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1982年6月25日に「あなたのサマーギャル」でデビューしたキャンキャン。メンバーは山本博美、唐沢美香、桜井直美の3人娘で、そのグループ名のネーミングからも察しが付く様に、彼女達はキャンディーズ・フォロワーとしてデビューを飾ったのだった。 本家本元のキャンディーズ解散から早4年の月日が流れていたが、アイドル界はその後を担う為のこれといった決定打ユニットを打ち出せずに彷徨っていたのだった。しかし、そんなキャンキャン、デビュー曲はなんとあの都倉俊一氏が手がけていたという。 う〜ん、なにかこれは過去の度重ねてきた失敗を省みて、キャンディーズ風味だけでは物足りないのならば、ピンク・レディー風味も足して両グループの美味しいところを併せ持ったようなユニットを…という破天荒な目論みでもあったのだろうか…。気が付いてみたら彼女達も花の82年組だったのね…。 さて、そんなキャンキャンがグループ名をいつのまにか平仮名表記の‘きゃんきゃん’へと改名、そして大勝負を賭けるべく翌年夏に発売したのがシングル第4弾、表題の「なに?お巡りさんが」だったのだ。お巡りさんというワードがタイトルに宛がわれている時点で、なにやら息苦しいほどのキナ臭さが充満…。しかも作家のクレジットを見てみると…
となっている。阿久氏+お巡りさんとくれば、ピンク・レディーの「ペッパー警部」を想像してしまうのはいた仕方のないところ。「ペッパー警部」が発売されたのは1976年8月25日。この楽曲はその日から約7年もの歳月を経ての、いわば‘焼き直し’だったのだろうか。焼き直しと言えば、つい最近もこのブログでキャンディーズの「やさしい悪魔」の‘それ’ということで紹介、ザ・チェリーズの「私のサタン」という曲が存在したが、それと双璧を成す様な焼き直し臭がプ〜ンと漂う1品となっているのだ。 歌冒頭部分から炸裂するけたたましいパトカーのサイレン音。一体何事なのさ!!!と聴き手を思わせんばかりの騒ぎっぷり。そして… ♪待て待て待てと呼び止められて〜
と音符に出来ない声を張り上げるお三方。もうこの時点でムセかえるほどのB級臭がたちこめる序章…。しかも小道具として手錠まで肩口にぶらさげ、それを♪手錠が〜なんて唄いながら自らの腕にガシャっと…。(笑) ♪どういうことなの理不尽でしょう 私が何をしたと言うのよ〜 説明してよと迫っていたら 露出制限オーバー
あらあら。ここに来てなおもまた、例の音符にならない声で歌い続ける3人。このパフォーマンスにはもう絶句でございますわ…。(笑) 要はこの曲、男を惑わす魅惑の女性を主人公に、その彼女をひっ捕らえてしまったお巡りさんのお話なのだ。しかもこの魅惑の女性ったら... ♪接近注意のシールを貼られ ま・し・た と居直ったと思ったら…
と、のたまう始末。しかも♪ぅぅぅ〜のところではコーラスワークまで付けてくれるサービスっぷり。凄すぎますわ、きゃんきゃん!この歌に全てを賭けていたのか、はたまたこれが最後の〜!と言わんばかりでやけっぱちになっていたのか…真意のほどは謎でございます。(笑) きゃんきゃんはこれ以前にも3枚のシングルを発売していたが、デビュー当初の2枚目までは桜井さんがセンター、3枚目の「迷うルージュの色」からはセンターを山本さんへとバトンタッチ…。このセンターチェンジは女性3人組ユニットには恒例になっている、いわば‘儀式’のようなモノなのか…。そう言えばご本家キャンディーズもスーちゃん→ランちゃんへと…同じような儀式がございました。そしてこの曲ではデビュー当初から左側のポジションにいた唐沢さんに♪ミニとビキニと〜ミニとビキニと〜の部分でソロを取らせるなど、なにやらキナ臭い匂いが充満。まるでミキちゃん状態???と思ったら、やっぱりこの曲を最後にグループは解散、デビューしてたったの1年かそこらでの幕切れと相成ってしまったのである。結局のところ、彼女にソロを取らせたのは「デビュー当初からレフトを守ってくれてご苦労さん」という、要は華を持たせるための‘ねぎらい’だったのだろうか。 しかも、解散間際に慌てるようにして発売したアルバム(←2枚目!)ではA面が山本さんのソロ、B面がきゃんきゃんバージョンって…。一体、どういうコンセプトの元に作られたユニットだったのだろうか。 山本さんの人気が他より抜きん出ていたのは周知の事実だが、これじゃ残された2人の立場は…?こんな状況じゃどっちにしてもグループ自体が長続きするものにはならなかったであろうに。きゃんきゃんの3人はルックスもキュートだし、上のジャケからも察しがつくようにナイスボディの持ち主。コーラスワークなんかもそこそこ出来て悪くはなかったと思うのだが、ただちょっといい意味での‘アク’に欠けていたというか、これといった個性がイマひとつ感じられない曖昧さが残るユニットでもあった。‘阿久’センセイの作品を唄ってもなお、その‘アク’を出しきれなかった感は否めない...。 しかし、この頃の阿久センセイ、70年代にスゴ歌を世に送り込みすぎてお疲れだったのだろうか。はたまた解散の決まっていたきゃんきゃんへの餞(ハナムケ)として悪ノリ?いやいや、もしかしたら「ペッパー警部」の焼き直しを真っ向から依頼されて困った末にいやいやお作りになった作品だったのだろうか。いずれにしても謎の残る妙な作品なのである。(笑) ☆作品データ
作詞:阿久悠 作曲:川口真(1983年度作品) |

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