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シェルフベックの生きた時代、絵画はちょうど、印象派の興隆に続き、表現派、象徴派等々、いわゆる反写実派的な表現傾向が広がった。そんななか彼女が行き着いたこうした画風が、彼女がモダニズムの画家と呼ばれる所以。以前は輝くような色の写実によって描かれた美しい自画像とは対照的に、この老い衰えた幽霊のような自画像は、むしろ醜い。歳も取り、それ以上に多くを背負った人生は、実際、彼女の容姿を醜く変えたかも知れない。が、そんな自分を敢えて美しく描こうとしない画家の眼は、美しく好もしい。 |
象徴派
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象徴主義 Symbolism
詩界における「象徴主義宣言」を起点とする文芸運動に由来する。背景に、近代的合理主義に反対したユング、フロイトなどの哲学思想がある。
眼に見えない内的世界や、現実を離れた暗示的な象徴世界を、具象化し再現するのが特徴。
神話や宗教における神秘的感情、内的な思考、魂、夢、精神や観念、普遍的な理念などを主題とし、それらを現実世界に存在するものの姿を借りて、装飾的、夢幻的に描いた。それにより、人間の存在や運命に関する苦悩、精神の優越性などを表現した。
内面世界を描く姿勢は、表現主義などに影響を与えた。
代表的な画家は、モロー、ルドン、シャヴァンヌなど。
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シェルフベックは幼い頃から絵の才能を発揮し、授業料免除で美術学校に入学、賞を得てパリへと旅立ち、そこでも賞を得る。帰国後は母校で絵を教えるが、幼少時に骨折した腰が悪化し、やむなく教職を退く。若くして国際的に活躍し、すでに評価も高かった彼女なのに、その後はフィンランドの田舎に隠遁し、孤独に描き続けたという。彼女は主に人物画を描いたのだが、その人物たちがどこか力の衰えた、弱々しい印象を与えるのには、そういう背景もあるのかも知れない。 |
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ヘレネ・シェルフベック(Helene Schjerfbeck)はフィンランドの女流画家。北欧では高く評価されているが、北欧以外の国ではあまり知られていないという。もちろん日本じゃ、ほとんど名を聞かない。近年、ヨーロッパで企画展があったそうなので、数年後には日本にも紹介されるかも知れない。……日本って、先進諸国のなかの最後進国だな。 |
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クヌート・エクヴァル(Knut Ekwall)はスウェーデンの画家。主にドイツで、挿画家として活動したらしい。セイレンというのはサイレンの語源となった、ギリシャ神話の海の魔物。美しい歌声で船人たちを誘惑し、破滅させたというこの怪物、もともとは上半身は女、下半身は鳥の姿をしているはずなのだが、絵に描かれるのは大抵、ほとんど人間の姿をした美女。 |
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ヨナス・リーは幼くしてアメリカに渡り、アメリカで教育を受け、絵を学んだ。生前、アメリカで成功した画家と言えそうだが、カラーやムードなど、絵のなかにノルウェーらしい表出があるのは不思議。故国ノルウェーに何度も訪れているが、ノルウェーではほとんど知られていないらしい。ところで、建物が水に浸かり、水面に反映する洪水。このテーマ、シスレー周辺以外でも、描いた人いるんだな。 |




