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年取った猫が死んだ。
ずいぶんたくさんの猫を飼った。
そのなかで、一番長命だったかもしれない雌猫。
犬が散歩の途中に見つけてくれた
捨て猫姉妹の妹の方です。
コーラの自販機の裏に段ボール箱。
犬が吠えながら飛びかかった。
段ボールから
小さな黒い固まりが二つ飛び出した。
猛烈に吠えながら引っ張る犬を、
怒鳴りつけてやっと引き戻す。
段ボール箱に戻って金切り声を上げている子猫に、
「そのまま、待ってなさいね」と言い聞かせて家に戻り、
犬を連れないで、餌の缶詰と猫を入れる篭を抱えて自販機のところに戻った。
コンクリートに直接餌をおくと待ちきれないで、二匹がかぶりつく。
「ウガウガ」いったのは「おいしい!」ってことだったかな?
真っ黒な子猫2匹、見分けがつかないので、
首のリボンを黄色と緑にして区別しました。
何年も飼う間に、個性がはっきりしてきました。
一方はしっかりした姉に、もう一方は甘えっ子の妹になったのです。
もっとも、本猫たちはどう思っていたか分かりません。
両方とも丈夫な猫だった。でも姉の方が年の取り方は速かったらしい。
だんだん体力がなくなって、二年ほど前に死んだ。
すると妹の方が何となくしっかりしてきた様子。
でも、黒い毛並みに白髪が混じっているのに気がついたのも、その頃でした。
妹も、この数ヶ月で食べる量が減るし、体力も少しずつ落ちていくのを、
はっきり感じました。とはいえ、2ヶ月くらい前には、
調子が良ければ、人間の背より高い遊具のてっぺんに乗ったりしていたのです。
最近は私の部屋に置いて面倒見ていました
夜中に猫部屋の戸の前に座っているので戸を開けてやったら、
ヨロヨロとコタツの中に入り、仲良しの猫の隣に横になった。
翌朝早めに目が覚めたので名前を呼んだら返事をする。
しゃがれ声が気にはなった。でも、動かすのも可哀想だった。
猫と犬たちに餌をやり、コタツを覗くと、
さっきと違って手足を伸ばしきっている。
はっとしてさわってみる。呼吸が止まっていました。
この姉妹はどちらも「健康に年を取ってきた」と感じます。
年の取り方いろいろあっていいのかもしれない。
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無視なんか してませんよ
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年を取った猫が、とうとう何も食べなくなってしまった。
だけど、水だけはちゃんと飲んでいる。
最初はドライフードがダメらしいと気がついて、缶詰を多めにするとよく食べた。
そのうちに缶詰だけでないと食べなくなった。
元々食欲おう盛で、6匹を代表して一日に数回、大きな声で餌を催促する猫だった。
缶詰にも食欲を見せなくなって、こちらも試行錯誤。
生の鶏レバ、卵の黄身の半熟、スープ。とうとう、それも受け付けない。
その頃には、知らないうちに痩せて、歩くのもよろよろ。
猫部屋から私の部屋にうつし、寝場所のそばにトイレと水入れをおいている。
ところが、その水は飲まない。猫部屋の入り口に座っているので、
戸をあけてやると、ヨロヨロ歩いていつもの水飲み場までいく。
一緒についていくと、大きな水入れに顔を埋めて、水をなめる。
「猫」を飼い始めて25年以上、水を飲むのをちゃんとみたことがなかった。
初めて飼った子猫が、余り真面目な顔でトイレに座っているのをみて感激したけれど、
何に感激したのか今頃納得。
子猫にとっては、「おしっこ」がそんなに大事なことだ、と気がついたから。
いろいろな思いが行き来するままに、猫の水飲みにつきあっていたけれど、
延々となめ続けている。元気な子を相手なら、さっさと側を離れるのだけれど、
抱いて寝場所に戻してやらなければいけないほど弱った猫。待っているしかない。
またあらぬことを考えて、見ると、まだなめている。
しばらくして、小さな鳴き声に気づき、抱いて寝場所にもどしてやった。
猫が飲んだ水、全部でどのくらいだったのか。何分かかって飲んだのか。
大きな水入れの水と小さな水入れの水、味が違うのか。
大きな水入れには水道水そのまま、小さな方には浄水器の水。
健康法の本には
水一日に00cc飲むべしと書いてある。
健康に良い飲料水のCMも多い。
舌で必要な水の質と量を感じること、
人間には難しいんだ。
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ザクロは、テーブルの上で老化し始めていました。
気がついたら深紅のお肌に、小皺もしみも見え始めて、
形もなんとなく角ばってきたような。
食べることにしました。じつは、
ザクロを手にしたのも今回がはじめて。
ちゃんと見たこともありません。
昔住んでいた小さなアパートの近所の
小さな神社の庭に小さなザクロがいっぱいなっているのを
見たことがあるだけです。
ナイフで切れ目を入れて、
手でエイッと割ろうとしたけれど、ダメ。
力いっぱい捻るようにして、やっと引き剥がすと、
中には紅い奇麗な粒が、びっしり詰まってました。
一部屋に数知れないほどの紅い粒、
部屋の仕切りは、和紙のような丈夫な白い幕。
指で一部屋の半分ほどをもぎ取って、口に入れる。
じゅーっと、甘酸っぱい汁が口の中にあふれる。
でも、もっといい味わい方、あるのではないかなあ?
ガラスのお皿に載せて、一粒ずつ、食べてみる。
かすかな秋の味が、広がるのをまってみる。
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斜め前に腰掛けていた男性、大きなバッグから「何か」取り出して、
ぐっと捻った。「何か」と思ったのは、ウーロン茶らしいペットボトル。
一口飲んで、栓を閉めて、鞄に入れました。
1分ほどして、また鞄をあける。
こんどは、スナックの袋を取り出して、一つまみ、口に放り込む。
少し離れて座っている女性、若い。
このごろは年齢が分からないけれど、学生ではないらしい。
働いている人の雰囲気です。
組んだ膝の上に厚い本を2冊重ねて開いている。
本には、いろいろな色の紙が、たくさん貼ってあります。
昔は付箋といったけれど、今はなんて言うのかな?
いそがしく口が動いているのは。
二冊の本を交互に見て、何か呟いているから。
今朝の電車の中で、向かいの座席にいた人たち。
いつも乗る電車より早いので、すいていて、見慣れない方達でした。
終点まで約15分間、ずっと、同じことを繰り返していました。
あんなに食べて飲んで、からだが悲鳴あげるよ!
あんなに詰め込んで、頭が悲鳴あげてないかしら?
退屈なおばさんの、独り言、でした。
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この間、畑仕事しているジイちゃんが、大きな声で呼ぶんだょ。
「おーい、ネコもってこい」
「えっ、どこから?」
「物置に決まってっだろ」
物置に行ってみたら、たしかにいた。
親猫と子猫、ぐちゃっとかたまって寝てた。
私は猫あまり好きじゃあないけど。
「どの猫ですかー」
「手を引っ張って、良く動くのに決まってっだろー」
寝ている子猫の手を引っ張ってみたら、良く動くけれど、
すぐひっこめちゃうんだよな。
おとなしそうな子猫を抱いて畑に戻る途中で、ぱっと逃げられた。
「ジイちゃん、逃げちゃったよー」
やっと何がおこったか分かったジイちゃん。大笑い。
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