クラシック歳時記in松本 (あるいはモーツァルトとともに1年を)

今春発売の内田光子/テイトのCDでようやく好きになれました・・・モーツァルト ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」

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5月28日(土)晴れ

 今日は僕の特別な日。そう誕生日です。ここ数年の夏のような蒸し暑さもなく、いかにも初夏の一日という感じでよかった。しかも土曜日!

 ものの本によれば5月28日の誕生花はMint!花言葉は美徳。28日生まれの有名人は立花隆。1日違いの29日だったらケネディ、美空ひばり、大鵬と大物揃いなのに…。もっとも1日早い27日だったら中曽根康弘になってしまい、それは困る…。

 昔、自分の誕生日の頃というと、マーガレットの花が庭中に咲いていた。1歳の誕生日、2歳の誕生日、いつの写真も満開のマーガレットに囲まれている写真ばかり…。それが今は家のマーガレットは5月に入ると咲き始め、誕生日の頃には散り始めてしまう…。やはり温暖化で半月は季節が早まっているのだろうか…。

 さて今日の曲を1曲。実はついさっきまで全然別の曲を考えていた。HS9655さんとのやりとりの中で、学生時代の今頃さかんに聴いていたマーラーの9番を…。でもそれは想い出の中の曲であって、今の自分にとって近しい曲というのとは違うような気がして…。

 今日紹介するのはモーツァルトの室内楽の最高傑作だと思うストリング・カルテットを。700曲近いモーツァルトの作品の中で、最も好きな曲を挙げることは至難の業だ。しかし2曲ならあげることはできる。交響曲第39番とこの弦楽四重奏曲第19番だ。

 モーツァルトの弦楽四重奏(以下SQと略す)は全部で23曲あって、この曲は有名な「ハイドン・セット」と呼ばれるSQ14番からの6曲のうちの最後を飾る作品。

 SQ14番から19番までが「ハイドン・セット」といわれるのは、モーツァルトがこれらの作品をつくるにあたって、尊敬する先輩であり友人のハイドンのSQを徹底的に研究し作曲されたもので、6曲はいずれも、それまでのモーツァルトのSQの水準を超えるばかりでなく、23曲まである彼のSQの中の最高峰を成すものであり、これらを彼はハイドンに献呈した。

 モーツァルトのことを、巷ではよく「神童」とか「何の苦労もなしに素晴らしい旋律が頭の中から無限に湧き出てくる」天才として語られることがある。(映画「アマデウス」の映像でそのイメージが増幅された嫌いはあるね。)

 しかし事実は違う。確かにモーツァルトはクラシック音楽史上の大天才だ。が、何の努力もなしに彼はその地位に登りつめたのではない。人知れぬ彼独自の努力がそこにはあった。明らかになっているものに2つある。

 一つは幼い頃の、父に連れられての度重なるヨーロッパ中の大旅行。「猿回しの猿」よろしく、各地の王侯貴族の前でヨチヨチ歩きのわが子にピアノ演奏などをさせ、賞金だけでなく、あわよくば自分と息子の就職先を確保しようと躍起になっていた父をよそに、モーツァルトは幼いときから、イタリア、フランスなどヨーロッパ中の当時最新の音楽の流行を吸収し、その中で誰にも真似できない自分の音楽スタイルを確立した。

 しかし一方で、そのために彼は多くのものを犠牲にした。衛生状況の決して良くない18世紀のヨーロッパを旅行する中での度重なる病気、伝染病。ガタゴト道を木の馬車に揺られての長旅。これらが彼の身長を当時のヨーロッパ人の平均以下にし、そして何より彼の創作の寿命を35年という短いものにしてしまった。

 もう一つはこのハイドン・セットに見られる、彼のたゆまぬ研究心だ。彼は世間知らずの破廉恥パンクロック青年などでは決してない。親子ほど年が離れているハイドンに、その芸術に対し生涯に亘る限りない敬愛の念を抱き続けた。「ハイドン四重奏曲」と自ら命名したこのSQ集をハイドンその人に献呈するにあたり、彼は次のように語っている。

 「親愛なる友ハイドンへ。一人の父親が広い世間に彼の子どもらを送り出そうと決心した結果、幸せな偶然によって、最も親しい友人となった高名なお方の手にゆだね、その保護と指導をお願いするのが私の義務だと存じます。敬愛する友よ、ここに6人の息子をお送りいたします。」

 傑作揃いのこれら6曲のうちでも、この第19番K.465は特に形式と内容の一致というか、モーツァルトの美しい旋律と転調の妙が、弦楽四重奏というがっちりとした形式の中に完璧に調和した作品で、非の打ちどころがないというのはこういうことをいうのか、と思わされるその具体的な例である。モーツァルト作品のバランス感覚の優れた例としてよく交響曲第41番「ジュピター」が引き合いに出されるが、僕の見たところ(聴いたところというべきか)この作品はジュピターの上をいきますね。

 「不協和音」という副題は、第1楽章の冒頭に当時の人たちからすると考えられない和音が出てくることからついたあだ名だが、現在の我々からすると何ら抵抗を覚えるものではない。むしろモーツァルトが実験的に当時認められていなかった和声に挑戦した、時代を先取りした取り組みへの勲章ともいうべき「あだ名」と考えた方がよさそうですね。

 私はこの曲をウィーン・アルバン・ベルク四重奏団がカーネギー・ホールで1985年に演奏したときのライヴ録音のLPで聴いています。(EMI LC0233)(CDはCDC 7 47439 2)

 アルバン・ベルクは第1バイオリンのギュンター・ピヒラーのとびきりの美音と、アンサンブルの緊密さ、解釈の新鮮さで、未だにこれを抜く四重奏団が現れないNO1のSQでしょう、今でも。その後、松本のハーモニーホールで彼らの生演奏に接することができたのは、またうれしいことの1つでした。生きてると、いいことあるね。

 ちなみにこの曲って、梅雨に濡れる庭の紫陽花を見ながら聴くsituationにも合うんですよね。しっとりした曲だからでしょうか。


 

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お誕生日は、昨日ということになるのでしょうか。一日遅れですがおめでとう御座います!昨日ソニーロリンズVol.2を買ってきました!CD17枚買ったので順番に聴いています。ちなみに今かかっているのはイリーナ メジューエワという人の、「メトネル作品集」です。

2005/5/29(日) 午前 10:10 [ ホールデン ] 返信する

おめでとうございます(*^□^*) クラシックお詳しいんですね。私はブルッフのバイオリンコンチェルトが好きです。あの曲を聴いていたら気づいたときにはなぜか指揮者として手が動いています(笑)

2005/5/29(日) 午前 10:37 [ par*m*chu ] 返信する

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HOLDENさん ありがとうございます。メトネルって最近話題ですよね。ピアノ曲が多いってことしか知りません。名前からしてロシアっぽいですね。ブログで聴いた感想紹介して下さい。

2005/5/29(日) 午前 11:16 gustav 返信する

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paramachuさん、ありがとうございます。ブルッフとはシブいですね。でもいい曲です。この曲に刺激を受けブラームスはバイオリン協奏曲を書いたと言われますが、今だったら「よく聞かなくてもよく似ているぞコーナー」で放送されちゃうほどそっくりさん、はっきり言って盗作ですよね。

2005/5/29(日) 午前 11:21 gustav 返信する

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お誕生日おめでとうございます。とっても、詳しい内容で、驚きました。私も、クラシックを一緒に聞きにいってくれるような友達がいたらと思います。

2005/5/29(日) 午後 6:47 [ mayu ] 返信する

お誕生日おめでとうございます♪記念すべき日にモーツアルト・・・いいですね〜 お詳しいので勉強させていただいてます^^;

2005/5/29(日) 午後 10:20 [ gnadejp ] 返信する

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まゆたんサン、ありがとうございます。5月生まれは同じなんですが、あなたの方が随分と優雅に生きてらっしゃるような…。うらやましいというか、見習いたいデス。

2005/5/30(月) 午前 0:05 gustav 返信する

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ローレライさん、ありがとうございます。でもこちらはアマチュアで、プロの方に読まれると本当は冷や汗が…。それとハートが動くの、いいですね。

2005/5/30(月) 午前 0:10 gustav 返信する

☆彡(*・ω・)ノCongratulationsヽ(・ω・*)☆彡アバターも変えました?とってもステキです!!最近はアンパンマンメドレーばっかり・・・。ゆっくりクラッシックを聴ける日が来るでしょか??

2005/5/30(月) 午後 1:40 [ hin*ko_* ] 返信する

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2日遅れですが、お誕生日おめでとうございました。 松本は、母の疎開先で、昭和21年に結婚式をしたそうです。引き出物は反物で、当時の新聞に報道されたと言っていました。 さて、 今日は、マーラー7番を聴く予定でしたが、GUSTAVさんに敬意を表して、モーツァルト弦楽四重奏曲第19番「不協和音」K465と17番「狩」K458をアルバン・ベルクで聴く事にしました。・・・遠いのですが、鹿児島の焼酎で乾杯します・・・乾杯!。

2005/5/30(月) 午後 6:08 hs9655 返信する

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もんさん、来ますよ、絶対。今度「子どもを安らかに早く寝かしつけたい時かける音楽」とかそういうのの特集考えてます。でもその前に仕事を片付けないと。まだ会社で残業してます。ふーっ!

2005/5/30(月) 午後 11:00 gustav 返信する

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HS9655さん、身に余るお祝いのお言葉、職場でパソコン打ちながら、感涙にむせんでおります。ありがとうございます。こんなに祝ってもらった誕生日っていつ以来だろう?殆ど記憶がありません。鹿児島焼酎ですか。いいですね。じゃあ僕は、家に帰ったら、地元の松本山辺ワインで乾杯します。3年前から売り出して、実はこれがいけるんです。長年ドイツワインばかり飲んできましたが、価格的にも今はこれ1本です!ではCheers !

2005/5/30(月) 午後 11:09 gustav 返信する

いいですね!その企画☆☆いろんなシチュエーションに合う選曲特集、ぜひお願いします♪♪

2005/5/31(火) 午前 9:48 [ hin*ko_* ] 返信する

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期待していて下さい。子育てとか、特に家庭にいる主婦向きかも。

2005/6/1(水) 午後 10:48 gustav 返信する

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