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10月19日、米銀行大手の業績悪化が発表され、ニューヨーク株式市場の終値は今年3番目の366.94ドル安の下げ幅となった。一方、原油価格は1バレル90ドル台を突破した。株式と共にドルも売られ、投機資金は金や原油などの先物取引市場に流入している。このまま米国経済が鈍化し続けると、“強いドル”が維持できなくなり、米国の輸入量は減少し、来年度の経済成長率は1.9%程度になるとの予想もある。果たして、このような経済の動向に、国際社会は対応できるのだろうか。
輸出主導の経済構造である日本にとって、米国市場の冷え込みの影響は大きい。しかし、中国、インドとの経済相互依存関係を深めることや、技術革新で対応していけるのではないかとの見方もある。EUも、19日に採択された「リスボン条約」で欧州統合をさらに深化させ、経済メリットを生む体制を構築しつつある。 これに対し、中東産油諸国はどうであろうか。これらの国々の多くが原油取引をドル建てで行っているため、ドルが弱まると、他の通貨で換算すると、原油価格の小幅上昇では実質的には利益が減少する場合も出てきている。また、これら産油国では、資産の一部が米国債や米企業株式で形成されており、この部分でも目減りしていることになる。このような状況を嫌い、中東諸国の一部ではすでにユーロをはじめ他の通貨との決算を行い始めている。このドル離れが、米国経済の鈍化に拍車をかけるという悪循環に入りつつある。 10月20日の先進国財相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明では、サブプライムローン問題の解決に関する具体的対応策が示されず、各国の改善状況を見守ることになった。これにより、“強いドル”への期待が小さくなることも考えられる。 こうしてみると、国際経済を米国が牽引していた時代が終わりを迎えつつあるようだ。そして今後、米国は、これまでのように大幅な財政赤字を出しながらテロとの戦いの戦費を拡大することができなくなるとも考えられる。国際社会の構図がまた変化するのかもしれない |
米国を見る目
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ユーロが出来て以来、ドルが枢軸通貨から転落するのは時間の問題であったと思うのですが、また世界は単一通貨に移行するのは歴史的必然性と考えますがいかがですか。
2007/10/25(木) 午後 2:13
EUに見られるように、統一通貨の問題は国民国家としての各国の経済政策に影響しますね。サブプライムローン問題をはじめ、国際経済ではこれまで以上に多面的に経済危機が発生する要因が増加しています。リスクマネジメントの観点から見れば、複数の基軸通貨が存在していた方が柔軟な対応ができるのではないでしょうか。
2007/11/11(日) 午後 2:30 [ cigvi2006 ]