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ワッツ(前掲)の描いたオフィーリア。気が触れて、歌を口ずさみながら花を手折っているシーンだろうか。タイトルがなければ、オフィーリアとは分かりづらい。ワッツらしい象徴性の漂う絵。 |
ラファエル前派
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ラファエル前派 Pre-Raphaelitism
1848年、ウィリアム・ホルマン・ハント、ミレイ、ロセッティらが「ラファエル前派兄弟同盟」を結成したことが発端。
当時のイギリス画壇(ロイヤル・アカデミー)で支配的だった、ラファエロの絵画を模範とする慣習を退け、ラファエロ以前の素朴で誠実な絵画表現に理想を見出し、それへの回帰を主張した。
神話や聖書、アーサー王伝説などの中世史、イギリス詩や文学などの主題を、正確で細密に描くのが特徴。
アカデミーの様式に反対したラファエル前派だが、難解な画題を写実的ながらも、耽美的、理想主義的に、ロマンティックな演出をもって描く点は、実質上、アカデミズムと同じもの。両派は絵画上の特徴を共有し、ヴィクトリア朝後期の絵画の主流を形成した。
神話や文学を耽美的、幻想的に描く絵画理念は、アート・アンド・クラフト運動や象徴主義に影響を与えた。
代表的な画家は、ミレイ、ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、バーン=ジョーンズなど。
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シメオン・ソロモン(Simeon Solomon)はイギリスの画家。神話や擬人をテーマに描いた。ぼやけた画風がそれらテーマと相俟って、神秘的な雰囲気を作っている。なんだか天野善孝の絵みたい。 |
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アニー・スウィナトン(Annie Swynnerton)はイギリスの女流画家。この絵、新古典派らが好んで描いた同名の主題の絵と比べると、ちょっと拙い気もする。が、プシュケのあどけない、愛に恍惚とした表情は、よく表現されている。これからどんな苦労が待ち受けているかも知らずに、ただ、今ある愛に満たされている、という感じ。 |
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アンナ・リー・メリット(Anna Lea Merritt)はアメリカ生まれのイギリスの女流画家。人物画が多いが、文学や宗教を主題とした絵も描いた。この、キューピッドが霊廟の扉を開けようとしている絵は、結構有名。結婚後わずか3ヶ月後に死んだ、画家の夫の思い出から、イメージされた絵なのだそう。死と向き合っている愛の神は、画家自身なのだろうか。 |
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ロセッティのごく初期の絵。天使ガブリエルがマリア(このときヨセフの許婚)に、聖霊によって神の子を宿したことを告げた、聖告(受胎告知)のシーン。従来の解釈と異なり、このマリアの反応には喜ばしさも敬虔さも感じられない。いきなり目の前に天使が現われ、身に覚えのない妊娠(しかも相手は神さま)を告知されたら、こんなふうにおののき、たじろぐのが普通だろう。 |




