|
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は、新潟県中越沖地震で50以上の異常がでる被害を受けた。今回の被害状況への国際的関心は高く、国際原子力機関(IAEA)も原子力安全対策の教訓として専門家を派遣する意向を示している。この件はアラブのメディアでも取り上げられた。
柏崎刈羽原発は7基の原子炉を有している。東京電力はこの夏は2基の定期補修を行い、残りの5基でこの夏の電力需要に対応する予定であったと報じられている。天候にもよるが、5基体制では夏の電力事情は厳しくなるだろうとの予想がなされていた。したがって、今回、7基が停止されることになったことで、たとえ若干涼しい日が続いたとしても関東圏の電力供給に障害が生じる可能性は大きい。 7月19日付アラブ・ニュース電子版は論説で「原発を地震活動がある地域に建設することは道理に反する」と述べ、地震地帯があるイランの原子力開発にも触れながら、その安全性を否定する意見を展開している。しかし、アラブ・ニュースが地震国での原子炉開発停止を主張する理由は、単に安全面への危惧だけではなさそうである。世界各地で原発の建設が広がりを見せる中、日本の原発技術を否定することで、国際エネルギー供給における原子力開発の推進を阻止したいとの意識が働いているのではないだろうか。また、日本が柏崎刈羽原発に代るエネルギー供給補充のために、石炭、ガス、原油購入を進めれば、原油価格にも影響が出る。OPECの戦略は、可採年数が40年と見積もられる中で、エネルギー内の原油のシェアを維持し、代替エネルギー開発が起きぬ程度の高価格原油を維持することである。 さて、電力需給や産油国メディアの思惑も重要であるが、今回、国際社会からも疑問視された安全対策については、柏崎刈羽原発のみならず日本の原子力発電所の耐震基準を見直す必要があるのではないだろうか。報じられているように、中越沖地震のマグニチュード(M)は6.8で(阪神淡路大震災はM6.9)、柏崎刈羽原発はM6.5の耐か掛かったと伝えられている。国際社会での、日本の技術や危機管理能力について信頼度を落としたことは確かだろう。これは役員の辞任のみで挽回できることではない。早急に、国内55の原子力関連施設の耐震性を含む安全性と危機管理体制を再確認し、それを国内外に広報する必要があるといえるだろう。 |
エネルギー問題
[ リスト ]




