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7月4日、アルカイダNo.2のザワヒリ副官の「不安なる者の助言 The Advice of One Concerned」と題するビデオ(約95分)がウェブサイトに掲載された(参考:SITE Instituteのウェブサイトhttp://www.siteinstitute.org/ )。ザワヒリ副官は、同ビデオで「アラーの同意と意思により、勝利の新たな吉兆が見え始めている。・・・・敵は敗北への道が見え始めているにもかかわらず、できる限り敗北を遅らせようとしている」(7月5日付CNN日本語電子版引用)として、若者にアフガニスタンとイラクでの聖戦への参加を呼びかけている。また、同副官は、それに先立つ6月25日、パレスチナのハマスによるガザ地区制圧を支持し、ムジャヒディン(聖戦の戦士)への攻撃に、エジプト人、サウジ人が加わろうとしているので、それに備えるよう呼びかけている。
このように短期間に2つのザワヒリ副官のメッセージがイスラム世界に向けて流されたことで、次のことが分析、確認できる。
1.ザワヒリ副官は、ハマスが選挙を通してパレスチナ自治政府に参加したことには批判的であった。しかし、今回のビデオではハマス支持を呼びかけた。このことで、同副官は世俗的なパレスチナ解放やイスラエルとの交渉を完全に否定していることが分かる。
2.6月25日のビデオでは、レバノン北部のパレスチナ難民キャンプ(ナフル・バーリド)でレバノン軍との戦闘を行っているファタハ・イスラムへの支持の呼びかけがなかった。このことで、アルカイダに対する臣従の誓いを行っているファタハ・イスラムとの距離が分かる(ファタハ・イスラムがウェブサイトで不満表明)。
3.イギリスのイスラム過激派グループのテロ未遂事件、空港襲撃およびパキスタンのイスラム新学校の立てこもり事件への言及がない。このことで、“アラブ世界”の出来事に意識の中心があることが分かる。なお、この2本のビデオの制作は「イラク・イスラム国家」のビデオ部門によるものと報道されている。
最近の国際社会でのイスラム過激派の行動や事件とザワヒリ副官のビデオを踏まえると、国際テロ組織「アルカイダ」は組織というよりも象徴的存在であり、その思想を汲んで、国際社会の各地でイスラム抵抗運動グループが活動していると考えられる。
7月5日、バグダードでは結婚式の会場(記念写真撮影中)に自動車爆弾テロが起きた(死者18人)。この小さな幸せを求める人々さえ、国際社会は守ることができていない。現在「テロとの戦い」において、ザワヒリ副官がビデオで「敗北の道が見え始めている」と語った状況にあることを完全には否定できない状況にある。だからこそ、アフガニスタンやイラク、そしてパレスチナをテロの温床としないように平和構築の努力や国の復興への支援を続ける必要があると考える。

☆「複眼で見る中東報道」を更新しました。 http://cigvi.exblog.jp/

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