天牙の間

貫竹庵【http://www.geocities.jp/chivalrous_samurai/index.html】もよろしく。

新八的「新選組!」

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いやはや、やっとまとまった時間ができて新八的「新選組!」の更新ができます。
このままじゃ、とてもじゃないけど年内には書き終わらないなぁ・・・(-。−;)

第17話 はじまりの死

○会津本陣金戒光明寺で容保公に拝謁する壬生浪士組。新八は前から4列目の左端、その前が斎藤、後ろが井上、右隣が藤堂。

容保「予には長州の連中のすることが解せぬのだ。彼らは事あるごとに御公儀にたてつく。しかし、上様を軽んずることは上様を将軍に任ぜられた天子様をも軽んずこと。何故それがわからんのか。」
  「芹沢。」

芹沢「はっ。」

容保「予はそちたちを頼もしく思うぞ。」

芹沢「ありがたきお言葉。」

容保「尽忠報国の志のもと、精進するように。」

芹沢「かしこまりました。」

容保「他の者もよろしく頼む。」


○今日の街中を歩いている近藤達5人。隊列は、
   井上 斎藤
近藤
   藤堂 新八
平山と新見が通りかかり、呼び止める。

平山「おい!どこ行くんだ?」

近藤「市中の見廻りに行ってきます。」

平山「芹沢先生の御了解は頂いたのか?」

近藤「いや。」

平山「じゃあ先生に一言言ってから行け。」

新八「何故言わねばならんのだ。」

平山「精忠浪士組は芹沢先生のもんだからなぁ。」

井上「精忠?精忠になったんですか?」

平山「看板見てねぇのかぁ!」

近藤「我々には上も下もない。好きにさせてもらいます。」

※近藤を睨みつけて歩み寄る平山

新見「平山。」
  「京都守護職のお達しがあるまで目立った動きはしないほうがいい。」

近藤「一回りしてくるだけです。ずっと屋敷にいると体がなまってしまいますので。」

※平山、近藤の頬を叩きながら
平山「あんまり勝手な真似するんじゃねぇぞぉ。」
※平山に掴みかかろうとする斎藤を抑える近藤

近藤「それでは行ってまいります。」

※新見、平山に向かって
新見「行くぞ。」


○【お多福】に近藤・斎藤・井上・新八・藤堂。座り位置は、
 近藤 斎藤
 ■■■■■ 井上
 藤堂 新八

井上「では、お汁粉を五つ。」

まさ「はい。」

斎藤「あ、俺は。」

近藤「遠慮するな。」

斎藤「甘いものは・・・。」

井上「甘くないものはありませんか?」

まさ「ここ、甘いもん屋さんどすから。」

斎藤「表にいます。」
※席を立って表に出て行く斎藤

まさ「お汁粉に塩入れて辛いの作りまひょか?」

※表で佇む斎藤

藤堂「先生、正直申し上げてよろしいですか?」

近藤「いいよ。」

藤堂「私は些か拍子抜けしているのです。こっちに来たら、もっとなんというか、上様を御守りして不逞浪士を捕らえ、御公儀のために尽くす毎日を想像していました。それなのに・・・。」

井上「平助。」

近藤「今、だからこうして見廻りをしている。」

藤堂「見廻りといっても町内をぐるっと廻ってこうしてお汁粉を食べて帰るだけではありませんか。」

新八「騒動が無いということは良い事だ。」

藤堂「上様の為、近藤先生の為に尽くしたいのです。」

近藤「大丈夫だ。いずれ眠れなくなるほど忙しくなる時がやってくる・・・と思う。」

※何者かから逃げているお幸を見かけた斎藤が店の中に入って、
斎藤「女が逃げている。」
※無言で頷く近藤

※斎藤が店の前を通りかかったお幸を店内に連れ込む、
近藤「いったい何があったんですか?」

お幸「どうか助けておくれやす。」
※近藤の背に隠れるお幸。4人の武士が店内に入ってくる。

武士壱「その女に用がある。」

近藤「その訳を伺いましょう。」

武士壱「その女、俺の肩にぶつかっておきながら謝りもせず逃げたのだ。」

お幸「急いてたもんですから。」

近藤「謝ったらどうですか?」

お幸「謝りました。」

武士壱「土下座して詫びよ。」

新八「お主ら情けないとは思わんのか、肩があたったくらいで。」

武士壱「その女を引き渡せ!」

武士弐「引き渡せ!」

新八「思わんのなら仕方ないなぁ。」
近藤を見やる新八。頷く近藤。

《 殺陣 》____________________________________
新八、背後の武士壱の腹部に座ったまま左肘を突き込み、体をくの字に折った武士壱の頭部に左裏拳。倒れこむ武士壱。
それを見て新八の背中に掴みかかろうとした武士弐の右手を掴み捻りあげる井上、「落ち着きませんか。」と声をかけながら外へ連れ出す。
その横で斎藤は武士参を席に投げ飛ばし、手刀を叩き込む。
外では井上が「乱暴はやめませんか。」と武士弐を突き放す。「おのれ!」と掴みかかろうとする武士弐の右手を右に払い、武士弐の右首筋に手刀を2回叩き込む。
店内では武士肆が刀を抜く。鞘身のまま刀を手に提げた近藤が近づき、武士肆が斬りかかってくるところを鞘で撥ね上げ、もう一度斬りかかろうとするところを鐺で突き、倒す。
__________________________________________

まさ「強いなぁ。」

近藤「もう大丈夫です。あなたも急いでいたとはいえ、もっと注意して歩かれ・・・・・・。」
  「さっきの人は?」

まさ「裏から出て行きました。」

近藤「素っ気ない。」


○会津藩公用方と壬生浪士組が壬生狂言見物に集まる。
 新八は浪士組の二列目、粕谷の後ろ。右隣沖田、左隣平山。

土方「芹沢先生、表の看板なんですが、壬生浪士組に戻しておきました。」

※壬生浪士組の看板を取り出す新見
芹沢「随分と釘を無駄にしたようだな。」

阿比留「やっぱり体の調子が悪いので失礼します。」

井上「お大事に。」

※阿比留と入れ違いに久が饅頭を持ってやってくる。
久「原田。」

原田「なんだ、ばあさん。」

久「食いなはれ。」
※原田に饅頭を渡す久。

原田「へぇっ?俺だけ?どういうこと?」

※源之丞と為三郎が舞台に現れる。

源之丞「皆様、本日はようこそおいでくださりました。私、八木家当主源之丞、これは息子の為三郎にございます。そもそも壬生狂言と申しますのは、」

平山「講釈はいいから早く始めろ!」

源之丞「あ、さよか。」


○壬生狂言を見ている会津公用方と浪士組。うたた寝して饅頭を落とす原田。あくびをもらす平山、席をはずす。

平間「おい、平山!」(小声)

※それを見ている斎藤。


○壬生狂言を見ている会津公用方と浪士組。席を外していた斎藤が戻ってくる。又三郎がやって来て土方に耳打ちする。土方、席を立つ。


○壬生狂言を見ている会津公用方と浪士組。土方が戻ってきて近藤・芹沢に耳打ち。両名とも席を立つ。


○壬生狂言のあとの、会津公用方との酒宴。新八は沖田の左隣。

源之丞「普通の狂言と違うて、壬生狂言には一切の台詞がないのが特徴でございましてな。」

広沢「私が知っている牛若丸の話とは違いましたな。」

源之丞「はい、皆様おなじみの話では千本の刀を集めてるんは弁慶ですけど、この【橋弁慶】では牛若のほうが千人斬りをやってるんどす。」

秋月「どうしてまた、そういうことに?」

源之丞「なんででございますやろ。」

芹沢「あれじゃないかな。御伽草子の天狗の内裏にも確か牛若の千人斬りの話が出てくる。弁慶の千本の刀の話は義経記だから、流れが二つあるんじゃないのか。」

源之丞「いや、これはこれは。」

秋月「さすが芹沢殿、博識ですな。」

芹沢「いや・・・まずは、一献。」

新見「おい、酒が足りないぞ。どんどん持ってこい。」

又三郎「ただいま。おい、何やってる。早よしろ!」

※土方、山南に向かって、
土方「参加しろ。」

山南「そう言われても・・・。」


○酒宴のあと居残って飲んでいる土方・山南・斎藤・藤堂・沖田・新八・原田・井上。

新八「芹沢という男、意外に物知りなんで驚いた。」

井上「ああ見えてあの方は、水戸の由緒ある神社の出だという話ですから。」

山南「そういえば、牛若の千人斬りの話はジゾリ弁慶という御伽話にも出ていたなぁ。」

土方「そんとき言えよ、そういうことは。」

山南「かたくなっていたんだ。」

藤堂「しかし、面白いですよね。御伽草子だと弁慶と牛若は五条の橋で出会うのに義経記だと橋が出てこないんですから。」

土方「もう今話しても遅いんだよ!」


○八木家の一室に集まる近藤達。配置は、
   土方 沖田 原田
近藤
   山南 新八 斎藤 藤堂

山南「どこへ行くつもりだったんでしょう。」

土方「大阪だろ、どうせ。」

近藤「夕べ私に言った言葉は嘘だったのか。」

※井上が手紙を持って入ってくる。
井上「あの、これが表に。」

土方「殿内か?」

※手紙を読む近藤。


○八木家の一室に集う壬生浪士組。新八は沖田右横、斎藤の左横。

近藤「既にお聞きの方もおられるでしょうが昨夜殿内義雄君が殺されました。その下手人は不明です。」

粕谷「ちょっと待ちたまえ。誰が殿内を斬ったか明白ではないか。言わないだけでここにいる誰もが知っている。」

近藤「奉行所の話によれば不逞浪士の仕業ではないかと。」

粕谷「近藤さん、その男が殿内を斬るとはっきり言ってるのをあなたも聞いているはずだ。」

近藤「今はその下手人の捜索を全力で全力で行っているとのことです。」

粕谷「待ちなさい。これこそ誰が見ても仲間内の諍いではないか。」

土方「粕谷さん、言葉が過ぎますよ。」

粕谷「どういうつもりだ、近藤さん。」

近藤「以上です。」

粕谷「私はこれを懼れていたのだ・・・抜けさせてもらう。」

近藤「粕谷さん。」

粕谷「人が集まるということは、様々な意見が生まれるということ。志を異にするものを除去したところでそれは無駄だ。逆らうものは必ず出てくる。そのたびにあなたは力で押さえつけるのか。はっきり申し上げる。その先に待っているものは地獄のみ。ごめん。」
※粕谷、立ち去る。

沖田「粕谷さん!」

根岸「わしらも抜けさせていただく。」
※根岸、立ち去る。

芹沢「さて、と。飯でも食いに行くか。」
※芹沢、立ち去る。

近藤「本当にこれでよかったのか。」
※近藤、立ち去る。

土方「俺は決めた。二度とあいつにこんな思いはさせねぇ。憎まれ役は俺が引き受ける。

第16話 一筆啓上、つね様
※ナレーションが入るシーンはナレーションを省略しています。あくまで新八視点なので。

○壬生・八木邸、夜。斎藤を囲んで近藤達が座っている。斎藤の正面に近藤、時計回りに土方、沖田、新八、藤堂、原田、井上、山南。

近藤「あれからずっと京に?」

斎藤「知り合いの道場に匿ってもらい、しばらくは剣術を教えていました。」

近藤「今は何を?」

斎藤「道場主ともそりが合わず、そこを飛び出してからは・・・ま、いいじゃないですか、俺の話は。そっちは?」

近藤「あの、実は我々は浪士組としてこっちへやってきたんです、山口さん。」

斎藤「あ、今は斎藤と名乗ってます。」

近藤「斎藤さん、もし良かったら我々の仲間に加わってもらえませんか?」

山南「我らは浪士組を離れ、これより市中警固のため、新しい組を作るのです。」

近藤「そこで、京の町に詳しいあなたの力が欲しいのです。」

原田「食うには困らん、悪い話じゃないと思うよ。」

近藤「お願いします。」


○八木家の門柱に「壬生浪士屯所」の表札を掲げている井上。それを見守る近藤、土方、山南、原田、藤堂、沖田、新八、斎藤。


○八木家の一室に集う近藤達。上座に近藤、土方。対面に井上、山南、沖田、新八、原田、藤堂、斎藤。

土方「しかし我々だけではいかんせん数が少ない、壬生浪士組を世間に知らしめるためにまずは仲間探しが○○○○○(※ナレーションで聞き取れず)いいな、俺達の他にも京に残りたいと思ってる奴が必ずいるはずだ、そいつらをこっちに引っ張り込む。」


○八木家の一室に皆が集まっている時に、井上が阿比留を連れてくる。上座に近藤、土方。その両脇に山南と粕谷。奥に、新八、藤堂、沖田、原田。近藤の正面に阿比留が座る。

井上「私のいた三番組の阿比留鋭三郎という若者です。京に残りたいというので連れてきました。」

阿比留「阿比留でございます。」

原田「なんだよー、えー?どっか具合悪いんじゃねぇのか?」

阿比留「近頃、思うように体が・・・」

沖田「大丈夫なんですか?」

近藤「いったい何故残ろうと思ったのですか?」

阿比留「というか、江戸に帰るだけの気力がもう・・・」
※原田、ぴしゃりと阿比留の肩を叩く。

新八「医者に診てもらったほうがいいんじゃないのか?」

阿比留「大丈夫です。」

※顔を見合す近藤、土方。
粕谷「やる気のあるものには残ってもらいましょう。」

近藤「よろしくお願いします。」

阿比留「御迷惑にはならないようにします。ゴホッゴホッ」

沖田「大丈夫なんですか?」

山南「あとの者は?」

新八「やはり皆、早く江戸へ帰って家族の顔が見たいというのが本心でしょう。」

原田「だらしねぇなぁ。」

又三郎「失礼します!」
※阿比留を突き飛ばして近藤の前に座る又三郎。

又三郎「ぜひ私もお仲間に入れてください。」

近藤「あなたが?」

又三郎「下働きでも何でも致します。武士になりたいんです。子供の頃からの夢やったんです。お願いします。」

近藤「是非。」

土方「おい、いいのか?この家の下男だぞ。」

近藤「今この中に何人侍がいる。」

井上「しかし、旦那さんの許しがないと。」

又三郎「旦那様は私が説得します。」

近藤「失礼ですがお名前は何でしたっけ?」

又三郎「又三郎です。」

近藤「では又三郎さん、存分に働いてください。阿比留さんも。」

又三郎・阿比留「はい。」


○上様の行列を人ごみの後から眺める近藤、土方、沖田、山南、井上、藤堂、斎藤、新八、原田と新見、平山、平間、野口。

沖田「これじゃ、警護どころじゃないですよー。」

新見「ハハハ、みじめなもんだな。世の中とはこういうものだ。幕府の後ろ盾がなくなった今、俺たちにいったい何が出来るというんだ。行くぞ。」

平山・平間「へっへっへ。」
※新見、平山達を引き連れて去る。

土方「いけすかねえ野郎だ。」

山南「しかし一理あります。今の私達には何も出来ない。」

土方「そんなこたぁねぇよ。」

山南「見通しが甘かった。このままでは何のために浪士組を離れたのかわからない。何か手を考えなければ。」


○朝もやの中、八木家の庭先で木刀をもって素振りをしている新八。そこに近藤がやってくる。

新八「浮かぬ御様子だが。」

近藤「上様が御上洛されたというのに私達は何も出来なかった。将軍警護が聞いてあきれる。もうこれでは京に居ても仕方が無い。江戸に戻ったほうがいいんでしょうか?」

新八「あなたが悩んでどうするんです。」

近藤「しかし私についてきてくれた者に面目ない。」

新八「我々のことは考えなくてよろしい。大事なのはあなたがどうしたいか。あなたの決めた道が我らの進む道。」


○賀茂神社に参詣に向かう天皇と将軍の行列を人混みの中から眺めている近藤、土方、山南、井上、沖田、新八、原田、藤堂、斎藤。

沖田「ねぇ、今日も見えないよ。」

原田「おい、そこの女、頭下げろ!」

藤堂「橋の近くのほうが見えやすいかもしれませんよ。」

土方「行ってみるか。」

近藤「いや、上様が天子様のお供をする。何かが違うような気がするんだ。」

山南「全ては長州のお膳立てですよ。朝廷の一部と手を組んで上様を軽んずるために仕組んだこと。」

新八「何のために?」

山南「目的は一つ、幕府の権威の失墜です。」

近藤「上様がお可哀想だ。」

※馬のいななきが聞こえ、人がざわめく。
井上「上様の御駕籠でしょうか?」

高杉「いよっ!征夷大将軍!」

近藤「おい、今言ったの誰だ!」

原田「あの狐目の侍だ。」
※逃げる高杉達を追う近藤達。途中で久坂が立ち止まる。

久坂「後は任せろ、高杉を守れ!」

※久坂に追いつく近藤達
近藤「あなたはお仲間ですか?」

久坂「何の話か?」

新八「一緒に居た狐目の侍。」

久坂「だとしたら?」

近藤「実に無礼ではないですか。」

久坂「無礼とは?」

近藤「上様に声をかけるとは。」

久坂「征夷大将軍に征夷大将軍と声をかけて何が悪い。」

山南「失礼ですがどちらの方ですか?」

久坂「知りたければそちらから名乗るのが礼儀だろう。」

原田「俺達は壬生浪士組だ。」

久坂「知らん。」

近藤「あなたは?」

久坂「知らん者には名乗れん。」

※立ち去ろうとする久坂の前に斎藤が立ち塞がる。
斎藤「斬りますか?」
※手をあげて制止する近藤。

土方「声をかけた男の名前を教えてくれ。そうしたらお前見逃してやる。」
※無言で立ち去ろうとする久坂。

土方「斬っていいぞ。」

近藤「おい!」

※刀を抜きあう斎藤と久坂。
桂「やめたまえ!今日みたいな大切な日に何をしている。」

※桂、近藤たちに向かって、
桂「お久しぶりです。」

山南「京にいらっしゃったんですか。」

桂「家茂公ご上洛にあわせてこちらにやってきました。」

※桂、久坂に向かって、
桂「物騒なものはしまいたまえ。」

久坂「桂さん。」

※桂、近藤達に向かって、
桂「こいつは久坂玄瑞。我藩の秀才です。」

※桂、久坂に向かって、
桂「馬鹿なことをしたのは誰だ?言わんでもいい、どうせ高杉あたりだろう。」

※桂、近藤達に向かって、
桂「こいつらは我家中でも名うての暴れ者で昔から手を焼いてるんです。今日のところは私に免じて勘弁してやってくれませんか。」

※桂、久坂に向かって、
桂「この人たちは敵に回さないほうがいいな。江戸でも一、二の強さを誇る試衛館道場の皆さんだ。」

※桂、斎藤に向かって、
斎藤「君は誰だっけ?ま、いい。早く刀をしまいなさい。」

※桂、近藤達に向かって、
桂「今日は家茂公に随行して賀茂神社まで行かなくてはならないのでこれで失礼します。また日を改めて酒でも。積もる話もあるし。という訳で私も当分は京におりますのでまた仲良くやりましょう。ね?」


○京の街中を歩く近藤達。行進形態は、
   土方 沖田 原田 藤堂
近藤
   山南 井上 新八 斎藤

山南「ようやく動き始めましたね。」

土方「ああ。」

山南「これからです、これから。」



以上、第16話でした。
なんかこの回、台詞だけ見ると桂さん凄いっす(笑)

第15話 行くか、残るか


○文久三年(1863)2月29日 京
八木邸で食事をしている近藤達。上座に近藤、向かって右に土方・沖田・原田、左に山南・井上・新八、対面に藤堂。皆に給仕している又三郎。

近藤「一つ聞いてもいいでしょうか?」

又三郎「なんでございましょう。」

近藤「あの表に立てかけてある箒のことなんですが、逆さに置いてあるのには何か意味があるんでしょうか?」

又三郎「さぁ、なんででございましょうかねぇ。」

土方「たまたまじゃねぇのか。」

又三郎「どなたか、お茶のかた?」

井上「お願いします。」

又三郎「はい。」

山南「近藤さん、後でお話が。」

近藤「はい。」


○井戸端で体を拭いている新八・沖田・原田。縁側にはひで。
新八がもろ肌脱ぎの姿で胸筋をぴくぴく動かしている。

新八「できるかな?」

沖田「すごいな、永倉さん。」

原田「くっそー、俺なんてこうだぞ。」
※逆立ちする原田。

原田「おいしょー、はっ、よっ!」

沖田「すっげーーー!」

原田「よっ、よっ、どうだ!」

※沖田、ひでに向かって
沖田「ねぇーーー!体拭かないの?」

ひで「拙者はどちらかというと冷え性なのだ。」

沖田「ああそうだ、ちょっと立ってみて。あのね、刀を握る時は手拭いを絞るようにすればいいんだよ。こんなふうにね、ぎゅーっと。ちがうちがう、こう。そうそう、それでもうちょっと下。そうそうそう、うまいうまい。」


○新徳寺に向かう前に八木邸の一室に集まり車座になっている近藤達。近藤から時計回りに、原田・沖田・新八・井上・山南・土方。

新八「ひとたびこの命、近藤さんに預けたからには(パンッと両手で両膝を叩く)、我らどこまでもついていく。」

沖田「異議無し。」

土方「よし、この先何が起ころうが、我ら試衛館一門はつねに思いは一つだ。」

原田「よっしゃー!」

井上「やりましょう。」

沖田「やりましょう。」

新八「よし。応!」

原田「おっしゃ!」

※意気揚々と部屋を出て行く原田・沖田・新八・井上。


○新徳寺に集まる浪士組の面々。

山岡「お静かにお願いします。」

清河「さて、先日貴公らの署名を入れて学習院に差し上げた建白書であるが、朝廷はめでたくお取りあげくだされ、我ら浪士組は晴れて帝の御為に、尊皇攘夷の大儀を果たすことに相成った。すでに、貴公らの名を連ねた建白書はかしこくも天子様のお手元に届いておる。・・・いまさら何を騒がれる。早速ではあるが、いま関東においては、生麦の一件よりいつ何時異国との戦が始まらんとも限らん。よって浪士組は尽忠報国のため、これより速やかに江戸へ戻り、攘夷のために尽くすこととする。ご異存あるまいな。」

池田「異議あり!」

清河「池田君。」

池田「俺は江戸へは帰らねぇ。」

山岡「どういうつもりだ。」

池田「京へ残るってことだよ。」

清河「しかし、君はもう建白書に署名をしている。」

池田「残念だったなぁ、俺はしなかったんだ!どうも雲行きが怪しいんで書かなかったんだ、あぶねぇあぶねぇ。」

清河「何が不満だ。」

池田「おい清河!何で俺に一言の相談もねぇんだ、同士じゃなかったのか水くせぇじゃねぇか、自分一人で勝手に決めやがって。俺はそういう手前の腹黒さが気にいらねぇんだ。皆もいいか、こいつを信じたらいずれ馬鹿をみるぜ。」
※立ち去る池田。

清河「他に京に残りたいものがいれば構わぬ、名乗り出よ。」

※立ち上がる近藤。

清河「近藤君。」

近藤「上様を警護するために、我らは京へ参ったのです。」

清河「事情は変わった。」

近藤「上様が上洛もされていないうちから江戸に戻るというのは、道理に合わないので私は残ります。

※芹沢、立ち上がる。
芹沢「俺も、近藤君に賛成だ。江戸に戻りたきゃ、勝手に戻りゃいい。なぁ、近藤君。」

近藤「はい。」

清河「貴公らは建白書に署名したことをお忘れのようだな。京へ残るということは朝廷に逆らうことである。」

※新見、立ち上がる。
新見「それはおかしい。京に残り天子様をお守りするのも立派な大儀ではないですか。」

※立ち上がる新八

新八「我々の務めは、京の治安を守り、上様に安心して御上洛していただくことではないのか。」

清河「いいだろう。しかしながら、浪士組を去るからには君達はこれ以後、ご公儀の支配を離れることになる。すなわち、どこにも属さない、ただの浪士に戻るわけだが、その点は御承知か。」

芹沢「そこまで面倒みてもらおうなんて、これっぽっちも思っちゃいねぇよ。」

清河「では勝手にされるがよい。」

芹沢「行こうぜ。」

新見「はい。」

※立ち去る芹沢・新見・平山・平間・野口、近藤・井上・新八・原田・藤堂・土方・沖田。

沖田「山南さん。」
※声をかけた沖田の手をひき、立ち去る土方。


○新徳寺の廊下を歩く近藤達と芹沢達。
新八は原田と肩を並べて歩いている。

近藤「ありがとうございました。」

芹沢「おまえは馬鹿だが、その馬鹿にしばらく付き合うことにした。」


○井戸端でくさっている池田。それを見ている近藤・土方・新八・藤堂・沖田・原田・井上。
近藤が近寄ろうとするのを止める土方。

土方「いいよ、ほっといて。」

近藤「そうはいかん。・・・あの、池田さん。」

池田「なに?清河が俺を呼んでるの?」

近藤「誰もそんなことは。あの実は、我々も今飛び出してきたんです。きっとこれも何かの縁です。もしよかったら一緒に。」

池田「俺は清河を友達だと思ってたんだ。あいつが頭を下げれば、俺は今でも一緒に行ってもいと思ってるのに、あの野郎そんな気持ちを少しもわかっちゃいねぇんだ。」

※寺から出てくる浪士組
浪士A「いったいどうなってるんだろう。」
浪士B「京に着いたばっかりだというのに。」
浪士C「おい、金はちゃんともらえるんだろうな。」

沖田「ねーーー、これからどうなっちゃうの?」

土方「確かなのは、俺達試衛館の仲間7人が京の町に放り出されたってことだ。」

近藤「12人だ。芹沢さん達も含めて全部で12人だ。」

山南「13人です。」

沖田「山南さん!」

山南「私も残ることに決めました。」

近藤「いいんですか?」

山南「人を信じない人間に命は預けられない。私はどこまでも近藤さんについていきます。」

原田「あったりめぇじゃねぇかよ。なに血迷ってんだよ。よし、今から皆でなんか食いに行こう、あんたのおごりでな。あっはっはっはー!」

藤堂「もう、心配させないでくださいよ。」


○八木邸の一室に集まる13人。

芹沢「清河を斬る。」

原田「のった!」

近藤「ちょっと待ってください。」

芹沢「ためらう理由がどこにある。」

新見「清河は御公儀を騙した稀代のペテン師。」

平間「天誅をくわえるんだ。」

又三郎「失礼します。近藤様、お客様がお見えです。」

近藤「ん?」

又三郎「清河八郎様が。」

土方「何しに来やがった。」

近藤「ひとまず、ここは私が。」


○八木邸の一室で出かける準備をしている近藤達。

近藤「平助を連れて山南さんは芹沢さんの隊に加わってください。」

山南「承知しました。」

近藤「他の者は私と行く。」

新八「近藤さんらしくもない。いまさら清河を斬ってどうなるというんです。」

近藤「斬りはしない。」

原田「斬らないの?」

沖田「どういうこと?」

近藤「芹沢さん達に斬られる前に、清河さんを連れ戻す。」


○街中を歩く近藤達。近藤を先頭に土方・沖田・井上・新八・原田。


○清河が動くのを街角で待っている近藤・沖田・土方・原田・新八

沖田「ねぇ、なんでそんなに清河を助けたいんですか?」

近藤「いつも言っているだろう、無駄な殺し合いはするべきではない。」

土方「それだけじゃねぇだろ。」

近藤「奴には俺たちと同じ土の匂いがする。もとは出羽の郷士だそうだ。甘いと言われればそれまでだが。」

土方「わかってればいい。」

原田「嘘吐き野郎をやっつけんのは無駄じゃねぇと思うけどな。」

新八「我慢しろ!京に出てきて最初の仕事が清河殺しじゃ験が悪い。俺達の剣はもっと大事なことに使おうじゃないか。」


○待機している近藤達のもとに井上が走ってくる。

井上「動き出しました。」


○清河を探し、街を歩き回る近藤・土方・井上・沖田・原田・新八
新八、祐天に気づいて近藤たちから離れる。

沖田「永倉さん!」


○新八、大村に追われて逃げる祐天の前に両手を広げて立ち塞がる。

祐天「どけーっ!」

大村「ありがとうございます。」

祐天「誰か、助けてくれー、誰か!」

新八「往生際の悪い奴だ。」

※半鐘の音が鳴り響く。

町人A「火事と違うかー」

※隙をついて逃げる祐天。追いかける大村と新八


○近藤達の前から芹沢達が立ち去ったのと入れ違いに新八がやってくる。

沖田「どこに行ってたんですか?」

新八「清河はどうなった?」

土方「それが見つからねぇんだ。」

斎藤「抜け道は教えといた。」

※笠をかぶった斎藤が歩いてくる。笠を取って、
斎藤「御無沙汰しています。」

沖田「あー、この人。」

井上「近藤先生の祝言の時の。」

近藤「山口さん!」

斎藤「はい。」

原田「だれ?」

新八「さあ?」

近藤「あなたにまた会えるとは思いませんでした。」

斎藤「俺もです。」

近藤「あれから何を?」

斎藤「ま、色々ありまして。」

近藤「ま、ゆっくり聞かせてください。」

斎藤「清河というのは?」

近藤「いってみれば、我々の恩人です。」

斎藤「恩人。」

沖田「とんでもない恩人ですけどね。」

山南「しかし、そのとんでもない恩人がいなければ

第14話 京へ到着


○京都入りした浪士組が街中を歩いている。新八達は近藤を先頭に、二列縦隊。土方&沖田、新八&山南、藤堂&原田、井上の順。
いつの間にか浪士組の列が停止している。

井上「あれを。」

土方「平助、見てこい。」

藤堂「はい。」
※様子を見にいく藤堂。

沖田「ねぇ、左之助さんは京に来たことあるんでしょ。」

原田「あるよ。」

沖田「京言葉、教えてくださいよ。」

原田「そーだなー・・・おぅ、ケツのことはオイド。」

新八「もっと普段使う言葉を教えろよ。」

原田「オイド、使うじゃねぇかよぉ。矢を射られた時とかにさぁ、医者に行くだろ。そしたらケツに刺さった矢を抜いてくださいじゃ通じねぇんだよ。」

沖田「見りゃわかるでしょう。」

原田「そうか?」

※藤堂が戻ってくる。
藤堂「先生、あれは将軍様の首だそうです。」

近藤「それはどういうことだ?」

土方「そんなわけねぇだろ。」

藤堂「いや、足利なんとかっていう人と、足利なんとかっていう人と、もう一人足利なんとかっていう。」

近藤「足利といえば・・・」

山南「室町幕府の将軍です。」

※新八、藤堂の横に移動して、木像を見やる。

近藤「そのような御方の首がどうして?」

土方「いつの時代の話だ。」

藤堂「でも、そう書いてありました。」

新八「あれは木像の首だな。」

山南「等持院という足利家の菩提寺に、将軍家の木像安置されてるという話は聞きます。その首を引き抜いて、誰かがあそこに晒したのでは。」

近藤「一体何のために。」

山南「将軍家に対する嫌がらせですよ。おそらく過激な浪士達の仕業でしょう。」

近藤「許せん。俺が取り返してくる。」

山南「近藤さん、抑えてください。今は浪士組の一員です。軽はずみな行いは慎んでもらわないと。」

近藤「しかし・・・」

沖田「あれを見て。」

※役人が木像を回収しに現れる。

原田「しかし、やることがちっちぇえ野郎だな、人形の首はずしてよぉ、晒しもんにするなんて餓鬼のすることだぜ。」

新八「そんな奴捕まえて、ケツでもひっぱたいてやればいいんだ。」

原田「ほら、ケツが出た。」

沖田「オイドですよ、オ・イ・ド。」

※苦笑する新八。


○八木家の一室。
葛篭を開けて、中の物を取り出している新八。
その前で寝転がっている原田。
後で芹沢達の部屋を見ていた土方が、近藤たちのいる部屋に移動する。


○八木家の広間に集まって正座している近藤一派と芹沢一派。それに相対して八木家の人々。
近藤達の座り順は、上座近藤、向かって右側に土方・山南・新八・原田・沖田・藤堂・井上。

八木源之丞「はるばる江戸から、ご苦労様でございました。」

近藤「色々と御迷惑をおかけするかもしれませんが、しばらくの間ご厄介になります。」

源之丞「私、当主の源之丞にございます。これは妻の、まさ。」

八木まさ「よろしゅうお願いします。」

源之丞「姑の、ひさ。」

八木ひさ「ようこそ。」

源之丞「そして、嫡男の秀次郎。これ、御挨拶や。」

八木秀次郎(ひで)「拙者、八木家嫡男、八木秀次郎とは俺のことだ。」

源之丞「ん。次男の為三郎。」

八木為三郎「よろしくお願いします。」

源之丞「早速ではございますが、部屋割りのほうを。」

芹沢「俺はここでいい。眺めが気に入った。」

源之丞「かしこまりました。こちらで結構でございます。」

近藤「結構です。」

土方「では我々は、あちらのかなり小さめな部屋を使わせていただきましょう。」


○建白書のための署名をしている原田。紙には既に近藤・山南・土方・沖田・新八・藤堂の署名がされている。

原田「っと。」

新八「でかすぎる!」

原田「こんなのちまちま書けっかよ!」

藤堂「それじゃ源さんが入りきらないですよ。」

井上「私は隅のほうで構いませんから。」

原田「あ、ごめんね、源さん。」

井上「いやいやいや。」

※建白書を読んでいる山南、隣に座っていた沖田が近藤に向かって、
沖田「ねぇねぇねぇねぇ、天子様と上様はどっちがえらいんですか?」

近藤「どっちも偉い。」

沖田「じゃあ天子様と上様が戦ったら近藤さんはどっちに味方するんですか?」

近藤「天子様と上様は戦わない。」

沖田「例えばの話。」

近藤「例えばの話でも戦わない。」

沖田「例えばくらい戦ったっていいじゃないですか。」

近藤「じゃあ聞くが、富士山と高尾山が戦ったらどうする。そんな馬鹿な話、するだけ無駄だ。」

沖田「高尾山の味方するに決まってるでしょ、地元だし。ふふっ、あ、でも流石に勝つのは富士山かなぁ、へへっ。」

※建白書を読み終え、山岡を見やる山南。目をそらす山岡。山南が何か言おうとしたとき、井上が山岡の前に進んでくる。

井上「うちは皆、書き終えました。」
※署名を渡す井上。

山岡「あ、ありがとう。では、芹沢さんのところに行ってきます。」

近藤「しかし山岡さんも大変ですね。そんなお仕事までされて。」

山岡「体を動かす役処が性に合っているようです。ははっ。」


○芹沢が近藤達の部屋にやってくる。
新八は庭で木刀を使って素振りをしている。

芹沢「おい!飲み行くぞ。」

原田「本当ですか!」

芹沢「先斗町へ繰り出す。同じ家に泊まってる誼だ、馳走してやるよ。」

原田「うひょーひょーひょー!おい、みんな聞いたか?芹沢先生が御馳走してくれるってさー・・・あれ?」

近藤「あの、今日はちょっとやめておきます。少し疲れもたまっていますので。」

山南「親睦の宴は日を改めてということで。」

近藤「すいません。」

※芹沢、沖田を見て、
芹沢「おい、行くだろ?」

沖田「いいですよ。」

土方「総司!」

芹沢「沖田君、借りるぞ。」

沖田「だってー、ほら誰か行かないと失礼になるし、ちょっと見廻りを兼ねて行ってきますね。」

原田「では拙者も、見廻りを兼ねて。」

近藤「おまえは駄目だ。」

原田「いいじゃねぇかよー。」

近藤「すぐに破目をはずすから。」

土方「おい大丈夫か?一人で行かせて。」

近藤「すいません、永倉さん。お願いできますか?」

※新八、くるりと振り向いて
新八「承知。

※廊下を歩いている沖田と新八
沖田「先斗町って何なんですか?」

新八「知らん。」

沖田「なんだか、面白そうな名前ですねぇ。」


○芹沢達の後について八木邸を出ようとする沖田と新八
玄関脇に逆さに立てかけられた箒に気づく。
箒をひっくり返して立てかけなおす新八。その後沖田と門を出る。


芹沢達と先斗町に向かって歩いている新八。祐天仙之助とそれをつけている大村達尾を街で見かける。


○先斗町の料亭の座敷。芹沢が上座に座って妓をはべらせている。その右手下座に沖田・新八、左手下座に平山・平間、下座に又三郎。

又三郎「では永倉先生は神道無念流でございますか。」

新八「はい。」

平山「先生、同門ですよ、こいつ。」

芹沢「なんで近藤のところに。」

新八「近藤勇という男に惚れたからです。」

平山「へっ、かっこつけやがって。」

又三郎「皆さんは水戸の出と伺いましたが、水戸の天狗組とは繋がりがあるんですか。」

平山「天狗組っておまえ、知ってんのか。」

又三郎「いまや尊皇攘夷といえば水戸の天狗組。攘夷を志すもんで知らんもんはおりまへん。」

平山「あれはな、芹沢さんが作ったようなもんなんだよ。」

又三郎「あ、そうでしたか。いや、これはこれは偉い先生にお目にかかれて光栄です。」

芹沢「おまえ・・・」

又三郎「はい。」

芹沢「消えろ、うるせぇ。」

又三郎「ごゆっくり。」
※立ち去る又三郎。

芹沢「飲んでるかい?」

沖田「どうして私を誘ったんですか?」

芹沢「おまえ、人を斬ったことねぇだろう。」

沖田「ないです。」

芹沢「だろうなぁ、血の匂いがまるでしねぇや。こいつら、汚れきってる。ぷんぷん匂うだろう。」

沖田「言われてますよ、皆さん。」

平間「おめぇだよ。」

平山「おめぇだよ。」

平間・平山「へっへっへ。」

芹沢「あいつだってそうだよ。奴の周りにゃあ、あいつに斬られた男達の怨念が渦巻いてやがる。」

沖田「らしいですよ、永倉さん。」

芹沢「ところがおめえさんは違う。まるで汚れてねぇ。おりゃそういう奴がなぁ、でぇっきれぇなんだよ。俺はな、沖田。汚れてねぇもんをみるとなぁ、とことん汚したくなんだよ。ははははは。」


○天誅と称して暗殺を行い、逃げている浪士2名と先斗町からの帰りがけに遭遇する芹沢・平山・平間と沖田・新八

浪士A「どけ!」

※両手を広げて立ちふさがる芹沢。抜刀する浪士2名。
応じて抜刀しようとする沖田の手を押さえ、止める新八。
抜刀する芹沢、ただの一太刀で敵を一人斬り倒す。

芹沢「尽忠報国の士、芹沢鴨。」
※名乗りを上げ、立ちすくむもう一人の浪士の横を納刀しつつ通り過ぎ、立ち去る。
後に続く、平山・平間。

平山「覚えとけ。」

※それを見つめる沖田と新八



以上、第14話れぽでした。

ついに出ました、新八の名台詞「承知。」大河以来、何かにつけて真似して使ってます(笑)

第13話 芹沢鴨、爆発


文久三年(1863)2月10日 本庄宿

○近藤と井上が宿割りに困っている時、声が、

沖田「近藤先生!」
※沖田、新八、原田、藤堂、山南、土方が連れ立って歩いてくる。

近藤「おまえら、何してんだここで。」

原田「加勢にきたんだよ。」

沖田「近藤さん一人じゃ心細いと思って。」

近藤「だけど・・・」

山南「山岡さんの了解は取ってあります。」

藤堂「何でもお手伝いしますよ。」

井上「先生。」

近藤「実は今もう途方にくれていたんだ。」

新八「見ればわかります。」

近藤「おい、歳。おまえの骨折りで役付きになったのはありがたいが、お陰でむしろ大変な目に遭ってるような気がする。」

土方「俺もそんな気がしてた。」

山南「この2日、先生が宿の手配で翻弄されてるのをみて、心配していたんです。」

近藤「そうか、わかったか・・・正直、もういっぱいなんだ。」

※皆、にっこりうなずく。


○土蔵の前で車座になっている7人。近藤から時計回りに原田・藤堂・土方・井上・沖田・山南。
座から一人離れ、辺りを見ている新八。

近藤「さあ、まず何から始めたらいい?」

土方「ぼんやり考えてても気が遠くなるだけだ。まずは目先のことから一つ一つ片付けていく。使える宿屋は全部で8軒。俺たちも8人いるからそれぞれに割り当てを決めよう。これに浪士組の一番組から七番組までを割り振っていく。残る1軒は役付達の宿とする。ここまではいいか?」

山南「了解。」

沖田「永倉さん、何してんですか?」

原田「話し聞いてねえだろ、ちっとも。」

新八「ここは武者修行でよく通ったことがある。あすこに川が流れていて、泥鰌を捕って食ったもんだ。」

※一同、新八の話を流して
土方「まずは7つの宿の部屋数が知りたい。それぞれ手分けして確かめてきてくれ。いま空いてる部屋がいくつあってそれぞれ何人泊まれるか。」

※新八、土蔵の横手から
新八「みんな、来てみろ!」


※駆け寄る沖田・藤堂。腰を浮かしかける近藤。
藤堂「何ですか?」

新八「前に通った時に書いた。」
※土蔵の腰壁に刻まれた【 永倉新八参上 】の文字を指差す新八。


藤堂「ほんとだ!」

沖田「だぁめじゃないですか〜こんなところに書いちゃ〜!」

原田「何々?」
※立ち上がって新八たちのもとへ行く原田。それを横目で睨む土方。

山南「まだ話の途中だぞ!」

沖田「ほら!」

原田「あっはっーーー!」
※文字を刻み始める原田。

※もくもくと書類をめくる土方。原田たちが気になってそわそわしている近藤。
沖田「ちょっと。あーあーあーあー!」(声のみ)

原田「な・が・く・ら」(声のみ)

新八「永倉はないだろう。」(声のみ)

沖田・藤堂「あっはっはっはー」(声のみ)

新八「左之助!」(声のみ)

原田「ちっちぇな、これ。」(声のみ)

沖田「ここをじゃあ、こうしてやってみれば。」(声のみ)

原田「何だよ、これ。」(声のみ)

沖田「ほらほらほら。」(声のみ)

近藤「俺も書こう!」
※立ち上がる近藤。睨む土方。


○宿の一室で車座になって打ち合わせしている8人。近藤から時計回りに土方・井上・新八・山南・原田・藤堂・沖田。その横で寝そべっている池田。

近藤「よし、次はどうする?」

土方「これを組ごとに順に割り振っていく。山南さん、お願いできますか?」

山南「了解しました。ではまず近江屋からいきましょう。受け持ちは・・・」

井上「私です。」

山南「部屋数は?」

井上「全部で12ですが、既に客が入っている部屋をのぞけば4つ。」

山南「4部屋。ではそこに二番組の29名を入れましょう。竹の間に4人。梅の間に7人。」

井上「はい。」

近藤「私一人ではどうにもできなかった。」

土方「もうすぐ本隊が宿場に入る。一度にどっと来たら、また収拾がつかなくなる。」

近藤「まずいな。それはどうする?」

土方「宿場のはずれに寺があった。あすこに一度集めておき、一隊ずつ村に入れる。一つの組が宿に入ったら次の組。」

近藤「あったまいいなぁ、よし!」
※おもむろに立ち上がる近藤。

土方「何だよ。」

近藤「あ、いや、皆に言ってくる。」

土方「近藤さんはここにいろ。」

近藤「いや、しかし。」

土方「一軍の将はじっとしてるもんだ。」
※座りなおす近藤。

土方「左之助。」

原田「おう。」

土方「話は聞いてたか?」

原田「ちっとも。」

※本隊へ伝えるため、出て行く原田。

近藤「どうして左之助を行かした?」

土方「どうせ文句が出るのはわかってる。弁の立つ者が間に入ると言葉でやりあう分、事が大きくなる。こういうときは話が通じないやつのほうが案外丸くおさまるんだ。」

山南「ここの六番組はどうしても一人余るなぁ。永倉さん、確か大木屋の陽炎の間は一つ空きがありましたねぇ。」

新八「ああ、5人部屋なのに4人しか入ってない。」

山南「そこに六番組から一人まわしてもいいですか?」

新八「どうぞどうぞ。」


○浪士組が待機している寺にやってくる新八。

新八「六番組の大村達尾はいるか?」


大村「ここにいます。」

新八「ちょっと。」

大村「はい。」

※大村を寺の外に連れ出す新八。
新八「親の仇がいるといっていたな。」


大村「祐天仙之助。」

新八「間違いないのか?」

大村「そういう話だ。」

新八「頼りないなあ。」

大村「今から18年前、甲州の鰍沢村でクワハラダイスケという侍が殺された。俺の親父だ。殺ったのは祐天という仇名の博徒だったという話を、ウミテイジロウという人から聞いたという話を、フジバヤシキイチロウという人から聞いた。」

新八「仇を討つ前に確認したほうがいいな。」

大村「大きなお世話だ。」

※立ち去ろうとする大村の腕を掴んで引き止める新八。
大村「何をする。」

新八「宿の都合で六番組から一人、5番組に移ってもらう。」

大村「何で俺が?」

新八「五番組には祐天仙之助もいる。」


○祐天たちの部屋に入ってくる新八と大村

新八「失礼します。」

博徒A「なんだ?」

新八「申し訳ない、もう一人こちらに泊めてやってください。」

博徒A「親分。」

祐天「かまわねぇ、かまわねぇ。楽にしろい。」

博徒A「親分に御挨拶を。甲斐の祐天こと山本仙之助様だ。」

大村「大村達尾と申します。」

祐天「おい!よろしくな。」


○藤堂からの報告を受け、打ち合わせている近藤・土方・山南・井上・新八・原田・池田。

近藤「それはどういうことだ?」

土方「平助の話によれば、何とか芹沢を説得して柏屋に連れて行くと・・・(藤堂が芹沢を案内すると、離れの場所に鶏小屋が建っていた場面)」

近藤「そりゃまずいだろう。」

原田「笑えるなあ。」

池田「だってここに離れがあるじゃねぇか。」

土方「離れは火事で焼けたらしい。」

池田「いつの図面なんだよぉ。」

近藤「それで今、芹沢さんは?」

土方「総司と平助がなだめにいってる。」

池田「どこか他に一人部屋はないのか?」

土方「今から部屋を用意するのは無理だ。今日のところはこれまでどおり三番組の隊士と相部屋にしてもらおう。」

池田「だめだだめだ、何言ってんだ。佐々木様に約束しちまったんだよぉ。」

近藤「しかし部屋がないんです。」

山南「5人部屋を6人にしたり、色々遣り繰りすれば一部屋くらい空くんじゃないのかな。」

池田「それだ!」

近藤「それで考えてもらえますか?」

山南「わかりました。」

近藤「よし、じゃとりあえず、俺がお詫びに行ってくる。」

土方「いや、近藤さんは動かないほうがいい。」

池田「ちょっと待てよ、俺はいかねぇぞ。」

土方「誰もあなたにとは言ってない。まずは俺が行って謝ってくる。」


○通りで焚き火をしている芹沢一派。

新見「いいかー、燃やせるものは何でも放り込め!」

※駆けつける山南・井上・原田・新八


○芹沢達を見ている新八・原田・沖田・井上・山南の後ろから現れる近藤・土方。

近藤「芹沢先生!」

芹沢「おう。」

近藤「本当にこのたびは失礼を致しました。」

新見「宿割りをしたのはあなたか、近藤さん。」

近藤「はい。」

平山「よくも芹沢さんのお顔に泥を塗るような真似してくれたなぁ。」

近藤「申し開きのしようもございません。」

平山「責任とってもらおうか。」

近藤「はい。」

平山「今すぐ腹を切れ。」

近藤「腹を切ることはできません。公方様にお預けしたこの命、こんなことで捨てるわけにはいきません。」

平山「こんなこととはなんだ。芹沢先生の気持ち考えてみろ!」

芹沢「平山!もういい。」

近藤「腹を切る以外の事だったら何でも致します。」

芹沢「近藤さんよぉ、だから俺はあいつにも言ったんだよ。宿無しの俺には野宿がお似合いだってな。悪いが、ほおっといてもらおうか。」

近藤「宿場中が迷惑しております。他にもここには沢山の旅人が泊まっております。皆あまりの炎の大きさに怯えています。」

芹沢「だからなんだ。」

近藤「火を直ちに消してください。」

芹沢「できねぇ相談だな。」

※焚き火の前で正座する近藤
近藤「火を消していただくまでは、ここを動きません。」

出て行こうとする原田を引き止める新八。焚き火の前で対峙する芹沢と近藤。


○焚き火の前で対峙する芹沢と近藤の俯瞰。それを見つめる試衛館メンバーと芹沢一派。沖田が急に立ち去る。
平間が出て行こうとするのを肩を掴んで引き止める新八。

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