コパンのうら

熊本県北部の山鹿市にあるちいさなフランス料理店「ビストロ シェ・ル・コパン」の舞台裏です。

記念切手とメモ書き。

フランスのアマゾンで、年に何回か本を購入しています。

今回欲しかった本(2006年刊行の詩集)は在庫切れでした。再版されるかどうかわからなかったので、マーケットプレイスに出ていた古本をポチッ。マーケットプレイスとは、アマゾンのサイト上で第三者が出品した商品を購入できるシステムです。


楽しみに待っていたところ、届いた荷物(普通の国際郵便で送られてきました)を見てビックリしました。

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なに、このずらり並ぶ記念切手は! 

こうした商取引の郵便物の料金支払証明って、切手じゃなくて料金証紙とかスタンプとかを使うのが一般的では? あるいは、切手だとしてももっと標準的な切手では?(フランスならマリアンヌ像のもの) しかもこんなにたくさん、初めて見たものばかりで、ほとんど違う種類です。

……で、気になって調べてみました。


えーっと、右上から順に:

・ナンシーの戦い(500周年)(1977年発行)
・仔犬を抱く少女(赤十字)(1971年発行)
・オクターヴ・テリヨン(無菌法を発明した外科医)(1957年発行)
・ショーモン陸橋(1960年発行)
・欧州評議会(額面20F)(1958年発行)
・ル・ケノワ(フランス北部の町)(1957年発行)
・ムネ=シュリ(フランスの俳優)(1976年発行)
・リクヴィール(フランス東部の町)(1971年発行)
・欧州評議会(額面8F)(1958年発行)
・アンドレ・シーグフリード(フランスの政治経済学者)(1975年発行)
・ジャン=フランソワ・シャンポリオン(フランスの古代エジプト学研究者)(1972年発行)



古っ! わたしが生まれる前の50年代の切手もあるし! 

え? 待って? ユーロじゃなくてフランなのに使えるんだ? これってプレミアムとかついてないの? なんで潔くこんなに使っちゃうの?……と、よく考えると謎だらけです。


まず、「通貨がフランの時代に発行された切手は今も使えるの?」という疑問については、調べたところ、使えることが判明しました。


ただし、使う前にユーロ換算する必要があるそうです。「え、どうやって換算するの?」と、フランスのネット上でも話題になってましたが(郵便局で「できない」と断られた人や、換算用のソフトが壊れたから無理と言われた人もいたらしい←いかにもフランス)、換算専用のサイトもあってちょっと笑いました。


つまり、そこそこ手間暇がかかりそうですが、使えることは使えるようです。


でもこれらって、古切手としてマニアの間で価値があるのでは? その点についても調べてみましたが、いずれもそれほど高い価値はないようです。きっと発行部数が多かったのでしょうね。

ガッカリするよりも、むしろホッとしました。


さらに、小包の中には「購入ありがとうございます。楽しんでください」的なメモまで入ってました(上の写真の左下)。

やさしい……(感涙)。

記念切手をたくさん貼ってくれたのも、「せっかく遠い日本から注文が来たから、フランスのキレイな切手をたくさん貼ってあげよう」という心づかいではないでしょうか。どういう相手なのか気になって出品者情報を調べたところ、本やCDをネット販売している小さな会社のようです(経営者ふたりで切り盛りしてるっぽい)。そこでこの嬉しさを先方に伝えるべく、アマゾンの出品者評価ページのコメント欄にお礼を述べました(下のスクショの最上段)。

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「完璧でした! お礼のメモ、そして封筒に貼ってくれた切手、ありがとうございます! 嬉しかったです!」。他の方たちのコメントにも「お礼のメモをありがとう」と書かれていたので、きっと毎回そうしているのでしょう。



でも、そこで、ふと思いました。

今回、フランスという遠い国から来た本に手書きのメモが挟まっていたから、わたしもありがたく思ったのですが、もしこれが日本国内の出品者からだったら? そんなに嬉しかったかしら? 

手書きではなくパソコンで打たれたものなら、きっと違和感がないでしょう。でも、たとえば日本語の手書きで「購入ありがとうございます。楽しんでください」と殴り書きされたメモ用紙が一枚ぺらっと本に挟まっていたとしたら? そのざっくばらんで(ある意味ぞんざいで)妙に近すぎる距離感に、もしかしたらドン引きしてしまうかも? それとも、それってわたしだけの感覚? 


うーむ。


でも、フランス国内での取引でそのメモ書きが喜ばれてるってことは、少なくともフランス人にはこういう感覚はないのでしょうね。


いや、まてよ、ネット取引とはいっても、結局は人と人とのやり取りなのだから、距離の近さに違和感を感じるわたしのほうがおかしいのでは? ネットでのみつながる顔の見えない相手とはそんなにビジネスライクに徹したいのか、自分? こうして本を譲り受けるのも何かのご縁なのだから、少しは相手に親しみを感じてもよいのでは? ……とは言っても、自分がもし出品者の立場だったら、相手に引かれるのが怖いからやっぱり手書きメモは入れないかなあ……。

ふと、「コンビニの店員とコミュニケーションを取らない日本人」と似たものを感じてしまいました(ちなみに、わたしはコンビニの店員さんとはふつうにコミュニケーションを取ります)。

今後、考える余地のあるテーマのような気がします。



ちなみに、購入した詩集(フランス人がフランス語で書いた作品)には、「日本には『出会いは一度だけ』という意味の格言(一期一会)がある」と書かれていました。



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