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冷凍庫の中身の整理をした。あれが残っているかな? と、何となく期待したけれど、
出てこなかった。全部食べたんだ。
この辺りは竹やぶが多いので、シーズンにはあちこちからタケノコを沢山頂く。
それも、お店では手に入らない贅沢なもの。
朝、知り合いの山で掘ったからと、そのまま車で置いていって下さるとか。
大鍋を火にかけてから裏山のタケノコを掘って、皮を剥きながら帰って茹でたとか。
最初は、思いつく限りのタケノコ料理に挑戦したが、一つの胃袋では許容量は知れたもの。
どこのうちにもタケノコはいっぱいあるらしく、猫の子と同じで貰い手探しは難しかった。
それで、とりあえずゆでタケノコを冷凍した。使い道も思いつかず、そのまま。
その年の秋、満員御礼状態の冷凍庫をなんとかしようと、
引き出し半分ほど占領したタケノコを、とりあえず解凍してみた。
融けたら水が出て、かさは半分以下。スペースのゆとりもでたので、
水気を絞ってもう一度とりあえず冷凍庫へ。
お得意の、何でも先延ばしのトラブル回避策でした。
年が明けて、暮れから新年の間に冷凍庫の中身が減ってみたら、
目についたのが件のタケノコです。もう捨てても、下さった方に悪くないかも、
と、意を決して笊にあけ、とりあえず流しに出しました。
次の朝、まとめてポリ袋に入れようと掴んで、「ん?」この感触ナニかな?
ふにゃっと柔らかくて筋っぽい。見かけだけは立派なメンマではないか?
適当に切って、水気をよく絞って、ごま油で炒めてみました。
その日は(も?)すごく暇だったのです。
水っぽさが無くなったらお酒を注いで、炒り付け、
次にからっとしてきたら醤油を注して炒り、一切れ味見をした。やはり、
あのメンマ独特のうまみに欠ける。
まあ、発酵食品のうまみは他の手段では出せないから仕方ない。と思ったけれど、
ここであきらめては、それまで掛けた手間が無駄になる。
ごま油を少し足して炒り続けた。しばらくしてもう一切れ味見。ン?
さっきと違ってきた? 中の水っぽさがなくなっている?
またしつこく炒り続けて、一切れ味見。
やったー!! 舌に感じる味にアミノ酸のうまみが。
仕上げに一味唐辛子と鰹節の粉。
本物とは違うけれど、美味しい特製メンマの出来上がりでした。
それ以来毎年、頂き物のタケノコのほとんどは、夏の終わりに、このメンマ風にする。
秋の「ビールのとも」、貰っていただいても、おおむね好評です。
暇にまかせて、愚直に炒り続けたから、うまみが出た。
豆乳を火にかけていると、薄い湯葉ができている。あれも同じ感じ?
下手な絵を夢中に描いていると、面白くなる。あの感じに、似てるかな?
柔らかいものより固いアクの強いがものの方が美味しい「メンマ風」になる気がします。
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