「韓国映画」雑記帳

徒然なるままに、「韓国映画」を追いかけながら、多分1023本の感想を綴ってます…

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前回に引き続いてヴィジランテ・ムービーを…コメディエンヌの印象が強いキム・ソナが渾身の演技を見せながらも、何故か60万人程度の集客にとどまった、ヴィジランテ・サスペンスの秀作、「ザ・ファイブ」。

ソウル近郊、パジュ(坡州)。スタジオでは、主婦ウナが真剣な眼差しでドミノを並べている。監督の「レディ、アクション」の声でウナは最初のドミノを倒し、そして、それは美しい木の絵を描き、監督の「OK」の声が響く。スタジオには、夫や娘カヨンも見に来ている。新居では、娘カヨンが縄跳びでダイエットに勤(イソ)しむ傍ら、ウナは新居の木製プレート作りに忙しい。完成したプレートには「幸せな我が家、ソンイル(夫)、カヨン(娘)、ウナ(妻)」と書かれている。繁華街を一人の怪しげな男が歩く。ケバイ化粧のチェヨンの携帯が鳴り、目の前に男が立っている。「小平和(チャグン・ピョンファ)」かとチェヨンが尋ね、料金は前金だ言う。小さな雑貨屋で、ウナが娘カヨンと蜜柑の品定めしていると、男とチェヨンが入ってきてマルボロを注文する。年老いた女主人は未成年には売れないと言うと、チェヨンは男を指さし叔父のだと言う。チェヨンは、カヨンに近づき、自分を見たことを口外するなと脅す。チェヨンはカヨンのピアノ教室の先輩なのだ。怪しい二人は店を出る。とある一室。「小平和」が向かった浴室では、口に札束を突っ込まれたチェヨンが全裸で縛られている。「小平和」は彼女の体を丁寧に物差しで測り、糸鋸で膝の下を切り始め、チェヨンが絶叫する。彼女は生きているのだ。「小平和」は「女は最も美しい生き物だ」と言って、チェヨンの頸を絞める…翌日、ケーキ屋。カヨンは自分の14歳の誕生日にも関わらず母親ウナのケチな買い物に愛想を尽かし、店を出る。信号待ちには「小平和」がいる。カヨンは男に、チェヨンの叔父だと思い近づく。「小平和」は一緒にチェヨンに会いに行こうとカヨンを誘うが、その時ウナが店を出て来て、カヨンを車に乗せ走り去る。「小平和」はその車両番号をしっかり記憶する。その夜、つましいカヨンの誕生日祝いが親子三人で開かれる。しかし、夫婦はお互いの勘違いから娘へのプレゼントすら用意しておらず喧嘩を始め、娘に窘(タシナ)められる始末だ。しかし、ウナから小さな鉄球を受け取ったカヨンがそれをある所に置くと、鉄球が転がりだし、ドミノのように様々なデコレーションを見せていく。行き着いたプレゼントは、欲しがっていたスマホだ。娘の誕生パーティが成功裏に終わり、庭ではソンイルが煙草を吸おうとしており、手元のZippoには「父さん、禁煙」と刻まれている。寝室では、夫婦は妖しい雰囲気だ。しかしその時、家の外では「小平和」が中の様子を窺っている。風呂から出てきたウナは、台所に人の気配を感じるが、時すでに遅く「小平和」はウナにバットを何度も振り下ろす。倒れたウナの眼前には血まみれの夫の姿がある。病院。重症のウナに懸命の治療が施される。治療するのは外科医チョルミンだ。ウナの夫も娘も死亡が確認されたという。外科医チョルミンは入院中の娘ヒョンジュを見舞いに行き、ヒョンジュは新しい運動靴に喜ぶが、まもなく娘は真新しい運動靴に大量に吐血する。外科医チョルミンはウナの臓器移植同意書に見入っている。外科医チョルミンは記者会見でウナが脳死状態だと偽る。ウナの病室では、外科医チョルミンが劇薬を注射しようとするが、気づいたウナはそれをはね除ける…2年後、あのケーキ屋。熱心なキリスト教信者ヘジンに付き添われた車椅子のウナが、ケーキを買い求めている。店を出ると「小平和」に似た男が通りを歩いている。ウナは車椅子で駆け寄り、男にナイフを突き立てようとするが、男は「小平和」ではない。ウナは警察で、いつものパク刑事にまた絞られる。ウナの攻撃的な行動は初めてではないのだ。何度も警察の世話になるウナだが、警察の小言は聞こえない。一方、付き添いの信者ヘジンも、ウナに疎まれている。ウナには、ともかく「小平和」への復讐しかないのだ。ウナは、夫が愛用していたZippoの行方をオークションで探している。やがて「リトルピース(小平和)」と名乗る男が「父さん、禁煙」と刻まれたZippoを出品する。ウナは、ついに、犯人への足掛かりを掴んだのだ。が…

復讐に燃える主婦ウナに、こんなヘビーな役はデビュー作「イエスタディ」以来10年超ぶりと思われる名コメディエンヌの印象が強いキム・ソナ、背筋も凍るシリアル・キラー「小平和」には、アート・コメディ・ホラー何でも来いのイケメン実力派オン・ジュワン、ウナに付き添う熱心なキリスト教信者ヘジンに、韓国女優で最も好きかもしれない演技派パク・ヒョジュ、妻に臓器移植が必要なテホに、肉体派で大好きな芸達者マ・ドンソク、自らの角膜移植が必要なナムチョルに、味わい深い脇役シン・ジョングン、娘に臓器移植が必要な外科医チョルミンに、韓国映画界屈指の出演作品数を誇る名脇役チョン・インギ、母親に臓器移植が必要なチョンハに、すっかり大人の雰囲気になりましたが癖のある役を演らせたら絶品キュートなイ・チョンア、ウナの娘カヨンに、「トガニ」で強烈な被害少女役を演じてから2年今やすっかり思春期少女となったキム・ヒョンス。

個人的には映画として極めて高いクオリティを持ったサスペンス・スリラーだと思いますが、何故100万人超えとかのヒットにならなかったのか不思議です。理由として考えられるのは、渋いながらも派手さのない配役陣、テーマが余りにも非倫理的・反道徳的、などが挙げられるのかもしれません。それでも、サスペンスやアクションの要素も質が高く、車椅子の復讐ヒロイン、犯人、とある事情から結成された復讐チームの人間関係などは緻密に描かれていると思うのですが、ちょっと残念です。特に、復讐チームに『スパイ大作戦』みたいなチームワークがあるわけでもなく、それぞれ己の魂胆があり隙あらばウナを裏切る、そんな危うさを秘めている辺りは、良く練られたシナリオだと感じます。ただ、映画としてはそうかもしれませんが、やはり、人によっては許しがたいくらいに非倫理的・反道徳的であることは否めないでしょう。役者はみんな絶品で、文句のつけようがありません。それぞれに癖のある俳優たちですが、その個性を存分に発揮していると云えるでしょう。敢えて挙げれば、助演に回った二人の女優パク・ヒョジュとイ・チョンアでしょうか。パク・ヒョジュは、お節介で敬虔なキリスト教信者の押しかけ付添人として、ウナに疎まれつつ時にコミカルな演技を見せ絶品ですし、イ・チョンアも、利己的な思いに揺れる危うさを見事に演じて好感です。

冷静に考えれば、こんな物語が倫理的・道徳的に許されるか、はなはだ疑問ですが、原作が劇画であって、そのデフォルメされた作劇法は魅力ある映画として充分に活かされている、と云うしかありません。良識が許さない、と声を荒らげる観客も少なくないような気もしますが、機会があれば、試してみる価値はあるかもしれません。

余談です。大好きなパク・ヒョジュ演じる付添人ヘジンが、ウナとの夕食でワインのコルクを抜くシーンがあります。彼女は、履いていた靴を脱ぎ、その靴にワインの底を入れ靴ごと何度も壁に叩きつけ、浮き上がったコルクを口で抜くんです。果たしてこんな乱暴な方法でワインのコルクが抜けるのか、試してみることも出来ず、結構、もやもやしてたりします。

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