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♪バイト先の人 年上のあなたの 左手のリング 気づいてたけど コレを読んでる皆様は、おそらく↑の歌詞の一節を読んでドキッ!とするのだろうか。 こんな歌詞を織り込んだチューンが市場に出回ったのは1984年6月。歌唱したのはタンゴ・ヨーロッパなるガールズバンドである。しかしながらタンゴ・ヨーロッパと言ってもあまりお馴染みでない方がいるかもしれないので、まずは補足からさせて頂きたいと思うのでありまする。
こんなバンドである。あくまでもガールズバンドであってアイドル歌手ではなかったことを強調しておくことにする。なのでこの書庫でのご紹介は少々気がひけたりもして。ただ、筆者の記憶によればアイドル系歌手がこぞって出演する歌番組などにも、時たま顔を出されていたタンゴ・ヨーロッパのみなさん。おそらく立ち位置的にはプリプリの前身だった赤坂小町あたりと同じようなソレ?であり、アイドル番組へのご出演拒否はされてなかったようである。 こんな彼女達はデビュー当初からユニークさがしこたまに溢れるチューンを唄う女の子バンドということで、かなり話題にはなっていたもの。しかしそういったモノを受け入れる土壌があの時代に出来上がっていなかったのか…こうしたユニークな切り口の作品が一般的に大きく広がり人気を得る…ということには至らなかったようでもある。 そんなタンゴ・ヨーロッパがいつものユニークな作品からは脱し、新しい試み?とも思えるキマジメな作品で勝負してきたのが、表題の「桃郷シンデレラ」だったというワケなのである。ちなみにタイトルの「桃郷」は‘ももさと’じゃなくて‘とうきょう’と読ませる…念のため。 この作品は作詞をさいとう菜々子さんが、作曲を是枝淳子さんが手がけたモノ。作曲をされた是枝さんはこのユニットのメンバー、そして作詞のさいとうさんはヴォーカルを務めていた斉藤美和子さんの、作詞用のペンネームだったらしい。らしい…というのは、実はこのユニットに関しての知識をあまり持ち合わせておらずでありまして、あえてそのお言葉を使わせて頂きたく思うのでありまする。どなたかお詳しい方、ご教示をお願いっ! さて、そんなコンビにより生み出されたこの曲のモチーフは…
コレである。1984年頃と言えば、某有名女性まんが家であるあの方がソレに走られたりとか、元ピンク・レディーのケイちゃんがそのものズバリ「FU・RI・NE」というタイトルの楽曲をリリースしたりと…世の中はソレがちょっとしたブームというか、クローズアップされていた時代だったもの。90年代に入ってから「不倫は文化だ!」と叫び散らした某有名男性俳優さんもいらっしゃいましたものね、そう言えば。(笑) でもこういうモチーフだとすると、アイドルポップスにはなり得ないような、なにかこう♪うしろめたいのはなぜだろう〜といったお色になってきてしまうもの。 しかしながら「桃郷シンデレラ」はそうしたモチーフであることを忘れさせてしまうほどの魅力が存在するからスゴイ。ソレはヴォーカルを務めた斉藤さんの澄んだ歌声、そして作曲をされた是枝さんによる、どこかナツカシささえも感じさせる哀愁味を帯びた歌謡曲っぽいメロライン。この曲は現在でも幅広い人々からの支持を受けているのは言うまでもないのだが、アイドルポップスファンの間でも人気が高いってのは、おそらくそこら辺りの理由が引き金になってるのかと思われるのでありまする。ただ、レコジャケ自体は相変わらずのコミカル系…なのだけれどもネ。(笑) ♪夕暮れの中を 走る湾岸道路 車の窓から 遠く見つめてる 途切れた会話に煙草の煙が渦を巻く 出会った時からまっすぐ恋に落ちた二人 歌の出だしはゆっくりと…バラードかとおぼしき静けさの中でのプロローグとなる。ただ、この時点からなにやら怪しい雲行きがモクモクと…。 ♪シンデレラの夢抱き 飛び込んだTokyo City 王子様を探すの 19の春の幻 おそらくは地方から出てきたであろう19の生娘。東京という大都会への憧れをしこたま胸に詰め込んで+白馬に乗った王子様を探すのよん!って目的だって当然の如く抱え込んでネ。(笑) ♪バイト先の人 年上のあなたの 左手のリング 気づいてたけど そんな生娘が出会ったのがバイト先で出会ったという年上の彼。でもってその左手の薬指にはキラリンコンと光を放ちまくるリングが…。 ♪心に灯った炎は消える術を知らず 一度でいいからその手に抱かれてみたかった でもネ…心に灯った炎は消えはしないのよ!とばかりに先に突き進んでしまった彼女。そう言えばワタクシメの知人女性にもこのようなことをしでかしてしまったお方が…実はおりましたのでゴザイマス。とっくの昔に音信不通…♪今はもう〜なしのつぶてね〜状態となってしまったけれども。今頃はどこでどうしているのやら。 ♪シンデレラの夢抱き 飛び込んだTokyo City 王子様を忘れた 20才の秋の夕暮れ この曲はその出だしからどこか淋しげで哀愁味の満ちたメロでリスナーをグイグイと引っぱっていくのだが、湾岸道路に哀愁…ときたら、そう…あの曲でゴザイマス。まさにそんな風情でしこたまなチューンだった「哀愁Dream」の横田早苗ちゃん!それこそ、そのお歌の内容だって…FU・RI・NEとおぼしき世界観がグルリンコンと広がっておりましたものね、といってもソレは定かではないけれど。そう考えるとコチラのお歌のお二人様も‘夢のお城’がたくさん建ち並ぶ湾岸道路沿い…そこのどっかの1軒にて‘秘密の甘いひととき’を過ごされてウンヌン…ってな設定になるのかしらん。 ここまで歌詞を追ってきて、とあることに気づいた方もいるかもしれない。そう、この曲は物語形式となっており、19の春を皮切りにして… ♪シンデレラの夢抱き 飛び込んだTokyo City 王子様は何処に 21の冬の夜 21の冬の夜までが綴られているのである。ということはこのお歌の主人公様は都合3年にも渡り、このお方とのウンヌンがココロの中でくすぶり続けていた…ということになる。おそらくは地方から出てきてお初の本格的なる恋だったのか、はたまたアッチの方がよっぽどイカったのか(←コラッ!)その理由はよく分からないけれども、とにもかくにも逢えなくなってしまった後でも彼のことをずっと胸に秘めつづけていたようでゴザイマス。まさに♪過ちで結ばれても女心は燃えあがる〜こんな世界観なのかしらん。女性読者の皆様…ぜひともお口添えをお願いネ♪ この曲はオリコン…正式な記録は分からないのだが、当時の記憶によれば80位台かその辺りにはお顔見せをしていたかと。この楽曲はテレビの歌番組でもお披露目がなされ、またその楽曲の良さや斬新な歌詞からも当時は話題にのぼっていたチューンである。おそらくは有線などではもうちょっと上の方にランクインしていた可能性は大…である、このお歌の内容からしてネ。ただ、タンゴ・ヨーロッパとしてはこの曲が移籍第1弾という心機一転ソングだったものの、悲しくもコレがラストシングルとなってしまった…というのが事実だったりもする。 元々、この楽曲は「月の夜」というタイトルで歌詞やアレンジがやや違ったバージョンがすでに存在していたとかで。ソレをシングル用に、しかも移籍後の勝負曲としてカマしてきたのが、この「桃郷シンデレラ」だったということになるのか。しかしながら…
ガールズバンドという形態が、当時のニッポン歌謡界にはまだ早すぎたのかなんなのか…タンゴ・ヨーロッパはイマイチな結果だけを残し、この曲を最後に解散してしまう。要は…
ブレイクという名の王子様が彼女達の前に現れることはなかったようである、残念だけれども。アイドルポップスファンや歌謡曲ファンにも充分にアピールできうる楽曲だっただけに…いやはや、もったいのうゴザイマス。 ☆作品データ
作詞:さいとう菜々子 作曲:是枝淳子(1984年度作品・キングレコード) |

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