人様出演のPVとともにタップリコンコンとお披露目され、また愛子さんはサンミュの大型新人として大々的に売り出されたもの。彼女は81年組、しかも女性ということで、残念ながら例の‘暗黒組’という振り分けがなされてしまう方でもある。その暗黒ぶりがたたってしまったのか、この出来の良いデビュー曲はオリコンのTOP100に食い込んでくることはなかった。記憶によれば最高順位は140位あたりである。しかし発売後は3ヶ月以上ものスパンでその近辺に長らく滞在、折れ線グラフは幅の広い山形を描いていたものである。当時の140位近辺の売り上げ枚数平均(週)が1500枚程度だったことを考えても、実売枚数的にはそこそこの達成率はあったものかと思われるのである。 またこの曲における特筆すべき点は明るさと切なさの両方を備えたイントロだろうか。実にすばらしい仕上がりとなっており、この曲で新人賞レースに出てきて本選の桧舞台で唄ったら…それこそサマになりそうなメロになっていたりもするのである。 新人賞レースと言えば、本レビューの主役でもある愛子さんはもちろんご参戦。
というお成績。これこそがスタ誕出身81年組娘お二人における白眉ね。ただ、非常に残念極まりなかったのは、当時は夏の陣と呼ばれていた「日本テレビ音楽祭・最終ノミネート」における新人賞候補発表だろうか。この時にエントリーしていた新人歌手を赤じゅうたんの入場行進順に並べてみたので見て欲しい。
総勢16名の新人歌手が小学校に入学したばかりの可愛いお子様達に先導され、意気揚々と行進したこの大会。しかしフタを開けてみたらこの中で選ばれたのはたったの4名(マッチ、ひかる、山川、ヒロ)。通常ならば5名、混戦年度ならば10名なんて大盤振る舞いもあった音楽祭だったのにもかかわらず…である。しかも毎年必ずといっていいほどあった‘スタ誕枠’ってのがなぜかこの年だけは存在しない。 この中でスタ誕出身者は3名…杉田愛子さん、矢野良子さん、そして水谷大輔さんである。せめてこの内の1人には本選である武道館行きのチャンスを与えて欲しかったもの。本レビューの主人公でもある杉田愛子さんは…
ズリっ…すべるなんて唄っちゃダメよ〜愛子さん。だから外されちゃったのかしらん、ナゾ。カンケーないでしょ、参加曲はシングル第2弾の「島めぐり」だったんだから。
急がば回れ!とは俗に言うけれど…それにしてもスタ誕出身者にとってはあまりにも酷な大会となってしまったものでゴザイマス、シクシク。 ☆作品データ
作詞:吉岡治 作曲:市川昭介 (1981年度作品・キングレコード) |

>
- エンターテインメント
>
- 音楽
>
- 邦楽



