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アストルップはノルウェー絵画史では、ソールベリ(前掲)やキッテルセン(前掲)らとともに、「新ロマン派(Neo-Romanticism)」と呼ぶスタイルに括られるらしい。これは、音楽史ではよく見かけるタームなのだが、美術史では、未だなかなか分かりやすい定義に出会えない。コマルトフ。勝手にまとめてみると、「新ロマン派」(=「後期ロマン派(Post-Romanticism)」)とは、内面性、主情性、空想性などを重んじるロマン主義の特徴を受け継ぐ一方、物質文明への嫌悪による象徴主義、民族的アイデンティティの再昂揚による民族主義、などの新たな特徴を併せ持つ。だから概ね、祖国の失われた過去や自然への懐古・憧憬を感じさせる絵が多い。この絵も、ノルウェーの自然、イコール精霊、というような不思議な雰囲気。 |
ロマン派
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ロマン派 Romanticism
簡素、厳格、静謐な新古典派絵画に対して、主観的な激情の表現や、現実的な社会矛盾への糾弾、などが特徴。ただし、様式上の共通点があるわけではない。
概ね、個の不調和を自覚し、形式からの解放を求めた。また、光の明暗や色彩、画題におけるドラマや心情を強調した。
新古典派に取って代わることなく、両派は相互に釣り合いを保ちながら展開した。
ギリシャ・ローマの古典古代の様式を普遍的なものとして模倣するのではなく、各国独自の歴史、文化、風土の特殊性に関心を強めた。
アメリカでは、ハドソンリバー派によるドラマティックな風景画が、ロマン派的な傾向を持つ。
ラファエル前派、象徴主義へと継承された。また、印象派にも影響を与えた。
代表的な画家は、ドラクロワ、ジェリコー、ターナー、コンスタブル、フリードリヒなど。
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アストルップの描く風景は、夜の絵がほとんど。北欧には、いろんな夜の姿がある。ところで、温暖化が加速して、10〜20年後には、北極の氷はかなり溶けてしまう。北極圏の制海権の発生とか、海岸付近の土地所有権の行方とか、諸種の利権・利害をめぐって、いろいろ危惧されているけれど、私が一番危惧するのは、シロクマの運命と、浜辺の消失だろうか。海岸風景は随分と変わってしまうに違いない。今のうちに、海岸風景を見てまわっておかなきゃいけない。 |
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この絵は、家にあるグリーグのCDの表紙の絵。新しい画家の名を見つけると、一応調べてみる。が、いつも使っている「アートサイクロペディア」というのは、アメリカのサイトなので、北欧の画家はなかなか掲載されていない。残念。ニコライ・アストルップ(Nikolai Astrup)はノルウェーの風景画家。ノルウェーで最も愛されている画家の一人、とある。パリで絵を学んだが、ノルウェーに戻り、故郷ヨルスターの山がちの風景を描いたという。この、空の薄青と、山や木々の緑、日本の風景ではお眼にかかれない。 |
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恋文を主題とした絵は多い。でも、ラブ・レターを書いているのも、受け取っているのも、大抵が女性。男性が書いたり受け取ったりする絵は、あまり見かけない。絵画の世界では、女性たちだけがせっせとラブ・レターを書き、そして受け取っている。まあ、これはラブ・レターに限ったことではなく、風俗画には女性のほうが多く描かれている、という事情によるのだろうけれど。ちなみにラブ・レターは、花束に忍ばせて贈るものらしい。 |
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ライムンド・デ・マドラーソ(Raimundo de Madrazo)はスペインの画家。女性をモデルに人物画や風俗画を多く描いた。彼は画家の家系で、父も祖父も画家。そのせいか彼自身、正統的なアカデミックな画風。が、やっぱり時勢を反映してか、闊達さを素直に出した大胆なタッチ。ところでジプシーって、あらゆる国にいるんだな。 |


