沖縄の西表島と心の旅

西表との出会いと移住を決めるまでのできごとと想いをつづります。

西表島の祭り

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干立の節祭(シチ)

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11月末、またまた西表に。
どうしても見たかった、無形重要文化財の節祭(シチ)があるから。

夏の西表しか知らなかった私は、西表島の寒さにびっくり!
持ってきた中の一番厚手のパンツをはいて、上は果てしなく重ね着。
西表は湿度が高いので、寒くなると冷たい湿気が体にしみこんでくる。
今にも風邪を引きそう。
一緒の部屋でも風邪を引く子が続出した。

それでもどうにか祭りのときには天気が戻ってきた。

21日の夜は公民館で練習。

22日は公民館でたくさんの青年が狂言などを演じる。
それをおじーたちが鋭い目で審査をして代表者が選ばれた。

23日本番。
御嶽(うたき)前の浜辺で、昔ながらの衣装を着た男女が一列に並び、櫂を持って踊る姿は遠い国の幻のような美しさ。
男女2名からなるトゥーチの太鼓と唄に合わせてゆったりゆったりと櫂を漕ぐ。

男たちの力強さが際立つハーリー(舟漕ぎ競争)では、2隻の舟が激しい競争を繰り広げ、僅差のまま戻ってくるときには大興奮。
大きな声で応援した。

御嶽に移動して、天上天拝(ティンチョーティンパイ)からはじまる狂言の数々、棒術などを披露する。
どれも気合をいれてのぞまないとできない芸ばかりで見ごたえがある。
特に棒術では本物の鎌まで登場して、へたするとケガをする。
まーちゃんは牛追い狂言に選ばれ、棒術では弟と対決した。
練習の時はいまひとつタイミングがあっていなかったので心配したが、当日はうまくいった。

そして、いよいよ噂のミリク行列とオホホの出番。
写真で観てはいたが、実物を見るとその迫力は圧倒的だ。
穏やかな表情の神ミリク様。
躍動的な動きで刺激的なオホホ。
グイグイ引き寄せられて、それしか見えなくなってしまうぐらい集中する。
最後の獅子舞に、近くにいた女の子が頭をカップリと噛まれた。
今年1年とても幸せなことがあるそうだ。
よかったね。

特に今年はラッキーなことに、翌日、25年ぶりの祖納との交流会があった。
西表小中学校の横のラグビー上ぐらいの広さの芝生で、左に祖納、右に干立がカシラを持って合流し、まるで関が原の合戦のよう。
芸の出し合いは、いい意味でのライバル意識がぶつかり合い、それぞれの個性が出ていてとても良かった。

今回は村の人や特に干立青年部から「一致団結」の意味と強さを教わったお祭だった。
干立青年部は勢いをつけながらどんどんまとまっていい力を生み出しているように感じる。
男子も女子もすごくかっこいい。
今後の活躍を心から祈っている。

…と見守りながらも、私の中では、
「自分も青年部の一員となって、みんなと一緒に成長していきたい」
という気持ちがムクムクと育っていた。
一方で、東京で自分が悪戦苦闘して築いてきた仕事への愛着、同僚、友人などから、自分を簡単には切り離せないのも感じていた。
この頃私は、自分の居場所はどこか、これからどんな人生を歩いていくのか、ということを西表島への想いを通して、模索していた。

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「部落清め」というのは、アンガマーで村に帰ってきたおかしな霊が村に残らないように、節(しち)に使うカシラを持ち、ドラをグワァングワァン鳴らしながら、家を一軒ずつ回って追い出すことである。
カシラは7メートルぐらいの長さで相当に重く、男の人が7人ぐらいで横にして持つ。
家人が出てきてお酒をくれると、1人が腰に巻いた縄にカシラをのせて、消防のマトイのようにワッショイワッショイと上げ下ろしをする。

すごく重そうだ…。
みんな汗がふきだしている。
泡盛をくれる家が多いが、冷たいビールがふるまわれると、みんなニッコリ。
でも日差しが強いので、アルコールなど一瞬で飛んでしまいそう。
私もうっかり日焼け止めを塗らずに出てきてしまい、1時間ぐらいついて回ったら、公民館に戻ったころにはすっかりコンガリ。
あーあ、また焼けてしまった。
   
夜はいよいよ「つづみ」。
公民館の前のステージでアンガマーを最初から最後まで通して踊る。
村中の人も観光客も見物にくる。
舞台では島の大人から子供達までたくさん参加して踊った。

この日は「獅子舞」も登場。
干立の獅子舞は、でかくて白い毛がモジャモジャはえている。
風呂敷のような布の獅子舞しか見たことがなかったので、ビックリ。
中には青年が2人入って踊るのだが、腰の高さでずっとしゃがんで暴れまわり、お酒を呑んでひっくり返り、起きあがり、そりゃあもう大変だ。
中身が空っぽになった獅子舞を、子供達が「なーにが入っとるば〜?」と言いながら恐る恐るのぞいているのがすごく可愛いかった。

全員で海へお清め。
三線に合わせて行列して海へ行き、手と足を洗う。
「ご先祖様、来年までさようなら〜。」
みんなでアンガマーにお別れを告げる。

(あー、干立青年部のみんなと一緒に最後までやれてよかった)
という達成感で胸がスーッとして、その後すぐに胸がいっぱいになって、涙がでそうになった。
 
最後のしめは「デンサー節大会」の予選大会。
子供の部から始まって、大人の部では公民館長から指名があった人が唄う。
スナックのカラオケのように気持ちよく歌う人、ママさんコーラスのような人、みんな楽しそうに唄って、いよいよ最後の一人が指名される。
この人の唄は味があった。
奥行きがある、とでも言えばいいのだろうか。
何かが胸に呼び起こされる。
他の人のときはワイワイしていたみんなも静かに聴いている。
そして結局、この人が大人の部の代表に選ばれた。
このあとまた代表を集めた大会に出るそうだ。
その人は「でーじなたん(大変なことになった)。」と、つぶやいていた。


◆アンガマーを終えて
こうして私の初めてのアンガマーは終わった。
干立村のご先祖様たちは楽しんで帰られただろうか?
ご先祖様を大事にすると言うことは、現世の人達が、今生きていることを大事にするということでもあるんだね。
干立村では生と死が境目なくつながっていて、脈々と受け継がれていることを、強く感じた。
老人から青年、そして子供達まで、それぞれの世代の一人一人が大事な人間で、みんなしっかりと生きている。
「生きる力」をたくさんもらった西表での7日間だった。
帰るのが辛い…。

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島の青年が海に連れて行ってくれるという。
しかし、時間敵に干潮で海には水がないことがわかり、川に行くことにした。

大見謝川は、子供達が水遊びをしているようなさらさらの浅瀬から、徐々に上流に上る。
途中から足がつかなくなるので、岩が透けて見えるところを目標に泳ぐ。
なんだか身体が重い、と思ったら、海でばかり泳いでいたので塩水でないと身体が浮かないことを忘れていた。
太陽がカンカンに照っていても川の水は冷たくて、しかも上流に向かって泳ぐから結構力がいる。

必死で泳いでいると、青年が言う。
「たまにハブが水面を泳いでくっからよ〜」
おいおい。
「あーいう岩場はよ、湿っていて絶対ハブがいるさー。でも、いっとこ。」
おいおい。
足場が悪くて木をつかんだら
「おーい、木をさわんねーほうがいーどー。かぶれっからさー。」
「・・・・・・。」

途中で私はかなりヘロヘロ。
しかし青年は気にもとめず、
「ほら!野生の蘭がこんなにいっぱいあるど。」
「あの木にくっついている丸い塊はなーんだ?あれはシロアリの巣ば」
「おおお〜、でっかいエビだ、エビ」
と、たくさん自然のことを説明してくれて、すごくナイスなエコツアーガイドなんだけど、
この時の私は
「あ、ほんとだね。。。」
とつぶやくのが精一杯。

やがて小さな滝が現れたので頭から水をあびた。プハ〜ッ。
岩に足をかけてよじのぼる。

滝の上に腰掛けると、川が見渡せて、すごく気持ちよい。
上流からの水の勢いを背中に感じながらしばらくボーッとした後、帰る。

岩というのはよじ登ったところがそのまま降りられるというわけではないので、飛び降りることになった。
青年から指導。
「飛びこむときは足のつまさきを伸ばすな!」
伸ばすと深く沈んじゃうんだって。
ドッボ〜ン!
思ったより長い時間水の中に沈んでいるような感じで、足をバタバタしたらポコッと川面に顔が出た。

はー、身体で感じるというのはスゴイことだね。
言葉じゃあわかんないよ、この感覚。
子供のころはこんな感じでいっぱい生まれて初めてのことを体験していたなぁ!

最後はかなりへたばっていたけれど、この日の川登りは最高に楽しかった!
ありがとう、島の青年!

今晩のアンガマーは3軒の家を回る。
疲れが足にきている。
最初の家は上原なので車で移動。
全員変装してワゴンに黙って乗っているととても異様な集団で、笑いがこみあげてくる。
私の横には小錦のかぶりものをした子供が座っている。

車から降りた途端、周りの人がギョッとした顔でこっちを見て、指をさしたり、写真を撮ったりする。
外灯のない真っ暗な坂道を上がり、1軒目の家にたどり着くと、親戚や見物人が集まっている。
主要メンバーは居間にあがり、アンガマーは居間からの蛍光灯がもれる暗い軒先で踊る。
きれいな満月がまっ黒の空にポッカリと浮かんでいる。。。

この日のもーあしびは祖納からの若者も合流。
ひさしぶりに島に帰ってきた若者も多かったようで、島の今までのこと、これからのことについて熱く語りあっていた。
私は聞いているだけで胸が熱くなり、(島の青年たち、がんばれ〜)と心でつぶやきながら、意識が遠のいていったのであった。

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アンガマーのよいところは、夜が本番なので昼間は自由に好きなことができるところだ。
午前中は海に行くことにする。

「網取(あみとり)」という初めての場所。
ここは今までシュノーケルをしたなかで、一番おもしろかった。
水が澄んでいて、深いところは水深25メートルぐらいまで見える。
浅いところは珊瑚がびっしりで起伏に富んでいる。
ちょうど魚の食事の時間らしく、色とりどりのたくさんの魚が活発に泳いでいる。
ところどころで体長1メートルぐらいの魚の親分が貫禄たっぷりに泳いでいて、近づくとゆったりと身体をひるがえして、珊瑚のくぼみに消えて行く。

深いほうでシュノーケルしていた人が
「あ!エイだエイ、エイがいる!」
というので慌てて泳いでいくと25メートルぐらい下のほうで、3匹のエイが見えた。
そのうちの2匹には背中に白い点があり、「マダラトビエイ」だとわかる。
エイたちはしばらくクルクル回ってじゃれているかのように遊んだあと、さらに深いところへ泳いで見えなくなった。

しばらくすると今度は
「カメだ、カメ!」
という声がして、慌てていくと、これまた20メートルぐらい下をカメがスーイスイッと泳いでいる。
私もエイやカメと一緒に泳ぎたいなぁ。
素もぐりであそこまで行けないから、次はダイビングしようかな。。。

今夜はアンガマーはない予定だったけれど、
「なに、ない?それじゃあいかん」という島の人の好意で急に1軒回ることになった。
嬉しいなぁ。
だんだん踊るのが楽しくなってきた。
親戚がたくさん集まり、家の人達が楽しそうに見て、喜んでくれるのが嬉しい。

島の先輩達は、「アンガマーというのはコレコレこういうもんじゃ」というお話をしてくれるので、青年部のみんなは1軒ごとに学習、学習である。
人によって違うことを言うので、?の場合も多いけど。

私はもともと13日に帰る予定だったのだが、みんなの話によると13日の夜まで重要な行事があることに気がついた。
最後の日の「つづみ」でお清めをしないと1年間アンガマーにとり憑かれて変なことが起こるというのである。
あーあ、会社の休みはいっぱいいっぱいなのに。
でも、考えに考えて、1日帰りを伸ばすことにした。
飛行機の変更料も高かった。
けれど、私の中では「一度参加したのだから、旧盆の行事をきちんと終えなくてはいけない」という気持ちの方が強くなっていた。

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夕刻から公民館に集合。
いよいよ、アンガマー本番。今夜は2軒回るそうだ。
青年部のみんなも続々と公民館に集まって来て、それぞれの衣装に着替える。
だいたいは公民館が所有している物らしく、古典的な着物なのだけれど色や柄がとてもセンスが良い。
特に「さんぴき」の衣装の白いプリーツスカートはとても綺麗だ。
ウシュマイ(爺)とウンミー(婆)は木彫りの立派なお面をつけるのだが、表情が豊かでちょっと怖い。
他の人は頭に紫帯を巻いて顔を隠す。
私は「南ぬ風」の浴衣を来て、クバの葉っぱを持ち、頭には花笠、サングラスと手ぬぐいで顔を隠して、変装完了。
どうやら「アンガマー」という言葉には「旧盆」と「祖先の霊」という2つの意味があるらしく、私は祖先の霊の役目なので、島の人から「おい、アンガマー」とよく呼ばれた。

みなで行列して家まで歌いながら歩き、家の中にはさんぴき2人、太鼓2人、ウシュマイとウンミー、三線を弾く地方(じかた)が座敷に入る。
まず、ウシュマイとウンミーが踊る。
ウシュマイには杖のような木の棒、ウンミーには水をすくう手酌が各家に用意されていて、それを手に踊る。
この踊りは、(私の解釈では)働き疲れたウシュマイに、通りかかったウンミーがお水をあげて、ありがとうありがとう、という感じである。

踊りが終わると、泡盛やビールがふるまわれ、家の人が、ウンミーとウシュマイに謎かけ問答をする。
今年の問答は例えば
「なぜ、犬はおしっこするとき三本足でするば?」
という問いだった。
うまく切り返すと家の人たちからやんややんやの大喝采が起こる。
ウシュマイがどう答えたのかは聞こえなかったが、私も考えてみた。
「二本足だとあっちこっちに飛んで大変だから。」
どうかな?

私はアンガマー行列の最後について、家の軒先で輪になって踊る役目である。
旧盆の3日間だけ現世に帰って来られる祖先の霊が現世の人たちと一緒にお盆を楽しむ。
あの世から来ているので声は裏返し。
途中、「ヒヤ〜」とか「ハイッ」とか、まぁ仮面ライダーのショッカーに近い感じで高い声で、景気づけをする。
私は最初、裏声で大きな声を出すのに慣れず、後ろで踊る島の青年から花笠をポカポカはたかれた。
そんな簡単に霊になりきれません…。

座敷にあがって横座りをしたら、公民館長から
「おい、アンガマー、それじゃあすぐ男か女かばれんどー。」
とつっこみを入れられ、慌てて正座をすることにしたが、どうも男は女らしく女は男らしくしたほうがよさそうなので、あぐらをかいておいた。

2軒終わって、みんな汗びっしょりになって公民館に戻り、反省会。
「アンガマーはただ騒げばいいんじゃないんだよ、本当の目的は『先祖供養』なんだよ。たった3日間しかこの世に帰ってこられないご先祖様が現世でお盆を楽しめなかったら悲しむよ。ちゃんと意味を考えて踊ろう。」
みんな神妙な顔でうなずく。
ある青年が仏壇にお尻を向けてずっと踊っていたことを注意された。
「ごめん、知らなかったから…。」
と落ち込んでいたら、別の青年が
「気持ちがあれば、大丈夫だよー。大丈夫だって。」
と、そっと言っていた。
みんな黙っていたけれど、聞こえていたと思う。
優しいなぁ。

1日目はアンガマーとはなんぞや、ということがだいたい理解できて終わった。
それにしてもまっ暗やみで、しかもサングラスをかけて踊るとわけがわからなくなり、途中何度もヨロヨロ、汗をびっしょりかいて浴衣はヨレヨレである。
霊になるのも大変だ…。

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