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7月20日、アフガニスタンのタリバン関係者と名乗る人物がAP通信社などに、韓国人のボランティア関係者約20人(13日にアフガンに入り23日に帰国予定であった)の身柄拘束を伝えるとともに、その解放条件として、アフガン駐留韓国軍(約210人)の撤退を要求した。さらに翌日、同等数の収監中のタリバン兵との交換も要求してきた。この条件を、韓国やアフガニスタンのカルザイ政権が受け入れない場合は、拘束者を1人ずつ殺害すると警告した。
このボランティア・グループは、アフガニスタンの医療や教育支援のために活動を行っているキリスト教系NGOの若者たちである。韓国政府もアフガニスタンへの渡航制限を行っているが、これを無視した行動であったようだ(21日には渡航禁止国に指定)。日本の場合同様、韓国は自国民の保護のために努力するだろうが、相手側の解放条件が高すぎるように思える。このため、韓国側は仲介者を通し、身代金交渉に入る可能性がある。仮に、こうした交渉が進むと、イラクでのように、身代金ビジネスが成立する。その結果、アフガニスタンの復興支援にかかわる人々の身の安全が一層脅かされることになる。 国際協力を行う上で、目的を達成する手段の選択や、実施計画作りを行う際の情報収集能力不足と分析力不足は、しばしば致命的な結果を招いている。今回の事件の解決には、国際社会ができるだけ協力し、広範囲に情報収集を行い、韓国の交渉チームを支援することが重要である(ロイター通信によると、22日にアフガニスタンの国防省はアフガン軍と国際部隊が合同作戦を開始)。「助け合い」の気持ちでアフガン入りした若者たちに対し、こうした行為を行う犯行組織に怒りを覚えるが、その一方、国際協力学で必ず指摘される「できることの限界を知る」ことがいかに重要かを示す事例が、また一つ増えたことが残念である。 イラクでの陸上自衛隊の撤退から約1年、この国際協力が国際社会の多くの賞賛を受けたのは、自らの限界を知り、無理をしなかったからでもある。しかし、イラクの治安状況が改善されぬまま航空自衛隊の空輸活動は継続されている。むしろ、空自の活動は危険度を増してきている。その活動に無理はないのだろうか。この6月、国会で「イラク復興支援特別措置法」が改正されている。この際、何が判断材料となって活動の延長が決められたのだろうか。また、情勢の変化に即して、実施内容の改善システムは機能しているのだろうか。こうした点に疑問が残る。さらに、陸上自衛隊によるアフガニスタン、スーダン国内での平和維持活動への参加検討も政府関係者から耳にすることがある。国内法の問題に加え、ようやく体制整備(3月に国際活動教育対が発足)が始まった段階である。たとえ諸外国の要請があったとしても、自国の限界を見極め、それを超えぬ冷静な判断が必要だといえる。 |
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こんばんわ、昨日からこの事件の動向が気になりました。
この記事も非常に分かり易く・重要な事が書いてあるので、又トラックバックさせて下さい。
2007/7/23(月) 午後 10:11 [ - ]