子育て支援 | 智頭病院 小児科|2013年度末までの内容

ホームページの重量が増したので、過去のQ&A内容を、ブログに移行します。♪ 徐々に、着実に・・・

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熱性けいれん と 対策を考える視点
 (例) 高波の被害と堤防
♪ 熱性けいれんを、高波が堤防を越えた場合の被害に例えて、抗けいれん剤の使い方 について考えてみましょう。発熱を高波に例え、けいれん発作の起こり易さを堤防に例えました。満潮・干潮の差を、その時の体調に例えて、以下の解説をします。
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♪ 図のモデルは、堤防の発達に個人差があることを示しています。通常、4〜5歳になると、少々の高波が来ても、びくともしない堤防に育ちます。が、これには個人差があります。
  そして、小さな高波や大きな高波があります。満潮と干潮では、同じ高波が来ても、安全な時と、被害を被る時がありましょう。
♪ そして、高波が堤防を越えて、被害が出た状態を、熱性けいれんとして考えてみます。
♪ 被害を回避するために、高波が来ると分ったら、土のうを積み上げます。これが、抗けいれん剤の一次的な使用で、一般的には、ダイアップ坐薬を用います。高波が来てから入れたのでは間に合いませんし、あるいは「高波がどの程度の波だろうか?」と眺めていて、土のうが後手になり、高波の被害が出ても困ります。早めに土のうを積み上げることが要になります。
  土のうにはいくつかの種類があります。1個が4mgの坐薬、6mgの坐薬、10mgの坐薬です。過去の被害の状況や、堤防の大きさ(体重)などを検討し、担当の医師に用いる土のうを決めてもらいます。

♪ 高波の被害が、再々繰り返されている例(熱性けいれんが何回もあったとか、24時間以内に複数回生じたなどの例)で、かつ、堤防がしっかりするまでに年月がかかる例(1歳から2歳前後の年齢)や、さらに、1回であっても被害が大きかった例(けいれん重積症の既往や左右差を伴うけいれん発作型など)では、仮設堤防を計画し、実践することがあります。(抗けいれん剤を毎日内服するわけです。)
♪ 仮設堤防の計画は、脳波検査など、評価を行った上でのこととなります。
♪ 仮設とはいえ、最初から大きな建築物にするわけにはいきません。(抗けいれん剤は必要最少限に留めたいのです。)ゆえに、仮設堤防を付けても、それ以上の高波が襲えば、被害が出る(熱性けいれんを来す)ことがあります。
♪ より大きな高波が予測された際には、仮設堤防に土のうを加えて、被害を押えようとすることもあり得ます。


♪ 以上の例えにおいて、例えば、被害の状況を調査し問題があると評価出来た例(明らかな左右差を伴うけいれん発作型)や、大した高波でないのに被害が出た例(38℃に至らない程度の発熱であったのにけいれん発作を来した)とか、堤防を調べて欠陥が発見された例(脳波異常や画像診断で大脳障害が見出されたり、けいれん発作以外に発達遅滞が認められる例)などは、かなりの長期間堤防の補修をしていくことになります(てんかんの診断で、抗けいれん剤(抗てんかん薬)を長期に内服することになります。)
♪ いずれの場合にも、堤防は発達していきますから(子どもの脳は発達しますから)、定期的な評価、方針の再検討などを繰り返していくことになります。
視点を変えて : まとめ
♪ 高波の被害を受けないことが願いになるわけですが、この対策として、三つの方法があります。
♪ どの方法を選択するかは、既に生じた高波の被害状況(けいれん発作の様子)を評価・分析して決定します。あるいは、今後は高波の被害を被らないだろう(けいれん発作が生じないだろう)との評価により、いずれの方法も“なし”で観察することもあります。


1:高波注意報が出た場合(熱が出そうだと感じたとき)に、一時的に、速やかに土のうを積む(ダイアップ座薬を用いる)方法があります。
2:平時から高波に備えるために仮設堤防を築いておく(抗けいれん剤を毎日内服しておく)方法があります。


♪ 以上は、お子さまの年齢、既往のけいれん発作の持続時間・左右差・体温や、お産・新生児期の状況、ことばや運動発達や、熱性けいれんの家族歴などを評価して決定することになります。

♪ 国民健康保険智頭病院


熱性けいれん : 見方・考え方 ♪
熱性けいれん ・ ひきつけのアレコレ
 ・ 熱性けいれんと解熱剤


Q 「熱が出たら解熱剤を早く!」は正しい?
Q 「38.5℃以上になったら解熱剤を用いる」は正しい?
Q 「熱が出たらひきつけるから解熱剤を早めに使う」は正しい?


♪ いずれも正解とはいえません。子ども達の急な発熱は、大半がウイルス感染症です。体の中にウイルスが入り込んで、「ウイルス血症」の状態になったために、体はウイルスが増えにくい環境とするために発熱するのです。つまり、正常な生体の防衛反応、免疫反応が発熱であるといえます。これは、大人も子どもも同様です。ですから、発熱に上手につきあうことが大切になります。機械的に体温が何度になったから解熱剤を使うというわけにはいきません。大人と比べて体重に占める水分量の割合が大きい子ども達の場合、体温が上昇しますと、脱水症に陥り易いので、水分摂取が大切になります。
♪ 水分を取らせようとしても、高熱で、辛そうにして、水分摂取が進まないときに、解熱剤を少し用いて体温を少し落として、水分摂取に努めたいのです。解熱剤をしっかり用いて、平熱まで下がると、再び体温を上昇させる生体の反応が働きます。結局、発熱 ⇒ 解熱剤 ⇒ 発熱と、かえって、子どもを疲労させ、発熱期間を長引かせることになり得ます。
♪ また、子ども達は平熱近くになると、遊び出して、安静が保ちにくくもなるでしょう。
♪ さらに、乳幼児の発熱に対して、解熱剤を多用すると、とくに、A型インフルエンザなどで、(現在では使用しませんが!強い解熱剤)アスピリンを用いると、急性脳症等の怖い状態に陥る危険性が高まることも分かっています。
♪ 一方、体温が39.5℃以上であってもニコニコしている乳幼児に出会うことがあります。稀ですが、体温がそう高くないのに重症感のある子どもさんにも出会います。即ち、体温と重症度は一致しないのです。
♪ 「熱性けいれん」の可能性がある子どもの場合には、私たちは解熱剤の使用を、とくに丁寧にと願います。熱性けいれんの起こりやすい状況を図で解説しましょう。
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♪ 熱性けいれんは、風邪などでの発熱時に、大脳が変化に耐えられず、いわば、パニック状態に陥って正常に機能できない状況だともいえます。熱性けいれんを来しやすいのは、図の(s1)・(s3)・(s3)などです。
♪ (s1)は、それまで元気であったのに急にひきつけてしまい、体が熱かった。つまり、発熱したという場合です。
♪ (s3)は、発熱し、急に高くなってひきつけたという場合です。
♪ そして、少数例ですが、(s3)のように、発熱後しばらくして、より体温が高い状態に変化するときに、いわばついに耐えきれなくなって、ひきつけたという場合です。
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♪ (A)は、乳幼児の体温のリズムを示しています。朝方には最も低く、午後に体温が最も高くなる「日内リズム」が私たちの体にありますが、乳幼児は大人より高いわけです。幼児期までは37.5℃前後までが平熱です。このリズムが大きく崩れるときにパニック状態、つまり、ひきつけるというわけですね。ひきつけない場合でも、熱の出始めは、子どもたちにとって、大人にとっても、つらいわけです。
♪ そして(B)で、高熱になったため水分摂取が進まない場合や辛そうにしている場合には解熱剤を用いることになります。用いる解熱剤は、少し熱が下がって、幾分楽になり、水分摂取が出来るようになることを目的としたいのです。(c1)の状態を目指したいのです。一方、強い解熱剤を用いて、(c2)のように平熱にまで下がりますと、再び体温を上げようとする身体の反応が生じます。つまり、(s4)のようになり、熱性けいれんの点からすると、再び、けいれん発作が起きやすい状態になります。
♪ 脱水症に進まないように、こまめに水分を取ることを大切に考えて、水分摂取に努めたいのです。多くの風邪による発熱は1日程度であったりしますが、中には、高熱が数日に及んだり、ウイルスの種類によっては1週間近くに及んだりすることがあり得ます。熱性けいれんの点からすれば、発熱が続いても(D)けいれん発作は通常起こらないのです。稀ですが、急性脳症とか化膿性髄膜炎など、大脳の病気の場合は例外で、(D)のように発熱が続くまでに診断され、治療が開始されていることでしょう。
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♪ 熱性けいれんの既往のある方の場合、年齢やけいれん発作の型、持続時間等を考慮し、これを予防するための坐薬を適切に用いることをお話します。ダイアップ坐薬という抗痙攣剤の坐薬を、図のように、子どもが不機嫌になり、ぐずぐずしはじめて「発熱するかもしれないな」思えたとき(⇒1a)に、あるいは「熱が出ている!」と気付いたとき(↑1b)に肛門から1個を入れます。そして、おおよそ8時間後に38℃以上の発熱が続いているとき(↑2)に、もう1個入れます。もし、6時間後に高熱であって、8時間後まで待てないときには、どうぞ2個目を用いてください。あるいは、深夜であったりした場合には、発熱が持続していることに気付いたときが6時間後であっても2個目を入れてから、休んでもよいでしょう。逆に、深夜に目覚めたら10時間後であった際にも、発熱が持続していたら2個目を用いてください。2個目を8時間後に入れるのは、決定的なことではありません。体温の状況、皆様の不安、生活時間帯を加味して、6〜8〜10時間後に2個目を用いることをお話しています。
♪ 最初の1個を肛門から入れてからの発熱期間が短く、体温上昇も38℃以下に留まっている場合は、2個目は不要になります。
♪ 以上の方法で、熱性けいれんを予防するのですが、しかし、けいれん発作が起きてしまったという場合や、出生前後の既往、発達歴、脳波所見など、その他多くの要因を考慮して、あるいは、抗痙攣剤の内服を、日々、期間を限って、開始することもあり得ます。
♪ お一人おひとりが異なりますので、保護者の方と、個別的な対応を考えていくことになります。


♪ # 以下は、鳥取県教育委員会・日本海テレビ制作の「すこやか子育て」において用いた資料です。


Q : 「急に意識をなくして、体をガタガタけいれんさせる」というのは、考えただけでも怖い感じがするのですが、実際にはどういう状況なのでしょうか?
A : 私たちは、心をかよわせ、目をみつめてお話しますが、これは「大脳が正常に機能している状態にあるから」とも言えます。大脳が機能するということは、実は非常に小さな電位ですが、電気的な活動が秩序良く動いている状態といえます。脳波を模式的に示します。
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♪ 乾電池は1個何ボルト? ⇒1.5Vですね。模式図で示した脳の活動を示す波の一つが、5ミリメートルの高さであり、これは何と100万分の50ボルトというわけです。脳波は年齢と共に、とくに脳の育ちが著しい乳幼児期〜学童期には、大きく変化・発達します。
♪ そして「けいれん発作」のときは、「正常な脳の活動が障害された状態にある」といえます。脳の障害がどの程度であるかによって、けいれん発作の状態が異なります。程度を決めるための要素としては、時間的なこと、意識障害の程度、ガタガタと体が震える強さ・広がり、呼吸が障害される程度や左右差など、多くの要素があるのです。


Q : 何が原因となってひきつけ(痙攣発作)が起りますか? 高熱のときにけいれん発作を生じる?
A : 発育期にある乳幼児の大脳の機能が未熟であることによって、発熱、とくに平熱の状態から熱がどんどん上昇していく変化が生じることが刺激となって、大脳の正常な機能を乱してしまう。これが原因として最も多い「熱性けいれん」です。
♪ 大人の場合は、通常、発熱があってもこの変化に耐えて、けいれん発作を来すことは無いのですネ。乳幼児、とくに歩行を獲得し、外に出る機会が増えて、感染症に罹りやすい時期に、1〜3歳に多いのですが、発熱というストレスに大脳が耐えられなくなって、機能異常を一時的に伴うのです。
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♪ 図の「A」は「平常に遊んでいたのに、急にひきつけた」というタイプで、「B」は「熱っぽいな、思っていたらひきつけた」というタイプ、そして、「C」は一層体温が上昇してひきつけた例。発熱直前から、発熱期の半日程度までにけいれん発作(ひきつけ)を来すことが多いのです。ひきつけるのは高熱のときだけではないのです。


Q:子どもの発熱は心配ですが、その上さらにひきつけるのは、一層心配なわけですねぇ。けいれん発作が強いとか重いとかは・・・? また、頻度は?
A : 頻度ですが、3歳児健診などを通じた調査で、7%程度に既往があるのです。
Q : 7%というと・・・、13人に1人程度ですか?! 多いですねえ!
A : 子どものけいれん発作、ひきつけは、まれなことではないのです。大半が「熱性けいれん」です。
♪ 私たちは、乳幼児に限らず、学童や成人でも同様ですが、ひきつけの様子や、けいれん発作を来す原因・背景を確認します。表を見ましょう・・・。
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* 熱性けいれんでは、通常左右差はありません。「左右差があるということは、ひょっとしたら大脳の一側に傷があるのかもしれない」と考えさせる要素となります。左右差がある場合には、脳波検査やCT・MRIなど大脳の画像検査の適応を決めます。
*けいれん発作の持続が長いと心配ですね。通常、熱性けいれんは5分以内で終ることが多いのです。
* 回数は、1回のみならば安心なのでしょうが、ときには、1日に数回繰り返しひきつける子がいます。

*体温は、通常38℃以上でひきつけるのが熱性けいれんの定義の一つとなります。低い体温でひきつけた場合には、てんかんの可能性を示唆しているともいえます。


Q : ひきつける年齢にはどういう意味がありますか?

A : はい。実は、新生児期、つまり生まれて1週間程度の時期におけるけいれん発作も多いのですが、この時期は、まだ家庭での生活・育児が始まっていませんから、育児や家庭看護、あるいは家庭における救急措置を考える上で問題になりません。大半を占める「熱性けいれん」は「感染症」にかかる機会などから、生後半年までは意外と少ないのです。そして、3歳を過ぎれば、大脳が発育し、発熱のストレスに耐えてけいれん発作を来さないようになります。この時期になって、初めて熱性けいれんを来した場合にも、私たち小児科医は丁寧に診ます。家庭医や小児科医は脳波検査などを勧めるでしょう。


Q : けいれん発作のときは、親として、どのように対処したらよいのですか?
A : とにかくあわてないことです。けいれん発作の時は、おう吐したり、口の中に分泌物が増えます、よだれが出るような状況になりますから、顔を横に向けます。そう、右肩をやや高くするなどです。これも表にしてみました。
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♪ けいれん発作が終って深い眠りにつくことが多々あります。大脳が疲労したことによる「けいれん発作後の睡眠」であり、このときは、静かに休ませることになります。
♪ 発作は、まれですが、30分以上けいれん発作が続く場合があり、救急の対象で、「けいれん重積症」と診断します。
♪ 心配な場合は、代表的救急診療対象である「けいれん発作」ゆえに、119番に電話するなり、或いは、かかりつけの小児科医に相談されることをお勧めします。


Q : 熱性けいれん以外の子どものひきつけには、どのようなものがありますか?
A : これも表でお示ししましょう。いろいろとあります。「泣き入りひきつけ」はお分かりですか?
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♪ 泣き入りひきつけは、乳児期から2〜3歳までにみられます。「泣く」という行為は、息を吐き続けるということで、泣きながら息を吸わないままでいると、当然しんどくなり、顔色も悪く、チアノーゼ・どす黒くなりますね。ついには、バタンと倒れたり、意識を失ったり、というわけです。幸いなことに、 泣き入りひきつけは年齢が大きくなると共に起こらなくなります。つまり、脳の発達が未熟なために生じる反応です。
Q : いろいろあるのですね。胃腸炎といえば、下痢をして・・・。
A:はい。季節では冬、ロタウイルスを主とする感染性胃腸炎で、熱がないのにけいれん発作を来すことが知られています。これも、大脳に異常があるためではなく、乳児期に特徴的なことといえます。
Q : けいれん発作は、繰り返すということもありますしょうか?
A : はい。熱性けいれんでは、多い場合は10回以上、まれに小学生例があります。通常は、いわゆる「風邪」の発熱に伴う熱性けいれんだというわけです。風邪の熱は人生で、一度だけということはありませんからね。ただし、発熱の原因がウイルス感染による咽頭炎など、いわゆる「風邪」によるのか、「細菌性髄膜炎」など、治療法が異なる中枢神経系の感染症であるのかの診断は不可欠です。
♪ 熱性けいれんの場合、2回以上経験する方は、熱性けいれん全体の約3割程度です。「てんかん」は、原因がはっきりしないのに突然に発作が生じることが特徴の一つとなります。
♪ 実は、子どもでは、てんかんの7割程度は治る(発作が止まる)のです。妊娠・分娩や新生児期の様子、成長・発達の経過や、けいれん発作の状況を詳細に検討し、脳波検査や脳の画像診断など必要な検査を基に、慎重に診断し、丁寧にお話しし、同意を得た上で、治療方針や経過観察の方針を決めます。
♪ かかりつけの小児科医は、小児神経の専門医を紹介されましょう。幸い、鳥取大学医学部には、全国で最初に、「小児神経学教室」が、設けられて、今日に至っています。私もその門下生の一人です。(日本小児神経学会員からは外れています。)


姉妹編 〔熱性けいれん と 対策を考える視点〕もご覧ください。



♪ 鳥取大学医学部 脳神経小児科 ♪
♪ 「臼蓋形成不全」・・・ 一般には馴染みが乏しい医学用語ですネ。
♪ 「股関節脱臼」・・・ これなら馴染みがある
♪ 「先天性股関節脱臼」・・・ 生まれながらに股関節脱臼があるお子様は、実は、非常に少ないのです。「股関節脱臼」に至った多くの例は「臼蓋形成不全」の兆候〜悪化が見逃され、「股関節脱臼」に至るのです。
♪ 旧 HP に随分長い間掲載していた情報を、今回、ブログに up することにしました。


健康な股関節に育てるヒント
:乳児期早期のあおむけ姿勢と股関節


♪ 下の写真は、生後1か月過ぎの赤ちゃんにおけるあおむけ(仰臥位・背臥位)姿勢です。顔の向いた方の手・上肢が伸びて、後頭部に位置する側は屈曲位を示しています。まるで「フェンシングをしている姿勢」、あるいは「弓を射る姿勢」のようですね。医学的にはATNR姿勢と言います。
♪ ATNR姿勢は、早い場合は、生後3週頃から出現します。
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♪ 股関節の発育とATNRの関連はこうです。ATNR姿勢が強いと、上の写真のように下肢の姿勢にも左右差が見られることがあります。

♪ 実は、股関節の発育にとって、右側()は良いのですが、左側()は「股関節脱臼」につながる姿勢なのです。


♪ ときには、下の写真のように、上肢に左右差がないときでも下肢の差がある子に出会います。赤ちゃんの右()は良い股関節の位置ですが、左側()は「股関節脱臼」に進む可能性のある姿勢です。
♪ また、矢印 → で示していますが、左側()は、下肢(大腿)が脱臼する位置にあり、股関節(臼蓋の)形成を阻害する姿勢です。
♪ 見逃すと、(程度は軽〜重とありますが、)やがて「臼蓋形成不全」に至り、さらに、「股関節脱臼」にも至るのです。
♪ 一方、右側()は股関節(臼蓋)形成に望ましい姿勢です。
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♪ 次の写真を見て下さい。手が見えていますが、左右差はないようです。顔は右を向いているようですね。そして、下肢・大腿(太股・ふともも)はどうでしょう。右側()は股関節の発育に良い姿勢です。左側()は立て膝の位置ですね。
 股関節をよりよく育てる位置は、右側()です。
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♪ 写真の女の子が、3〜4か月頃に「股関節脱臼」に関連した診断名が下されると、それは「臼蓋形成不全」で、装具・バンドを用いた治療を受けることになる可能性があります。
♪ 子どもたちの育ちに伴う病気は、当然ですが、全て、可能なら、予防したいわけです。「臼蓋形成不全」・「股関節脱臼」もそうです。つまり、「臼蓋形成不全」の診断名が付く前に、徴候を察知し、より良い股関節の発育を促すことが願いとなりますが、そのヒントが上記の姿勢にあるわけです。
♪ 3つの写真の各々右側()の位置を常にとらせることで、股関節(の屋根部分・大腿骨頭を受けて支える丸天井といえる)臼蓋の良い発育をうながしたいのです
♪ なお、生後1か月前後の赤ちゃんの場合は、小さすぎて、装具がありません。装具を用いるのではなくて、以下の方法で育てます。
おしめ・おむつを二重に充て、両下肢が開排位にあるようにする抱くときは股に手を入れるか、開排位で抱きます
♪ 股関節の発育を良くする姿勢のイメージとして、英語の「M]があります。股関節が「M」の位置にあり続けることが望ましいのです。
♪ なお、「臼蓋形成不全」は、男の子では、そう問題になりません。大半は女の子の病気と言えます。

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