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俺とクルガンはハルモニアの本陣へと戻り、早速先ほどの出来事を神官将ラウルスに報告した。 「ビクトールとフリックですか・・・」 ラウルス様は顔をひそめしばらく考えていたようだが 「分かりました。とにかく作戦に変更はありません。このまま予定通りサジャ村を制圧しますので、御二人はそれぞれの軍の指揮を執ってください。」 「しかしラウルス様、すでにこの作戦は敵に知れたようなもの。策を練り直す必要があるかと、伏兵が潜んでいる恐れもありますし・・・」 「クルガン将軍、貴方が優れた策士であることは分かっていますが、実は私にも取って置きの秘策がありますので・・・」 「なんですか!?その秘策っていうのは!」 将軍職についている俺達に秘密事かよ! これだからハルモニアの人間ていうのは食えねえ連中だってんだ! 俺は内心ムカついた。 「まぁ・・・シード将軍。何事にも頃合ってものがありますので。その時になったら当然御二方に連絡いたしますよ。」 「しかしっ!!」 「よせ!シード・・・・・・ラウルス神官将閣下大変失礼致しました。我々は軍の指揮に戻りますので・・・」 クルガンはそう言って神官将の天幕を後にした。 俺も苛立ちを隠せないままも仕方なく退出する。 神官将の天幕からひとしきり離れると俺はクルガンに食ってかかった。 「どういうことだよクルガン。俺達にも内緒ってバカにするにも程があるぜ!!」 「まぁ落ち着けシード。ビクトールのあの言葉を思い出してみろ、お前は本当にハイランドのためにハルモニアが力を貸してくれると信じているのか?」 「えっ!?あ・・・あぁ・・・そりゃあハルモニアがそれだけのことで動くとは俺も思っちゃいないさ・・・でも、復興を目指すにはハルモニアの手を借りるしかないじゃないか・・・」 「その通りだ。だから私もハルモニアの思惑がどうであれ、これまでだまって協力してきた。しかし、事と次第によっては我々の身の振り方を考える必要があるやもしれんな。ジョウイ様に忠誠を誓った時のように・・・しかししばらくはまだ様子見が必要だ。分かっているだろうがシード、それまでは決して変な気を起こすなよ。」 「チッ・・・」 なんか釈然とはしないが、俺にわからないことでもクルガンは分かっているんだろう。とりあえずは目の前のサジャ村制圧に全力を注ぐだけだ。
俺は出陣の準備を整えるべくその場を立ち去った。。。 |
幻想神殿書庫(小説)
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