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書庫☆80年代アイドルレビュー

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条件反射とは…

ある反射を起こさせる刺激と、それとは無関係な第2の刺激を同時に与えることを繰り返すと、ついには第2の刺激だけで初めと同じ反射を起こす現象。おもに訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと。

コレである。この反射行動はソ連の生理学者イワン・パブロフにより発見され、犬を使った実験で世界的に有名になったもの。そそっ、例の「パブロフの犬」というアレでゴザイマスよね。この学者はその犬にえさとベルの音を同時に与えつづけた結果、ついにはベルの音だけでも唾液(だえき)や胃液が分泌されることをつきとめた…というワケである。

コレを読んでる皆様だってこんな経験があるのでは?例えば、梅干を想像するとそれまでの経験により認識した梅干のすっぱさを感じる。すると自然と口内につばがあふれ出してくるという現象。コレがまさに条件反射と呼ばれるもの。

この条件反射をアイドル歌謡曲として唄った方と言えば…そう、80年代のアイドル界に産声をあげ、太陽の女王こと松田聖子さんに対抗するかのように出現。そのクールなお姿や歌声から月の女王と比喩されその座に長く君臨したこの方。ここまで言えば大概の方はもうお気づき?そうなの、言わずと知れた中森明菜さんでゴザイマスよね。今回はこの条件反射にコジつけ、彼女が歌ったこの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

「条件反射」は中森明菜さんのデビュー曲「スローモーション」のB面曲として収録され、1982年5月1日に世に出回った曲。この楽曲は明菜嬢の1stアルバム「プロローグ<序幕>」にも収録されていたが、デビュー曲とこのB面曲を含むアルバム収録の全曲が実はデビュー日から遡ること数ヶ月前の2月に米ロサンゼルスにて録音が完了していたものなのである。コレに関しては当ブログをご贔屓にしてくだすっている皆様ならば、大概はご承知のことかと思われ。また、それら収録曲の中からデビュー曲に相応しいであろう数曲が絞りこまれ、最終的に「スローモーション」が勝ち名乗りをあげた…というのも知られたエピソードか。ちなみに「スローモーション」を除く数曲というのが「あなたのポートレート」「銀河伝説」「Tシャツ・サンセット」だったと聞くが、デビュー曲のB面に堂々収録の「条件反射」はそれら候補からはアブれていたというのことなのか、ナゾ。

それでもデビュー曲のB面として選ばれるくらいだから、それなりに評価は高かった曲なのではないかと勘ぐってみたりもする。というかこの曲…後に「少女A」で大化けすることになる歌姫・明菜の「プロローグ」?まさに序幕的な作品として位置づけてしまっても良いのではないかと感じるのである。なぜならその作風が…

ツッパリ系

コレだからなの。かといって「少女A」のソレと同じくらいのインパクトやツッパリ色が感じられるのか?と問われれば、ソレはないカモね…とやけに弱気になるワタクシメ。(笑)それでも先述した1stアルバム収録曲のなかでは唯一のソレ系楽曲であるからして…コレはまさしく明菜陣営における先見の明が発揮された作品?要は陣営が彼女の秘めたる可能性を早くから見出していた証と言ってよろしいのではないかと感じるのである。

そんな本曲の作家陣は作詞が中里綴氏、作曲は三室のぼる氏、編曲は船山基紀氏という面々。元々本曲は三室氏がギターインストとして書いた曲だったようであるからして、もしかしたら次作アルバム「バリエーション<変奏曲>」のような構成(インストから始まって楽曲へ移行するパターン)が「プロローグ<序幕>」でも企画されていたのかもしれない。しかしながらギターのインスト用作品のメロを軽々と口ずさんでしまったという明菜嬢…陣営側も驚嘆したあげくの急遽予定変更?歌詞を宛がっての収録と相成ったのカモ。

さて、作詞をされた中里綴氏はかつて江美早苗という芸名で西野バレエ団の一員として活躍された方。金井克子さん、由美かおるさん、奈美悦子さん、原田糸子さん等とともにその一団の代表的存在として一時代を築いた。その後は歌謡曲歌手へと変貌されシングルも数枚発表したが、1974年頃に作詞家へ転向。作家としての代表作は1976年に田山雅光さんが歌ってヒットした「春うらら」(補作詞として|オリコン最高16位、21万枚)、南沙織さん「人恋しくて」(オリコン最高8位、23.2万枚)あたりになるが、他にも珠玉として伊藤咲子さん「寒い夏」、沢田聖子さんの「キャンパススケッチ」や「雨の日のサンシャイン」、80sアイドルの堀ちえみさんには「真夏の少女」、林紀恵さん「えとらんぜ」、河合美智子さん「サマーホリデー」などなどを提供。ワタクシメ的にはかなりお気に入りの作家さんであり、醒めた雰囲気の作品においてはそのセンスの良さがキラリンコンかと。明菜さんの1stアルバムでは「Tシャツ・サンセット」「A型メランコリー」、2ndシングル「少女A」のB面に収録された「夢判断」、別アルバム収録の人気曲「ヨコハマ A・KU・MA」も彼女作である。

♪ちょっと 写真うつり よかっただけ
 そして 人あたりも よかっただけ
 追いかけるほど 好きじゃないわ
 ひと晩 眠って忘れる

♪自動扉が 開いて閉じて
 日暮れの街に あなた出てゆく
 
♪生意気涙が こぼれて落ちる
 逆流 条件反射 目を伏せたわ
 ぎりぎり意地くらべ 今 8ビート

ジレンマを抱え苛だつ様子を表現したとおぼしきアグレッシブエレキとシンセ音が絶妙に絡まるイントロ。以降の明菜嬢における一連のツッパリ系作品と同等の匂いをプンプンと漂わせる。明菜嬢の歌声に関しては出だしからドキリ!とさせるナニかを感じさせるものの、以降作ほどの迫力はまだ芽吹いておらず…である。まだまだツッパリ切れていない部分も見受けられ、そこらB級アイドルのソレ系小唄と勘違いされる恐れも?だけどそこがまた初々しくもあり、逆に良い点なのだけれども。それでも明菜嬢における独特の持ち味…そそっ、低く轟く翳りのある歌声はすでに頭角を現しているのが確認できる。山口百恵でもない、三原順子でもない、中森明菜という存在がかなり強い主張を携え聴き手に訴えかけようとしている…とでも表現したらよいのかしらん?大化けする直前の…潜伏する歌ヂカラ?ソレはこの曲における歌唱でも垣間見られるのである。

メロ上での特筆は♪生意気涙が〜のトコロ…ナミダの「ミ」にあたる半音使いかと。コレは明菜さんの2ndアルバム収録で伊豆一彦センセイ作曲「キャンセル!」のソレと双璧とも言える。また、♪好きじゃないわ〜のトコロにも要注目!コチラは後の「少女A」における♪関係ないわ〜につないだ引導役?のようにも思えたりで。

生意気、ツッパリ、負けず嫌い…本音とは真逆のことばかりをしでかす主人公。素直でいられるのは夢の中だけ。だけど現実には恋焦がれる彼からの求めに怯えてしまい、それが元でトラブルに。たかがトラブルと醒めてはみたものの…ソレに対して動揺しまくる自分がいる。そのトラブルによる口論の末、彼からは「つまんない女」とでもののしられたのだろうか。そしてオトコは足早にその場を立ち去り、日暮れの街へと消えてゆく。自動扉が開いて閉じて…ひとり残されたこの場所で、他人が出入りする度にその音が耳の奥までしつこくこだまする。自動扉の音と彼…彼女の中で条件付けが確立され、条件反射と呼ばれるモノが構築されてしまった瞬間か。

♪光る稲妻 急に夕立ち
 胸の底までどしゃ降りになる
 生意気盛りに ピリオド打つわ
 瞬間 条件反射 追いかけるわ
 後悔の嵐は 今 8ビート

反射を起こさせる刺激、それとは無関係な第2の刺激…主人公は自動扉により引き起こされている第2の刺激に操られている。どんなに意思の固い人や意地っぱりの人でも、反射行動には決して逆らえないと言う。序盤で「追いかけるほど好きじゃないわ」などとイキがっていた主人公がウソのようなアリサマである。この後の彼女が起こした行動とは…そう、消えた彼の姿を求め日暮れの街を彷徨い歩きつづけた…。どんなに意地はった生意気盛りの主人公ですら、条件反射により引き起こされた彼の残像刺激には勝てなかった…ということなのか。

1番、2番、そしてサビ部分の繰り返しという構成からなるこの曲…よくある歌謡曲上のソレなのだが、おそらくその中では小1時間程度の物語が描かれているのでは?と推測する。本曲に関する人様のレビューを読んでみると、ほめちぎるものは殆ど存在しない。それらの多くが「他愛もないポップス」とか「B面相応の曲」など…おそらくはその内容よりもまだまだ未完成で発展途上だった明菜嬢に興味の大半が注がれてしまっていることによるご感想のように思えるのである。だけど待ってよ…たかが「条件反射」されど「条件反射」?ワタクシメにとりましてはそのように軽くあしらうことができない確固たる理由が…。

●小1時間という短い間に起きたことを「歌詞」として簡潔・劇的に描く
●電気じかけ、ある程度の重みにより繰り返す動作が生じる自動扉を小道具に
●自動扉と彼をリンク、条件反射の原理を説く
●その刺激に逆らえなくなる主人公の姿を如実に描く

どうよ、コレ…。ワタクシメの推測が完全なるハズレだったとしても…条件反射とその心理を巧みに描いていることに変わりはないわけで。中里綴さん!アナタはこの曲でスバラシイお仕事をされた。いや、この曲以外でもワタクシメのツボにハマる歌詞をたくさん書いてくだすった。なのにあのムゴい最期…改めてお悔やみの花束をアナタへ贈りたい。そして本曲をティーンの感性で素晴らしく表現してくれた明菜さん…そろそろ出てきてくださいナ、もぅ。

♪あなたも今頃 迷ってるはず

アナタはまさしく時代の寵児であり、そして輝きに満ちあふれていた。ツラく悲しいこともたくさんあっただろうけれども、アナタというヒトはこのまま終わっていいヒトではないはず!歌姫としてのご使命が…ネ。いつまでもいつまでも...待っておりますからん。

それにしてもこれまで本曲を低評価していた人たちぃ!

♪後悔の嵐は 今 8ビート

状態かしらん、ナゾ。たかがB面、されどB面…あなどれませんのよ。(笑)

☆作品データ
作詞:中里綴 作曲:三室のぼる(1982年度作品・ワーナーパイオニア)
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SNSで知り合った男性との関係がもつれにもつれ、あの世へと葬られてしまった女子高生。しかもジドリしていた○ぱぁ画像がお相手さんの手によりネット上に大量拡散。目を疑うようなソレラにこれまでの倫理観なぞ吹き飛ばされてしまった〜なんて方も?ティーン時代から自分専用のPCやスマホなどがあたりまえというこのご時世…このようなコトは日常茶飯事に行われていることなのかしらん?いえいえ、あくまでも一部の人たちのみが...と是が非でも否定したいキモチでいっぱいになる昭和生まれのワタクシメ。この件に限らずとも、テレビをはじめとするメディアでは正確なことは伝えないし事実も歪曲する。はたまたネット上では憶測や真実、ガセ?などが混在する情報の大洪水。知りたくないことまで知るハメになってしまったり、はたまたガセなのにそれが真実だと思い込まされしまったり?という、一体全体どれを信用したらよいのやらまったくもって分からぬありさま。こんな世の中になってくると「信じる」という行為自体が歪められてしまうのでは?と心配になってきたりもするのでありまする。

それはそうと「信じる」と言えば…80年代アイドルの楽曲にも、ほらほら…アレがゴザイマシタよね。今回はココにコジつけさせていただき、あの方が放ったこの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

表題の「ビリーヴ」は松本伊代さんのシングル第13弾として、1984年11月1日に発売された楽曲。松本伊代さんと言えば…

♪伊代はまだぁ〜16(ジュウロク)だからぁ〜

そそっ、デビュー曲「センチメンタルジャーニー」がいきなりの大ヒット(オリコン最高9位、34.3万枚)になって一躍人気アイドルになった方。デビューしたばかりの新人アイドルの楽曲が30万枚超えする件…実は80年代としてはさほど多くの例はない。ジャニ所属の男性アイドルたちのように、すでに正式デビュー前に人気が充分に構築された上でのレコード発売というケースは例外として、女性アイドルではブームをともなっての人気者になったおニャン子クラブはおろか聖子女王ですら30万枚には到達していないのである。デビュー曲からいきなりの大ヒットという現象は70年代にデビューしたアイドル歌手たちに多く見られたものだったが、それでも山口百恵さんや桜田淳子さん等、70年代アイドルを代表するようなビッグネームでもコレは達成できず。こうして考えると伊代ちゃんデビューにおける30万枚超え…コレは彼女のデビュー時における絶好調ぶりというものがくっきりと見てとれる数字であると言えようか。

なにはともあれ…そんなのりのりデビューから数え13枚目にあたる本レビュー曲は、作詞を売野雅勇氏が、作曲を筒美京平氏、そして編曲を萩田光雄氏というコンビが手がけたもの。これまでの伊代ちゃんシングルで売野氏の歌詞を採用したのはお初。ちなみに作曲の筒美氏作品はデビュー曲から「オトナじゃないの」までの4作品、また、お三方によるタッグ曲は85年6月に発売された後発シングル「ポニーテイルは結ばない」がソレにあたる。そもそもこれまでの伊代ちゃん楽曲はアニメちっくでにぎやか、そしてキラキラした世界観が多かったものだが、本曲ではそうした趣とはかなり異なっているのが特徴か。こうした異色作とも言える作品に携わることになった理由というのが…

「転校少女Y」

コレでゴザイマシタよね。例のニャンニャン事件で芸能界から干されていた高部知子さんの復帰第1弾として、TBS系列で放映されていたテレビドラマであり、その主題歌を伊代ちゃんが担当…ということで、当時はそこそこ話題になったものである。そしてその当時はあまり知られていなかったあのヒト…そそっ、現在は国際派俳優として名高い渡辺謙氏がご出演!という事実。コレどうよ!この事実も本ドラマのプレミア度をググっと押し上げていることに他ならないのでありまする。

このテのドラマと言えば、スリリングで疾走感のある主題歌も人気の的になっておりましたよね。どの主題歌もドラマ内での数々の名(迷?珍?)場面を彷彿とさせてくれる、実にベストマッチングな楽曲ばかりがズラリンコン。

■おもな疾走系、そのテのドラマ主題歌
「NEVER」MIE「不良少女とよばれて」TBS
「ヒーロー」麻倉未稀「スクール・ウォーズ」TBS
「RUNAWAY」麻倉未稀「乳姉妹」TBS
「今夜はANGEL」椎名恵「ヤヌスの鏡」フジ
「サイレント・グッバイ」デビル雅美「赤い秘密」TBS
「銀雪の浪漫〜Follow you」藤ゆうこ「禁じられたマリコ」TBS
「Never Say Good-Bye」小比類巻かほる「ポニーテールはふり向かない」TBS
「TALK TO ME」松居直美「天使のアッパーカット」TBS

それにしてもこうしたムーブメントになぜ売れっ子アイドルだった伊代ちゃんが挑戦することになったのか?彼女はデビュー当初こそコンスタントにヒット作を連発していたものの、どうもその流れが83年後半あたりから↓になりはじめ、かなりの雲行き悪状態に。このブログではその現象について“伊代のジリジリっ地盤沈下”などと勝手に命名してしまっていたりもするのだが(←伊代ちゃんゴメンなさい)、特に「時に愛は」以降の沈下ぶりは凄まじく…あわやヒトケタ4万枚を切るレベルにまで落ち込んでしまっていたのである。デビュー早々にして30万枚超えを達成したアイドルが…である。このため伊代陣営としてはカンフル剤とおぼしき?かなり強力で即効パワーのあるナニかが早急に必要だったのかと思われ。

♪見えない絆(きずな)を 確かめたいから
 誰も多分 傷つけ合うの
 臆病すぎて 優しくなれない
 人は哀しい生きものなんだね

(中略)

♪Believe Believe…Believe もう一度
 信じたい 愛したい やり直したい
 Believe Believe…Believe あなたと
 優しさからもう一度…ビリーヴ

イントロはシンセによるティロリロ奏法であり、コレはリスト内にあるMIEさんの「NEVER」を思い起こさせるようなソレである。そしてこのテの疾走系作品には必須となっていた女声隊によるウーフーコーラスもお決まりのようにインプット。(笑)当時流行していたシンセドラムも大活用し、これまでの主題歌の良きトコロをきちんと押さえた上で作りこまれたとおぼしき作風になっている。歌詞の内容もドラマのソレに沿わせたものであり、ヒトとヒトとの絆を信じ前向きに生きていきましょう!といったモノ。あくまでもアイドル歌手、松本伊代ちゃんが唄うというコンセプトが存在するためか、疾走感は「NEVER」や「ヒーロー」のソラレにはやや劣る。それでも新生・松本伊代をアピールするには事足りる出来栄えになっているのではないかしらん?だってこれまでの作風とは明らかに違うナニかが…聴き手のハートにビンビンと響いてくるのだもの。伊代ちゃんの歌唱に関しては独特なお声ゆえ、これまでと一緒では?と低評価されてしまう傾向にあるかもしれないが、なかなかどうして!こうした楽曲との相性は悪くはないように思えるワタクシメ。まさに意欲的な新境地開拓作と言えそうでゴザイマス。

なかでも要注目なのが本楽曲のタイトルにもなっている“ビリーヴ”の発音か。アイドル歌手の場合、帰国子女系やそれ関連系ムスメたちを除いては、歌詞中に出てくる英語発音にはさほどの重きを置いていたとは思えない。かくいう伊代ちゃんだってデビュー曲では♪センチメンタル〜ジャアァアァニィ〜と…純度100%の和製発音にてカマしておられましたものね。だけど本楽曲ではそこら辺りからはググっとご成長された証をチラリと垣間見せてくれていたりもする。

♪ビリ〜〜〜ヴぅぁなたとぉ〜

なにかこんな風に聴こえませんでショカ。「ヴぅぁなた」ってナニかしらん?って思った方(←あんまりいないと思うけんど)もいるくらい、英単語としての“ビリーヴ”をきちんと意識して唄ってらっしゃるの。ご存知のとおりBelieveはビリーヴであってビリーブではなく…こと「ヴ」のところの発音に関してはそれなりにくちびる上でのお工夫が必要になる単語。まぁ、ちょっとひっぱりすぎ傾向にあるからなのか、聴けば聴くほどに「ヴぅぁなた」が気になってくるぅ…という面もあるにはあるのだけれども。さもないと♪ビリ〜ビリ〜ビリ〜…どこぞのビリーさんに想いを馳せるお唄としての勘違いが発生してしまいそうですものね。(笑)デビューから2年が経過した時期において、その進化と発展を見せようとしていた伊代ちゃんここにありき!といったトコロかしらん、ナゾ。

♪懐しいほど あったかいな (ティロリロ…ティロリロ…)

サビ直前のココでやってくるアレンジもね…個人的にはツボ。だってなんだかサ…ぬきあし…さしあし…とばかり?ナニかケッタイなモノが忍び寄ってくるような?アンタに“アレのKNOW-HOW”なんて教えられたくないワ〜キャ〜!って違うでしょ、ソレ。そうじゃくなくてナニかこう…黒々しいフィ〜リングとでも表現したらよろしいのかしらん?まさに「闇夜にドッキリ!」…たまりませんがな。(笑)

こうした妙な聴きドコロにも恵まれた(?)本曲は、オリコン最高11位、登場週数11、累計で13.6万枚を記録して地盤沈下中だった伊代ちゃんを救済してくれた助け舟曲となったのである。なんと伊代ちゃんがトップ20にカムバックしてきたのは「恋のKNOW-HOW」以来の9ヶ月ぶり!欲を言えばあと1ランクあげてくれたらベストテンヒットになったのにぃ…と惜しむお声もチラホラか。なんせこの曲は「ザ・ベストテン」でも11位でスンどまりになってしまい、「時に愛は」以来の番組カムバックをギリギリのところで逃してしまうというやるせなさ。たかが11位、されど11位…10位との間に立ちはだかるその壁は、とても厚くて高いものでゴザイマシタよね。たった1ランクの違いでその扱いが大きく変わってしまうという、なんともイヤな立ち位置…どうにもこうにも次点ってな印象が拭いきれないのがイヤン。デビュー当時は伊代ちゃんの遥か下にいたはずの同期歌手たちが、すでにベストテンの常連になっとる事実をまのあたり…でゴザイマシタものね。伊代ちゃん的にもこの意欲作をひっさげ…

♪Believe Believe…Believe もう一度

スタッフさんたちのご尽力や自らの努力を信じてビリーヴ!夢よもう一度〜!!なのにその願いもむなしく11位でっか…泣っ。しかもこの曲が伊代ちゃんにとっても最後の10万枚超えヒットになってしもうた、ガ〜ン。信じても信じてもこっぱみじんに打ちのめされることもあるのね…アハン、「信じかたを教えて」くださいナ、もう。それでもBelieve Believe…信じて前向きに。だからこそ今でも芸能界でご活躍され、プライベートではご家庭も築いてお幸せな伊代ちゃんが存在しているのでゴザイマスよね。ヒトは哀しい生きものらしいから…「信じる」という、懐かしいほどあったかいキモチを忘れずに生きてまいりまショ。本レビュー作業によりコレを改めて悟らされたワタクシメなのでありまする。(笑)

☆作品データ
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平(1984年度作品・ビクター音楽産業)
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ゲリラ豪雨だの竜巻だのと…ここのところ「ここがヘンだよニッポン列島」みたいな状態?盛夏には40度超えを記録するなど…なんともまぁ、気象が過激になってまいりましたよね。それでもひと頃のあの猛暑さんがようやく去ってゆきホっとひと安心?なんて方も多いのではないかと思われ。それこそ太陽の半分が秋色?なんてくらいに…涼しく過ごしやすくなってきたのではないかしらん?

それはそうと太陽の半分が秋色と言えば…そそっ、80年代アイドルの楽曲にもゴザイマシタよね。っと…いつになく短い導入部分のみで無理やりにコジつけてくる自身に驚きまくるワタクシメ。(笑)でもいいの…たまには短いのも「好きよ」とばかりに進めましょ。ってなワケで今回はココにコジつけさせていただき、あの方が放ったこの1曲をレビュってみたいと思のでありまする。

表題の「哀愁ピュセル」はイトミキこと伊藤美紀さんのシングル第2弾として、1987年7月29日に発売された楽曲。

伊藤美紀さんと言えば…

「ホリプロタレントスカウトキャラバン」

における第11会大会の栄えある優勝者でゴザイマス、ジャジャーン!そしてそのご風貌からか「ポスト堀ちえみ」なんて呼び声も高く?早くから多くのファンが付いていたもの。そんな彼女がアイドル歌手としてスタートを切ったのは1987年5月21日。見た目にもピッタリコンコン?ハマりまくった「小娘ハートブレイク」ってのがデビュー曲でゴザイマシタの。イチオシのデビューにしては時期が遅いナと思われる方も多いかもしれないが、この年度のホリプロはイチオシだった美紀ちゃんの他にも同大会でアクトレス賞を受賞した仁藤優子さんも1ヶ月遅れでデビューさせてきた。イチオシとそれ以外の新人が僅差でデビューしてガチンコ勝負ってのは…ホリプロ史上でもはじめての出来事だったのかと思われ。それまでの方式は優勝したイチオシさんを早めにデビューさせてから、その他の余り駒(失礼)を…といったモノ。この年度に限ってなぜにこういうことになっていたのかは一切合財のナゾだったりもする。

なにはともあれ、そのデビュー日から2ヶ月の間隔でリリースされた本作は作詞を栃内淳氏、作曲を井上ヨシマサ氏が手がけたもの。このコンビはデビュー曲のそれとまんま同じであるからにして、デビュー曲で上手くいった(ちなみにオリコン成績は最高18位、3.4万枚)小娘イメージをそのまんま受け継ぐ作品を…ってなノリで決められたのかと思われ。

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任天堂ファミリーコンピュータのディスクシステム用ソフトとして発売された「奇々怪界」のCMにも出演。ゲームのキャッチコピーは「この夏、けっこう妖気です。」発売元はタイトー。

楽曲全体のノリはデビュー曲の延長線上であるマイナー調、ソレと同様に今回もシンセを多用したダンサンブルなサウンドでまとめられているが、デビュー曲と比較するとダンスポップな加減はややおとなしめ?といったトコロか。ちなみに編曲を手がけられたのは船山基紀氏である。デビュー曲での好調をそのまま活かす形にしたいというのはごく自然な考え方だと思うが、かといってまたまた「小娘」ワードでカマすワケにもいかず…で今回はソレを別の側面から捉えたようなお言葉を突っ込んできた。ソレが…

ピュセル

である。そもそもピュセル(正式にはLa Pucelle) とはフランス語で、こんな意味で用いられるお言葉だったりもする。

(純真無垢な)乙女、少女、処女、またはこれとは別の意味で使用人、聖女という意味でジャンヌ・ダルルクの異称としても使われる

ふむふむ…ピュセルという短いお言葉ではあるなれど、複数の意味で用いられているご様子。でもって今回の「ピュセル」はと言えば…アイドル美紀ちゃんのお歌だものねぇ、純真無垢な乙女という解釈でよろしいのかと思われ。

♪はじけて取れたブルーボタン あなたをふりほどき
 抱かれるはずの BAMBOO HOUSE 渚へかけだした

♪噂じゃふたりはもう こえてるはずのC LINE
 太陽の半分が秋色になる

(中略)

♪哀愁ピュセル 私 少女がせいいっぱい
 哀愁ピュセル 女なんかになれないのよ
 哀愁ピュセル 私 少女がせいいっぱい
 恋がキュンと痛みだすの ひとり

好きなのに一線の手前でためらう少女…今はピュセルでせいいっぱい!ごまかす自分をペ天使だと嘆きながらもくちづけだけじゃ危ないの?と自問自答。コレ以上先に進むことはできないと二の足を踏む乙女のお歌...である。そのお相手さん的には「キミのミキ」じゃなくて「ボクのミキ」(ずっとなのかその場限りなのか?どんだけ真剣なのかはナゾだけんど)にしたくてたまらないのだろうけれども。このように楽曲の歌詞を確認してみれば、ピュセルの用法がソレで間違いのないモノであることが容易にガッテンできたりもするのだが。まぁ、使用人であてはめてみてもまるっきり合わないワケでもない。

道楽のためにお穴だけを利用したいという悪男(ワルオ)、そしてある事情によりその理不尽な要求に応えざるを得ない悲しき乙女の使用人…ってコレは違うでしょうよ〜いくらなんでも。言っておくけどアイドル歌手のシングル第2弾なのね...しかもソレって犯罪ですからん。オトコならではの妄想は「い・か・が」…オトコって「やっぱり」。女性読者のみなみなさま…ふらちなワタクシメにガックシコンコンの「小娘ハートブレイク」?そそくさとゴメンなさいして、いつもの「UBU」なワタクシメに戻らないとネ。(笑)

それにしても美紀ちゃんの曲は、その愛らしい風貌とは裏腹の?実にエッティ含みな歌詞が多かったもの。この曲でも↑のようにそういう場面の目白押し。あの行為を相手から求められているものの、そこから先は・・・(テンテンテン)といったゆれる乙女のキモチ。だけどその描写がね…結構ストレートなのよ。それこそ「ちょっとエッチなミルキーっ娘」もとい「ちょっとエッチな○○」みたいなノリ?そのテのは辺りが暗くなると中身が見えてくる角っこの、怪しげな自販機で買える…アハン!昭和という時代は一体なんなの…滝汗。こうしたモチーフは男性諸君にとっちゃそこそこ(かなり?)ウレピイ展開なのかもしれないが、美紀ちゃんになぜこういうコンセプトが敷かれていたのかはナゾである。サビ部分の…

♪私 少女がせいいっぱい

にしたって…少女と処女の聞き間違えでも誘発させたいんかい?といったオトコ独特の悪だくみも見え隠れ?だってそれこそラジオスポットかなんかでこの部分だけを耳にしたら…勘違いしてしまうというモノよ。だけどピュセルの意味合い的にはそういうモノも含んでいることに間違いないのだからして…ソレを上手くオブラートで包み込むお言葉として選択してみたのが「ピュセル」…だったのかなと邪推してみたり。(笑)

なんせ前出の中山美穂さんがデビュー曲で「C」なんて…まんまムキ出しのタイトルを宛がった曲を歌ってヒットさせてしまう時代でしたものねぇ、はたまたスタッフさんが美紀ちゃんにそのテのエッティ性を見いだしていたのか…当時の美紀ちゃんプロジェクトの一員だった方に直撃インタブーでもカマしてみたいとトコロでゴザイマスね。

こんなトコロばかりに焦点を当ててしまうと、美紀ちゃんご本人が非常に嫌がるのは目に見えておりますので…なんせイトミキ事件なんてのも起こした方でゴザイマス。美紀ちゃんの歌声やパフォーマンスにもきちんと目を向けておくことにいたしましょ。

デビュー曲でのイカリ肩?ダンスもそれはそれでとってもイカしておりましたが、今回の「哀愁ピュセル」だって負けてはおりませんのよ。もう元気いっぱい…これでもか!とばかりの大ぶりダンスをお披露目するの。だからなのか肝心のお歌の方がややブレ気味…なのはご愛嬌か^^。だけど声質はとってもいいモノを持ってらっしゃる…特に中音域。だからこそ「もっと歌を聴いてよ」という自負も出てくるのであって…きっとご本人は「歌」というものをシカリとやりたかったヒトなのではないかと。そういう意味で○ンチラばかりに注目が集まってしまった悲しき現実…ご本人的にはイヤでイヤでたまらなかったのではないかと。まさに「哀愁ピュセル」を地でイってしまったイトミキちゃん…もったいのうゴザイマス。

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キラリンコンな瞳がキャワゆ〜い美紀チャン笑顔も魅力!ややナベケイさん似?

オリコンでのお成績は最高13位、登場週数7、累計で4.5万枚というモノ。デビュー曲比較で上向き加減なのがウレシイし、アイドルにおけるシングル第2弾としての役割はシカリと果たしてくれた1曲である。こんな上り調子だったから、賞レースなどでもその愛らしいお顔をしこたま見せてくれるのかと思いきや…出てくれはったのは「メガロポリス歌謡祭」(テレビ東京)の1回ポッキリ?頻繁にお出になられていたのは大会での次点扱い?(アクトレス賞の)仁藤優子さん…しかもノドを患われてお声が全然出てないやん、ありえへ〜ん…といった散々たる状態で。例のキャラバンで優勝したのは美紀ちゃんだったはずなんだけど、なんだか早くも雲行きがおかしくなっていつしか脇役みたいな存在に…アセ。

♪哀愁ピュセル〜私 少女がせいいっぱい

社のオーディションでは先代成功者の後ガマ探しが全くもって上手くいかず、やっとこさその過ちに気がついての方向転換?ポストちえみとして選んだとおぼしき素晴らしき逸材をこんな風に扱ってしまうなんて…一体どういうことなの、プンプン。まさかピュセルな美紀ちゃんを「使用人」って意味で捉えていたワケじゃないでしょうね〜おいおい。この曲で「ザ・ベストテン」のスポットライトに登場するなど…オシてくれていたみたいなのだけど?それにしてもどうにもこうにも腑に落ちきれず?スッキリしやしないイチオシさんのニオシ扱い…ピュセルの涙もチョチョ切れるぅ〜ありえへ〜ん営業方針でゴザイマシタわ。(笑)

☆作品データ
作詞:栃内 淳 作曲:井上ヨシマサ(1987年度作品・CBSソニー)
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夏まっさかりなこの頃…読者のみなさまはいかがお過ごしかしらん?

と、いきなり「夏色のエアメール」を皆様へ送りつけるワタクシメ。といっても毎日これでもか!と続く異常なまでの猛暑気候、そしてバケツをひっくりかえしたような豪雨続きで…おそらくはヘキエキとした日々をお過ごしなのかと思われ。となんだか他人行儀なコメントでゴメンなさい。だってワタクシメの住むお国は冬の真っ只中。「あら、それで都合のよい冬眠?どうりで長らく更新がないと思いましたがな」と感づいた挙句の怒号もチラホラかしらん、ナゾ。(笑)いえいえ、決してそういうワケではありませんでしたのよ…真冬なのに真夏の曲をレビューせねばならぬ?妙な辛さってのもネ〜あったりで、エヘッ。(笑)

まぁ、そんなことは暖房をガン炊き!お部屋の中を真夏の雰囲気でしこたまにすれば済む話だったりで。それよりもなによりも、過酷な気候の中に身を置いてらっしゃる皆様へ向けての鎮魂歌(チンコンカ)…この度は一服の清涼剤を皆様へお届けしたいのね。そんなキモチから今回はこの方のこの曲をレビュってみたいと思ったのでありまする。

表題の「青い風のビーチサイド」は1985年にデビューした松本典子さんのシングル第2弾として、同年の6月21日に発売された楽曲。作詞を手がけられたのは、失言でここ数日の渦中の人となっている麻生...いえ、ソチラの麻生さんではなく作詞界で名を馳せた麻生圭子氏。そして作曲を手がけられたのは、シンガーソングライターとして自らも1982年に歌手デビューをカマされていた岸正之氏、このようなお二方による作品なの。岸氏と言えばご本人の歌手活動そのものよりも、他歌手への提供曲…

「話しかけたかった」南野陽子
「マリーナの夏」渡辺満里奈

これらオリコン1位獲得ヒットの作家さんとしてより知られている方でもあるか。特に清らかさが必須条件として求められた女子アイドルとの相性はすこぶるよろしかったご様子で…

「セプテンバー・クイーン」若林加奈
「トキメキがいたくて」「雨に消えたあいつ」伊藤智恵理
「雨上がりのサンジェルマン」岡村有希子
「悲しきカレッジ・ボーイ」北原佐和子
「木漏れ日のシーズン」高井麻巳子

などなど…ヒットまでには至らなかった作品が多いものの、清々しい旋律が特徴の高品質ポップをタタキだしてくださった方でもある。ご本人様が作曲家としてご活躍される前のことや、そのご風貌がかなりのイケメンさんであることも当時から認知してはいたのだが、現在になってもホムペ上で過去の作品に関する想いや日常のことがらを日記として綴られているマメさ加減に関しては、さすがに存じ上げなかったのでありまする。岸さん、ナイス^^!

この楽曲に関してのエピもホムペ上でご披露されていたりで^^。そんなことからご本人様的にもかなり思い入れのある作品なのではないかと…いつもの悪癖で邪推してみたりもするのである。(笑)そのエピとやらによれば、表題曲はアルバム製作に先駆けてレコーディングされたもので、録音終了と同時にシングルとして切ることが即決された!とのこと。ちなみにそのアルバムというのは、松本典子さんのファーストで名盤としてもその名を轟かせる「Straw Hat」を指すことは言うまでもないか。

こういう背景から考えても、CBSソニーが協賛イベントとして開催していた「ミス・セブンティーン」において優勝した娘ッ子を、第2の「ミス・ソニー」として売り出したい!と企てる。コレはあくまでも自然なことであったのかと思われ。なにせねぇ、聖子嬢にて大成功を収めた後のソニーってのは、その後釜探しに目の色を変えるハメに…。もちろんそのおキモチは痛いほどに分かるけれども。

「ちょっと春風」沢田富美子(1981年組)
「不安タジー・ナイト」横田早苗(1983年組)
「ひとりぼっちは嫌い/ピンクの鞄(トランク)」高橋美枝(1984年組)

82年こそ百恵路線?とおぼしき三田寛子さんを「仙八」効果のイチオシとして担ぎ込んできたものの、それら以外は聖子嬢の風情を漂わせる娘ッ子を次から次へと連発銃。それなのにガン首そろえて全員撃沈!という悲しい結果も、世界のソニーと呼ばれた社らしからぬところ?70年代には数々のスター歌手を輩出したCBSソニーも、80年代になるとさすがに右往左往?そうそう左うちわの状態ではなかったことが伺える履歴(黒歴史?)とも言えるのか。

そんな状況下で白羽の矢が立てられたのが、本レビューの主人公である松本典子さんだったというワケである。まぁ、上に掲げたレコジャケを見よ!ソレがすべてを物語るのサ〜といったトコロか。

●松○○子という、あたかも女王のソレからあやかったようなお名前
●一糸乱れぬ、完璧な聖子カット
●女王の系譜を色濃く引き継いた「憂い顔」

これらにプラスしてタイトルに「青」をもってくるという、決定打のような関連付けにズキュンバコン!これだけカマされたら見ているこちらの方だって、いやがおうにも「聖子」が頭にチラついてくるというものである。でもって肝心の楽曲の方はというと…

♪真っ赤な麦藁帽
 手のひらで 押さえて歩くの
 あなたは黙って
 潮風に ほら また溜め息

♪青いビーチから はぐれたのは なぜ
 二人だけなの 揺れてる木陰

♪お願いよ 今日こそは 囁いて
 君が大好きだと
 誰よりも涼しげな その瞳
 いつでも私だけ見つめてね

ふむ。知り合った日から半年…なのかどうか、詳しい歳月に関してはあいにく描かれていないものの(笑)、好意を持っているというそのキモチを言葉として発してくれない彼との夏物語…のようである。しかも2番の歌詞には「デッキチェア」や「入り江」がご登場と相成るなど…物語の設定のみならず、曲中の小道具に関してもミス・ソニー様のソレをかなり意識した作りにしていたご様子。

それにしても実に清涼感あふれる作品である。あたかもどこぞのリゾートから夏色のエアメールでも受け取ったかのよう。イントロ開始早々に聴こえてくるギターの音色は、オーシャンブルーとの境界線が分からなくなるくらいの、青く澄み渡る夏空を彷彿とさせる。ソレに絡むのはナツウタでは必須と言われる‘ウーウー’男声コーラス。岸氏のエピによれば、このコーラスは岸氏ご本人(ならびにお仲間)によるお声(アレンジも含む)だったとのこと。どうりでさわやかこの上ない仕上がりっぷりだと思いましたがな。ちなみに本楽曲自体の編曲を担当されたのは船山基紀氏である。

本曲を唄った松本典子さんの歌声にも目を向けてみまショ。コチラはご本人が生まれついた時点で備えてらした?とおぼしき、奥ゆかしさが特徴の‘かすみ草’的唱法。決して前面に飛び出してくるようなハデさはないものの、諸先生の言うことをよ〜く聞いて唄っていたとおぼしき従順さ、そこからあふれだすお上品な佇まいが松本典子さんの魅力でもあったワケで。アイドルポップスとしてもかなり高品質な作品であり、遥か先を走っておられたミス・ソニー女王様からの伝統を頑なに守った一曲といった感じか。

このケナシようがないと思われる本作に対して、ちょっとだけ残念な点を無理にあげようとすれば(って別に無理しなくてもいいんじゃない?って感じなのだけど^^;)、そのかすみ草のような歌声によりアクの面で弱くなっているトコロ?それとサビ以降のやや消化不良気味なメロディがちょいと気になったりも。だってここから盛り上がるゾい!ってところでなんとなくシボみ気味になるのだものぉ。1曲通して聴く分にはコレで全くもって問題ナシといったトコロでもあるのだが、当時のアイドルが歌番組に出る場合のテレビサイズ…要は1番+サビ、もっとヒドイ場合には1番だけの歌唱というアレ。あのサイズに収めてしまうと、このサビメロの良さが伝わりきらないのではないかと。あたかもソーダ水のあわ…ぷちぷちっと消えてしまう存在感の薄さのような感じになってしまってサ、さわやかで良質…ではあるのだけれども。

それこそミス・ソニーが放った「青」のお歌の強烈無比なインパクトを思い起こしてしまうと…ネ。でもなんだかんだいったトコロでね…やっぱり「No Wonder」に好きよ、こういう王道を堂々行進するアイポ。(笑)

この曲はオリコン最高30位を記録して登場週数8、累積で3.7万枚。新人歌手の二作目としては上々?のようにも思えるのだが…

♪お願いよ 今日こそは

キャンペーンなどでご多忙を極められていたであろう典子ご本人さまが、当時のチャート誌なんぞに気をとめておられたかどうかは定かではないのだが…。「お願いよ〜今日こそはランクアップ!」の願いむなしく?デビュー曲「春色のエアメール」で達成した最高28位、11週、5.8万枚の記録を塗り替えられぬまま圏外へ。新人歌手としてステップアップを目論むシングル第2弾にて、やや伸び悩んでしまった感は否めないか。

サビでのインパクト作り…本曲での教訓から生まれてきたとおぼしき作品が、先に記述した「話しかけたかった」「マリーナの夏」?サビ対策を万全に施したオリコン1位作品にあたるのかしらね、おそらくは。岸さんにコレに関する後日談をいつか教えていただける日が来るのかしらん、彼が「真夜中のWhisper」ってのをキドってサ。(笑)

☆作品データ
作詞:麻生圭子 作曲:岸正之 (1985年度作品・CBSソニー)
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桜舞うこの季節…巷では「卒業式」や「お別れ会」などなど、セレモニアルな催し物があちらこちらで開催されるシーズンでゴザイマスよね。ワタクシメにおける「卒業式」の思い出と言えば…やはり小学校のソレかナと。あの日は3月下旬にもかかわらず、小雪が舞い散った寒い1日。会場である体育館では卒業生を送る下級生たちの歌声、そして卒業生全体で歌うお別れの歌が響き渡り、父母の皆々様方がすすり泣くお声などなど、これぞ「ザ・昭和の卒業式」といった趣をたたえていたものでゴザイマス。

卒業と言えば、70〜80年代アイドルたちもこぞって取り上げたモチーフであったことは、このブログのご訪問者さまなら十分ご承知のことかと思われ。今回取り上げようと思っているこの方のこの曲も、実はソレをちょこっとしのばせてみましたの!なんて趣をたたえるソレだったりもして。だけれどもソレが中心モチーフではないがために、意外と見逃されていたりも?

そんなワケで今回は、毎年この時期がやってくると思い出してしまうというこの方が…1985年の冬から春にかけて放ったあの1曲を取り上げてみたいと思うのでありまする。

表題の「二人だけのセレモニー」は岡田有希子さんのシングル第4弾として、1985年1月16日に発売された楽曲である。これ以前のユッコと言えば…

「ファースト・デイト」 (オリコン最高20位、14週、10.6万枚)
「リトルプリンセス」 (オリコン最高14位、9週、9.4万枚)
「-Dreaming Girl- 恋、はじめまして」 (オリコン最高7位、12週、12.9万枚)

の計3枚をデビュー年にリリースし、順調に売り上げを伸ばしていたもの。そして年も明けたこの頃と言えば、トップアイドルの座をめざし、スターダムを着実にかけあがるべく時期…ということになる。それこそ前年度の勢いを持続させつつ、更なるジャンプアップを狙おう!という…もしかしたらデビュー曲よりも大切な一枚?だったようにも感じたりで。なんせこうしたタイミングでケ躓くと後は急坂を転がるのみ!そんな失敗をこいてしまったアイドルさんもたくさんいらっしゃいましたからん。

そんな新年明けての大切な一発目のために作家陣として迎え入れたのは、作詞が夏目純、作曲が尾崎亜美というコンビ。デビュー年は竹内まりや一辺倒で押し切ったユッコ陣営。尋常なら売り上げ増を達成できた第3弾の作家でもう1枚!ってな手法も考えられたかと思うのだが、ユッコの場合はソレを一新して挑んできたのである。大冒険…というほどのものではなかったけれど、1年目に築いたユッコの「ステキの国からやってきたリトル・プリンセス」なるイメージをちょっとだけ背伸びさせる戦略に出てきたかな?といったものを感じさせたもの。

夏目&尾崎のコンビにより紡がれたアイポ…実は85年から86年にかけて何曲か存在する。

「PIRA★星物語」若林加奈(1985年3月1日)
「素敵な休日」堀ちえみ(1986年10月21日)
「内緒で浪漫映画(ラブストーリー)」新田恵利(1986年11月14日)

これらの他にもアルバム曲で岡本舞子さんの作品に同コンビによるクレジットが見つかる。こうしてそれら該当楽曲を並べてみると、なにかこう…うん、ユッコの香りが芳しいというかなんというか。もしかしたら全部がユッコのボツ曲だったんじゃないの?と勘ぐりたくなるような作風なのである。まぁ、上から二番目の作品に関しては「実はそうだった」とまことしやかに囁かれる楽曲だったりもするのだが、実際のところはどうなのかよく分からない。たしかにその曲も「おや?」っと思わせる作りではあるのだが、三番目の作品の方が表題曲とより近い感じもして…なんといっても賛美歌風ってところに共通点がゴザイマスからん。編曲はそれぞれ違う方の手によるものなのだけど。

さて、その賛美歌風に味付けされたという「二人だけのセレモニー」の話に戻すことにする。教会、ミサ、パイプオルガンなるものを連想させられるようなイントロが、のっけから印象的になっている。実はこの表題曲にはシングル盤とは異なる別バージョンも存在する。それはユッコの2ndアルバム(「FAIRY」)に収録されているのだが、荘厳さで比較すれば後者に軍配が上がる。おそらくは発売時期の関係で制作時間も限られていたであろうシングル盤を発売した後、陣営側の反省も含めてやり直し?をカマしてみたのがアルバムバージョンだった…のかもしれない。いずれにしても聴き手のお好みもあると思うが、より賛美歌風味が味わえ、音の厚みが増しているのは後者の方である。

♪あ…重ねた指の十字架でも
 キラキラする…なぜ?
 ねえ…3本きりの花束でも
 ときめいてる

恋したらビンボーだって平気なの。ガラス玉も光る宝石になるの〜と高らかにその悦びを歌うアイポも存在していたけれど、コチラに関してもソレとほぼ同じ?アナタがいれば百万本のバラも、純金製の十字架クルスもいらないわ…という、恋の仕業によるマジックといったところなのかと思われ。ここでこのカップルがお指で作っている十字架…その形状を考えると男性がタテ、女性がヨコ…という役回りか、おそらくは。

♪キャンパスのお別れに 約束してたの
 パーティーは2人だけ ともしたキャンドル
 誘われて踊るのは あなたが最初決めてた
 とまどいも卒業よ あふれるほどにあなたが好き

この楽曲における中核部分を成すココにて「卒業」ソングとしての主張がカマされる。ただし前述したようにソレが中心テーマではなく、あくまでも主人公のお相手さんが「卒業」する設定となっているため、そういうお色は薄くなってしまっている。これこそが見逃されがちになっている要因なのかと思われ。

でもってなぜにこの部分が中核なのかを書くことにする。

この楽曲は序盤もそこそこに切り上げ、この箇所で急展開をけしかけるの、しかも大胆な転調を伴いながら。つちやかおりさんにおける1982年6月発売のデビュー曲「恋と涙の17才」(オリジナルは「You Don't Own Me」 レスリー・ゴーア|1964年1月)の大胆転調にも相通じる部分もあるか。あちらはあちらでオリジナルのキーからどんどんつり上がっていく…というタイプの楽曲だったが、ユッコのは逆に下がっていくのである。そう言えばつちやさんのソレにも鐘の音がキンコンカンコンと鳴り響き、ソレっぽい風情をたたえていたもの。一方でユッコの転調部分に注意深く耳を傾けてみると…あらら!

♪キンコンカンコン〜

もしかして効果音としてではなくて、メロそのもので♪キンコンカンコンをやってのけてしまったの?といったことに気がついたりもして。コレを読んでる皆様!学生の時分に耳にされていたであろう始業や終業を知らせるあの鐘の音の音運び…思い出してみてよ。ほらっ…似てるでしょう?と半ばコジつけ気味に説得しまくるワタクシメ。(笑)作曲をされた尾崎さんとしたらば、それまでのアイポに見られた効果音により賛美歌風を演出するものではなく、メロディー自体でこういうのを作ってみたい!なんて思惑をお持ちだったのカモ。そもそもそういう発注があったからカマしてみた…のかもしれないけんど。だからこそこの部分が楽曲のイメージを司る大切な中核…なのである。お相手さんにときめいて…そしてはじめてのことで少し慌ててしまっている主人公さまのキモチを表現した、いわば早鐘のチャイムと言えようか。

このチャイムを表現した転調効果によるものなのか、この楽曲は神聖で荘厳、そしてミステリアスな雰囲気をしこたまに湛えている。なんせこの部分を歌い終える頃には、元々のオリジナルキーがなんだったのか…サッパリコンコン分からなくなったりもする。そういう意味では賛美歌風味にちなんで…ネ申がかった1曲と評してしまってもよいのかもしれない。

♪目を閉じていい? そして甘いセレモニー

ミステリアスと言えば、この楽曲の歌詞にも注目である。なぜならソレは非常になまめかしい色であふれかえっているからである。他のリスナーさんはこの歌詞に関してどのように感じておられるのだろうか? ワタクシメの調査によれば、男性陣における多くの方々は「彼と交わすオトコとオンナの儀式直前心情を歌ったもの」とする解釈が非常に目立ったのである。だけれどもその男性的解釈のみで本当に良いのだろうか? 1番のみならず、2番の歌詞を確認してみると…

♪あ…背中に届く私の指
 ドキドキする…なぜ?
 ねえ…言えない言葉
 あなたの背に 書いてもいい?

♪夢ならば さめないで
 心の鍵を渡すの
 お願いよ このままで
 夢よりもっと あなたが好き

ふむ…このお歌に出てくる女の子の年齢設定、おそらくは歌唱者であるユッコと等身大の17才くらいか。大学を卒業するとおぼしきお相手さんは22歳?いや、早生まれも考慮すれば21歳か。まぁ、浪人せずにストレートでいった場合の想定になるのだけんど。
歌詞を読み進めて感じること…ソレは主人公はこのお相手さまとはアレどころか接吻もしていない段階なのではないかと。

これまでは彼との色々を「夢」のようなものとして大切にしてきた。そしてついに二人だけのパーティーが。キャンドルの炎がゆれる中、ロマンティックな調べにのせて彼と踊ってみたい。言えない言葉は…「好き」の二文字。そして…もしもそういう瞬間(とき)がやってくるのだとしたら、あなたと甘いくちづけを交わしてみたい。とまどいを感じることもあるけれど…もうそれは卒業するの。だってあふれるほどにあなたが好きなんだもの。

主人公さまはこんな道程におり、彼と唇を重ねること…ソレがこの時点での彼女における「二人だけのセレモニー」なのではないかと…。あらっ、やだん。ワタクシメったらばいい年ぶっこいたオヤジのはずなんだけど…ここにきて清純少女へトランスフォームかしらん、ナゾ。(笑)♪男は狼なのよ〜気をつけなさい〜なる教訓もあるくらいだし、それこそいきなり押し倒されて××?ってネタがこのブログにおけるお家芸だったはず。イヤヨイヤイヤ…そんな四畳半的で下世話なお歌なんてユッコには似合いませんものね。あぁ、女の子の気持ちはムズカシ…こうなったら元処女(オトメ)?である女性読者のみなさまに教えを請うしか、手立てはないようでゴザイマス。

この曲はオリコン最高4位、100位以内に10週間とどまって14.7万枚を記録しヒットへと結びつけた。前3作品と比較してみると、実はこの曲で最高位ならびに最高売上(この時点での)を達成しているのである。賛美歌、早鐘のチャイム、セレモニー…芸能界の黒さに染まらず、奇跡的にも雪のような白さと神聖さを保っていた少女。そんな彼女が少し背伸びしながらも、気持ちを込め丁寧に歌い上げた作品。はじらいのようなものが見え隠れする歌声も実に良い!それこそアイドル、岡田有希子としての真骨頂ここに見えたり…である。

しかしながら白色には‘黒色にめっぽう弱い’という哀しき性質が…。

♪夢ならば さめないで

あれが悪夢であるのならば今すぐにさめてほしい。今でも胸をギュっとしめつけるユッコの哀しい幕切れ。ソレは悪夢以外のナニモノでもないのである。

☆作品データ
作詞:夏目純 作曲:尾崎亜美 (1985年度作品・キャニオンレコード)

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