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私の場合、ドイツ絵画と言われて、まず思い出すのが、ロマン主義と表現主義。そして、ドイツ・ロマン派と言えば、フリードリヒ周辺のドレスデンの風景画家たち。フリードリヒ(前掲)の風景は、確かに自然を描いてはいるのだけれど、その自然はあくまで主観の投影のように見える。眼には見えない、だが感じることのできる、霊的な存在。声なき言葉、姿なき魂、というところか。 |
ロマン派
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ロマン派 Romanticism
簡素、厳格、静謐な新古典派絵画に対して、主観的な激情の表現や、現実的な社会矛盾への糾弾、などが特徴。ただし、様式上の共通点があるわけではない。
概ね、個の不調和を自覚し、形式からの解放を求めた。また、光の明暗や色彩、画題におけるドラマや心情を強調した。
新古典派に取って代わることなく、両派は相互に釣り合いを保ちながら展開した。
ギリシャ・ローマの古典古代の様式を普遍的なものとして模倣するのではなく、各国独自の歴史、文化、風土の特殊性に関心を強めた。
アメリカでは、ハドソンリバー派によるドラマティックな風景画が、ロマン派的な傾向を持つ。
ラファエル前派、象徴主義へと継承された。また、印象派にも影響を与えた。
代表的な画家は、ドラクロワ、ジェリコー、ターナー、コンスタブル、フリードリヒなど。
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私は、絵に描かれた意味を解釈するのは苦手。絵の含意なんて、描いた画家本人にしか分からないものだと思う。例えば、あるモデルを小説で表現する場合、そのモデルの容貌や人柄、台詞などの他に、過去や、現在の事件、周囲の人間関係なども事細かに書かなければならない。が、絵で表現する場合には、モデルそのものを描くだけでいい。説明の必要なさが、絵の醍醐味だと思う。 |
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ドイツと言うと思い浮かぶ、精神性や思想性というイメージから、ちょっと退いているのがビーダーマイヤー(Biedermeier)様式。19世紀前半のドイツやオーストリアで流行した。その特徴を一言で言えば、ノンポリ的、プチブル的。平凡で身近な、日常的なものを愛し、写実的に描く傾向がある。何とも言えないユーモアとペーソスは、古きよき時代、という感じか。 |
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カール・シュピッツヴェーク(Carl Spitzweg)はビーダーマイヤー期の代表的なドイツ画家。僧侶や詩人、学者などを取り上げ、小ブルジョアの偏狭な生活を、皮肉とユーモアをこめて描いた。彼の、突飛で風変わりな人物像は笑える。薬学を学んだのち、独学で絵を勉強し、ヨーロッパ各国の芸術都市を訪れた、私にとっては見習うべき画家。ま、こういう画家は結構いるみたい。 |
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ソーリー・ギルピン(Sawrey Gilpin)はイギリスの動物画家。風景のなかの馬を描いた。彼の馬は動感がある。それが、光の効果によって緊張を帯びた野のなかに、明るく照らし出されることで、いっそうドラマ性ある躍動感を醸し出している。 |


