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基本的に私、シゲール千葉が「野球解説者用語を解説する」ブログです。
1死三塁、三塁ランナーは俊足の鈴木、バッターは小林誠司。
ここで解説者が言う。

『ランナーは脚が速い鈴木なんですから、小林君は叩きつけてゴロさえ打てれば1点入るケースですねー。』

なんと申しましょうか。

解説者ってラクな商売ですよ^^;


ちょっと物理学的なお勉強。
「ピッチャーが投げたボールを、バットで叩きつけるようなスイングをしてゴロを打つ」、これ自体は間違っていません。
地面とほぼ平行に飛んでくる球を、地面方向へバットを振ってしっかりミートすれば打球がゴロになるのは理屈的には問題ありません。

問題は「その難易度」です。

試合開始前のシートノック練習で、練習の最後にノッカーが「真上に打ち上げたキャッチャーフライ」で締める、と言う光景をご覧になった方も多いと思います。
ノックと言うのは奥が深くて、打球の方向性は正確に打ち分けられても、打球の高低を打ち分けるのは非常に難しいんです。
ボールは丸く、バットは丸棒、そしてバットを振る軌道、それら3つの要素がしっかり組み合わさっていないと打球の高低は打ち分けられません。
外野フライを「捕れそうで捕れない位置に打つ」なんて言うのも相当なノックの名手でないと打てないモノですが、プロでもキッチリ一発でキメられないのが「真上に打ち上げてキャッチャーに捕らせるフライ」です。
自分の右手で軽くトスしてバットを斜め上方向に振り上げて、真っ芯ではなく、振り上げたバットの上っ面(手前側)で、ボールの向こう側を「こするように」当てて、やっと真上にボールは上がります。

巨人軍は、昨年は勝呂壽統コーチがノッカーを務めていました。
今年から2015シーズンを以って現役を引退した井端がノッカーを務めています。 井端はコーチに就任するにあたり、キャンプで「ノックの練習」を相当積みましたが、それを差し引いても "ノックの名人になれる器の持ち主" です。
勝呂さんには申し訳ないですが、2015シーズンまでの試合前のシートノックは「勝呂さんキャッチャーフライのノック失敗せんといて〜!」と毎回心の中で祈ったものです^^; 一回ならまだしも、何度も前(2塁方向)へ打ってしまうことが多く、その度に藤村あたりが拾いに行くシーンを見て来ました。

井端は、東京ドーム、および明治神宮野球場に於いて、少なくとも私が観に行った試合前ノックでは百発百中でほぼ真上にノックできています。
コーチ1年目にもかかわらず、トスを確実に真上に上げて、バットの軌道も一定、しっかりとボール半分を擦るようにミートし、真上に打球を上げています。
井端本人に話を聞いた訳ではありませんが、「ノックで真上にフライを上げるコツは?」と質問したら、おそらく『トスを左肩線上に正確に上げること』と答えると私は確信しています。
ノックと言うのは、基本的に身体の前のほう(投手寄りのほう)にトスを上げます。 そうしたほうが方向性も出し易いし高低も出し易いからです。
しかし、真上にフライを上げる場合だけは別です。
バットを完全な真上に振ることは出来ませんから(真上に振ったら自分の頭を叩いてしまう可能性あり)、どうしても斜めのスイング軌道で不完全なミート/こするようなミートが必要なんです。
だから、その成功確率を上げるためには何と言っても最初のアクション、すなわちトスを毎回同じ場所に上げることが重要なんです。

って…

「なんでいつまでもノックのハナシしてんねん!」と突っ込まれそうですが、上で述べた「ノックで真上にフライを上げる」よりも遥かに「叩きつけてゴロを打つ」ほうが難しい、と言うことを言いたいが為の前フリなのでした。

考えてもみて下さい。
プロのピッチャーの球は140km/hと言ったスピードですっ飛んで来ます。 グィ〜〜〜ン!!!と唸りを上げて飛んでくる球を「叩きつける=斜めのスイング軌道でミートする」んですよ?

極端に言えば140km/hで飛んでくるハエを、ハエ叩きで“真上から叩いて”落とせますか?! 
そんな、お箸でハエをつかむ達人のようなことが出来ると思いますか?!

無理なんです。
「叩きつけてゴロを打て」と言うのは、普通に良いバッティングをしてセンター前にヒットを打つよりも技術的には難しいことを要求することになるんです。

それをまぁ解説者は…テキトーなコト言いやがって…

もし私が解説者で、鈴木の俊足を活かした攻撃を求める解説をするならば、『このケースでは、外野へのフライ、あるいは内野ゴロでも1点入る可能性が高いですよね。 ピッチャーはサイドスローの秋吉君ですから低めへのストレートも変化球が来る可能性が高く、フライを打ち返すことは難しいです。 ですからバッターの小林君は、秋吉君の低めへのストライクの変化球だけを打つつもりで打席に入りたいところですね。結果的に打球はゴロになり易いですから鈴木が生還して得点できる可能性も高くなります』と言います。

そう言うのか“解説”だと私は思っています。

以前の稿にも触れましたが野球と言うのは不公平なゲームで、ゴロを打った場合に内野手の送球とバッターが走って一塁到達するまでの時間的競争になるにも関わらず、右バッターと左バッターでは打席の位置の関係上、2歩くらい左バッターボックスのほうが有利(近い)です。 左右対称のように見えて、実は左右非対称なのが野球です。

ソフトボールには「スラップ」と言う打法があって、すなわちピッチャーが投げたと同時に走り出す体勢を作ってチョコンとサード・ショート方向に転がして内野安打にする、と言った作戦をよく使います。
当然のように野球に於いても、特に足の速い選手は「スラップ」と同じように走り出しながら打ったりします。
特に足が速い訳でも無い選手も、この“野球の左右非対称性”の弊害を受けているような打撃をする選手が多数います。


下の画像、なんか違和感を覚えませんか?
イメージ 1






















でも、下の画像を見れば『あっ!松井じゃん!』とすぐ分かる。
野球通なら、「これって松井が長嶋さん超えの通算445号ホームラン打った時じゃね?」くらいまで分かっちゃう。もう、“いかにも松井”ってスイングです。

イメージ 2






















単純に画像を左右反転させただけなのですが、松井のスイングを右バッターボックスに置き換えただけでこれだけの違和感があるんです。

この理由は何か。

松井がど真ん中のタマをフルスイングでとらえたスイングは、普通の右打者に比べると一塁方向へ少し身体が傾いた“かかと体重”だからなんです。 

イメージ 3
















この画像は原辰徳・前巨人軍監督の現役時代のバッティングを左右反転したものです。独特の「腰で跳ね上げる」ようなスイングでホームランを打った場面だと思いますが、原さんは松井に比べると“かかと体重”になっておらず、バランスの良さを感じます。
基本的に右バッターと言うのは、打った後に一塁へ走ることが念頭にあり、尚且つバットがフォロースルーで三塁側に行く関係上、かかと体重で打つことは不合理なんです。 ですので、中畑さんとか二岡のように、引っ張って三塁線に痛烈な打球を打っても前足(左足)は一塁側に踏み出すような「足のカタチ」が残る打者が多いんです。(パッと中畑さんや二岡のフォームが浮かんだ人はSMAPの中居くん級。)

対して、打ったらすぐに走り出すイチローのような打者だけでなく、松井のような「グッと球を引き付けて、太い軸を中心に猛烈なスイングをするタイプの豪打者」であっても一塁方向へ少し倒れて体重を載せるスイングをします。 最近のプロ野球で言えば筒香(横浜)などは似たタイプです。


松井やらイチローやら筒香やら、図抜けた選手は「一塁側に少々倒れるスイング」でも本来の打撃が出来る(本来の打撃の中に含まれている)のですが、これがキャリアの浅い左打者だと「単にかかと体重、単に一塁側に軸が倒れたスイング」になりがちなんです。

この証左と言うか、おそらく納得して頂けると思われる作戦があります。

左バッターにワンポイントの左ピッチャーをぶつける』です。

左バッターには左ピッチャーをワンポイントで送るのに、右バッターに右ピッチャーをワンポイントで送る、って言う作戦は聞いたことが無い、見たことが無いと思います。

左バッターは一塁ベースに近いゆえ、一塁側にスイングの軸が倒れたり、かかと体重になる選手が多いから、左ピッチャーのスライダーなどが極めて有効になるのでワンポイントで左ピッチャー投入と言う作戦が頻繁に行われるんです。

高校生の時に監督から『ちゃんと打ち終わってから走り出しなさい!』と口酸っぱく言われてきたけど、外角に抜かれたボールに何とか根性でコツッと当てて三塁方向へ打った時や、逆に内角低めにグッと腰を入れて振って引っ張った時なんかは、左バッターはどうしても一塁方向へ身体が倒れがちなんです。
「左ピッチャーを苦にしないタイプの左バッター」であっても、それでも左ピッチャーの外角、ストライクゾーンからボールゾーンへ鋭く曲がり落ちるスライダーやカットボールと言うのは普遍的に有効なんです。

ちなみに、基本的に外国人選手の左バッターは一塁方向へ倒れません。
「打ってから走れ!」が徹底されているからなのか、ガツンと強い打球を打つことを至上命題として教わって来てるのか、そのへんの事情はわからないですけど、外国人の左バッターは(明らかに)一塁側に身体が倒れる選手はいません。 とても不思議です。


いま思ったんだけど、題名がイマイチ内容と合ってねぇな^^;

イメージ 1


















前回、小笠原(現・中日二軍監督)の画像を貼ったにもかかわらず、本文中には一切触れなかったことを反省し、今日はちょっと書いてみることにします。

小笠原道大も「右投げ左打ち」の選手ですが、ある意味私にとって「理想的な打撃をするバッター」と感じていました。

いきなりですが、金属などを加工をする機械に「5軸マシニングセンタ」と言う、コンピュータで制御して切削して行くマシンがあります。
平面のX-Y軸に加えて垂直方向のZ軸は当然のこと、切削する刃の傾きを可変して4軸目、さらに旋回することも出来て5軸目。複雑な形状を切削するには有効なマシンです。
小笠原と言うバッターは、この5軸マシニングセンタによく似ています。
巨人で言えば村田なんかはシンプルな1軸のような打撃で、シンプルゆえに強いインパクトを与えられる打者です。

小笠原は軸を多種多様に可変でき、かつ強く振れる(”小笠原と言えばフルスイング”と言われますよね)、本当に稀有なバッターでした。
どしっと構えた状態でのフルスイングから、膝を上手く使っての前後(投手寄り⇔捕手寄り)の軸移動、更には膝を使いつつ身体の傾きを変えて外角低めや内角高めに対応する軸の角度変更など、膝と腰を自在に使ってミートポイントにバットの芯を導きます。
しかも「強く振れる」ので全方向にホームランが出ます。
ここまでフレキシブルな身体の使い方をする選手はプロ野球80余年の歴史の中でもそうそう見ることは出来ません。

その小笠原。
打席に入る前によく「右手一本での小さな素振り」をしているのを球場でご覧になった方も多いと思います。

5軸マシニングセンタのような高度なバッティング技術を持ちながら、小笠原の中での基本は『(利き手である)右手でリードし、左手が邪魔な動きをしないようにする』と言う、極めてシンプルな打撃の基本に常に立ち返っているんです。

小笠原のような打撃をする選手は、残念ながら今の巨人にはいません。




















【左バッターは有利か】

画像は巨人時代の小笠原。
私から見ると、理想的なスイングをする打者の一人。
イメージ 1

















日本の野球場は律儀にも左右対称の美しい建造物であることが多いですが(甲子園球場など私は“世界一美しい建造物”なんじゃないかと思っているほどです)、アメリカの野球場は左右が非対称、それもハンパ無く非対称な野球場があります。
「両チームとも同じ条件で攻撃し、同じ条件で守るのだから不公平はないよね? と言うのがメジャーリーグの言い分ですが、たとえばニュー・ヨークのヤンキースタジアムの右翼側が狭いのは、当時大人気のベーブ・ルース選手(左打者)のホームランを符観客により多く見せるためだったのは有名な話です。

閑話休題。
それにしても「右投げ左打ち」の選手が多いプロ野球界。
2016年の巨人軍だけでも『阿部慎之助・宇佐見真吾・河野元貴・藤村大介・脇谷亮太・柿澤貴裕・ 辻東倫・吉川大幾・亀井善行・鈴木尚広(左右打)・ 橋本到・重信慎之介・堂上剛裕・立岡宗一郎・北篤 』、これ全員“右投げ左打ち”の選手です。 フィーリング的には「半分以上が右投げ左打ちなんじゃん?」ってカンジ。
左利きなのに右投げ右打ちの坂本勇人は「珍種中の珍種」です^^;

まぁ、右利きなのに右打ちでは無く左打ちを選択する理由は技術的な面と環境的な面で、大きく分けて2つあります。

まず技術面。
僭越ながら私もそうなのですが、私は完全な右利きで、遠投も100メートル近く投げられますし、腕っぷしには自信があります。
しかも私の利き目は右目です。 左バッターボックスに入った場合、ピッチャー寄りに利き目が来るように立てます。利き目が左目の左バッターの場合、ピッチャーの球を利き目で見ようとするために首をピッチャー側に大きく振る必要があり、連動して方や腰が早く開いて(回転して)しまう傾向が出易く、正確で力強いスイングでのバッティングがしにくくなります。
利き目が右だと、首を回さずにピッチャーを見ることが出来るため、肩や腰が早く開いてしまうことが無く、下半身に溜めたパワーを一気に開放するような鋭く力強いスイングができるメリットがあります。
また、バットをボールに正確にコンタクトする上で重要なのは「引き手のリード」t言われます。 引き手、すなわちバットを振り出す際に前(ピッチャー寄り)にある腕のリードが大切なんです。 その弾き手が利き腕であれば、正確な上に力強さもあるので好都合なんです。
さらに、実はこれは非常に重要なコトなんですが、引き手でスイングしてボールにコンタクトすると言うのは、「ボールに無駄な横回転を与えず効率良くパワーを伝えて遠くに飛ばすことが出来る」と言うメリットがあります

言葉で表すのは難しいのですが、唐突にバドミントンで説明^^;

バドミントンで右手にラケットを持っていて、身体の正面に強いスマッシュが来たらどう受けますか?
普通は右肘を身体の右側に逃がすようにしてラケットのが身体の正面に来るようにして、“バックハンドでレシーブ”するハズです。
もし、フォアハンドで身体の正面のスマッシュを受けようとしたら右腕を胸にくっつけるような態勢で身体の左側にグリップを持って行き、さらにはラケット面を正面に向けてレシーブするしかありません。 フォアハンドでレシーブするのは『めっちゃ窮屈な恰好』になってしまうんです。

これを野球に置き換えると、身体の近く、すなわちインコースに来た球を打ち返す時、フォアハンドの感覚で打ち返そうとするとバドミントン同様に身体の近くにグリップを通してスイングしないとフェアゾーンに入りません。 バットをフェアゾーンに向けるためには窮屈な体勢になってしまい、力強さも失せてしまいます。 
これを、バックハンドで(左バッターなら右手のバックハンド)打ち返そうとすると、グリップを身体の外(右側)に出すだけでバットの角度を投手方向に正対できるくらい、フェアゾーンに向けた角度を作ることができます。
利き腕でリードしてバックハンドで打ち返す感覚のバッターで巨人の筆頭格は坂本勇人。 彼は、極端なハナシ、「身体の真正面に飛んで来たデッドボール確実なコースでもフェアゾーンに打ち返せるくらい」バックハンドで打っています。

逆に、「フォアハンドで打つバッターの代表格は村田修一」。
彼はピッチャーが投げた来たボールに対して、極端に言うと身体の正面まで飛んで来たボールを右手(利き腕&押し手)でゴツンとひっぱたくタイプです。
それゆえ、スイングのタイミングが少し早ければレフト方向、ドンピシャだとセンター方向、ちょっと遅れ気味だとライト方向に強い打球を打てます。
村田がライトスタンドに悠々届くホームランが打てるのは、利き腕の押し手で目の前のボールをボカッと叩けるからです
村田にとってはタイミングが遅れ気味と言うのは身体の近くで強く正確に叩けると言う意味で都合が良く、広い球場でもライトスタンドに届くのは村田本来のパワーがボールに伝わってるからなんです。


と、脱線したハナシを「左打者は有利か」に戻すと、基本的に、根本的に、左バッターは有利です。

なぜなら、まず、
「全体の70%弱は右ピッチャー」。
以前の稿で“左投げピッチャーの優位性”を欠きましたがそれの裏返しです。 右投げのピッチャーは左バッターにとっては球筋が見易い。
利き目が左の左バッターでも、相手が右ピッチャーであれば開きの早さはある程度緩和できます。 これってけっこう大きいんです。

また、単純に、一塁ベースが近いと言う、野球と言うゲームの不公平な欠点^^?を味方につけることができます。左バッターボックスは右バッターボックスよりも実質2歩ぶんくらい一塁ベースに近いですから、ボテボテのショートゴロが内野安打になる確率は左バッターのほうが相当に高いはずです。

ゆえに、左バッターと言うのは有利なんです。


ただし、

ただし…

ただし・・・・・・・

すっごい弊害もあるんですけどね(謎)。。。。


謎を残して次の稿へ。 


あっ!イカン!
小笠原の素晴らしさを書くの忘れた!





【左ピッチャーは有利か?】
イメージ 1















答:有利です。

以上


・・・ってワケにも行かないのが世の中で^^;

左投げのピッチャーの優位性はよく語られます。
「左のピッチャーはどの球団も欲しい」「左ピッチャーのストレートの球速145Km/hは、体感的には150km/H以上の急速に感じられる」「左打者外角への左ピッチャーのスライダーは極めて有効な勝負球」・・・・いろいろと語られるものです。
一体その説はどこから来るのか。そもそも本当のコトなのか。
それをちょっと考えてみたいのです。


日本人全体での「左利き率」は11%〜12%だったかと思います。
そして、日本のプロ野球に於ける、支配下登録されている左投げのピッチャーの割合は30%を余裕で超えており、33〜35%くらいだったと思います。

すでに、「日本人の左利き率よりもプロ野球に於ける左ピッチャー率が高い」、と言う時点で、“少なくとも左投げには何らかのメリットがあるからプロ野球での左ピッチャー率が高いのだろう” と推測することは出来ると思います。

そして、

その、“何らかのメリット” は、
けっこう単純なコトなんじゃないか?
そう思うのであります^^; 


私は、小学校3年生のリトルリーグ(大人と同じ硬式球使用)から、何らかのリーグ・チームで野球をやって来ました。
私は右利きで、主に投手や三塁手をやっていました。
私は、「右投げ左打ち」です。
打撃に於いて、利き目が右目だからとか、右腕の力が強いので右腕のリードでスイングしたほうが速く強くボールにコンタクトできるからとか、そもそも左打席のほうが一塁ベースに近くて内野安打になり易いとか、いろいろ理由は付けられるのでしょうが、単純に言ってしまえば「よく打てるから」と言うシンプルな動機で左打ちになっていました。(けっこう自然に)
バッターボックスに立った時、特に左投げのピッチャーに苦手意識はないのですが、やっぱり打率は対右ピッチャーよりも3分〜5分くらい低かったと思います。

技術的には苦手意識はないけど、
成績を見てみると打てていない。

そんな感じです^^;

その理由は何なのか。
ちょっと考える機会があり、
自分なりに結論めいたモノに至りました。

それは、

そもそも左ピッチャーって少ないからじゃん?

です。

小学生の野球は、当然ですが所詮「こどもの野球」です。
ピッチャーをやる子が投げる球は遅いですし、変化球を投げる子なんてそうそういません。
バッターも子供ですから、それで釣り合いがとれるワケです。


私にはン十年も昔のコトなのに忘れられない試合があります。
それは、私が小学校4年生の時にピッチャーとして臨んだ試合でした。

私は父親の仕事の関係で社会人野球の選手の方々と接する機会が多く、社宅にも社会人チームの選手や監督やコーチが住んでおり、毎週のようにその大人相手に野球を教わりました。(もちろん普段着のままで遊びの延長でしたけど…)
投手の方には速い球を投げるにはどのように身体を使ったら良いか、とか、カーブ、スライダー、シュートなどの変化球の握りやリリースの仕方を教わりました。
野手の方々に教わったのは、「ショートバウンドでの捕球が一番エラーにならない確実な捕り方なんだよ」と言ったことや、フライを捕る時は、「ボールが落ちて来るまでは“おでこで捕る”気持ちで落下点に入ることだけ考える。落ちて来るボールが近づいたら自然にグラブは出せるものだから心配ない」と言った事を教わりました。

その“指導”のおかげで、私は4年生にしてエース兼三塁手みたいな存在でした。同学年の子には打たれない自信がありましたし^^;、同学年の子のボールは高い確率で打ち返せる自信がありました^^;

私は少し天狗になっていました^^;

そんな子供天狗の鼻っ柱を折られたのが「忘れられない試合」です。

私はピッチャーで先発し、ほぼストレートとカーブだけで相手の打線に点を献上しませんでした。 最終回(7イニング制)まで投げ抜いて零封し、結局ヒットは一本も打たれませんでした。四球を2個出してしまいましたが、私はノーヒットノーランを記録しました。

しかし、勝てませんでした。

我がチームの打線も1点もとれなかったからです。
しかも1本もヒットを打てず、四死球も得られませんでした。

すなわち

勝敗は0-0で引き分けでしたが、
完全試合を達成されての引き分け”でした。

私も含め、我がチームが相手のピッチャーから一本もヒットを打てなかった理由はハッキリしています。
『相手のピッチャー・浜松君(仮名)の球が速くてバットにかすりもしなかったから』です。
浜松君はアタマ一つ背が大きく、体形も大人並みにガッチリしており、さほど力感のないピッチングフォームにもかかわらず、彼の投げる球は「とてもじゃないけど子供には打てない」ものでした。 我がチームの何人かは、浜松君の球が怖くてロクにバットも振れないほどで、7イニングの中で打球が前に飛んだのは私の一塁ゴロ1本と四番バッターのピッチャーフライの計2本だけだったと思います。 ようするに、前に飛んだ2本以外、私も含めて他の打席は全て三振だったんです。

浜松君は左投げでスリークォーター(上手投げと横手投げの中間)くらいから投げ込んで来るのですが、ゆったりと自然体で投げて来るにもかかわらず、ボールはアッと言う間に飛んで来て、バットが全く間に合わないんです。

彼は私と同じ4年生でしたが、その後シニアリークに入り、高校では甲子園には手が届かなかったものの地区予選では多くの完封勝利を重ねました。大学以降の消息は分かりません。

とにかく、浜松君の球は、「初めて見るスゴい球」でした。
私が放った一塁ゴロは、あまりに速い浜松君の球に遅れまいと“早めにバットを振り出して”、たまたまミートできただけであり、「タイミングを計ってスイングする」と言ったバッティングではありませんでした。

プロに於いても左ピッチャーに優位性があって左ピッチャー率が高いのも、基本的には私が浜松君の球を打てなかったのと同様の論理だと思うんです。

小学校の頃、同学年くらいの子が投げる球は打てました。
中学校になっても、同学年の子が投げる球は打てました。
高校生になっても、同学年の子が投げる球は打てました。
社会人になっても、同レベルの人が投げる球は打てました。

成長して行くに従って、相手ピッチャーが投げる球は速くなり、変化球を織り交ぜて来るけれど、バッターのほうも速い球や変化球への対応を覚えて行くので打つことができるんです。

しかし、それぞれのレベルで突出した存在、まさに浜松君のような存在が出現すると、その余りのレベル差ゆえに対応できなくなってきます。
きっと、1970年代、高校野球の栃木予選で作新学院の江川卓投手と対戦したバッターは怖かったと思います。見たことも無い速さで飛んでくるボールに恐怖を抱いたことと思います。

そして、ここからが本題。

例えば、私が小学校の時、浜松君の球が打てなかったのは、初めて見るスピード感や伸びであったことも大きな要因ですが、『初めて見る“本格的な左ピッチャー”だった』ことも大きかったように思うんです。

浜松君以外にも、速い球を投げる身体の大きな子は居ました。
4年生の時に6年生ピッチャーの球を打つ機会もありましたが、自慢のようになってしまうんですけど「速いだけだったら結構打てた」んです。
ピッチャーがモーションに入って、足を上げて、ステップ(踏み出し)を始めるくらいのタイミングで自分も始動してタイミングをとる。
ピッチャーによっては小さなステップで「立ったまま投げる」タイプもいますから、その場合は”クッと腰が入る小さな動作”を見てタイミングをとります。
ピッチャーには、それぞれに「タイミングをとるための引き金になる動作」があり、それを見つけることがそのピッチャーを打つための大切なポイントになるんです。
速い球を投げる6年生のピッチャーでも、タイミングのとり易い子の球なら少なくとも当てることは出来る。
だけど、浜松君の球は、いくら早めのタイミングで始動しても、当てることすら難しい。

その理由が何となく感じられるようになったのは、シニアの時でした。
とある試合で左投げのピッチャーの「九丈君」と対戦した際、投球練習をするそのピッチャーを遠目で眺めている時は「球は速くないな。あと、ちょっとだけ曲がるスライダー?みたいな変化球を持っているな。」と感じました。
投球フォーム的にも「大きく踏み出すと同時にカクッと腰が落ちるからタイミングとり易そう」と思いました。
でも、左バッターボックスに入り、そのピッチャーの第一球を見逃した際、「あれ?!?!」と感覚に異変を感じました。
カクッと落ちる腰に合わせて始動してミートしに行っても、タイミングは合ってるんだけどミートしにくいんです。
ストレートも、小さなスライダーみたいな球もダメでした。
かなり自信を持って振っても、上手く打てない。
一番強く手に残ったのは“前に飛ばない”と言う感覚。
タイミングを早めにとると思い切り引っ掛けて一塁ベンチ方向に飛んじゃうし、引き付けて打とうとすると三塁方向へこすったようなファウルになってしまう。 “前に飛ばない”んです。
結局そのピッチャーが打てずにチームは負けたのですが、私にとっては左投げのピッチャーが打てなかったことがすごく強く心に残りました。
「なぜ球も速くないし大きな変化球も無いのに打てなかったんだろう…」と言う想い。
リトルやシニアでは左ピッチャーは比較的少なく、対戦経験も少なかったのですが、左ピッチャーと当たるたびに「浜松君はともかく、なんで九丈君が打てなかったのか」を考えたことを覚えています。

そして、高校に上がる頃に自分なりの結論を出しました。

左投手は、“球が飛んでくる方向が違う”し、そもそも左ピッチャーが少なくて慣れる時間が無い

「そんなの当たり前じゃん!」とお思いになるかも知れませんが、それ以外に理由が見つからなかったのが実感でした。
浜松君と九丈君の共通点と言えば、「左ピッチャーであり、スリークォーターから腕が出て来る」ことくらいなのですが、浜松君のように速くない九丈君の球でも、『真っ直ぐ(垂直に)ミート出来ない』んです。
硬式のボールでも真芯でミートすると手に柔らかく心地好い感覚が残ります。
しかし、九丈君の球は、「捕らえた!」と思っても、バットとボールが真っ直ぐに当たってくれないので十分に力が伝わらない、気持ち悪さがあるんです。

そもそも、たくさんの試合をやっても、九丈君のような投げ方、ボールの軌跡を描く左ピッチャーに当たることが少ないんです。
練習が出来ないんです。

それが一番の原因だと思いました。

日本人の左利き率である11〜12%が、プロのピッチャーになると33〜35%に上がるのは、小中学校で10試合のうち1回程度しか確率的に当たらない左ピッチャーが、高校〜大学〜社会人とレベルが上がって行くうちに淘汰されつつも、大多数を占める右ピッチャーは慣れられ易いゆえにもっと多く淘汰されて行くため、結局左ピッチャー率が上がって行く、そう言う仕組みなんだと思います。

剛球を投げる浜松君は当然のように高いレベルのリーグまで生き残るでしょうし、ミートしにくい九丈君もきっとそこそこのレベルまで残ります。

冒頭のほうに申し上げた、
そもそも左ピッチャーって少ないからじゃん?
なんです。

 


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