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神官将ラウルス率いるハルモニア正規軍はハイランドに向けて出陣した。 俺とクルガンも一軍の指揮を任されている。 途中、ハルモニア南部辺境警備隊の駐屯地であるカレリアに入った。 カレリアからハイランドはもう目と鼻の先だ。 まずはここを拠点としてハイランドに侵攻していくのだろう。 それにここには実力のある傭兵が集まっているからそいつらの力も借りるつもりらしい。 数日はカレリアで募兵をしたり軍備を整えたりするから、俺の仕事はないな。 そういうのは全てクルガンに任せてあるから安心だ。 でも数日暇となると体がなまっちまう、ここは一つ遠出でもしてみるか・・・ 俺はこっそり抜け出して馬を走らせ旧ハイランド領のサジャ村へ向った。 半日ほど馬を走らせるとサジャ村に着いた。 村は平穏そのものだ。 田畑は稔り、家畜の鳴き声がする。 村娘達の笑い声に子供がはしゃいで走り回る。 12年前の不幸など微塵の欠片もない。 よかった。。。 ハイランド王国が瓦解しても、人々は笑顔で暮らせていたんだな。 俺はカレリアの近くにあるルビークを思い出した。 あそこは50年ほど前、ハルモニア領としてグラスランドからむしり取った村で、村人は2等市民にされ自由も何もない奴隷のような生活を強いられている。 ハイランド王国領がデュナン共和国のハイランド県とされた今、ルビークと同じような状況になっていたとしても何の不思議もない。 それが戦争に負けたということなのだ。 しかしハイランド侵攻が始まったらまずこの村が制圧される。 そうなったら今のような平和とは無縁となる。 だが大事の前の小事、そんなことに心を痛ませていたら軍人は務まらない。 戦場から何年も離れていたせいでちょっと気が弱くなったかな・・・それとも俺ももう年か・・・? まぁ曲がりなりにもここはハイランドだ。 以前ルカ・ブライトがジョウストン都市同盟の村に行ったようなことにはなるまい。 ちょっと窮屈な思いをさせるかもしれないけど、王国が復活するまでの辛抱だからな! 「や〜い、あっち行けー!この弱虫〜!!ついでにお前の親父も腰抜けだ〜!!」 一人の男の子が4、5人の少年にいじめられている。 「俺の父さんは腰抜けなんかじゃない!!」 男の子が食って掛かると少年達は「やっちまえー!!」とばかりに掴み合いの喧嘩になった。 やれやれ・・・一対一の喧嘩ならともかく大勢で一人にかかるなんて男のすることじゃねえな。 俺は見るに見かねて子供達の喧嘩の仲裁に入った。 「お前たち!一人にこんな大勢でかかって卑怯だろう!恥ずかしくねぇのか!!」 「うわっ!逃げろ〜!!」 少年達は一目散に逃げていった。やられていた男の子が一人取り残されている。 「大丈夫か坊主?」 俺は倒れていた少年に手を伸ばし声をかけた。 「余計なことをするな!!」 少年は俺の手を振り解き、こちらを睨み付けて立ち上がる。 「・・・俺は弱虫なんかじゃない・・・俺の父さんだって腰抜けじゃない・・・俺の父さんはハイランドのために戦った勇敢な男なんだ・・・・・・・」 「・・・・・・! お前の親父、ハイランドの兵士だったのか?」 「そうさ!俺の父さんはハイランドの第4軍で王国のために最後まで戦ったんだ!!」 「お前の親父の名は・・・?」 「ガイルだけど・・・おじさんは?・・・・・・あっ!もしかして父さんの友達!?父さんと一緒に戦った仲間なんでしょう!!ねぇねぇうちに来てよ!!父さんに合わせるからさ!!」 ガイル・・・ そうだ確か小隊長の一人だった奴だ。 生きてたのか・・・そうか! 俺は手を引かれて少年の家へと向った。 更に妄想が膨れ上がった小説第三弾です^^ 幻想真書によるとハイランド領はテレーズ大統領のもと、ハイランド県としてデュナン共和国領土になっているんですよね〜。 シードがなんで国境で止められないんだ!? とか突っ込んだりしないようお願いします^^ |
幻想神殿書庫(小説)
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妄想と本能のままに書き綴ったオリジナル小説です。
現在幻想水滸伝のシードを主人公とした小説を執筆中vv
現在幻想水滸伝のシードを主人公とした小説を執筆中vv
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ハイランド王国滅亡後、俺とクルガンはハルモニア神聖国に救われ、早くも十二年の月日が流れた。 その間、密かに落ち延びたジル様を探し出すことは出来たが、静かにこのまま暮らしていきたいとおっしゃって王家の復興を拒まれた。 ジョウイ様がどうなったのかは相変わらず不明だ。 「黒き刃の紋章」に命を吸われてしまったのか、それともあの「輝く盾の紋章」を持つ少年とどこかへ旅立ってしまったのか・・・ 今となっては自分の信じた道が本当に正しかったのかさえ分からなくなっている。 それでも俺とクルガンはハイランド王国の復興を胸に、ハルモニアで確固たる地位を確立しようと日夜努力しているが、王族不在のまま果たしてそれがかなうのだろうか・・・ そんな疑問を持ちながら時だけが無常に流れていたある日、あの方が現れた。 ハルモニアの神官将ラウルス様だ。 ラウルス様の母上は亡きアガレス・ブライト皇王陛下の妹君でハルモニアの有力貴族に嫁がれていた。 ラウルス様は幼い頃よりずば抜けた魔力の持ち主で、その類まれな才能から神官将に抜擢されたのだ。 そして直系ではないもののブライト王家の血を引かれる最後のお方でもある。 そのラウルス様から先日俺とクルガンにハイランド王国の復興に力を貸して欲しいとのお申し出があったのだ。 もちろん願うところだ! 俺は2つ返事で答えたが、クルガンは少し考えているようだった。 「どうしちまったんだクルガン。夢にまで見たハイランドの復興だぜ。12年の間、このために俺たちはハルモニアの連中に頭を下げてきたんだ。やっと・・・やっとその思いをかなえる時が来たって言うのにお前はうれしくないのか!?」 「・・・うれしくないわけ無いだろう。ハイランド復興を願う気持ちはお前に負けん。」 「だったら何故!?」 「いや・・・いい、きっと私の思い過ごしだ。シード今こそ我らの望みをかなえよう。」 クルガンが何を気にかけているのか俺には分からないが・・・っていうか考えるのはクルガンの仕事だ。俺はハイランドのために剣を振るうことが出来ればそれでいい。12年経ってもその性分は変わらないな・・・。 「クルガン!10日後には出発だ!!準備を怠るなよ!!」 俺は颯爽と部屋を出て行った。。。 妄想小説第2弾です^^ シード&クルガンが生きていていたとしたら謎の「ハイイースト動乱」はこんな話かも・・・ と勝手に想像して書いています。 「ハイイースト動乱」はファンなら知る人ぞ知る「幻想水滸伝3」の3年前に起きたハルモニアがハイランドの王国復興を目論んで侵攻したという事件ですが、詳しいことは明らかにされていません。 私的にはシリーズを進めていくうちにいつかこの動乱を主とするときがあるのでは?と睨んでいるのですが・・・ 現在「ハイイースト動乱」についてはほんの少ししか明らかにされていないので、こんな話だったら・・・と妄想を爆発させています^^ ということで今回登場の神官将ラウルスも当然私のオリジナルですので、そんな人いた?と決して疑問を持ちませんように! |
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薄明かりのさす暗い部屋の中、ぼんやりと意識を取り戻すのを感じる。 「・・・生き・・・て・・・る・・・?」 俺の全てを賭けたルルノイエでの決戦。 親友のクルガンと共に同盟軍の奴らを迎え撃った。 俺のもてる力の全てを出し切って挑んだ戦いに敗れ、クルガンと悔いのないことを確かめ合った。 そのまま意識が薄れていき・・・ 「・・・!!クルガン!、どこだクルガン!!」 右手で隣を探りながらハッと飛び起きたが、クルガンを確認できない。 「くそっ、クルガン・・・俺だけなのかよ・・・」 今まで生死を共にしてきた親友。 共にハイランドの未来を語り、ハイランドのために全てを捧げてきたかけがえのない・・・ 「泣くな、シード。私はここにいる」 「・・・なっ!?・・・泣いてねえよ!」 俺はあわてて涙をぬぐった。 よかった、クルガンも無事だったんだな。 ・・・しかし俺達なんで生きているんだ?2人とも到底助かる傷ではなかったはずだ・・・ 「ハルモニアの斥候が崩れ落ちる王城から私達2人を助け出したのだ。お前、一週間も眠ったままだったんだぞ」 「一週間も・・・!?そうか・・・・・・それにしてもハルモニア!?マジかよ!・・・ハハハそうか、ハルモニアが来てくれたってことは俺達まだ負けていないんだな!それならいつまでも寝てられねぇ、今度こそ同盟軍のやつらを叩き潰してやるぜ!!」 「その必要はない・・・」 「は?何言ってるんだクルガン。まさかハルモニアが同盟軍をやっつけちまったってんじゃねぇよな!そうだジョウイ様は?無事なんだろう?」 「ジョウイ様は・・・もういない。ハイランド王国は・・・もう・・・ない・・・。」 「何言ってやがる!もうハイランドがないだと!?クルガンてめえでも許さねぇぞ!!」 眉ひとつ動かさず淡々と語るクルガンの胸倉を掴み、俺は逆上した。 ハイランドが・・・俺達のハイランドが無くなる訳ねぇだろう!! 「シード、落ち着け。・・・・・・お前にも分かっていたはずだ。あれが最後の戦いだったと。私達はあの時敗れた・・・そしてそれが意味することも・・・」 「・・・くつ!チキショー!!」 力任せに壁を叩く・・・ こんな現実を思い知らされるならいっそあの時死んでしまえばよかった・・・ どうしてクルガンはこんなに落ち着いていられる! こいつはいつもそうだ。 どんな時でも冷静に暗い現実を語りやがる、まるで他人事のように・・・! 「・・・・・・!」 その時俺はいつも冷静沈着な相棒の目から一筋の涙がこぼれるのを見た。 「クルガン・・・お前・・・」 「ハルモニアは時期を見て、ハイランド王国の再建を考えてくれるそうだ。それまでに私達も力を蓄えねばならん。ハイランドは私達の手で取り戻す!・・・そうだろうシード?」 「・・・あぁ、その通りだクルガン!やろうぜ、俺達の手で!!」 幻想水滸伝2のその後のオリジナル小説です。 大好きなシード視点のお話vv まさに妄想のままに書かせていただきました^^ ゲームではシード&クルガンは落城の際に主人公達との戦いに敗れ戦死したことになっているのですが、こんな感じで実は生きてたらいいなぁ〜という私の願望です。 ハルモニアと手を組むことを難なく承知してしまうところが???ですが^^ そして幻想水滸伝6では是非「ハイイースト動乱」をやってくれ!! コナミ様どうかこの小説読んで幻想水滸伝6ではシード&クルガンを交えた「ハイイースト動乱」を製作してください!! 何故今ごろ幻水2がらみ!? とお思いのアナタ!幻想水滸伝2は不滅です!! |




