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油彩の本領を発揮させたという感じの、ジョヴァンニ・ベッリーニ円熟期の一枚。こういう表現力は油彩画ならではだろう。ヴェネツィアでは早くから油彩技法が伝えられ、発展してきた、という美術史の好例として、よく美術解説書なんかにも掲載されている。この描写を見れば、うん、納得。 |
盛期ルネサンス
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盛期ルネサンス High Renaissance
ここにおいて、理想的な古典主義様式が確立した。
フィレンツェではルネサンスは衰退に向かい、代わってローマがその舞台となった。
代表的な画家は、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。また、ジョルジョーネ、ティツィアーノなども同時期の画家。
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ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)はヴェネツィア画派を確立したと言われる画家。ジョルジョーネやティツィアーノは彼の工房で学んだという。このベッリーニ家は画家の家系で、彼の父ヤコポはヴェネツィア派の始祖とされる。絵画がようやく絵画らしく描かれるようになってきた時代、彼の宗教画も、説教臭くない、母と子の情感といったムードが漂っている。が、やはりこの時代、まだまだ赤ん坊は可愛くない。まるで老人のような赤ちゃん。 |
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ジョルジョーネは、経歴があまり伝えられていない上に、描かれた絵についても異説あり、安直に言えば謎めいた画家。絵の主題に含まれるのがどういう意味なのか、絵に加筆したのは誰なのか、等々、美術関係者たちを大いに悩ませているのだそう。それらも絵のムードを増している。でもまあ、謎はこうした自然な謎のほうがいい。現代によく見かけるけれど、わざと自分で謎かけのような意味不明の含意を持たせた絵は、ワケが分からずにげんなりする、私の場合。 |
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こちら、先のジョルジョーネのヴィーナスを下敷きにした、ティツィアーノのヴィーナス。この二枚はいつも比較されている。ティツィアーノのヴィーナスのほうが肉感性を感じるのは、まどろみの世界にいるジョルジョーネのヴィーナスと異なり、こちらが現世的だからだろう。ヴィーナスはしっかりとこっちを見つめている。現実の女が美しいから、神話の女も美しく描けるのよ、とでも言いたげ。この絵がゴヤ「裸のマハ」やマネ「オランピア」など、後々までに裸婦像に大きな影響を与えたのは有名は話。 |
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ジョルジョーネの絵はフォルムや色彩がとても柔和。これはジョルジョーネのなかで最も有名な絵の一枚。ヌードで最も美しいポーズだと、以前どこかで聞いたことがある。が、ジョルジョーネの絵が大抵そうであるように、この絵も、ヴィーナスの裸体そのものよりも、それが醸す情感のようなものが画面を満たしている。早世した彼の未完の作品は、主に弟弟子のティツィアーノが仕上げたと言われ、この絵もそうらしい。 |




