全体表示

[ リスト ]

ニューヨーク・タイムズ(4月2日付)はイラクの現状について、「支援するのも恥ずべき国になりつつある」と報じている。フセイン政権崩壊から3年が経過する中で、依然、利益集団の帰属意識に縛られ、国家統合と国民意識の形成が遅れている。さらに、同月9日付ニューヨーク・タイムズは、在イラク米大使館の内部報告として、イラクの18州のうち6州は情勢不安、1州は危機的状況にあると報じている。
通常、武力行使(平和強制)後、紛争の再発防止のため武力に守られた平和維持活動が2〜3年実施されている。この間、法の統治の確立や選挙などを経て、国づくりを軌道に乗せていく。しかし、現実は、紛争が再発するなど平和構築はなかなか難しい。その例として、平和強制後のボスニアでは、96年9月の国政・地方選挙を機に国際社会の撤退が予定されていたが、選挙の結果、民族主義強硬派政党が大勝したため撤退を見合わせるとともに、主権移譲を行わず、上級代表のポストを設置し、現在でも平和構築の責任を担っている(ただし、2002年2月28日に国際社会は国際介入の年限を7〜8年とすることを決めている)。このように利益集団間に相互不信が強い場合、選挙によって、国民意識の形成が図られるよりも、かえって対立の溝を深める場合も見られている。
イラクもボスニアと同様の課程を辿っているのかもしれない。またイラクでは、外国勢力の介入(イラン、スンニー派外国人過激派)が相互不信に拍車をかけ、安定化を遅らせる要因となっている。スンニー派外国人過激派については、イラクでのアルカイダの政治およぶ軍事的リーダーであったザルカウィーが降格され、バグダーディーが政治部門の地位を引き継いだとの報道があるが、依然、自爆テロ等の軍事的行動を展開し、宗派対立から内戦を誘導しようとしている。一方、イランは、シーア派のイラク・イスラム革命最高評議会(イランの革命防衛隊との関係)や、ムクタダ・サドル(イランの宗教界との関係)、ダウア党(ジャアファリ自身がイランに亡命)等との強いつながりを持っており、鵜匠のように各派を操ることができる状況もある。先月26日のモスクでの米軍とサドル派マフディー軍の銃撃戦や、米国のジャアファリ氏に対する首相候補辞退要請等により、イラクにおいてシーア派の中に反米ムードが高まっているが、その背景には、イランの核開発をめぐる米・イラン間の緊張もある。
今後のイラクを見る上では、やはり、宗教界が政治との距離を置くことを提唱してきたイラクのシーア派の本流を支える大アヤトラ・シスターニ師の動向が焦点になると思われる。シスターニ師の恩師である大アヤトラ・ホイ師(故人)は、同師のおとうと弟子であったホメイニ師がイラン革命で作り上げた最高指導者(宗教家がその地位に就く)には否定的であり、イランと距離をおいていた。果たして、故ホイ師の意思は、イラクのシーア派で生き続けるのだろうか。

☆「複眼で見る中東報道」(http://cigvi.exblog.jp)もお読みいただければ幸いです。

閉じる コメント(2)

顔アイコン

イラクの民主化を目指した アメリカの意図は 外れたのでしょうか、中東は以前 フランスに対して親密にしており、アメリカに対しては敵対意識しか 持ち遭わせていないでしょう、それに イスラム宗教各派が 互いに 相容れず ますます アメリカの意図から外れてきています、

2006/4/10(月) 午前 0:12 [ 建築や ]

顔アイコン

今後は 内部勢力争いが つづき 一体 誰がこれらを纏めるのかと 懸念するばかりです、まして その内 イランまで 巻き込むのは 必至でしょう ますます 混乱すると 思いますが これが アメリカの目指した事なのか・・・?? その眠っている資源 誰が ゲットするのか

2006/4/10(月) 午前 0:14 [ 建築や ]

開く トラックバック(1)


.
cigvi2006
cigvi2006
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事