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ブレア政権の評価

フランス大統領選挙、ロシアの大統領選挙、米国の大統領選挙など、今年から来年にかけては、国際社会の今後5年間の方向が決まる選挙が目白押しである。日本でも参議院選挙がある。米国では、大統領選挙の1年半も前に公開討論会が実施されるという異常な状況となっている。このため、選挙資金力の差が選挙結果にこれまで以上に大きな影響を及ぼすことになっている。選挙にかかわる問題では、日本でも一票の格差問題などがある。
さらに近年、マスメディアが選挙に良くも悪くも一層大きな影響を及ぼすようになっている。しかし、民主主義が根付いている社会では、その国民はメディアの論調よりも、自らの政策評価によって選挙行動をとることが多いようだ。今回の英国での統一地方選挙(5月3日)もその一例であろう。選挙前、マスメディアがブレア首相をたたいていることから、労働党の大敗が予想されていたが(4月27日付デイリー・テレグラフの世論調査では、保守党37%、労働党32%、自由民主党18%と報じている)、大都市部で支持を失い後退しているものの、保守拮抗を保っている。確かに、ブレア政権が米国とともにイラクへの武装介入を行ったことで、同政権の国民的人気は急落していった。しかし、同政権が、“社会の公正”か“経済の繁栄”か、という二者択一から抜け出し、(ギデンス博士の助言などにより)「第三の道」を模索したことが英国の地方生活者の支持を得てきたことを物語っているように思われる。
5月9日の党首討論で、保守党のキャメロン党首がブレア政権を「生きるしかばねのような政府」と揶揄し、マスメディアの中には、それを大きく取り上げたものもある。しかし、同政権は、北アイルランド紛争を和平に導いたように、粘り強さを失わなかった面があった。さらに、同政権が課題としていたアフリカ問題、中東和平問題、地球温暖化問題などを協議できる場である主要国首脳会議が6月6日〜8日にドイツで開催される。同サミットは6月27日に辞任するブレア首相の花道となるだろう。
また、ここ最近、英国の保守系メディアでは、ブレア政権に対する厳しい批判を流し、同政権の10年間を否定するような報道が主流である。しかし、グローバル化が急速に進む国際社会の中で、外国からの直接投資を増加させ、失業率を5%台にまで下げ、英国経済をほぼ安定させたことは評価できる。また、国民医療サービス(NHS)や、教育面での改革を行っており、この点からも評価できるだろう。ブレア政権は国民的人気を失い、任期半ばで後任に道を譲ることとなった。しかし、サッチャー政権の新自由経済を踏まえ、民主化を進化させた同政権の功績は大きかったといえるだろう。

閉じる コメント(3)

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要点を得ていてよくわかる記事ですね。日本のマスコミを見ていると、世界の様子がまったくわからないので困ります。これからも、適切な情報発信を頑張ってください。

2007/5/11(金) 午前 10:15 イソップ

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わかりやすい記事で勉強になります。傑作○

2007/5/12(土) 午後 3:03 [ 日隈玄斎 ]

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ブレア首相の対米政策という観点だけ取り上げれば、いくつかの問題点があるかもしれません。しかし、現時点での同政権の各政策は、その目的、実施方法、成果、改善などの項目から評価されるべきです。その総体をもって、ブレア首相の実績評価とされるべきでしょう。ただし、この評価は時間の経過とともに変化するものです(歴史評価)。評価というものの認識は、難しいものですね。

2007/5/12(土) 午後 8:58 [ cigvi2006 ]

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