中国山地に囲まれた地域で医療を展開する国民健康保険智頭病院です。

みどりの風が吹く疎開の町 鳥取県智頭町(ちづちょう)智頭病院のブログに ようこそ♪(^_^)/

全体表示

[ リスト ]

智頭病院で実習   
     〜 鳥取大学医学部学生


 2007年度から鳥取大学と連携し、医学部5年生の地域医療見学実習を行っています。智頭病院が実施している地域医療の現場を体験した学生さんから、率直な感想をお寄せいただきました。ご紹介させていただきます。


智頭病院の地域医療を見学して
鳥取大学医学部  馬 場 洋 行
 
 私は地域病院実習にあたり、以前智頭病院で地域医療実習を行った友人から評判を聞き、自ら希望して智頭病院での実習を選択させていただきました。
 わずか一日の病院実習でしたが、率直に「すばらしい」というのが私の感想です。
 私は、熊本のはずれの町の田舎育ちです。私の地元でも医師が次々と大学へ引き上げられて医師不足が生じ、医療崩壊が進行しています。将来は地元か、もしくはそこに類するような地方で医療をしたいと考えています。地域医療では、医療技術や水準はもちろん、患者さんとのコミュニケーション能力は必須であり、それは医師である以上当然身につけておくべきだし、医師を目指す人は何科を志すにも人とのコミュニケーションや環境を楽しめる人であるべきという考えを持っています。しかし、本当に自分がそうできるのか?という漠然とした不安感をずっと持っていました。それは地域医療に対して、あまりに無知であったためでした。
 今回、智頭病院で実習させていただいて、まず感じたことは建物がきれいということです。全体が木材と透明版が基調で落ち着いており、窓が大きく建物全体が明るく、玄関までの上り坂のバリアフリーなど、随所に患者さんのことを考えた工夫が施されており、患者さんが気持ちよく来院できる環境が整っていると感じました。
 また、病院というよりも「保健・医療・福祉 総合センター」と言われるように、建物内にデイサービスやデイケア、特別養護老人ホームや行政の機能を持ち合わせ、通院や入院のみならず、退院後のケアにうつる過程がスムースに行われるのも患者さんんにとって安心であり、病院運営上大切な要素であると感じました。
 生活習慣病講座や出前健康講座などの0次医療、専属スタッフを擁する健診センターの1次医療にも力を入れ、病院に来ることが出来ない患者さんには訪問診療で対応する。初めて訪問診療に参加させていただきましたが、患者さんや家族の人が心の底から感謝されている姿が印象的でした。
 ここまで地域住民の健康に関して総合的に関わっている総合センターを、私は初めて体験しました。スタッフ同士のカンファレンスや情報交換も行われ、一人の患者さんを多方面から支える姿勢は地域医療だけでなく、本来の医療のあるべき姿のような気がします。
 医療崩壊が叫ばれる現在、医療者側のみの努力では限界があり、患者さんや住民も含めた地域一体型の医療が、田舎のみならず都会の医療過疎地にも今こそ必要ではないかと思います。具体例として、兵庫県の小児科の崩壊しかかった町で、母親を中心とした「小児科を守る会」が小児疾患の理解・啓発をすすめ、医療者側の負担を減らし、小児科崩壊の機器を乗り越えた例があります。また、智頭病院のように病院同士の連携や役割分担も明確にし、県境を越えた連携を結ぶことは、救急などの対応も改善し、医療機関の負担軽減だけではなく、患者さんの救命率を上げることにもつながると思います。
 本当の意味での全人的医療を実現するためには、それに見合うだけの人間力と、それを支える医療体制、住民や患者さん自身との連携や理解が必須で、この智頭病院では先生方の努力がうかがえ、これが実現しているのではないかと思いました。
 地域医療とは、その地域の人が健康面で不安を覚えず、もし病気を発症しても十分なフォローを受けられ、入院や、その後の人生も不安を覚えず生活できる地域づくりそのものが地域医療なのです。そのためにも地域での医師の役割は多彩で、責任も重く、その分やりがいのある仕事であるということを今回の実習で気づきました。
 一日でしたが、智頭での実習は様々な経験と、それに伴う問題を考えさせられ、非常に有意義なものでした。

本稿は、町報〔広報ちづ〕平成22年 2月号 8頁に掲載

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事