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6月29日未明のロンドンでのテロ未遂事件が起きた。6月24日の「新イーグル・フライ」(エフピーネットが電子メールで発信する会員制情報)の拙稿で、現在の中東情勢から今後予想される出来事として大規模な無差別国際テロ(特にドイツ、イギリス、エジプトなど)が起きると分析したが、今回、それが現実のものとなる恐れがあった。そこで、この「新イーグル・フライ」での分析の観点を以下に紹介する。
第1は、パレスチナのハマスの行動である。 日本や欧米メディアでは、“ハマスの事実上のガザ・クーデター”だと報じ、国際社会としてもハマスのガザ制圧後、対抗勢力となったアッバース大統領が掌握している地域(西岸地区)への支援や非常事態内閣(ファイヤド内閣)への支持が趨勢としてある。一方、アラブのメディアの中には、欧米は2006年1月のパレスチナ評議会選挙に勝利して成立したハマス政権を認めず(米国などはハマスをテロ組織と認識)、ガザのパレスチナの人々を生活苦に追いやった。そしてパレスチナ解放を謳うハマス政権を打倒する準備をしてきた。この状況に耐えられなくなったハマスがやむなく軍事行動をとったのだと報じるメディアもある(アルクッズ紙など)。こうした「欧米」対「パレスチナ・アラブ・イスラム」という対立構図を描き、加害者と被害者の関係を想起させる報道に接し、イスラム教徒の一部には「イスラム共同体(ウンマ)」(仮想空間)への侵略に対する防衛戦(ジハード、聖戦)の必要性を意識する者も少なくないだろう。 現在のところ、ロンドンでの自動車爆弾テロ未遂事件の犯人は監視カメラで捕らえられてはいるものの、その人物像は不明である。仮に、多くのメディアが報じているようにイスラム過激派(英国内のテロ・ネットワーク関連組織は推定260との報道もある)の犯行であるならば、このようなパレスチナ情勢が動機の一つとして影響したとも考えられる。6月25日にパレスチナ問題に言及し、世界の全てのムジャヒディン(イスラム戦士)の団結を謳った、アルカイダNo.2のザワヒリ副官のビデオがウェブサイトに流れたことにも、注目しておきたい。 第2の観点は、国際テロリストの拡散状況である。 昨日のブログでも言及したが、イラクでの米軍・イラク軍の掃討作戦はあるカイダ系組織に被害を与えており、戦闘員が各地に散って、一時的に攻撃をやり過ごす戦術を取り始めているようである(マリキ・イラク首相も27日にこの点に言及。彼らは米軍の一部撤退にあわせてまたイラクにもどる可能性もある)。また、3週間ほど前、パキスタンでテロ訓練を終えた50〜60人のテロリストがイギリス、ドイツ、カナダに派遣される様子がインターネット上で放映されたことが国際メディアでも報じられている。こうして、イラクやアフガニスタンでテロ攻撃のノウハウを身につけた武装勢力が、これまで以上に中東や欧米各国に流入し、欧米(および欧米と繋がっている中東も含めた諸国の政権)との戦いを拡大させる可能性が高まっている。 第3の観点は、インターネット上で爆弾製造方法が容易に入手できる環境である。その威力はイラクで実証済みである。 さて、今のところ、ロンドン警察は犯人についてのコメントを避けている。報道によると、爆破対象はナイト・クラブ「タイガー・タイガー」を含むピカデリー・サーカス周辺の観光スポットと見られている。さらに、その計画内容は2004年8月に身柄拘束されたディレン・バロット(英国籍、イスラム教徒改宗者)が過去、作成したテロ計画(大量のガソリンとプロパンガスを使用した自動車爆弾テロ)に類似している。そのことのみで、イスラム過激派(アルカイダ関連)の犯行と断定することは危険である。今後、監視カメラの分析や犯行に使われた車や車内の遺留品、DNA鑑定などさまざまな手法による犯人割り出しが進められるだろう。 イギリスでは200人以上の人物を監視下に置き、英国情報局保安部(MI5)が7.7同時テロ事件以降30以上のテロを未然に防止してきている。しかしその中でも、今回の計画は把握できていなかったという。未然に防げたのは偶然が重なったためだと報じられている。この現実を前に、国際社会はテロとの戦いの意味を改めて認識しなおすべきではないだろうか。 |
安全保障問題
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すごいですね!怖いですねー真剣にテロとはなにかなぜ起こるのか起こすのか!!日本では若者から中年層の人までが、危機感をもっと受け止めるように
チャラチャラしないで一人一人が注意しよう。
2007/7/7(土) 午後 7:17 [ ank*r*bia*o ]