幻想神殿書庫(小説)

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妄想と本能のままに書き綴ったオリジナル小説です。
現在幻想水滸伝のシードを主人公とした小説を執筆中vv
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村のあちこちで火の手が上がっている。

逃げ惑う村人、泣き叫ぶ子供、崩れ落ちる家屋・・・
俺は向ってくる傭兵達を切り倒しながらガイルの家へ向った。


「ガイルー!!無事かー!」


ガイルの家からも火の手が上がっている。
2人は逃げたのか!?それとも・・・・・・


「シード将軍・・・」

「ガイル!無事だったのか!」


俺は声のするほうを振り向いた。
そこに立っていたのは力尽きた少年を胸に抱いたガイルの姿だった。。。


「ロイス・・・!まさか!」


ついこの前あんなに元気な姿をしていたロイスが・・・


「シード将軍。これがあなたの目指したものなのですか。ハイランドの民を滅ぼし、その上に国家だけを築くおつもりか!?これではルカ様が都市同盟にしたことと何も変わらないじゃないですか!!」


ガイルロイスを地面に置き、俺に向って泣きながら叫んだ。


俺はガイルのその言葉に何も返すことが出来なかった。
俺達はルカ・ブライトの全てを叩き潰すような暴挙に危機を感じて、狂王子を見限ったはずだ。
それが今度は同じ事を愛するハイランドの民に味合わせてしまうことになるなんて・・・


「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」


ガイルは耕作用の鍬をかまえ、俺に向って突進してくる。


「やめろ!ガイル!!」

「なら私を力でねじ伏せたらどうですか!!この村のように!ロイスのように!!」


俺はガイルの攻撃をかわしていたが、ヤツの気迫は本物だ。
何とか怪我をさせずに落ち着かせたい・・・・・・!!


「うっ・・・・・・」


さすがは元小隊長だっただけに、ガイルはかなり際どいところをついてきた。
俺の剣はとっさにガイルの胸を突いていた。。。


「ガイ・・・ル・・・!しっかりしろ!!」

「・・・シ・・・ド将軍。・・・これで・・・これでいいん・・・です。あなたも・・・私も・・・自分の信念を貫いた・・・だけ。それに私が・・・逝ってやらないと・・・ロイスがまた一人ぼっちになって・・・しまう・・・・・・。」

「何言ってるんだ、死ぬな・・・死なないでくれー!!」


今まで数え切れないほどの敵を殺し、数え切れないほどの仲間の死を見てきた俺が・・・
たかが元小隊長1人の死にこんなに動揺するなんて・・・

今までハイランドのためならどんな犠牲もいとわなかった。
俺自身もハイランドに全てを捧げてきた。

しかし今の俺は・・・もう何が正しいのか分からなくなっていた。。。
ハイランド軍は予定通りサジャ村へ向って進軍した。
普通ならこんな小さな村だ。俺の剣を振るうまでも無く制圧できるだろうが、気になるのはビクトール達だ。
奴らが黙って見ているとは思えない。



サジャ村が見えてきた。
案の定村の前には傭兵隊が陣取っていやがる。
これなら俺も思う存分剣を振るえるってもんだ!!
久々の戦に、俺は忘れかけていた感覚を取り戻す。



「シード。むやみに突っ込んでいくなよ。奴らは必ず何かをたくらんでいるはずだ。」

「分かってるよ!」



そういっているうちに進軍していた最前列の隊の叫び声が聞こえてきた。
どうやら罠が張ってあったらしい。
馬の足が無数に掘られた落とし穴に足を取られて立ち往生している上に、隠れていた弓兵に矢を打ち込まれている。



「ひるむなー!数ではこちらがはるかに勝る!!力でねじ伏せてやれー!!」

「おー!!」


各隊長たちの指揮の下、更にハルモニア軍は進軍する。
サジャ村に襲い掛かる軍勢にすさまじい火炎放射が浴びせかけられた!!


あ、あれは、いつかビクトールの傭兵砦を襲撃した時に見た兵器か!?



「どうだ、新型火炎槍の威力はよ!いざと言う時のためにトランのドワーフたちに頼んでおいたんだ!!」


「ビクトールかっ!」



俺は声のしたほう目掛けて馬を走らせた。



「来たなっ!シード!!」


「ビクトール!!!今度こそ貴様に引導を渡してやるぜー!!」


「へっ何だよ。ハルモニアに嫌気が差してこっちに来たのかと思ったぜ。」


「黙れーーー!!」



そのまま俺とビクトールは切り結んだ。
ビクトール、やはり手ごたえのある相手だぜ。


俺とビクトールはしばらくそのまま対決していたが、突然村の中から火の手が上がった!!



「何っ!?」


「ちきしょーっ!やりやがったなー!!」



俺は何故突然村から火の手が上がったのか、何がなんだか分からなかった。



「おいっ!これがお前たちのやり方か!?村を丸焼きにして罪も無い村人を焼き殺すのか?この村の住人はみんな元はハイランドの人間だ。同胞を犠牲にしてまで国を再建するのがお前たちの大義なのかよ!!」


「違う・・・。俺は・・・・・・こんなはずじゃ・・・・・・」



俺はビクトールをその場に残し、村に向って走り出した。
俺とクルガンハルモニアの本陣へと戻り、早速先ほどの出来事を神官将ラウルスに報告した。




「ビクトールとフリックですか・・・」


ラウルス様は顔をひそめしばらく考えていたようだが


「分かりました。とにかく作戦に変更はありません。このまま予定通りサジャ村を制圧しますので、御二人はそれぞれの軍の指揮を執ってください。」


「しかしラウルス様、すでにこの作戦は敵に知れたようなもの。策を練り直す必要があるかと、伏兵が潜んでいる恐れもありますし・・・」


「クルガン将軍、貴方が優れた策士であることは分かっていますが、実は私にも取って置きの秘策がありますので・・・」


「なんですか!?その秘策っていうのは!」




将軍職についている俺達に秘密事かよ!
これだからハルモニアの人間ていうのは食えねえ連中だってんだ!
俺は内心ムカついた。




「まぁ・・・シード将軍。何事にも頃合ってものがありますので。その時になったら当然御二方に連絡いたしますよ。」


「しかしっ!!」


「よせ!シード・・・・・・ラウルス神官将閣下大変失礼致しました。我々は軍の指揮に戻りますので・・・」




クルガンはそう言って神官将の天幕を後にした。
俺も苛立ちを隠せないままも仕方なく退出する。
神官将の天幕からひとしきり離れると俺はクルガンに食ってかかった。




「どういうことだよクルガン。俺達にも内緒ってバカにするにも程があるぜ!!」


「まぁ落ち着けシード。ビクトールのあの言葉を思い出してみろ、お前は本当にハイランドのためにハルモニアが力を貸してくれると信じているのか?」


「えっ!?あ・・・あぁ・・・そりゃあハルモニアがそれだけのことで動くとは俺も思っちゃいないさ・・・でも、復興を目指すにはハルモニアの手を借りるしかないじゃないか・・・」


「その通りだ。だから私もハルモニアの思惑がどうであれ、これまでだまって協力してきた。しかし、事と次第によっては我々の身の振り方を考える必要があるやもしれんな。ジョウイ様に忠誠を誓った時のように・・・しかししばらくはまだ様子見が必要だ。分かっているだろうがシード、それまでは決して変な気を起こすなよ。」


「チッ・・・」



なんか釈然とはしないが、俺にわからないことでもクルガンは分かっているんだろう。とりあえずは目の前のサジャ村制圧に全力を注ぐだけだ。
俺は出陣の準備を整えるべくその場を立ち去った。。。
「いったいどこへ行っていたんだ。」


カレリアに戻ると早速クルガンの説教が始まった。

まぁこうなるとは思っていたんだが・・・


クルガンの話では3日後には進軍するらしい・・・
いよいよ、ハイランドを取り戻す戦いが始まるんだな。


俺の脳裏をあの平和なサジャ村の光景がよぎった。
いや、これも大義のためだ。許せガイル・・・



俺はそれからの3日間、昼は兵士達の鍛錬、夜は自分の剣の修練に励んだ。
ハイランドに栄光を取り戻す。
考えただけで武者震いが起こる。
そうだ、今俺達が生き恥をさらしてこうしているのは全てハイランド再建の為。
そのためなら俺は鬼神となって戦おう。

そのようなことを胸に思い巡らせながらとうとう出撃の朝がやってきた。


ハルモニアの辺境軍は進軍し夕刻にはサジャ村の手前の森に着いた。
軍を伏せておくにはもってこいの場所だ。

日が暮れたらそのまま村を占拠する。
ぐずぐずしているとデュナン国からの援軍が到着するだろう。
それまでにサジャ村を制圧し、ここを拠点として更なる進軍の足がかりを作るのだ。

森の中で小休憩を取っていると、なにやら人の気配を感じた。
デュナンの斥候か!?
大事の前の小事、ここで大げさに動くのはまずい。
俺とクルガンは無言でうなずきその影を追っていった。

ここは曲がりなりにもハイランドの土地だ。
地形は充分に分かっている。
俺達は謎の影を逃げ場の無い場所に追い詰めた。



「シード、クルガン、お前たち死んだと思っていたが・・・生きてたんだなっ!」


「お、お前は!」



忘れもしない、我がハイランドを壊滅に追いやった同盟軍の立役者の一人、クマ!いや違うビクトール!!



「貴方こそまだ生きていらっしゃったのですね。お元気そうで何よりです。」


「俺は野生のクマ並にしぶといんでね。この15年傭兵としてあちらこちらを歩いてはいたが、ハルモニアの動きがどうもおかしいってんでテレーズお嬢さんに頼まれてここのところ様子を伺っていたのさ。」


「さすがテレーズ、抜け目が無いですね。しかしビクトール、単独で行動するとはうかつですね。私達2人から逃げられるとでも思っているのですか?」


「へっそれはどうかね。それよりもお前たち、ハルモニアなんかについてどうするつもりだ!?まさかハイランドの再興なんて考えているんじゃねぇだろうな?」


「だったらどうだって言うんだ!!」


「お前たち目を覚ませ!ハルモニアが本当にハイランド王家の再興なんか考えているのかどうか!!ハルモニアはハイランド再興なんていうお題目を掲げて、実はデュナン侵攻が目的に決まっているだろう!!ハルモニアがわざわざ小国のお家再興のために軍を裂くと思っているのか!?お前たちはその国を思う一途な心を利用されているだけだ!!今旧ハイランドの国民達はテレーズ大統領の善政の元、平和に暮らしている。その平和をお前たちはぶち壊していいのか!?」


「それでは貴方はハイランドの平和を守る為に戦っているというのですか?」


「別に・・・俺はただの傭兵だ。戦いの中にしか生きられねぇ。それだけだ。」


「・・・クルガン!おしゃべりはもういい!!さっさと片付けるぞ!!」



俺は言葉をさえぎるようにビクトールへと切り込んだ!
俺は剣、クルガン雷の紋章の連携プレイでビクトールに襲い掛かる。
昔、同じような状況でハルモニアのネズミに痛い目を合わせられたことが合ったが、今回はそうは行かないぜ!!

しかし相手も百戦練磨の名の知れた傭兵ビクトール、俺達の連携攻撃をかわし切り込んでくる。

技術は俺の方が上だが、力は向こうのほうが数段優る!

くっ!なんてバカ力だ!!

ビクトールの剣を受けた手がしびれた。



「シード!!よけろ!!」



クルガンの声にとっさに俺は退いた。
俺のいた位置に雷撃が落ちる!



「!?っ」


「バカヤロー!!フリック!俺を丸焦げにする気かー!!」



やはり後ろに飛びのいたビクトールが叫んだ。



「俺の魔法は精密だから決してお前には当たらん。」



崖の上に見える青いバンダナの男の姿・・・



「青雷のフリックか!」


「ビクトールとフリックは旧知の仲、彼のことを計算に入れていなかったのは失敗でしたね。」


「ビクトール捕まれ!!」



投げ落とされた縄にビクトールが捕まる。



「逃がすか!!」



後を追いかけようとする俺達に無数の矢が打ち込まれた。



「くそっ!他にも仲間がいやがったか!!」

「シード、一旦ここは引くぞ。」

「チッ!」



俺とクルガンは崖上に引き上げられるビクトールを見上げながら陣営へと引き上げた。
「父さん!!父さんの友達を連れて来たよ!!」


少年の家の裏で中年の男が一人畑作業に精を出していた。


「友達・・・?」


少年の父親は手を止めて振り向いた。


「久しぶりだな、ガイル」


しばらく俺の顔をジッと見つめるとガイルの手はワナワナと震えだし、目には涙を浮かべる。


「・・・シ・・・シード・・・将軍・・・ご無事だったんですね。」


ガイルは俺の元へと駆け寄りその足元にひざまずいた。


ガイルは俺を家の中へ招いた。
粗末な造りの最低限の家具だけが置いてある質素な家だ。
ガイルは蓄えの食糧や酒を惜しみなく出し、俺をもてなしてくれた。


「ロイス、このお方はなぁ、ハイランド王国の将軍だったお方だ。ハイランド一の剣士だったんだぞ。」

「へぇ、すごいやおじさん。将軍だったんだ!ねぇねぇ俺の父さんの強かったんだろう!?」

「もちろんだロイス、お前の父さんも勇敢な戦士だったんだぞ。それに俺はおじさんじゃない、シードだ。」


ロイスははしゃいで俺に王家の話や戦の話などをせがんだ。
俺はロイスが目を輝かせて聞いてくるのがうれしくてしばらく昔話をしてやったが、そのうち彼は疲れて眠ってしまった。


「お前の息子いい子だな。」

「・・・ロイスは私の本当の子供ではありません。」

「・・・・・・?」

「あの子は戦争孤児なのです。先の戦で両親を失い、焼け跡で一人泣いている赤ん坊のあの子を拾い今まで育ててきました。」

「・・・そうか。」


俺はグイッとグラスに注がれたワインを飲み干した。


「ところでガイル、さっきロイスが村の子たちにいじめられていた。父親が腰抜けと罵られていたがどういうことだ?」

「・・・少し前のことですが、ハイランド王国を復活させようという元王国兵の残党達が現れて私にも協力の要請があったのです。」


ハイランド王国復活という言葉に俺は固唾をのんだ。


「それでお前は何て答えたんだ。」

「・・・断りました。何不自由ない暮らしとまではいきませんが、ロイスと2人のこの静かな生活に私は今幸せを感じているのです。・・・王国が滅んだ時、私はいっそのこと自害しようかと思いました。あの頃の私は軍人であることに誇りを持っていましたから・・・。そんな時ルルノイエの町外れで一人泣いているロイスを見つけたのです。そばには彼の両親が冷たくなっていました。こんな小さな赤ん坊が生きようとして一生懸命泣いている姿を見たとき、命の尊さを思い知らされたような気がしたのです。そして私はこの子の親代わりになってこの尊い命を守ろうと決めたのです。・・・・・・私に協力の意志がないと知ると残党兵たちは殴る蹴るの暴行を加え、さらに村をも荒らしていったのです。ロイスをいじめていたのは村を荒らされていたことをうらみに思っている人々に吹き込まれた子供たちなのでしょう。」

「そんなの逆恨みだろう。それなのにどうしてお前はこの村を出ないんだ?」

「この村は私の故郷です。私の両親もこの地で眠っている。それに私達親子に親切にしてくれる人もたくさんいるのですよ。」

「そうか・・・」


俺はガイルの話を聞くまで、ヤツのことをハイランド侵攻軍に誘おうと思っていた。
ヤツは俺の思惑を察してこんな話をしたのだろう。
ヤツにはヤツの幸せがある。
俺には俺の・・・・・・
俺はガイルに見送られながらカレリアへの帰路についた。

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