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7月28日(木)快晴(最低気温18℃、最高気温32℃)
台風一過。
台風が一旦温まった陽気を一遍に運び去ってくれたのか、夕べから今朝にかけての松本は、今の時季としてはとても涼しかった。
そして汚れた空気まで運び去ってくれたのだろうか。今日は空気が澄み、まるで秋の一日のように快晴の下、ほぼ一日中北アルプスを白馬岳の先まで一望することができた。
また花崗岩でできているため、周囲の山に比べて白っぽい燕岳(つばくろだけ)の山頂付近の複雑な様相も驚くほどよく見えた。どちらも夏には珍しいことである。
それにしても信州の夏の一日はとてもダイナミックだ。
朝、ひんやりした空気が肌に心地よい。それも太陽が昇り、人々が職場へ急ぐ頃になると、気温もぐんぐん上がって真夏の一日が始まる。
やがて気温が30℃を超えると、遠くの山々の上に入道雲が沸き起こり、むくむくと上昇していく。
ほどなく墨色の雲が空を覆ったかと思うと、たちまち大粒の夕立の雨。が小1時間もするとピタリと止み、夕焼けが西の空を染める。
そして南の空にはピンク色に染まった月が雲間から顔を出し、開放的な夏の夜を照らし出す…。
そんな朝の秋の高原のような涼しさと、真夏の太陽が演出する夏の一日の振幅の大きさとの両方を、併せ持って感じさせてくれるような曲が、ブルックナーの第7シンフォニーだと思う。
第1楽章。大きくゆったりと、まるでスローモーションで太極拳をやってでもいるかのようにゆっくりと、そしてあくまでも自然に、ナチュラルに、大河が流れるように音楽が始まっていく。
この音楽には絶対に小細工はダメだ。人間の小ざかしい細工をすればするほど、音楽の持っている大きさを矯めてしまう。
この曲自身が持っているリズム、流れを損なうことなく、ブルックナーが弾いたであろうオルガンの響きのようにオーケストラを響かせる。それは思想家でいうなら、老子の如く、大地、宇宙の胎動を聞くことができる泰然自若な人物のみに可能なことではないだろうか。
ブルックナーの音楽は人を選ぶ。一人の指揮者にしても若い時はダメ。「心の欲する所に従って、矩を踰えず(のりをこえず)」(論語)の枯淡の境地に達してこそ、私心なくブルックナーを振ることができる。
晩年のベーム、ヨッフム、朝比奈隆、ヴァント…。
しかし私にとっての最高のブルックナーはワルターの演奏だ。(ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団)(1961年録音)(LP:CBS SONY SONC10213〜4)(CD:AILE DISC GRN-517)
誤解を怖れずに言おう。ワルターの演奏のみが私を癒してくれる。ワルターの演奏のみがブルックナーの歌心を伝えてくれる。そしてそれはブルックナーの音楽が、真っ直ぐにシューベルトにつながっているものであることを教えてくれるのである。
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ワルターのブルックナーですか。知りませんでした。日本にかえったら、さがしてみます。私は、ベームとヨッフムをずっと聴いてきました。最近は、ある方に教えられて、ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンを愛聴しています。
2005/7/30(土) 午後 8:29
さすがに晩年の録音のためのオーケストラ、コロンビア響で、4番、7番、9番しかありませんが、その全てが良いんですねぇ。僕なりにいろいろ聴いて最後に辿り着いた感があります。自然体のブルックナーです。
2005/7/30(土) 午後 9:40
ワルターのブルックナーは4番だけですねー。私の好みは7番はジュリー二、VPO。4番はクーベリックです。
2006/5/11(木) 午後 11:32 [ - ]
ジュリーニ、クーベリック、ワルターいずれも自然体で、決して力で曲を処理しようとするところのない演奏ですよね。4番ベーム、7番ワルター、9番ワルターというのが私の好みでしょうか。それにしても昨年の記事ではブルックナー論は自分でも全然ダメです。全然書けていません。今年夏休みくらいに書き直します。
2006/5/12(金) 午前 6:24
>全然書けてない、って、そんな事無いですよ!オルガンの響き、泰然自若、本当にそう思います。力んではいけない、とも思います。でもベームの4番はホルンが鳴りすぎていて私は?です。
2006/5/13(土) 午前 0:38 [ - ]
そうかも知れませんね。何しろ4番はワルター、べーム、レーグナーしか聴いていない(持っていない)ので。ベームはむしろ3番がすばらしい。ちなみに8番は実演を聴いたせいもあり、ヨッフムです。
2006/5/13(土) 午前 6:42
>ベームの3番がすばらしい。同感です!(デッカ、VPO) ヨッフムはシュターツカペレドレスデンとの2枚組、LPをもっています。ヨッフムの実演、良かったですか!オーケストラはどこだったのでしょう?
2006/5/14(日) 午前 0:24 [ - ]
彼の死の前年、バンベルク交響楽団との8番をNHKホールの最前列で聴きました。これも忘れられない演奏会のひとつです。(朝比奈の9番と並んで)宇野功芳の顔も見えました。その時の演奏をドレスデンでのレコード で思い出すというわけです。
2006/5/14(日) 午前 6:14
ブルックナーとシューベルトの類似性はよく指摘されますが,そういった意味ではシューベルトを得意にしていたワルターに向いていると言えそうですね.
ワルターの演奏ももちろん良いのですが,7番に関しては曲自体の完成度が高いせいかどの演奏を聴いてもあまりはずれがないように思います.
2008/5/4(日) 午後 10:52 [ sir*n*21* ]
「ワルター/コロンビア響(60)美しさを求める人にはこの演奏が一番です。ベーム/ウィーンフィル(73)特にホルンの音が最高です」シレンさんのブルックナー4番の演奏の講評に全く同感です。ワルター、ベーム、ヨッフム、朝比奈、最近ではブロムシュテットといった誠実な人柄の指揮者が、さらに晩年に到達した澄みきった心境で振ってこそ、ブルックナーの音楽の本当の大きさが表現できるのではないかと思っていますが、どうでしょうか?
2008/5/5(月) 午前 9:43
ブルックナーの交響曲には楽譜からは読み取れない独特な時間が流れているような気がします.この流れを表現するには経験や人柄といったさまざまな要素が必要なのかもしれません.
ブルックナーの交響曲は好き嫌いがはっきり分かれることが多いようですが,この「独特な時間の流れ」に身をまかせることを「至福」と感じるかそれとも「苦痛」と感じるかで違ってくるのではないでしょうか.
2008/5/7(水) 午後 10:50 [ sir*n*21* ]
はじめまして。
4番と7番も聞いてみます。
2010/2/17(水) 午前 11:21 [ ☆_阿呆の鳥飼_★ ]
★さん、コメントありがとうございます。
ブルーノ・ワルターのブルックナー、
ヨウラ・ギュラーのピアノ、マリア・カラスのLP…
随分好みがにているなぁと感じました。
音楽の記事もたくさん書いていただけると、こちらもコメントできて嬉しいです。どうぞよろしく!
2010/2/17(水) 午後 10:36