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かぐや姫と言えば… 「ワタクシは行かねばなりませぬ」 皆様もご存知のとおり、遥か昔から語り継がれる物語の主人公さまでゴザイマスよね。姫は70年代のニッポンにおきましてもちょっとしたムーブメントを引き起こされまして
どこもかしこもかぐや姫にまつわる方がゾロリンコン。これらの方々以外にもその名をそのままユニット名にしてしまったフォークグループが存在し、はたまた素人参加のお見合い番組「ラブアタック」(ABC製作)におきましては、その中心となる女性を「今週のかぐや姫」と名付け、OPでも♪ハァ〜かぐやひめぇ〜女声コーラス隊が色っぽく迫っていたものでゴザイマス。 それはそうとかぐや姫が吐いた↑のセリフ…ソレのモダンバージョン?とおぼしき歌詞を織り込んだ曲が、70年代のアイドル歌謡にもありましたよネ。そんなワケで今回はココんトコにコジつけ、いつものようにレビュってみたいと思うのでありまする。 表題の「秋日和」はしーちゃんことあべ静江嬢のシングル第5弾として、1974年8月25日に発売された楽曲である。しーちゃんと言えば、70年代を大代表するべっぴんさんの象徴のようなお方。
どのお写真を眺めたとて「おうつくシュ〜ゴザイマスよ」というお言葉しか出てこんという、それこそ息を飲むよな美しさにウットリしてしまうもの。これだけの美女だもの…周囲の殿方が放っておくハズもなく、アベもとい「アヘ」をご満喫されたとおぼしき時期も存在していたようで?あべ静江と検索すると○イコンってのがセットで引っかかってくるのはその名残なのかしらん、ナゾ。 なにはともあれ…そんなあべ静江嬢が更にその美しさに磨きをかけ、1974年の初秋に放ったのが本盤ということになる。初秋もナニもアンタ…今じゃアチコチでドカ雪が降ってるじゃんかヨ!と、こめかみに怒りマークを表示中の皆様…どうもゴメンなさい。本来はもうちょっと早くに出すつもりだった記事なのだけんど、ふんづまってなかなか出すことができなかったというワケなの。まぁ、コレに関してはどうか「笑って許して」ほしいノよ、お願い。 さて、本曲の作詞を手がけたのは阿久悠氏、そして作曲は三木たかし氏という「スタ誕」における審査員コンビでもあり70年代のニッポン歌謡界を支えに支えた大黒柱のおふたりという表現の仕方もアリか。あべ静江嬢は同番組のご出身でもなんでもないワケなのだが、このコンビはあべ静江嬢をスターダムに押し上げたヒット曲群「コーヒーショップで」「みずいろの手紙」「突然の愛」を担当。本盤からひとつ前の楽曲(「透きとおった哀しみ」)は別作家が手がけたものだったのだが大スベリ。その失敗から巻き返しを図るべくの再登板だったのかとスイソク〜。 ♪タ〜タラタ〜〜〜 タ〜ラ〜〜ラ ラ〜ラララ〜 たおやかな旋律には秋の穏やかな陽だまりを感じさせるハーモニカ音をあしらい、どこまでも澄み渡るストリングスの響きは頬にひんやり冷たい秋の風を表したものか。そしてあべ静江嬢のえもいわれぬ美しさを引き立たせるはハープ音の優雅さとキたもんだ。イントロ早々から醸し出される「秋」の雰囲気にウットリしてしまうワタクシメ。 冒頭から輝きを放ちまくる本アレンジを手がけたのは、TV番組のBGM等を多く担当し活躍していたボブ佐久間氏である。代表作としては「クイズダービー」「料理バンザイ!」「いい旅 日本」、そしてアニメ関連で「科学忍者隊ガッチャマン」や「冒険コロボックル」などがあるなれど、アイドル歌謡でなおかつシングル盤ともなるとそのクレジットはとても少ない。石江理世嬢の「放課後」も彼の編曲によるものだけれど、おそらく本盤がソレの最右翼という位置付けになるのではないかと思われるのである。元々はクラシック畑の方でもあったのだが、本曲の編曲作業においては彼の気合いがプニっと注入されまくった入魂の1曲といった印象が色濃い。アレンジひとつで楽曲はここまで情景を描くことができ、そして説得力がつく!まさに編曲家の鑑のようなお仕事をやってノケられているのである。モチ、三木たかし氏が紡いだ美しいメロディーがあってこそ…ではあるけれど。 ♪秋のセーターを編みあげました 多分気にいると思います 好きな果実(くだもの)を買っておきます 鍵はともだちにあずけます 透明感のある高音が実に美しい、あべ静江嬢の歌声。これこそがザ・オトナな女性のソレではないかと感じさせられるのである。とは言っても静江嬢がこの曲をカマされていた当時は22歳のうら若き頃でゴザイマスよ。はて?昨今の22歳にこんなにしとやかで艶っぽいお声は果たして出せるものなのかしらん、ナゾ。ロリータ流行りの影響なのか、どいつもこいつも鼻にかかったヘンな声出しやがって、クソ〜っ!(笑) そしてその女性をムンムンと感じさせる美しきお声に丁寧な言葉使いが特徴の“ですます調”歌詞を絡ませてくるのも秀逸。これはまさしく阿久氏が十八番(オハコ)としていたものだったが、美しさと上品さを前面に出して売っていたあべ静江嬢にはお誂え向き…ですますを唄いあげた歌手の中じゃ一番シックリ来ているのではないかと。 秋に似合う色目で編みあげたとおぼしきセーター、彼が好きだという果実(くだもの)も調達し…想いを寄せる男性に対して身の回りの世話をするおしとやかな女性のある日常…そんなシーンを描く作品なのかと思いきや、まさかの急転直下がやってくるから侮れない。なっ、なんとこのお歌の主人公…彼の元から去っていってしまうの〜「行かなければなりませぬ」…それこそ“かぐや姫”のごとくに言い放って。 ♪私は行かなければなりません 話が出来なくてごめんなさい 私をさがさないで下さい 私をさがさないで下さい それこそ♪なにが〜私に起こったか〜の世界観かしらん?たしかコチラも阿久センセイの作品…だったかと。とにもかくにも何も存じ上げない状態で帰宅したであろうお相手サン…さぞかし驚かれたことでせう。それこそ♪ふたりだけの〜ことぉ〜なお事柄だものネ、いちいち詮索するのは野暮というものヨ。でも気になるからちょっくら推理ってみることにする。ってことで、この男性の叫びとやらはこんなん? 「ココを飛び出していく理由はなんだ?」「俺のなにが不満なんだ?」「お前には何不自由のない暮らしを云々」 慌てふためくオトコを尻目に…主人公の方はと言えば、いたって晴れ晴れとしたご様子? 「さがさないで下さい」…ソレは探してほしいキモチの表れとして解釈されることもある。しかしこのお歌の主人公の場合…どうもその言葉のまんまの理解でいいらしい。なぜなら曲のタイトルが「秋日和」だからである。
主人公はすでに吹っ切れている。それこそ秋の、よく晴れたさわやかな空のように。なんのくぐもりもなく、そしてどこまでも澄み渡り。そして自身の中では収拾もついてすでに終わりを迎えた…秋の、よく晴れたさわやかな空の下、すべて刈られて裸ン坊になった畑と丸められた麦たば。コレはよく見かける秋の風景でもあるのだが、彼女のキモチはソレそのものなのではないかナと。だからこその「秋日和」…秋を迎え、もうすぐ外は白い冬。彼女にとってこの日は、ひとつの営みが終わった秋の一日…まさしくコレだったのでありましょう。 と身勝手にもズバリ判断をしてはみたものの…曲のエンディングに添えられる、ちょいとトっぱずれた感のあるハープ音。
この余韻はどのように捉えたらよろしいのかしらん。主人公の心情を表してるのは間違いなさげのようだけれど?晴れ晴れとしたキモチで別れたノ…でもココロの片隅ではやや異なる「秋日和」?少しだけ肌寒くてちょっぴり淋しいキモチも感じておられるのカモ…おそらくは。だって♪赤い皮の鞄〜かすかに脹らむその程度〜くらいの想い出は持ってそうだもの、この女性。 それはそうと悪女バイブルな女性だと、この種の行動はどんな意味を持つことになるのかしらん? ●手編みのセーター→アタシの髪を編みこんどいたワ(恨) ●好きな果実(くだもの)→毒を塗りこんどいたワ(恨) ●窓のカーテン→電流をシコんどいたワ(恨) ●爪きり→新しいオンナの爪ズタズタにしてやるワ(恨) ●ともだちにあずけた鍵→無残な姿を晒してやるワ(恨) ●♪ティン〜〜〜→ふっふっふっ(恨) やめましょう…この美しい曲に汚れ妄想は相応しくなくってヨ、滝汗。サスペンス劇場の観すぎだっつーの。(笑)
本楽曲はオリコン最高41位、登場週数11、5.0万枚を記録し、ひとまずはスマッシュヒットと相成っている。しかしながらいかんせん前述の3曲があまりにも目立ちすぎ、この曲は草葉の陰で泣きっぱなしといったトコロ?短い営みを終え、世間からは冷たく葬られてしまった楽曲の中にだって「これは!」と思わせてくれるものはあるが、この曲はまさしくソレのひとつであるとキッパリ物申したいトコロ。歌詞良し、メロ良し、アレンジ良し、そして歌唱のどれをとっても申し分ナシ。秋の雰囲気をしこたまに堪能させてくれる、名曲中の名曲…紅葉した秋景色を見つめながら聴いたらドップリコンコンでサイコーね。しかもあべ静江嬢本人が選曲に関わったというベスト盤(「あべ静江 アンソロジー」)におきましても、本楽曲はそれらラインナップに堂々と…しーちゃんと同じ想いを共有できているようでウレシュ〜ゴザイマスよ。
ダメよ〜ダメダメ。アナタはいい曲なのだから、そんな暗いトコいないでもっと前へ前へとシャシャりでてこなキゃ〜!てんとう虫ですらそのようにしてるのヨ、ごぞんじデショ?やれやれ…本年度の「流行語大賞」ワードにすかさず飛びついてキましたな、お主。そんな自身のあさましさに辟易としながらも、心中はしごく晴れやかな「秋日和」そのもの、ふっふっふっ。今回の任務も遂行したワ〜!の悦びと共に、この営みを晴れ晴れとしたキブンのまま終わらせたく存じますノ。(笑) ☆作品データ
作詞:阿久悠 作曲:三木たかし 編曲:ボブ佐久間(1974年度作品・キャニオンレコード) |

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