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猫は残忍な動物と言いました。これは事実です。人間が猫に託した穀物の優秀な倉庫番としては、猫は実に素晴らしい動物です。
ディズニーの「トムとジェリー」は動物学に無知な方が描いた猫への不当なあてつけです。
ねずみは人間に「害」しか与えないのにミッキーマウスとしてかわいい動物扱いをしている。
猫好きな私はいつもこれが不満である。だからディズニーものは常に眉唾物だと思っている。
<猫ほど忍耐強い動物はいない>
猫は鎖に縛らない場合が多いから勝手気ままに歩く。事務室にいたシシェールがいつのまにか教室に来て子供の机の上を徘徊する。どんどん誰の机の上でも走り抜ける。
猫は歩いても音を立てない。
時々、黒板の下にうずくまっていることがある。
授業中は猫にはかまっておれない。特に授業に集中していると私は今でも授業中に教室内を走る。生徒の質問の手が上がると走る。黒板を消すとき走りながら消す。
そんなとき思いきりシシェールを蹴飛ばしたこと、あるいは前足か後ろ足をギャフンと踏みつけたことが何度もある。
「ギャッー。ニャオ−」すさまじい鳴き声が教室中を支配する。生徒たちは何事かとびっくり仰天。
私は「ごめん、ごめん、シシェール」と謝りつつ追いかける。
シシェールは机の下に退散してじっと耐えている。歯向かいもしない。私の顔を見るでもない。ただただじっと耐えている。
いとおしくて、抱きしめてやりたいと思っても机の下から出てこない。落ち着いた頃、痛みが和らいだのかいつものように行動し出す。
一度妻がシシェールの尻尾を車の後ろ扉に、思いきりバターンとはさんだことがある。
「ギャッー」という大音響。
でも抱かれたままじっと耐えていた。あとから見ると尻尾が曲がっていた。
猫って、本当に素晴らしい動物ですよ。このことを思うといつでもシシェールに頭が下がります。
素晴らしいことを教えてくれてありがとう。
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