塾講師は歌う

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原発の問題は日本人にとっても人類にとっても大きな問題です。
様々なメディアで様々な人々が議論しています。もちろん議論は
推進派と反対派が平行線をなしているため収束しません。

私は元々そのような問題を熱く語ってしまう人種なのですが、世
の中が熱く議論を始めた当初からとある違和感を感じて、議論を
少々冷めた目で観察していました。

皆さんは意外に思うかも知れませんが、私はその違和感を推進派
にも反対派にも感じていました。と言うのも推進派と反対派のど
ちらもが共有している議論の前提が、既に間違っているからです。

ええ、ここは思い切って断言しちゃいますよ(*^_^*)推進派も反対
派も議論の前提を間違えています。その間違った前提の下で仮に
議論がある結論に収束したとしても、それは誤った結論である可
能性が非常に大きいのです。

原発に関係する現象を「根本的な意味で」科学的にとらえること
ができないまま「非科学的な確率」と「現象に合わないほど短期
間の経済」で議論を戦わせているのです。これはほとんどの核物
理学者についても言えることです。

科学的なものに限らずそれぞれの現象には、その現象を記述し理
解するのに適したそれぞれの時間の尺度があります。アサガオの
観察には通常「日」という尺度を用いますし、星の一生を適切に
記述するには「億年」という尺度を用います。これらが逆になっ
てしまうとどちらも意味をなさなくなります。

そうなるとまず気になるのが原発事故のリスクを評価するために
用いられている確率です。地質学的な現象は短いもので「百年」
の尺度ですし「数万年」の尺度のものも珍しくありません。それ
に対して私たち日本人が日本付近の地震についてまともなデータ
を収集したのは高々数十年です。

つまりは何のデータも持っていないに等しいのです。

その貧弱きわまりないデータから割り出した恐ろしく怪しい確率
を議論に持ち出すことは、まるで無意味だと言えるでしょう。そ
の確率を見てあーだこーだと言っても、それは時間の無駄です。

次に気になるのは現象としての原発事故を記述するのに適切な時
間の尺度です。

小さく見積もっても「50年」の尺度です。これは25年前に起き
たチェルノブイリの原発事故が未だに収束のめどすら立っていな
いことから明かです。大きく見積もれば「1万年」の尺度です。
これはプルトニウム293の半減期が2万4000年であることによ
ります。

どのみち単一の世代や単一の政府や単一の電力会社がどうこうで
きる時間の尺度を遥かに超えているんです。ここが大問題です。
現にチェルノブイリの原発事故が収束するよりも早くソビエト連
邦が崩壊してしまいました。これは単純に原発事故が人の手には
追えないデカブツであることを示唆しています。

もちろんそれだけではありません。

仮に原発推進派が根拠にしようとしているインチキくさい確率が
正しいものだとして「原発事故が現政府が存続中あるいは現電力
会社が存続中に起こる確率」がどれほど小さいとしても、もちろ
んそれはゼロではありませんし、ゼロに近い確率の事故が起こっ
てしまえばそれは確率を考えた時間の尺度と比較にならないほど
大きな時間の尺度でなければ収束することのない事故になるので
す。

この「事故が起こる確率を計算した時間の尺度」と「事故が収束
するのに必要と考えられる時間の尺度」の食い違いこそが根本的
な誤りであり、この誤りを含んだまま議論をすることそのものが
時間の無駄です。

どんなに長く見積もっても数十年しか予測ができない、つまりは
数十年以下の時間の尺度しかもたない経済の問題を原発の議論に
挟む余地などまったくもって無いはずなのです。

原発を議論するには原発に関わる現象のうち最も長い時間の尺度
を用いなければなりません。そうなると当然事故が起こる確率も
「数十年」という尺度ではなく「数百年」「数千年」あるいは「
数万年」という尺度で計算することになります。そのような時間
の尺度で計算された原発事故の確率は、どう小さく見積もっても
ゼロとはおよそかけ離れた値になることは間違いありません。

さて、

ここで皆さんに思い出して頂きたいことがあります。人類はまだ
原発の片付け方を知らないということです。

さらに原子炉の耐久年数は高々数十年であるのに対して、燃料や
廃棄物の一部であるプルトニウム293の半減期は2万4000年なん
です。(実はもっと半減期の長いプルトニウムの同位体も原子炉
内ではできているとのことです。)

これらのことが意味することを皆さんはお分かりになるでしょう
か?

天変地異や戦争や人類の大量死滅によって原発や原発関連施設が
放棄されるような事態が発生すれば、放っておいても放射性物質
が漏れ出してくるときが必ずやってくるということなんです。

今までに作り出してしまった放射性廃棄物が安全なレベルにまで
放射線を出し切ってしまいただのゴミになるまでに、一体何百年、
何千年、何万年かかるのでしょうか?現政府や現電力会社がそれ
を見届けるまで存続し続けることは可能なのでしょうか?

もし、

放射性廃棄物が放射線を出し切る前に原子炉を片付けることもで
きず、管理可能な政府や電力会社も無くなってしまったら、事故
は100%の確率で起こるのです。

これらのことを踏まえた上でなければ原発についての議論は始め
ることすらできないということを、人類は知るべきです。

閉じる コメント(8)

さすがです。 その説明、納得できます。
プルトニウムの半減期とか、地震の起きる確率とか、津波の高さの予測とか、
日常の生活の中で計算できるようなレベルではないことにあれこれ理由をつけて
強引に結論づけること自体が、机上の空論なんですよね。
鎌倉幕府が成立してからでさえ、まだ1000年も経っていないのに、
1万年以上も残留してしまう有害物質を地球上に残すということは、
我々が、太古の縄文時代から現在に至るまで、過去の有害物質を保有して
きたことに等しくなるんですよね。
そんなことがあったら、今頃は大変なことになってますよ^^;

2012/5/23(水) 午前 6:46 [ た〜ぼ ]

ありがとうございます+.(・∀・).+゚た〜ぼさんのお墨付きをいただいたら百人力です!!

そうなんです。そもそも原子力を日常生活のレベルで扱うことは、理屈の上ですらおかしいんです。そしてた〜ぼさんの例が絶妙です。縄文時代の人が残した毒物を我々がまだきちんと管理できているか否かを考えればよかったんですね+.(・∀・).+゚

2012/5/23(水) 午前 11:37 chichiya

米国で、原発を推進するときに、原発推進派の大学教授が、確率論、を盛んに持ち出しだして、そのリスクを数値化し、極めて少なく見せることで(天文学的にまれ)、原発の危険性に関する議論を封じ込めました。ニッポンでも、その数値をソックリ使って、原発は絶対に事故を起こさない、と押し切りました。でも、確率を計算するときに、極めて恣意的なインチキをやっているわけで、それを誰も論破できなかったのは、米国でも、凄まじい圧力がかけられたからだそうです。原子力ほど、科学的な論争が成り立たない分野は珍しいと思います。人間は、他者を支配するための強大な力(核兵器)を得るためには、理性などどこかに消し飛んでしまうのでしょうね。

2012/5/23(水) 午後 7:52 [ tmuris ]

顔アイコン

原発問題を語るとき、
◇ 事故が起きる確率はゼロではない
◇ ひとたび事故が起きると、長期にわたって人が住めない土地になる
◇ 放射性廃棄物を保管・管理しなければならない期間は数万年のスパンになる
・・・ 以上3点を確認してから議論を始めるべきでしょうね。
TBしました。

2012/5/23(水) 午後 9:47 omori

私にもよくわかりました。
子供たちにもこのお話をしたいと思います。
たーぼさんの縄文時代の例えも分かりやすかったです。
勉強になりました。

2012/5/24(木) 午前 3:53 [ すみれ ]

tmurisさん>時間が関わる確率「A年間のうちに〜Bする確率」はAの値を大きくすればほぼ100%ですからね(苦笑)儲けや権力を望む者は、儲けや権力を望んでいる時点で気が狂っています。

2012/5/26(土) 午前 0:45 chichiya

omoriさん>言葉は違えどもご意見の根本は私と同じようですね(*^_^*)結局は時間の尺度の問題ということでしょう。そこを無視しては無意味な議論を垂れ流すだけですね。

2012/5/26(土) 午前 0:51 chichiya

すみれさん>ありがとうございます(*^_^*)た〜ぼさんの例えは絶妙ですよね!!是非子供達にもお伝え下さい。

2012/5/26(土) 午前 0:52 chichiya

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