●●館主・宋 竹仙の≪やきものつれづれ草≫●●

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汝官窯 #8 汝官窯胆瓶の例



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                   汝官窯胆瓶




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                 汝官窯胆瓶の台底付近

 


器形の下部が平べったく潰れた瓶を「胆瓶(たんへい)」と言います。この作品は汝官窯の胆瓶の例です。日本では「下蕪(しもかぶら)」と言うようですが、そう言われてみれば蕪の形に良く似ていますので、日本の言い回しの方が風情がありますね。

直径・高さとも20冂の作品ですが、均整のとれた器形は北宋汝官窯の筆頭と言っても良いでしょう。ただし、高台をまわして土が見えますので、これは公式な祭祀用の祭器ではなく、皇帝直々の居室か宮殿の備品と思われます。

胴の直径と高さをバランスさせながら、割と太めの首は長さを釣り合わせながら口辺を外側にわずか張り出させている。この器形に辿りつくまでの試行錯誤は容易ならざるものを感じ、今更ながら宋朝文化の底深さを感じざるを得ない。

汝官窯青磁に共通する、流し込み型抜き工法による胚胎の成型技術は、この器形でいかんなく発揮されている。この複雑に流れるような器肌のカーブは、ろくろ成形では不可能であったと思われる。

予め造形の設計段階で石膏型を充分絞り込み、これで良しとなったところで本番にかかったのだろうが、素焼での変形分を織り込むことは、命をかける程の苦労があったのではなかろうか。

今我々が1千年近く昔に作られたこの作品を見るときに、所望された貴人の芸術観と、それを受けて立つ工匠達の、打てば響く関係を見抜くことこそ、これら作品が文化財としてのおおいなる価値なのではなかろうか。



現代に学ぶこと多し、中国陶磁史…




この作品は、こちらの美術館で鑑賞できます。

       中和堂中国美術館

宋竹仙老人のコレクションに関心のある方は、こちらをごらん下さい。

       中和堂コレクション

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