カイロ すこやか

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脳リンパ

201567 THE CAST 編集部より存在しないと言われていた脳と免疫系を直接つなぐ管が発見されたことが報じられました。
そのページから、リンクされていた記事を、スミス志保さんの協力を得て翻訳しました。
なお、本文中の図、写真は削除しています。興味のある方はリンクページを参照下さい。

Scientists Find Vessels ThatConnect Immune System And Brain
免疫系と脳をつなぐ管を発見
翻訳:スミス 志歩
June 3,2015 | by Stephen Luntz

In contradiction to decades of medical education, adirect connection has been reported between the brain and the immune system.Claims this radical always require plenty of testing, even after winningpublication, but this could be big news for research into diseases likemultiple sclerosis (MS) and Alzheimer's.
 
この数十年の医学教育に反して、脳と免疫系は直接につながっているという報告がなされた。このように革新的な主張に対しては常に、論文掲載後であっても多くの実験が必要となるが、多発性硬化症やアルツハイマー病といった疾患の研究においては大きなニュースである。
 
It seems astonishing that, after centuries of dissection,a system of lymphatic vessels could have survived undetected. That, however, isexactly what Professor JonathanKipnis of theUniversity of Virginia claimsin Nature.
 
 あるリンパ系が、何百年も行われてきた解剖で見つかっていなかったとは驚くべきことのように思える。しかし、これこそバージニア大学のJonathan Kipnis教授がNature誌で主張していることなのである。


"It changes entirely the way we perceive theneuro-immune interaction,” says Kipnis. “We always perceived it before as something esotericthat can't be studied. But now we can ask mechanistic questions."
 
「神経−免疫間の相互作用についての考え方を完全に変えてしまいます。」とKipnis教授は語る。「これまでは、観察不能な秘密の作用があると考えてきました。でも、これで我々は機構的な問いを投げかけられるようになったのです。」
 
MS is known to be an example of the immunesystem attacking the brain, althoughthe reasons are poorly understood. The opportunity to study lymphatic vesselsthat link the brain to the immune system could transform our understanding ofhow these attacks occur, and what could stop them. The causes of Alzheimer'sdisease are even morecontroversial, but mayalso have immune system origins, and the authors suggest proteinaccumulation is a result of the vessels failing to do their job.
 
多発性硬化症は免疫系が脳を侵襲する一例として知られているが、その原因はほとんど解明されていない。脳と免疫系を結ぶリンパ管を研究できるということは、こうした侵襲の原因やそれを止める方法についての理解を一変させうる。アルツハイマー病の原因についてはさらに問題が多いが、免疫系が原因ということもありえる、著者らは、たんぱく質の蓄積はこれらのリンパ管が機能していない結果だと提起している。
 
Indeed, Kipnis claims, "We believe that for everyneurological disease that has an immune component to it, these vessels may playa major role.”
 
実際、Kipnis教授は「我々の考えでは、あらゆる神経系の病気には免疫の要素があり、これらのリンパ管は重要な役割を担うかもしれない。」と主張している。
 
The discovery originated when Dr. Antoine Louveau, aresearcher in Kipnis' lab, mounted the membranes that covermouse brains, known as meninges, on a slide. In the dural sinuses,which drain blood from the brain, he noticed linear patterns in the arrangementof immune T-cells. “I called Jony [Kipnis] to the microscope and I said, 'Ithink we have something,'" Louveau recalls.
 
この発見は、Kipnis研究室の研究員Antoine Louveau博士がマウスの脳を覆う膜(髄膜として知られる)をスライドにのせたことに始まる。脳からの血液を流す硬膜静脈洞に、免疫T細胞が線状に並んでいることに気づいたのだ。Louveau博士は、「JonyKipnis)を顕微鏡のところに呼んで言いました。『何かあると思います。』って。」と回想する。
 
Kipnis was skeptical, and now says, "I thought thatthese discoveries ended somewhere around the middle of the last century. Butapparently they have not." Extensive further research convinced him and agroup of co-authors from some of Virginia's most prestigious neuroscienceinstitutes that the vessels are real, they carry whiteblood cells andthey also exist in humans. The network, theyreport, “appears tostart from both eyes and track above the olfactory bulb before aligningadjacent to the sinuses.”
 
Kipnis教授は懐疑的だったが、今は「こうした発見は、前世紀の半ばごろに出尽くしたと思っていました。でも、明らかにそうではないようです。」と言う。教授とバージニア州で第一級の神経科学研究所で働く共著者数名は、広範にさらなる研究を行い、これらの管は実在し、白血球を運ぶもので、人間にも存在することを確信するに至った。このネットワークは「両眼から始まり、嗅球の上を通って静脈洞の横で一列に並ぶようだ。」*脚注と報告されている。
 
Kipnis pays particular credit to colleague Dr. TajieHarris who enabled the team to image the vessels in action on live animals,confirming their function. Louveau also credits the discovery to fixing themeninges to a skullcap before dissecting, rather than the other way around.This, along with the closeness of the network to a blood vessel, is presumablywhy no one has observed it before.
Kipnis教授は、生きた動物で管が機能している様子をチームがイメージ化するのを可能にし、その機能を確認させたとして、同僚であるTajie Harris博士の特別な功績をたたえている。Louveau博士には、解剖前に髄膜を頭蓋冠に固定する(その反対ではなく)方法を発見した功績もある。これが、ネットワークが血管に近接していることとあいまって、おそらく以前に誰にも見つからなかった理由であろう。
The authors say the vessels, “Express all of themolecular hallmarks of lymphatic endothelial cells, are able to carry bothfluid and immune cells from the cerebrospinal fluid, and are connected to thedeep cervical lymph nodes.”
著者らは、このリンパ管が「リンパ管内皮細胞の分子的な特徴のすべてを表しており、脳脊髄液と免疫細胞の液体の両方を運ぶことができ、頸部リンパ節の深部につながっている。」と語っている。
 
The authors add that the network bears many resemblancesto the peripheral lymphatic system, but it “displays certain unique features,”including being “less complex [and] composed of narrower vessels.”
The discovery reinforces findings that immune cells arepresent even withinhealthy brains, a notionthat was doubted until recently.
またこのネットワークは、抹消リンパ系に似ている部分が多いものの、「それほど複雑ではなく、より細い管によって構成されている」などの「独特の特徴を見せている。」とも著者らは言っている。
この発見は、免疫細胞が健康な脳内にも存在するという、最近まで疑われていた考えを補強するもである。
参考
*【両眼から始まり、嗅球の上を通って静脈洞の横で一列に並ぶ】
硬膜静脈洞の中でも、上の記述に該当するであろうと思われる静脈洞に海綿静脈洞がある。頭蓋内静脈の還流は脳脊髄液の流れに重要な役割を持ち、興味深い組織であると考えている。
 
頭蓋骨を通過して、その内側にある静脈洞と、外側にある頭蓋外静脈を連絡交通する静脈を導出静脈という。導出静脈には恒常的に存在するものと変異の多い導出静脈があるが、頭蓋内外の静脈路の側副血行路として重要である。*1頭蓋内と外を結ぶ静脈には様々あり、頭蓋内の静脈圧は、内頚静脈系と外頚静脈系への流れのバランスにより成り立っている。*2
海綿静脈洞と関係する導出静脈には、破裂孔を通過して、海綿静脈洞と翼突筋静脈叢を連絡交通する、破裂孔導出静脈と卵円孔を貫き、海綿静脈洞と翼突筋静脈叢を結合する卵円孔導出静脈がある。*1
海綿静脈洞からの血流は頚静脈孔に流れるだけでなく、卵円孔静脈叢、中硬膜静脈(棘孔)を介して翼突筋静脈叢に至る。海綿静脈洞から上眼窩裂を通り、上眼静脈へと流れる経路もある。*2
眼窩内静脈、特に上眼静脈は顔面・鼻、翼突筋静脈叢、海綿静脈洞と密接な連絡を持つ。*1
  
イメージ 1
イメージ 2


図は臨床のための脳局所解剖学*1より

*1臨床のための脳局所解剖学 宜保浩彦他 中外医学社
*2頭蓋内外を結ぶ静脈系路 阿部彰子 臨床解剖研究会記録 2011


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