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5月1日付香港紙「東方日報」は、中国の広東省で川に窒素化合物などの汚染物質が流れ、魚、家畜の中毒死、さらに周辺住民約4万人の飲み水にも影響が出たと報じた。中国は、1979年には環境保護法を制定し、環境問題に対する啓蒙活動を行っているが、近年、工場廃水に汚染物質が混入する環境汚染が多発しているとの報道がある。このような経済・社会発展にともなう環境対策・環境教育の遅れについて、4月17日、温家宝首相も全国環境保護大会で危機意識を表明している。
5月1日は、日本の公害病の一つである水俣病が50年前に公式発見された日でもある。水俣病は、工場がメチル水銀を含んだ廃液を十分な汚染処理をせず、長期に海に流出させたことが原因である。そのため、水俣市付近(熊本県)の海域が汚染され、そこに生息していた魚介類に生態濃縮が見られ、それを長期摂取した住民が水銀中毒となった。この発病と工場廃水の因果関係は、当初、企業も行政も否定的で、風土病とのうわさも流れたが、1968年にようやく政府もこれを認めた。そして、この間の対応の遅れについて、2004年10月、最高裁判所は政府に責任があるとの判定を下した。
このような汚染物質が長期に川や海に流出することで、公害病を起こした事例はアマゾン川流域で1990年代に確認されている。現在、公害問題は水質汚染の他、大気汚染が注目されはじめている。世界銀行や米コロンビア大学、大阪府立大学の調査で、硫黄酸化物や窒素酸化物が大気汚染物質として確認されている。特に、中国の経済成長にともない、二酸化炭素や二酸化硫黄の排出が増加していることが懸念されている。
では、中国の環境行政は十分に機能しているのだろうか。この点では、外貨準備高が8536億ドルで世界第一位の数字が示すように、経済振興が優先であり、環境行政は立ち遅れ気味である。この点では、水俣病をはじめ多くの公害を発生させた日本の高度成長期に近似している。当時の日本では国土開発が優先され、環境破壊が公然と行われ、経済成長のもとで、安全・安心基準がおろそかになることも、しばしば見られていた。中国は貯めすぎた外貨準備高によって生じる国内投資の過熱を防止するため、本年4月より一部の分野で(銀行、証券、保険会社)海外投資を行うことを初めて認めた。しかし、これらの資金の一部を公害対策の国内投資に振り向けることはできないだろうか。
黄砂は中国のみではなく、韓国や日本でも被害が拡大している。その黄砂の中には有害物質が含まれているとの懸念も出はじめている。また、昨年の11月の化学工場爆発により、松花江に流出したベンゼンがアムール川から雪解けとともに海に流れ出し、北海道水域の魚介類にも影響を与えるのではないかとの報道もある。環境問題では、世界基準での対応が求められる。また、国際協力による具体的な対応が実施されることもある。しかし、基本は、個人の高い倫理観と対応能力、それに支えられた行政システムである。このような観点を踏まえて、東アジア諸国が一つになって中国の人々や政府とともに環境対策づくりに取組むことが急務なのかもしれない。
☆「複眼で見る中東報道」(http://cigvi.exblog.jp)もお読みいただければ幸いです。
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環境に国境は無く、汚染に壁は無い、
環境汚染の問題は、人人の健康を損ない、生活を破壊する事です。
対策に乗り出す事は人類として、当然な事で、中国で起きたから、
中国、日本は日本というようなばらばらの問題ではない、
急務なのかもしれないではなく、 急務である。
理論は、出尽くしている、環境汚染はしてはいけない事である。
このためには、国境を越えて、市民が団結し、行動を起こさなくてはならない、
二十年近くかかっても、政治家や指導者は、今もって、深刻な事態に
環境問題は進んでいる、 市民の力が必要な時代に入ったのである。
2008/1/21(月) 午前 11:31 [ taki ]