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ダールはノルウェー風景画の創始者、また、ノルウェー絵画の国民主義精神の先駆者、と言われる。ノルウェー西部の風景を描き、ノルウェーのイメージを確立させた。ダール以降、ノルウェーの画家たちはドイツなど海外で絵の勉強をしたあと、帰郷して祖国の風景や風土を描いたそう。フィヨルド風景なんて、いかにも北欧らしいモティーフ。祖国を愛せるということは羨ましいことだと思う。 |
ロマン派
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ロマン派 Romanticism
簡素、厳格、静謐な新古典派絵画に対して、主観的な激情の表現や、現実的な社会矛盾への糾弾、などが特徴。ただし、様式上の共通点があるわけではない。
概ね、個の不調和を自覚し、形式からの解放を求めた。また、光の明暗や色彩、画題におけるドラマや心情を強調した。
新古典派に取って代わることなく、両派は相互に釣り合いを保ちながら展開した。
ギリシャ・ローマの古典古代の様式を普遍的なものとして模倣するのではなく、各国独自の歴史、文化、風土の特殊性に関心を強めた。
アメリカでは、ハドソンリバー派によるドラマティックな風景画が、ロマン派的な傾向を持つ。
ラファエル前派、象徴主義へと継承された。また、印象派にも影響を与えた。
代表的な画家は、ドラクロワ、ジェリコー、ターナー、コンスタブル、フリードリヒなど。
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ヨハン・クリスティアン・ダール(Johan Christian Dahl)はノルウェーの風景画家。ドレスデン時代のフリードリヒからの影響が有名だけど、ダールの絵にはフリードリヒの持つ怪奇さは感じられない。どちらかと言うと、ライスダールなどのオランダ風景画からの影響のほうが強い気がする。特に、光の効果による動感が醸す、ドラマティックでロマンティックな雰囲気なんかが、そう。 |
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別名、「希望号の難破」。画面右、座礁して氷の峰に埋もれ、沈んでいく船。すでに終わった悲劇という主題には、運命に対する画家の諦観が感じられる、強烈な視覚的印象。並みの画家にはこうは描けまい。彼は幼い頃、スケート遊びの際、氷の水に落ちて溺れかけ、それを助けた弟が逆に眼の前で溺れ死んだ経験がある。彼が繰り返し描いた雪や氷の世界、そこに漂う死のイメージと冷厳なまでの崇高さは、そのせいだと言われている。 |
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フリードリヒは、明確な宗教のイメージを退け、自然に重きを置く宗教画を描いた。が、なまじ宗教的な絵よりも、忘れがたい深い精神性が漂っている。構図はどこか、死をイメージさせる彼岸と、それを遠くから眺める此岸との対立を感じさせる。この絵は祭壇画として描かれたけど、その前例のない描写は、神に対する冒涜だと非難されたそう。 |
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カスパール・ダーフィト・フリードリヒ(Caspar David Friedrich)は、ドイツ・ロマン派最大の画家。独特の風景描写に、その鬼才を見ることができる。北ドイツの荒涼とした海や山々や平原、墓場や廃墟や教会を題材とした彼の風景画は、孤独と不気味な静寂に満ちている。淡い光と幽霊のような影。そこに登場する人物は、何か人間の運命を担っているよう。メランコリックで内省的な彼の性格と、自然に神性を見、その自然を畏怖する彼の思想とが、よく現われている。 |


