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7月29日(金)晴れ
夏の日中の暑さをしのぐ「使える」曲、第2弾はバッハのゴルトベルク変奏曲です。
この曲はご存じの通り、不眠に悩むカイザーリンク伯爵というドレスデン駐在のロシア貴族が、眠れぬ夜を快適に過ごすためにとバッハに作曲を依頼し、伯爵のお抱えのチェンバロ奏者でバッハの若い弟子のヨハン・テオフィール・ゴルトベルクが毎夜伯爵のために弾いたというエピソードのある曲です。
最初に3分程度の荘重なサラバンド(スペインの古い舞曲)風の主題(アリア)が提示され、その後主題に対する30の変奏が展開され、最後に主題のアリアがもう一度演奏されて曲を閉じるという、全部で1時間ほどの作品。
これが暑気払いにもってこいの音楽だ。とりわけロシアのバイオリニスト、ドミトリー・シトコヴェツキー編曲による弦楽演奏版がいい。
涼しげなバイオリンやヴィオラ、チェロの響きが、暑さに疲れた我々の耳にややけだるく、そして心地よく聴こえ、うとうとと気持ちよく午睡(お昼寝)に引き込んでくれる。
私は長年、1984年にオルフェオ・レーベル(LP最後期に出たこのドイツのレーベルのレコードは皆音が良かったなぁ)から出たシトコヴェツキーが編曲し、彼のバイオリンとジェラール・コセのヴィオラ、それにあのミッシャ・マイスキーのチェロという弦楽三重奏のレコードを聴いては、夏の昼下がり、家の中で一番涼しい北の部屋で扇風機にタイマーをセットして、よくお昼寝をしたものです。
こりゃぁもう何物にも代えがたい真夏の快楽でしたね。(ORFEO S 138 851 A)
コセーのVlaの音が、マイスキーのVcの音が冷やっこいッ!
シトコヴェツキーのVnの音色に刺激され、麻薬のごとき蠱惑(こわく)的な睡眠物質が大脳より出でて、
全身を痺れさせるッ!
そのシトコヴェツキーが10年後の1993年に、今度はニュー・ヨ−ロピアン・ストリングスという室内オーケストラのために弦楽合奏用に編曲し、CDを出した。( WPCS-21209)
こちらも基本的には先の弦楽三重奏と同様で、聴く人を心地よい眠りに誘う。
そうか、わかったぞ!あの謎の睡眠物質とはα波のことで、α波が出ることで人は快感とともにリラックスを得て、副交感神経が優勢になって眠りを誘うと、こういうカラクリになっているのだ。
クラシック音楽の効用に(特にLPレコードの場合)、脳にα波が出てリラックスするということがあるが、バッハのこの曲などは、その点まさしく正統的なクラシック音楽、その王道を往く代表選手だ。
P.S. 1年のうちで、そして1日のうちで一番暑い時は、熱帯の人々や、ヨーロッパでもラテン系のスペインやフランスの人達に倣って、涼しい所でお昼寝するに限ります。
そんな時までアングロ・サクソンの真似をして、ネクタイして背広着て(だからおまけにガンガンクーラー効かせて)、やせ我慢して仕事するなんて野暮なことはみんなでやめましょう。
京都議定書発効で今年はクール・ビズということだが、まだまだ中途半端。来年はみんなでシエスタ、シエスタ。シエスタという言葉を流行らせましょう。
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昨日のミュンヘンは34度。こうなると、さすがに、オペラでも、ネクタイ姿は、ほとんど見かけなかったです。みなさん、臨機応変です。
2005/7/30(土) 午後 8:33
今年の日本はここ数年に比べれば、わりとノーマルな暑さです(4月以来)。今年はヨーロッパが猛暑の当たり年みたいですね。
2005/7/30(土) 午後 9:26
弦のほうが眠りやすようですね^^グールドの演奏とかだと私は逆に目がさえちゃって・・・^^;
2005/7/31(日) 午前 2:00 [ gnadejp ]
ローレライさん、シトコヴェツキーの両親が大のグールド・ファンで、幼いときから彼は何度もこの曲を聴き、何とかバイオリンで演奏できないものかと考えていたんだそうです。弦楽合奏盤の1050円は超お得です。
2005/7/31(日) 午後 0:32
↑いい事を伺いました。ゴルトベルクのピアノはあたし夢にでてきそうで睡眠導入に〜なんてムリですが、弦楽合奏盤、欲しい!!
2005/7/31(日) 午後 9:03
そうだったんですか〜!すごいすごい!シトコヴェツキーさんはやっぱりグールドの目がさえてしまう演奏をねないで何度も何度もきいてたんですね(・・・^^;)
2005/8/1(月) 午前 10:11 [ gnadejp ]
昨日から最高気温が20度前後にもどりました。昨日も知人と話していたのですが、最近のヨーロッパは、猛暑か寒いか、晴れるか豪雨か、といった感じで、気候の変化が極端になってきています。だんだん、春や秋がなくなっていくのでしょうか・・・。
2005/8/1(月) 午後 8:18
kalosさんの仰る通りで7/18にも書きましたが、温暖化による異常気象は猛暑か厳寒、豪雨か旱魃という極端に二極化していくということで、人類が地球に優しくしなかった報いで、今度は地球が人間に優しくない時代になりつつあります。日本もやがてモンゴルのように真冬から真夏へと季節が2つになってしまうかも。取り返しがつかなくなる前に世界が何とかしなければなりません。
2005/8/2(火) 午後 10:51
ローレライさん、シトコヴェツキーはいいですよ。僕の感覚では冬のイメージの曲ですが、グリーグのVnソナタ集(オルフェオ・レーベル)の生々しいVnの音は魅力的です。
2005/8/2(火) 午後 10:57
らぶ子さん、皆で一緒に同じ時間(昼下がり)に、同じゴルトベルクの弦楽合奏盤聴きながらお昼寝したら傑作ですね。その光景を想像すると。
2005/8/2(火) 午後 11:03
こんばんは♪しかし、この曲の作曲に至るエピソードは、今はちょっと疑問視されているようですね(笑)テーフィールって、そんなにチェンバロ弾けなかったらしい、とか(笑)私はこの曲に人生を感じて、何度も泣きましたよ〜。ピュアに生まれて、だんだん成長していって、嬉しい時悲しい時あって、最後は、また生まれた時と同じ状態で死んでいく、みたいな・・。最後のテーマを弾いている時は、臨死体験をしているような気にすらなります
2007/4/13(金) 午前 1:45