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シシェールとの出会いは衝撃でした。
純白でどこにも色のまじりがない。実にきれいだ。
目は左が金で右が銀。英語ではアッズアイ(odd eyes) だと博学な高校2年生から教わった。もっとも金と銀と言うのは私だけでみんなは青と黄色と言う。
人間に全く物怖じしない。来た早々に周りの探検をはじめ自分のふだんの居場所を確保。また一人隠れて精神を休める場所を探しまわって見つけ出した。
電視(てれび)の上、本箱の上、教室の下駄箱の上を日中の居場所に決めた模様。だいたいが全体を見回せて、後ろから何にも攻撃されない要所となっているのに驚く。
そして日中のかなりの時間隠れ家で過ごすことに決めた様でどこにも姿を見せない。机の後ろ、机の下、スリッパが半分入った大きなダンボールの中。人間が手に届かない場所を確保して数時間出てこない。
しばらくと思っても、餌を買い、トイレの掃除を毎日やる間に妻も愛情が移り手放せなくなってくる。
そんなころ、子供のころから持っていた飼い猫の「チン」への申し訳なさがおもいだされた。我が家で猫を飼うことになって名前を考えることになった。5人家族の誰もまじめに考えなかったのか名案が浮かばず結局母猫と同じ「チン」で済ますことになった。
チンを見るとずっと私はごめんな。ちゃんと名前をつけてあげられずにと内心謝っていた。
今度来たこの素晴らしい猫こそちゃんとした名前をつけてあげたいと日ごとに思いが募った。
ある朝起きる直前夢をみた。
西部劇の名作「シェ−ン」の最終場面の男の子が、去っていく馬上のシェ−ンの背中に向って叫ぶ。
「シェ−ン、カムバック、シェ−ン、カムバック」。
次に戦後のもうひとつの名作「禁じられた遊び」の最終場面。
女の子が駅の雑踏の中を「ミシェール、ミシェール」と叫びながら男の子を探す。
二つの場面が融合して「シェーン」「ミシェール」がひとつになって「シシェール」となったところで目がさめた。
目覚めるなり、妻に一方的に通告した。
「シシェール」って世界中どこにも無い素晴らしい名前の猫が我が家の住人になったからよろしくね。
このシシェールを先頭に我が家には17匹の猫がいます。
みんな、みんな、どれもこれも捨て猫ですが個性ある猫ばかりです。
ゆっくり17匹の物語を聞いてやってください。
まだまだシシェールも語ることがたくさんあります。
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