●●館主・宋 竹仙の≪やきものつれづれ草≫●●

宋 竹仙のブログへようこそ!! 中国陶磁に魅せられて四半世紀。

全体表示

[ リスト ]

汝官窯 #18 汝官窯青磁奩式三足香炉



イメージ 1
                

                   器肌に出来た欠落部




イメージ 2
                  

                   欠落部の拡大写真




 
この作品の所在をおぼろげながらでも証明できる証拠として、この写真に見られるような、器肌の全面いたるところに釉薬が「はぜて飛んだ」跡が見られることである。これらの小さな窪みは何十か所とあり、触手でもざらざらとすぐ判る程である。通常の汝官窯青磁(その多くは窖蔵品のため)の器肌の表面は滑らかであり、釉薬がはぜて窪みが見られることは今まで経験したことのない現象である。

「はぜて飛んだ」跡を仔細に観察すると、釉肌に入ったひび(貫入)に沿ってクレータ状に欠落していることが判る。ちょうど細かく貫入している不定形な島の部分が欠落して窪みになっているのである。それでは何故、どんな事情でこの窪みが出来たのであろうか?

窪みが出来るのを物理的現象として捉えるならば、第一の方法として、先の尖った金属か鉱石を人工的に打ち込んで力学的に欠落させる方法であるが、器体内部の手の入れにくい個所にも同じような窪みを入れる難しさと同時に、この作品の品格から見て、全体の破壊につながる方法として、まずありえないだろう。

第二の方法について、この作品を焼成した汝官窯で出来た「窯疵」とする見方は、後に説明する金泥で書かれた御題詩文の一部欠落を考察するとあり得ない現象である。

第三の方法として、誰しも予期せぬ自然現象がこのような窪みを形成してしまったのではないかと。その現象として推察できることは、極微細な「へどろ(例えば日本にも到達するほどの微細な土、すなわち黄砂が池に堆積した状態)」状の泥水に器体を埋め、全体を急激に凍結温度まで冷やすと、細かく貫入した隙間に入り込んだヘドロの水分が凍結膨張して、その部分を「はぜ(窪み)」飛ばしたのではないか。

第三の方法について、過年に公式機関で再現実験を試みたところ、ほぼ似たような症状が見られたので、この作品がその現象を引き起した可能性が極めて高いと考察されるので、その検証を試みたい。

ポイントは、.悒疋躱の水中に埋められていた。急激な気温の低下で凍結温度になった。の2点であるが、この作品が乾隆帝の収蔵品となった以降の彷徨った過去において、この条件を満たす場面が必ずあったはずである。次回はタイムスリップしてこの作品の流転物語を語りたい。


現代に学ぶこと多し、中国陶磁史…




この作品は、こちらの美術館で鑑賞できます。

       中和堂中国美術館

宋竹仙老人のコレクションに関心のある方は、こちらをごらん下さい。

       中和堂コレクション

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事