「日光 天然の氷」製作 ・四代目氷屋徳次郎

日光の厳しい冬の寒さを天然氷に変え、貴方だけにお届けしたい。そんな思いで作りました。

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前回の記事にも書いたが、ざぶん賞の表彰式で講話をさせていただいた。
何人かの人達に「聞きたかった」といわれたのだが、
実はけっこう省略して話してしまった。
しかも、当日直前まで仕事をしていて着替えが間にあわず、仕事着のまま
お話をさせていただいた。
仕事の内容についての話をしに行ったので、
失礼を詫びると皆さん快く迎えてくれた。

「聞きたかった」と言ってくださった方に向けて、一部のせてみます。


〜背景の巨大スクリーンには輪王寺の「三仏堂」〜

 私は、栃木県日光市に住んでいます。生まれも育ちも、日光です。
日光は、今から1200年くらい前、勝道上人によって開かれました。
勝道上人とは、二荒山神社や輪王寺などにつながる日光山繁栄の源をつくった、
当時から現代まで語り継がれる、偉いお坊様のことです。
 その偉いお坊様が、日光を選んだのは、
きっと日光の自然が素晴らしかったからなのだと思います。

 そしてもう一人、日光を愛し、
「自分が死んだら日光にお墓をつくって欲しい。」
と、遺言を遺した人物がいます。
 徳川家康公です。家康公もまた、
日光の自然の素晴らしさを知り、
二荒山神社や輪王寺を尊び、
自分もそこに加わりたいと願ったのでしょう。

〜背景に神橋〜

 その後も沢山の偉人達が日光を訪れました。
アインシュタインやヘレンケラーも日光に来ました。
「日光を見ずしてけっこうというなかれ」ということばも有名です。
 そして、1999年12月2日、「日光の社寺」は
世界文化遺産に登録されました。
昨年で、10周年を迎えています。
 世界文化遺産となり、今も世界中から沢山の人々が日光を訪れています。

 私は、その世界文化遺産の「日光の社寺」のほど近くで、
「天然の氷」というものを造っています。
「天然の氷」、聞いたことありますか?
少し、説明させてください。

〜背景に氷室〜

 天然の氷は平安時代よりある、歴史的民族文化です。
冬の寒さで凍らせた氷を、氷室と言う自然の冷凍庫で一年中保存します。
当時は大変に貴重なもので、皇族や貴族だけに許されるものでした。
 かの清少納言も「枕草子」で、上品なもの、雅なものと、
天然の氷を紹介しています。

 それから時代は流れて明治時代より、庶民の間にも普及していきました。
そして、昭和30年代に入り、電気冷蔵庫、冷凍庫が登場します。
高度成長期、人々が豊かになり、あらゆることが、
どんどん便利になっていきました。
 そんな時代の流れの中に消えていったものが、沢山ありました。
その中にあったものたち全てが、現代に不要なものだったでしょうか?

 そんな消え入りそうなものの中のひとつに、「天然の氷」があります。
現在、天然の氷は全国にわずか5件しかありません。
そのうち3件が、栃木県にあります。
そして、一度消えかけた1件が旧日光市にある、
私「四代目 徳次郎」の天然の氷です。

 平成18年にこの氷室の存続を断念しようとした三代目に、
歴史的民族文化でもある氷室を「是非残したい」と頼み込み、
私四代目と私の仲間達とで、この氷室の継承が実現しました。
初代 徳次郎さんから名前をいただき、
伝統を受け継ぐ重さと共に「四代目 徳次郎」は誕生しました。

〜背景に氷室の修繕作業風景〜

 まずは、壊れた氷室の修理です。
老朽化した氷室を仲間達に助けられながら、蘇えらせました。
 三代目のアドバイスの元に、
平成19年には試験的に氷をつくり、
平成20年には商品になる氷の製造に成功しました。
実際の作業を少しご覧下さい。

〜ここでDVD〜


 私たち「四代目 徳次郎」の氷室は世界文化遺産に登録された
「日光の社寺」のほど近くにあります。
 採氷池や氷室は一日中、陽の当たらない場所が適しています。

 山肌から染み出る清水を導水管で氷池まで引き込み、
寒期の到来を予測して氷を造り始めます。
 しかし、氷が厚くなるのをただ待てばいいわけではありません。

 氷の上に乗れるようになると雪を撒き、
箒で掃くことによって、ゴミや埃を取り除きます。

 雪を撒くのはそこにゴミや埃を含ませて、取りやすくするためです。
この作業は、毎日行ないます。
風が強い日には、一日中この作業を繰り返します。

 この作業と並行して、切り出した氷を氷室まで滑らせるレールを作ります。
 山奥から竹を切り出し、それを運んで手作業でレールを作ります。
前の年の氷を使い、実際滑らせ、何度も微調整します。
 レールは毎年、新たに造ります。

 雪が降ると全員総出で雪掻きをします。
雪は氷造りの大敵なのです。

 自然を相手に仕事をしていると、
地球温暖化というものを肌で感じることがあります。
以前は考えられなかった真冬の雨・・・湿気を含んだ雪。
一度張らせた氷を割って、一からやり直さなくてはなりません。

 氷の厚さが15cm前後が切り出しの目安になります。
氷に乗れる厚さにならなくてはいけないが、
厚すぎてもカッターの刃が届かなくなります。

 切り出しの前に氷の上に切り出すサイズの線を罫書きます。
機会の刃が入らない端の部分は人力で切ります。

 切り出しには、氷を切る役、切られた氷を引き上げる場所まで誘導する役、
ラインに乗せられ氷室に向う氷を手鉤で止めたり氷室に流したりする役、
そして氷室の中で氷を整然と積み上げる役などがあります。
 切り出した氷の重さは一枚40キロくらいです。
 氷は氷室の天井に届くまでに積み上げられます。
その氷たちは、氷室の中で大鋸屑(オガクズ)に包まれて出荷の日を待ちます。
 これは、オガクズが溶け出す氷の水分を吸い取り、空気中に蒸発させて熱を逃がすことから、
真夏でも氷が溶けにくくなるからです。
 先人の知恵はすごいとしか言いようがありません。
 そして、これを、次の世代へと残すことが私の大切な仕事です。

 豊かな森、そしてそこから染み出す清浄な水、
これらが「天然の氷」造りに不可欠なものであることは、言うまでもありません。
 私はこの先もずっと、仲間達と氷造りを続けて行きたいと思っています。
今時、時代遅れな事をと思われる方もいるかもしれない。
それでも、時代に逆らってでも、私は残したい。子供たちに。
 この会場にも沢山の方がいらっしゃいますが、私も貴方達も、
皆だれかの子供です。

 皆さん、水について考え、文をつくり、又感じることがあったでしょう。
そのことが、どんな賞より素晴らしい。
 私は、皆さんの作品のひとつひとつを読んで、
未来は明るいかもしれないとおもいました。
なんとしても、そこまでつなげたい、
つなげて欲しいという思いでいます。


・・・ものすごく長くなってしまったので、
この辺でやめておきます。仕事に戻らねば。

最後まで読んでくれる人はいるだろうか?
もしいたら、ありがとうございます。
「ざぶん賞」子供たちの作品も
機会をつくってぜひ、読んでください。

閉じる コメント(2)

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今 最後まで読ませていただきました。
お話に引き込まれました。
実際に拝聴することはできませんでしたが
講演されている徳さんのお声が聞こえてくるようでした。
ありがとうございます。

2010/1/13(水) 午後 6:41 [ ちい ]

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お久しぶりです。
最後まで読んでくれてありがとう。
又明日から氷の切り出しの準備、今年は今までに無い氷が収穫できそうです。
アンド、今年はシロップが一つ増えそう今、思索中!!!

2010/1/13(水) 午後 7:57 [ 四代目 徳次郎 ]


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