考える沖縄人

沖縄人だってたまには深く考えます

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こちら(http://blogs.yahoo.co.jp/chestxp333/29327221.html#29327221)の記事のナマズさんへの解答です。

この時の記事とやや食い違うこともあるかと思いますが、少し考えが変わったのかもしれません。

(1)不妊治療の定義について
 ご指摘の通り定義が曖昧でした。申し訳ない。
 
 不妊症とは、そもそも「正常な性交渉を持つカップルが、2年以上妊娠しない」というのが定義です。
 当然、原因は多岐にわたります。女性側の問題ばかり話題になりますが、男性側のこともあります。
 生まれ持った生殖器の奇形による場合や、後天的な感染による場合もあります。

 本来ならば子宮奇形の手術やホルモン治療とかも含め「不妊治療」とすべきでしょうが、ここではいわゆる「不妊治療」とします。厳密な定義は困難ですが、当時民主党が推進するといっていたような「現在保険適応でない治療」と考えるといいかもしれません。
 
 いろいろな方法がありますが、
 男性の精子を人工的に膣内に入れる「人工授精」
 精子と卵子を採取し、体外で受精させ子宮に戻す「体外受精」
 精子と卵子を採取し、顕微鏡下で卵子内に精子を入れる「顕微授精」
 
 これらは本人たちの精子や卵子を使っています。
 さらには最近話題にもなってますが、本人たち以外の精子や卵子を使う方法があります。

 他人の精子を使用する「非配偶者間人工授精(AID)」
 他人の卵子を使用する「卵子提供」
 さらには、他人に出産してもらう「代理出産、代理母」なんてのもあります。

 主にはこういったところでしょうか。この6つと定義してもいいかもしれません。
 上4つは特定の病院に行けば通常業務として行われています。
 卵子提供も、かなり行われていることが明らかになってきましたね。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120428-00000922-yom-sci

(2)倫理的な線引きについて

 これはかなり難しいので、倫理が専門でない自分に根拠と言われても苦しいものがあります。
 どちらかというと倫理的な線引きというよりは(3)の線引きによって、「人工受精まで」と主張するべきなのかもしれません。

 「人工授精」も倫理的におかしいという方もいるかと思います。しかしながら、人工授精は性交渉の技術がうまくいかない人や、どうしても性交渉に対し嫌悪感を抱いているカップルにとっていはいわば「性交渉のかわり」ですから、この方法は残しておくべきと考えてます。
 
 医療倫理の基礎となる「ヒポクラテスの誓い」では、胎児も生命とみなすべきとしています。
 体外受精や顕微授精で作る受精卵は1つではありません。そして、それらの全てを子宮内に戻す訳ではありません。戻されなかった受精卵はどうなるのでしょうか・・・難しいですが・・・・


 ただ、個人的に申し上げておきたいのは、世間一般において倫理的な部分はほとんど議論されていない。自分のように、「ここまでにすべきではないか」という人もいない。そんな状況で、保険適応されていない範囲で様々なことが行われてきています。
 もちろん自分だって、ネットという匿名の議論だからこそこんな風に強気で主張しているのは事実です。到底、今の職場で大きな声で主張すればいろんなところから反感を買うでしょうね。


(3)改善すべき問題について
 すこし論のすり替えになってしまいますが、以下の通りに論じます。

 あまりこのことに触れたくはなかったのですが、卵子と精子との違いにあるかと思います。
 例えばダウン症を例にとると、母体が30歳をすぎるとダウン症になりやすく、高齢になればなるほどその確率は上がるのは科学的に証明されています(染色体の分裂がうまくいかなくなるようです)。
 それ以外にも受精し着床し・・・・といったプロセスにおいて高齢になると不利なことが多いようです。
 一方精子は比較的高齢まで機能を保ちます。40,50の男性に子供ができるのは珍しい話ではないことからもわかるかと思います。精子の方がよりシンプルだからかと思います。
 批判を恐れずに言えば、「卵子の方が老化が早い」と言えるかと思います。

 精子の運動は精子の持つ遺伝情報というよりミトコンドリアによるものと言われており、精子のミトコンドリアは原則として子に遺伝しません。精子の運動能が落ちていて人工授精というのも、精子の遺伝子そのものに以上があるわけではない以上、理論上は通常の受精に近いと考えられます。
 しかしながら卵子はそういきません。受精卵の細胞内微小構造は卵子由来ですし、上述したように精子と異なり染色体の分裂にも難があります。さらに、原則一回の排卵で一個の卵子であり簡単に淘汰されるものでもありません(精子は数千万のうちの一個が受精します)。

 ゆえに、卵子側に問題がある場合の不妊治療はどうかと考えます。そういった意味でも、人工受精まででどうかと考えています。

 さらに言えば。
 不妊治療の原因は様々ですし、個々を考えると複数の原因が重なることや原因がはっきりしないことも多々あります。
 しかしながら、「高齢出産化」(ここでいう高齢とは受精、出産にはという意味です)というのが最大の原因の一つであることは間違いないかと思います。そこには、社会構造の変化により晩婚化し高齢出産化したしたことが原因なのも間違いないかと思います。それ故に、不妊治療はどんどん発達しているわけです。
 
 であれば、社会として、政治として、行政としてすべきことは、不妊治療の普及よりも晩婚化や高齢出産化の現状の方を何とかすべきではないでしょうか。
 育児休暇の取得、出産後の職場復帰、幼児保育の充実、乳幼児の医療・・・専門でない自分でも多くの問題を挙げられるくらいです。具体的に解決法を示せと言われても、難しいですが(野次を飛ばす政治家と言われてしまいそうですが・・・)。
 この国はアメリカのように自由主義とはいきません。事実生まれた子供は多くの社会保障を受けられるわけですから。
 
(4)その他もろもろ
・「子が得られない」状況について
 自分が言っても何の慰めにもならないかと思いますが、「子が得られない」というのは本当につらいかと思います。ここのブログに痛烈なコメントを残される方々は、そういった方々なのかと想像します。
 自分に子供を作る能力が足りておらず、治療で何とかなるというならその力を借りてみようというのが人間だと思います。個々の方々の、治療するしないは議論するつもりはないですし(野田聖子氏のような方は別として)、皆様の選択を尊重いたします。

 しかしながら、医療技術としての問題、倫理的な問題、医療保険の問題、政策としての問題はまた別です。一般論として、マクロな視点でやはり議論しなければなりません。知り合いの話で申し訳ありませんが、産婦人科医ですらそういった議論が少ないことに違和感を覚えていらっしゃる方も少なくありません。しかし、痛烈なコメントを恐れて議論できていないのではないかと想像します。
 だからこそ一個人ではありますが、意見を申し上げているわけです。
 なにもわからないくせに、という意見もありますが、個々の件に関しては当然何もわかりません。でも、全体の議論としては一般の方よりは深く議論できるのではないかと思います。
 
 

・子供が知ることについて
 これは当人にしか分からないことですので、自分は付け足すことはありません。
 気になる方がいらっしゃれば「AID 加藤」で検索するといいかと思います。
 遺伝上の父親を探して活動なさっている方の話です。
 AIDをしようとしている方、悩んでいる方は目を通されても損はないかと思います。


・不妊治療のリスクについて
 通常、医療とは安全であるべきです。その技術が確立されてから用いられるべきです。
 しかしながら、不妊治療はその技術の特異性ゆえ、生まれてきた子の長期予後までははっきりとわかっておりません。(母体の安全性はある程度担保されていますが)
 ナマズさんは根拠がないと批判されますが、根拠がないこと自体が問題だと思います。

 体外受精によって生まれる先天性疾患の率は、通常の出産と同じ。と主張するデータもあるようですが、そもそも先天性疾患の確率が高い高齢出産の率を上げ得るようなことはナンセンスだと感じます。
 この辺はもう少し勉強して、Up to dateを伝えられればと思います。


・自分について
 医療関係者。とだけ記しておきます。上述したように匿名だからこそ、自分も強気の意見が書けるのは確かです。
 もちろん専門家ではないので、専門家ではない医療関係者の意見として聞いていただければ結構かと思います。
 専門家でなければ意見を言ってはいけないのでしょうか。
 しかもこの分野は、専門家ほど反対意見をいいにくい状況となってしまってないでしょうか。
 それこそか、議論が進まない原因の一つではないでしょうか。


最後までお付き合いいただきありがとうございます。やや遅くまでかかって書いた記事なので、矛盾点や不明点もあるかと思います。忌憚のないご意見をお待ちしております。

 最後になりましたが、このブログで気分を害された方がいたらお詫び申し上げます。

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