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伊坂作品には人の暗部を曝け出してくるものも多いけれど『アイネクライネナハトムジーク』にはそれが無い為、読んでいる最中も閉じた後も目に見えない温もりに包まれました。最近暖かくなってきたと感じるのは読了後の温もりなのかも知れません。最近は温暖化温暖化言われなくなってきているので問題無いのでしょうね。
幾つかの章にそれぞれ別の人間が視点になり入れ替わってゆきます。珍しくファンダジックな要素もなく、それが苦手で敬遠気味な方もこれなら読めるハズです。オーディナリーピーポーの平凡な日常が描かれ、大きな事件は起きないけらど彼らにとっては人生のポイントとなるものもしばしば。それらを飽きずに読ませる文章力は「やるな」といつものように思わせてくれます。ありがとう。
章ごとに視点が変わると書きましたが登場人物は意外と多く、至る所で人生が交差・リンクしているのでしっかりと付いていければ微笑ましい場面に幾つも出会えます。
時系列も駆使して話を盛り上げるのが上手な作家さんですがアイネ〜でも駆使しておりいささかややこしいプロットにもなっているので、サボタージュは厳禁です。ちゃんと向き合えばきっちり報酬があるので安心してください。
印象的で好ましく思えたシーンや台詞がいくつかあったので掻い摘んで紹介すると、悪そうな奴にイチャモンを付けられてる人をみたら作中のこの台詞をイチャモン人に放ってやりましょう。「この人がどなたの娘さんかご存知なですか?」と。イチャモン人は勝手に想像を巡らししぼんでゆくことでしょう。
ヘビー級ボクサーがダウンして気持ちが切れそうになったときにラウンドボーイ(!)が投げ掛ける「大丈夫」。あぁ、繋がってたんだなと応援に熱が入ります。浮気=皆殺しも膝を打ちます。通帳記帳で気持ちを伝える方法もほんわかしましたが、これなら現実世界でも使えるな、と自分のレパートリーに拝借してしまえ!とオリジナリティのなさに呆然とさせられました。サプラ〜イズ。
他にも免許更新エピソードも織田一真のキャラも散りばめられた格言なるものもタイトルも装丁も、良い点を挙げるとほいほい出てきます。驚愕するような本格要素は入ってないけれど、爽やかほっこり暖色系の伊坂作品の方が自分には合ってるな、と感じたモーツァルトでした(因みに(アカデミー室内アンサンブル)の「EINE KLEINE NACHTMUSIK」を聴きながら読むことが多かったです)。
ヒューマン、ライフ、エピソード、サプライズ、ラヴロマンス。これらのワードの前に「Ordinary」を付けると本作の中身が見えてきますよ。
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この本は、あちこちで高い評判を目にしますけれども、まだ手を出すには至っておりません。
といいますのも、本棚の他にCD棚とかが廊下等々にはみ出してきたことに愚妻からチクチクとお言葉を頂戴するようになり、一回読んで終わりみたいな本(および稀覯本)は、図書館で借りて読むようにしています。
ところが、この本は、地元図書館に41冊入っていても、まだ予約数が122となっています…
2016/5/29(日) 午後 6:31
6つの短編が微妙につながるさまは、これぞ伊坂幸太郎といった感じで面白かったですね。
[ 藤中 ]
2016/5/29(日) 午後 8:28
お、早速積ん読棚から引っ張り出して下さったんですね(笑)。伊坂さんには珍しい恋愛短編集という形式で出された作品ですが、読んでみるとどれも変化球の恋愛もので、らしいな、とニヤリとさせられました。斎藤(和義)さんの曲がいろいろ出て来るのが嬉しかったです。
2016/5/30(月) 午前 0:14
> gustav_xxx_2003さん
どうやら評判が良いようですね。読後感も評判通りの佳作でしたのでぜひ読んで欲しいと思います。が、gustavさんはCD・レコードの量がすごそうですからね(笑)垂涎のCD棚となってるんだろうな〜^ ^。自分も昨日某チェーン店でクラシックCDが280円棚に数十枚ズラ〜っとあったので爆買いしてしまいました!ヴァントやバルビローリ指揮のもなどもあってホクホクです。
図書館の活用は以前自分もしてたんですよ。でも本への愛着度が変わってしまっていたので、買うようになっちゃいました(汗)122…先はまだ長そうですが忍耐です!^ ^ですが自分のでよければ差し上げますよ。
2016/5/30(月) 午後 9:02
> 藤中恭美さん
伊坂さんの伝家の宝刀が炸裂したような内容でしたよね^ ^
彼の作品はご無沙汰してたので他作品との繋がりは発見出来ませんでしたが。
2016/5/30(月) 午後 9:06
> べるさん
そうなんです、読みたくなっちゃって即、デス(笑)そういえば彼の作品のロマンスは貴重ですよね。今気付きましたヽ(´o`;それでも違和感なく読めてたのでまたまたやるなぁ、と思ってます。残念ながら斎藤さんの曲を知らないので言及出来ませんでしたが、色んな方とコラボする姿勢はさすがだな、と思います。
伊坂作品を読むとさすがだな、と頻繁に感じます(笑)
2016/5/30(月) 午後 9:12
伊坂幸太郎の小説ですね。これは未読です^^;
伏線の張り方はすごいですよね…。
これも機会があれば読んでみます!
2016/5/30(月) 午後 9:41
私が伊坂幸太郎いまいち好きじゃないのはその「人の暗部を〜」ってところが重すぎてってのがあるようです。それが無いのなら読んでみようかと…
2016/5/31(火) 午後 6:58
> WANTED222さん
伏線をさりげなく散りばめて、颯爽と回収していく様は読んでいて気持ちがいいもんです。本作も最後に悪くない結末が幾つも出てきますよ^ ^伊坂さんの映画も観ておられそうですね(笑)
2016/5/31(火) 午後 10:01
> びぎRさん
うんうん、解ります。自分も伊坂作品の白と黒に分けるのであれば、白のほうが好みですから^ ^でも伊坂作品の名作には黒が多いようなきもします(汗)
アイネ〜は闇の部分が無いので大丈夫だと思いますので是非。
2016/5/31(火) 午後 10:04
さりげない時系列の使い方は相変わらずでしたね。伏線には目を光らせていたつもりでしたが、ラウンドボーイに「やられた〜っ」て感じで嬉しくなりました(笑)
[ テラ ]
2016/6/1(水) 午後 3:07
> テラさん
時の魔術師と呼びましょうか(笑)伏線を気にしながら読んでいると全部が全部伏線に思えてきてスムーズに読めないので、伊坂さんのの場合はサボタージュであってもただただ楽しんで読むことにしています^ ^ラウンドボーイをつかった、という記述の時点では気づけないですよね(汗)
2016/6/1(水) 午後 9:18