|
ヤモリと犬とカメ
今日一日の糧に感謝を込め
夜を仰ぐ
犬も座りヤモリも座り
カメも座り
遠くで北斗七星が光っている
食卓に灯がともる
ご飯と野菜をテーブルに置き
暖めたスープが喉を下って行く
何か気の利いた事を言おうとか
笑わせてやろうとか
そんな事はどうでも良いと
私も本当はそう思うのだけれど
犬は自分のしっぽの付け根を噛んでいる
そうではあるけれど
やはり私は人の事を気に病んでしまう
カーテンじみた思いが
紗をかけて
1日を覆ってしまう
こんな時なのだ
今日一日の糧に感謝を込めて
夜空を仰ぐのは
輝く夜の星に思いを散らし
それから星座に名前をつけて
へんてこりんな星座になりますように
と祈りを込めて
カメは外で眠っている
おおかた明日のなめくじの
事でも夢見ているのだろうし
ヤモリはさっきから上でジッと
私を見ている
|
全体表示
[ リスト | 詳細 ]
|
半世紀も前にねじ込まれた蛍光灯の器具を取り外す
数本のネジがぎっちりと締められ錆び付いている
作業は思った程、楽ではなく
プラスがなかなか入らない
高い場所にある為に力が入りにくい
「これじゃあ、登らねばなんねべな」
「んだな、やってみっか?」
中くらいの梯子をかける
「左手に持ち替えねばだめだべ」
「左手だよ左手」
私は左手に持ち替える
「ああ、その調子だ。そのまま行ぐべし」
わたしの周りに聞こえて来るのは故郷のなまりことばだ
この間帰った時、世話になったタイル屋の口調だ
タイル屋ばかりではなく,多分、大工やら
電気屋やらいつも実用一点張りの世界で
働いて来た素朴な人たちの声だ
「その上さ登ってみっか?なにあぶねえごどなど、ねえがら」(危なくはないから)
ちょっと躊躇したが天上付近まで這い上がる
「いいぞいいぞ。そのまんま行ってみっぺし」
確かにあんなにきつかったねじ釘が
するするとゆるんで行く
最後に1つのネジを残し
あとはみな外れた
「ああ、いがったいがった(良かった良かった)後はな
旦那さんに頼んでみればいいんだがら」
先程から涙が流れている
おまけに微笑んでいる
確かに
こう言うのを泣き笑いというのだ
ありがとう。楽しかった
顔も名前も知らない故郷の人たちと一緒に
働いたハワイの昼下がりだ
海を越えて助に来てくれた故郷の人たちだ
|
|
木々は豊かに
へへへ
木は木でも枯れ木ではいけませんね?
あの時、聞いてはいたけれど,やはり聞いてはいなかった
あの時小さな声が聞こえた様に思ったのに愚かな心が右耳をふさいだ
私は左の耳で聞き、そして忘れてしまった、忘れた事も忘れて。
同じ言葉を
木々は豊かに
聞くだろう
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用
|
婚約者へ
あなたは
この世で最もうつくしい存在
妹ではなく妻でもなくまだ花嫁ですらない
愛されている自信に満ち
夢にあふれる非現実的な存在
結婚式に包まれる清らかな種
自分には分からない理由で花婿に選ばれた
贈り物
結婚式という包装に包み込まれた贈り物
あなたは
この世で最も美しい
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用
|
カエナポイントはオアフ島の西南にある岬です。
カエナはハワイ語で賛美と言う意味だそうです。
レクイエム カエナポイント
修行僧のように
つらいガレキの熱射を踏みしめながら
ようやくたどり着いたのだ
カエナポイント
ひろがる
たましいたちの滑走路
貿易風をたゆたわせ
波と波が
離陸の時刻を告げている
たましいたち
あなたもこの最後の風景を眺めているのか
割れた珊瑚や白い石
潮が洗った流木
広がるマンゴー色の夕焼けなども
目の底にポトリと落として
手向けのワインを波風に託し
香りをかげば
遠く暑かった8月の京都が
小声で言う
あの人はあの時もうすっかり
薄れゆく墨絵のようでしたよと
「さようなら」
あなたはもう
誕生の方に向かって行ったのだから
私たちの祈りの環から抜け出して
いつのまにか
もっと大きな祭りの中に
和解の中に
そこでは あなたはもはや祭りをつかさどらず
ぶどう酒が切れただの
パンがないなどと
気に病むこともない
あなたが憧れていた深層の深みにいま
物語がもたらす癒しの中にもう
たどり着いただろうか
あなたはきっと
物語を幾度も幾度もせがんでいる
産まれたての子供になって
歌えカエナ 呼び合え
地球に満ちる魂の滑走路と
点滅する銀河のとおい
きらめきにあわせて
|



