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フレデリック・ショパン
「練習曲集 作品10・作品25」
(Pf)マウリツィオ・ポリーニ
(演奏時間)56'06
Deutsche Grammophon
1972年
ショパンの練習曲は全27曲ありますが、その内24曲(作品10と作品25の全曲)が収録されています。練習曲と題するこの楽曲はその名の通り「これらの作品を練習すれば上達しますよ」というようなもので、各々の曲に意図が含まれております。第18番などは3度和音を速いパッセージで弾かなければならない技巧的な曲で、第24番まで弾き通すと弾き手にとっては確かな手応えがある、と思われます(自身弾けないので何とも言えません)。
しかしそれだけではありません。「練習曲」と題するのが勿体無いほど音楽として完璧に聴こえますし、見事弾きこなせばショパンの真髄を垣間見ることが可能です。そのよい一例がこのイタリアはミラノ出身のマウリツィオ・ポリーニのエチュードなのです。
第6回ショパンコンクールを優勝しその後10年間ミケランジェリに師事し、颯爽とショパンのエチュードを披露して魅せてくれ(といってもリアルタイムでは知りませんけれども)、自分はそのポリーニのエチュードがお気に入りなのです。
本盤がショパン・エチュードの決定盤だ!!という方がとても多い反面、冷たく冷徹な演奏と酷評されていることも結構あります。自分は擁護派なので色んな声が多くあるということは、それだけ聴かれている演奏なのだろうと御都合主義的な目線でおります。
冷徹や機械的な演奏というのも分からなくもありません。終始均等な音を鳴らしているし、録音かはたまたピアノ自体の響きがクリアに過ぎるのですね。ですが転じてそれは賛美にもなり得て、均等に音を鳴らすタッチは技術的に優れていなければ出来るものではないでしょうし、細かなパッセージまで難なくこなす超絶技巧です。
また、徹頭徹尾一貫性のある音楽性は透徹した演奏の賜物でしょう。韋駄天の如きスピードであっという間に終わってしまう第1番なども一音足りとも疎かしませんし、人口に膾炙された第3番「別れの曲」のホ長調でさえタッチは強靭といってもよいくらいです。それでいて優しく憂いもあるのは彼ならではと思っています。曲の解釈も剛毅というのでしょうか、見事です。
しっかりと細部にまで気を配っていて、表面的であろうが芸術性を感じなかろうが、どこまでいってもロマンチックで何度も聴きたくなってしまいます。
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