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このブログではすでに2度に渡りレビューをカマしている石川ひとみさんの楽曲群。ひとみさんと言えば、現役として歌手活動を続ける方でもり、また懐アイドルとして非常に再評価の高いアイドルさんの1人でもある。某動画サイトでは投稿された彼女の動画群が軒並み驚嘆の閲覧数を叩き出し、まさかの人気再燃!といった趣となっているのである! 今回はそんな彼女に再びスポットをあて‘隠れ名曲’と叫ばれることの多いあの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。 表題の「オリーブの栞」は石川ひとみさんのシングル第7弾として、1980年4月21日に発売された楽曲である。ひとみさんはデビュー年(1978年)にセカンドシングルとして発売した「くるみ割り人形」がぷちヒットを記録、しかしその後はなかなかヒットに恵まれず、ストレスなどから起因する‘肥え’などに苦しむという時期を過ごされていた。たしかに「あざやかな微笑」や「ひとりぼっちのサーカス」あたりのビジュアルは、かなりキていたようにも見受けられる。そんな彼女がイメチェンとばかりにスッキリされ…
というキャッチコピーと共に引っさげたのが、この表題曲だった…ということになるのである。 この曲の作詞を担当されたのは三浦徳子さん。ひとみさんのデビュー曲「右向け右」、「くるみ割り人形」と同じ作家である。ひとみさんは表題曲の前作品群「ハート通信」、「ミス・ファイン」と…良曲を連発しながらもなぜかカスりまくっていたこともあり、この楽曲を製作するにあたっては初心に戻っての…というコンセプトだったのか、おそらくは。しかも作曲を手がけたのは馬飼野康二氏である。彼は「くるみ割り人形」の作曲を担当された方。ということは‘夢よもう一度’という願いも込めての…ということだったのか、おそらくは。ちなみに編曲も馬飼野氏が引き受けるというノリノリっぷりを示していたという楽曲になる。 そんなこの曲のテーマは… 相手に新恋人が出来たとカンぐり、自分から身を引こうとするオンナ である。セクシャル加減を強調したかったためなのか、それまでのひとみ作品よりも背伸びした内容となっているのが特徴か。それにしてもこのテのモチーフは歌謡曲において非常に多いもの。実はこのレビューのうPはソレ関連。ここ最近書かせて頂いた「ニートな午後3時」(松原みき)、「Free Balloon」(島田奈美)と…それぞれにシチュエーションは若干違えど、3曲共に‘オンナの旅立ち’を描いた作品群と相成っているのである。 さて…それではこの主人公様のキモチを歌詞分析により追ってみることにしようか。 雲行きが妙に怪しいオドロオドロしたイントロ。どう聴いても‘ときめく恋の歌’には聴こえない‘ゆううつ感’である。このイントロは俗に「洋楽のアレにソックリだ!」などと囁かれるソレなのだけれども、例えソレが真実だとしても取り入れ方がお上手ならばソレはソレでいいような…そんな気にさせられるような仕上がりっぷりとなっているのである。 ♪口づけを交わした後で 急に無口にならないで ベランダは午後の日差し 二人の肌をくすぐるわ 日差しが溢れるベランダで恋人同士の時間を楽しむ二人…なのに彼女は急に無口になる彼に対して恐れを感じる主人公様。なぜならば… ♪恋人がいること 昨夜誰かに聞いた あなたは笑って 打ち消したけど このような証拠(←おそらくは)を握っているからなのである。しかしながらこれが真実なのかどうかは分らない。彼女だって人づてに聞いた話だからである。しかし彼女は… ♪女のカンで分っていたわ と…コレが真実であるとキッパリ断言するのである。女性のカンとはこれほどまでに鋭いものなのか。 ♪嘘は罪じゃない(罪でもいいの) 愛も罪じゃない(罪でもいいの) 後悔をするはずもない 初めての愛した人よ 嘘も愛も罪じゃない…と否定しながらも、心の中では罪でもいいと感じている主人公様。なぜならば彼女にとってこのオトコとは、人生において愛を捧げた初めての人。たとえ彼が嘘をついてその事実を打ち消したとしても、ソレを許す覚悟をキメているのである。なぜならば… ♪嘘は罪じゃない(罪でもいいの) 愛も罪じゃない(罪でもいいの) 旅立つわ明日は一人 愛したのは私 愛したのは私…これは俗言う‘惚れた者の弱み’というヤツなのか。愛したのは私、愛されたのはアナタ…この図式を考えて引き際を考えるオンナが描かれているこの曲。このように書くと‘恋’というものを実に良く理解した経験豊かなオトナのオンナ風にも思えてくるのだが…前述したように、この恋は彼女にとって愛を捧げた初めてソレということになっている。コレはおそらくまるっきりの生娘から…というワケではなくて、はじめて真剣に愛を捧げた…という意味で使っているのかと思われ。それにしてもかなりオトナな内容の歌である。まさに‘セクシャル’を前面に打ち出そうとしていた当時のコンセプトが垣間見れる仕上がりっぷと言えようか。 しかしながらこの女性…やはりコレはそうそう簡単に諦めがつく事柄ではないようである。 ひらひらと舞い落ちてくるオリーブの花びら。彼女にとってはソレラが自身のキモチを代弁する…いわば‘愛の証’。なのにどうして?!彼はソレラをいとも簡単につま先でふみ潰してゆくのである。彼女はその痛さに耐え切れず、悲鳴をあげ泣き叫んでいるというにもかかわらず。 かつてこのブログでひとみさんの「秋が燃える」をレビューした時のタイトルは「情念がメラメラ」だった。疑心暗鬼になったオンナの情念が燃えあがる…まさにそういった風情の曲。しかしこの曲だってソレに負けず劣らず!いや、情念のドロドロ加減ではこちらの方が上か、もしかして?表向きにはあくまでも「あなたから旅立つわ」とスタンスを固める彼女。しかしその内面たるや… ♪嘘は罪じゃない(いいえそれは嘘) 愛も罪じゃない(いいえそれも嘘) まさにコレが彼女の本音なの。要は…
それ以外のナニモノでもないのである。で、挙句の果て最後には… ♪(嘘は罪じゃない)罪でもいいの (愛も罪じゃない)罪でもいいの 「罪でもいいの」のパートを主旋律として歌唱し、罪でもいいと認めている。しかしそれはもちろん己で言い聞かせた上での‘納得’なのである。認めたくない事実であることは言うまでもない。しかし彼の心の中にはすでに別のオンナの影が…自分はもう隅に追いやられ居場所すらなくしている状態では、残された道はこれしかないと判断した主人公様によるオンナの意地…なのかもしれない。 オリーブと言えば植物の一種。現在ではその果実からはオイルを、そしてその実は食用として用いることが多い。そう、イタリア料理のピザやパスタ、はたまたアンティパストなどに必ずやご登場と相成るあの緑色、若しくは黒い色をしたシロモノである。もちろんイタリアではこのオリーブから取れるオイルなしでイタリア料理は成立しないという、非常に重要な役どころを授かっている果実なのである。
そう…オリーブは乾燥した自然環境でも生育し、樹齢も数百年を記録するほど長く、実に芯の強い植物なのである。それこそワタクシメの生息する乾燥大陸オーストラリアにだって、オリーブ農園はいくつもあり、この砂漠にも似た厳しい乾燥地帯においても可憐な花を咲かせ、やがては実をもたらす植物なのである。 このお歌の主人公様は、このオリーブの花を例えにとって… ♪私の愛の証です と言い放った(←あくまでもココロの中で…の話だけれども)。コレは…
を意味しているのか。たとえあなたが‘愛の証’である花びらをつま先でふみつぶしたとて…強靭な生命力をもってずっとあなたを…といった執念すらも垣間見えてくるか。まさにこれまた‘情念がメラメラ’なひっちゃんのようでゴザイマス。(笑) この曲はオリコン最高…いえ、実は100位以内にはチャートインしておらずなのでゴザイマス。1980年度のオリコンでは101位以下は発表されておらず、その詳細な最高順位も不明である。しかし101位以下の注目曲として「オリーブの栞」という活字は何度か誌面に登場していたことから、少なくとも200位以内にはランクインしていたと思われる。 この曲はイントロが洋楽の某曲に似ているというのはこのレビューでも前述したが、他箇所でもところどころにそういった‘つまみ食い’が見受けられたりもする。サビ前における‘オドロオドロメロ’に関しては○ール・○ーリアの楽曲における‘オリーブのお歌’からの拝借かと思われ。ただ、そういったことを抜きにしても、この曲の出来はスバラシイ。オリーブをモチーフにした情念ムキ出しの歌詞にしても、ひとみさんの声質を理解し尽したとおぼしきメロをとっても…その出来栄えは見事である。またソレに応えるかのようにこれでもか!と…
をカマすひとみさんの歌声。その悲壮感が溢れまくるお声はそれこそ…
まさにこの世界観をドロドロに表現したもの。
うん…たしかに当時(1980年)は残念ながら世間にはその痛みが届かなかった。だけれども今こそこの隠れ名曲の凄みが少しでも多くの人々の胸に届いて欲しい!そう…それこそ悲鳴をあげるほどの激痛を伴った衝撃と共に…ねっ(←ソレはソレで♪危険かしらね〜)。 ☆作品データ
作詞:三浦徳子 作曲:馬飼野康二(1980年度作品・キャニオンレコード) |

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